<フラワーセンター大船のイチョウ>
紅葉の鎌倉;天神山・フラワーセンター大船・龍宝寺・谷戸池周遊
(単独散策)
2015年11月27日(金) 晴
<ルート地図>
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<中央公園から天神山へ>
■ウキウキするような良い天気
このところ冴えない天気ばかり続いているが,今日は久々にウキウキするような良い天気である.ちょっと風が強いが…
正直,私はこのところ多忙である.でも,こんな素晴らしい天気の日に,家に籠もっているなんて,到底無理である.それに私のモットーは,
”今日やらなくても良いことは,明日やることにしよう…”
という怠惰なものである.少なくとも定年退職後は,このモーとーを遵守(?)してきた.
“ならば出掛けよう…”
勿論,出掛けるときは,どこへ行こうなんて全く決めていない.行き先なんて…オレの悪しき聞いてくれである.ただ,今日は天気が良いから,長時間,飛んでもないところへ行ってしまうかもしれないので,多少のお金を持った上で,運動靴を履いて家を出発する.
好都合なことに,同居人は川崎に用事があるとかで,朝食もそこそこに出掛けてしまった.帰りは午後になるとのことなので,私も,これ幸いと,昼食は外のどこかで食べることにする.
”さてと…何処を歩こうか”
■鎌倉中央公園
私は,軽装のまま,家を飛び出す.
“まあ,取りあえずは中央公園だ…公園の中を歩いている内にどこへいくか決めよう”
10時37分,何時もの通り,鎌倉中央公園清水塚口を出発点として歩き出す.まずは公園内を縦走して山崎口方面に向かう.
今日は少々風が強いが,久々の素晴らしい天気である.平日にもかかわらず園内を散策している人の数が多いようである.
園内の秋の気配もようや深まってきたようである.
10時45分,山崎口から公園の外に出る.
<鎌倉中央公園の紅葉>
<北野神社>
■北野神社参道を登る
山崎の集落を通って,10時58分,バス停山崎の交差点に到着する.ここあたりに宝積寺があったと言われるところである.
交差点近くのコンビニに入って,昼食用のオニギリでも買おうかと思ったが,これからどこへ行くか解らないのに,なまじっか色々買っても仕方がないなと思い直す.でも,喉が渇くと辛いので550ミリリットル入ったお茶のペットボトルだけを購入する.
”はてさて…どこを廻ろうか”
我ながら実に呑気なものである.年金もらいながら,こんなにブラブラしていて良いのかしらと自分が恥ずかしくなる.
成り行きで,交差点を渡って,天神山の山裾沿いの道を歩く.歩きながら,久々にフラワーセンター大船でも覗いてみようかと,ボンヤリ思い始める.
11時01分,北野神社参道入口に到着する.ここは天神山の登山口でもある.
”フラワーセンターも良いが,そうだ!…ついてに北野神社をお参りしようかな”
そうは言っても,天神山山頂近くにある神社まで,急で,長~い,長~い石段を登らなければならない.下から石段を見上げただけで,
”どうしよう…”
躊躇する私を,私の心の中に巣喰っているもう一人の私が,
”このへなちょこめ! こんな階段登れなくて,どうするんだ!”
と私をこっぴどく叱る.私は背中を押されるようにして,長い石段を登る.
<北野神社参道入口> <長くて急な石段>
■北野神社
長い階段を,ヒーヒー言いながらやっとこさっとこ登って,11時05分,北野神社に到着する.
何時もの癖で,北野神社の由来など,ひとくさり書きたいところだが,今日のテーマは釜か裏の紅葉である.
シンキックサイ神社の解説など止めにしておこう.
境内には全く人の気配はない.静まり返っている…と言いたいところだが,神社に向かって右手下から,電車の音,自動車の音など,絶えず沿うオウンが聞こえてくる.
<北野神社>
<天神山徘徊>
■天神山山頂
折角ここまで登ったのだから…と言うわけで,北野神社裏手に位置している天神山山頂まで登ることにする.
神社に向かって右手に踏み跡道のような山道が山頂に向かって延びている.この道を登って,11時06分,天神山山頂(標高約65メートル)に到着する.
山頂を示す標識のようなものは一切ない.
山頂には立派な大木が生えている.蝕部のことは全く分からない私には木の名前は分からない.木の下には人の身の丈ぐらいの笹がビッシリと繁茂している.
<天神山山頂>
■深い藪を掻き分けて四国八十八箇所遺構へ
山頂に到着した私は.
”そういえば,この辺りに四国八夕は過ヶ所巡りの石碑がたくさんあったな…”
と余計なことを思い出す.
”今日は一人だ…! それにヤブ蚊ももう居ないぞ…このチャンスを逃したら,何時拝めるか分からないな…”
…と,言うわけで,遺構の片鱗だけでも見て,往路を引き返そうと思う.
天神山山頂から尾根沿いに踏み跡があるようなないような…身の丈ほどの笹を掻き分けながら,先へ進む.ただ,私が歩いたところが,ひょっとして私有地に入ってしまったかもしれないので,何処を通ったかは冒頭の地図でも隠してある.また,何処を歩いたかの記述は省略する.
下の写真はこの辺りに散乱する遺構の一部である.『かまくら子ども風土記』(p.253)によれば,これらの石仏石塔は明治時代に作られたものとのことである.
なお,下の写真は,ここにある石仏石塔の一部である.
<散乱する四国八十八ヶ所巡りの石仏石塔>
<山崎跨線橋>
■跨線橋脇の紅葉
四苦八苦して,天神山から大きな工場の側に下山する.そして源頼朝の隠し湯があった辺りを経由して,11時45分,山崎跨線橋入口の三差路に到着する.
ここでまた迷う.
このまま大船駅へ向かって歩くか,それとも折角だからフラワーセンターに立ち寄ろうか?
こんなとき,私の頭はブレーキかが利かなくなる.実は明日土曜日は塔ノ岳に登るつもりである.そして明後日は,終日,山仲間の鎌倉案内のスケジュールが入っている.だから,今日のお散歩は軽めにしておいた方が良い…と,私は思う.
ところが,皮肉なことに,もう一人の私が待たしても茶々を入れる.
”お前さん,明日,本当に塔ノ岳へ出掛けるの…? また,何だかんだと屁理屈付けて,どうせ行かないんだろう…ん,だったらフラワーセンターへ行けばいいじゃないか…!”
私はもう一人の私の言い分に従うことにする.でも,私は”明日絶対に塔ノ岳に出掛けるぞ”と心に決める.
私は三差路を左折して,山崎跨線橋を渡る. 私はデジカメを構えながら,跨線橋を渡る.
<跨線橋脇の紅葉>
■跨線橋から
跨線橋を渡りながら,私は,跨線橋を渡っている間に東海道本線の電車を見る確率はどのくらいだろうと,またもや余計なことを考える.
”今の時間帯は,平均して上下とも平均して6~7分に1本の電車が通っているな…だとすれば3~4分の間に電車は確実に通るな…”
ところがどうしたことか,1本の電車にも会わずに,11時50分,跨線橋を渡りきってしまう.
跨線橋の一番高いところから,遠く丹沢らしい山が見える.丹沢が見えるなんて珍しい…今日は空気がとても良く清んでいる,
<跨線橋の上から丹沢(?)が見える>
<フラワーセンター大船>
■イチョウの紅葉が見事
11時57分,フラワーセンター大船に到着する.私ごとき年配者の入園料は100円,とても助かる.もっとも数年前までは福寿手帳を受付で提示すれば入場料はタダだった.まあいいや…
園内のイチョウの紅葉が見頃である.花時計との対比が美しい.
<フラワーセンターのイチョウが見頃>
■まずは昼食
そういえば,今日はコンビニに立ち寄ったにもかかわらず,昼食用のオニギリなどを購入しなかった.そのためか,レストランの前を通ったときに急に空腹を感じる.
”そうだ! 食事にしよう…”
早速,レストランに入る.
”外食だ! 嬉しい…!”
早速,もう一人の私が,私をバカにする.
”オマエ…,子どもみたいだな”
とにかく,トンカツ入りのカレーライスは美味しかった.
<レストランで食事>
■イチョウの木の下を散策
12時11分,食事を終える.
昼食後,紅葉したイチョウの木の下を散策する.行き当たりばったりのデタラメ散策は,精神安定の妙薬である.平素,常に何かに追われているような気分で過ごしている私には,ノンビリでデタラメな散策が一番適しているように思える.
”どこでも,いいや…とにかく気が向く方向に歩こう…”
<木陰の中のデタラメ散策>
■写真展を見学
第1展示場で写真展が開催されている.見物客がほとんど居ないので少々入りづらい.私は絵には興味があるが,写真展は殆ど見たことがない.
展示されている作品を見て,正直なところ,世の中にこんなに鮮明に写るカメラがあるんだと再認識させられる.どうやら,カメラだけでなく,使っているプリンターも,私が書十四手居る者とは格が違うようである.
沢山の写真を拝見して,色彩が鮮明で,よく写っているなと感心するが.同時に,ストーリーがなくて,ただ単によく写っているだけの写真もかなり多いような気がする(あくまで私見).
”写真も絵と同じように,起承転結というか,とにかうストーリーがなければ…”
と,聞いたような批評を,心の中だけでする.
早速,もう一人の私が,私にクレームする.
”じゃあ…お前さんがブログに掲載している写真には,起承転結やストーリーがあるんだな!”
”そ,それは…”
私ギャフン.
とにかくとても参考になった.
<写真展>
■園内をブラブラ
12時27分,会場から外へ出る.
花の名前は分からないが,紫色の花が一面に咲いている一角を通り過ぎる.どこを歩いているのか無意識なまま園内を適当に歩き続ける.
<敷き詰めたような紫色の花>
■熱帯植物園
12時36分,成り行きで熱帯植物園に入る.外は寒いのにここはムッとしる暑さである.ここはガラス張りの大きな建物である.建物の中に入ると,けばけばしい色の花が沢山咲いている.
”凄いな…”
とは思うが,殆ど素通りである.
温室内を一回りして,池の畔に立ち寄る.水の中を見ると,夥しい数の小さな魚が泳いでいる.この小さな魚,それぞれが自分の意思であちこち泳いでいる.見ている内に不思議な気分になる.
<池の中の小さな魚>
<龍宝寺から北条三代供養塔跡へ>
■トンネルを潜り龍宝寺へ
12時47分,フラワーセンター大船の外に出る.
”さてどうしよう…”
宛のないブラブラ歩きは,どこへいくか迷いっぱなしである.
”そうだ…ついてに龍宝寺でも覗いてみよう…”
という気分になる.
実は,龍宝寺裏山の紅葉が見事だったことを覚えているので,機会があったら是非訪れて見たいと思っていた.
12時50分,トンネルを潜る.そして,12時53分に龍宝寺に到着する.
<トンネルを潜る> <龍宝寺山門>
■龍宝寺本堂
左手にある幼稚園から,聞こえる子供達の元気な声を聞きながら,立派な石畳の参道を進む.
石段を登って,本堂の前で合掌.
<龍宝寺本堂>
■玉縄北条氏供養塔
12時57分,本堂脇の玉縄北条氏供養塔を詣でる.
その後,向かって左手に向かう土道を進むと墓地に突き当たる.例年.この辺りの紅葉が実に見事だが,今年の見頃はまだ先のようである.
<玉縄北条氏供養塔>
■龍宝寺裏山
細い階段道を登って,13時03分,裏山の尾根道に到着する.この尾根道を山頂目指して登り続ける.
13時08分,龍宝寺裏山山頂(標高約75メートル)に到着する.山頂には玉縄北条氏供養塔跡がある.尾根の西下にある栄光学園グランドから学生達の声が聞こえてくる・
<玉縄北条氏供養塔跡>
<切通を経て伏見稲荷と岡本神社へ>
■枯葉が降り積もる切通
山頂から尾根沿いに北へ進む.やがて,踏み跡道がなくなり,急な下り斜面に突き当たる.木の幹や枝に捉まりながら,谷の中に降りる.この谷を左へ向かうとテニスコートのようなところに突き当たる.今回は谷筋を右に向かう.
やがて,落ち葉が積もった切通に入る.切通の途中に倒木などもあるが,この時期,厄介なヤブ蚊なども居ない.実に心地よい気分で,切通を下る.
切通を下りきったところにある案内板の記事によると,この切通は平安時代から室町時代まであった岡本神社(別名;お伊勢山神明神社)の参道だったという.
<落ち葉が積み重なった切通を下る>
■伏見稲荷
切通を下り続けると,突然,左手にある谷間の住宅地が見え始める.谷の向こうの山脈の間に,大船観音の横顔がチョッピリ見え始める.
13時19分,切通が終わる右手に鎮座する伏見稲荷に到着する.
<伏見稲荷>
■岡本神社
伏見稲荷を過ぎると,コンクリート製の立派な階段になる.この階段を下ると,階段が左右に分かれる.左側は上り階段,右側は下り階段である.
折角,ここまで来たので,左側の上り階段へ.
数十段の階段を登り切って,13時21分,岡本神社に到着する.社殿が再建された頃に比較すると,少々古びてきた感じがするが,小粒ながら立派な社殿である.
狭い境内の一角に岡本神社縁起を説明した案内板とベンチが設置されている.
ほんの数分だが,ベンチに座り込んで,休憩を取る.前方の山の上に,大船観音の横顔が見えている.
<岡本神社>
■キリギリス哀れ
13時24分,岡本神社を出発する.先ほど登ったコンクリート階段を下り続ける.
階段の手摺りにキリギリス1匹が止まっている.寒いためか殆ど動けない.はかない命が消えようとしている.どうしようもない哀れさを感じる.
<岡本神社から大船観音の横顔が見える> <キリギリス哀れ>
<谷戸池と子育地蔵>
■谷戸池
コンクリート階段を降りて住宅地の間の路地を抜け,玉縄3丁目から玉縄2丁目方面に向かう.途中バス通りを横切って,13時30分,谷戸池に到着する.
池の周囲を背の高い金網で囲まれているので,ちょっと鬱陶しい感じがするが,金網の間にデジカメのレンズを入れて,池の写真を撮る.
ここは鎌倉でも有名な桜の名所の一つだが,桜の木はもうすっかり葉を落としている.沢山の鴨が元気に動き回っている.
<谷戸池>
■子育地蔵堂
13時32分,谷戸池近くの子育地蔵を詣でる.
子育地蔵堂前から,くねくねと曲がる岡本1丁目住宅地内の路地を通って大船駅方面に向かう.
<子育地蔵堂> <子育地蔵>
<大船観音を拝みながら大船駅へ>
■大船観音
コンビニ脇で,一旦,バス通りに出る.大船駅前バスターミナルから,今日最後の階段を登って大船駅に向かう陸橋を渡る.
陸橋の途中から,大船観音を拝む.
13時49分,無事,大船駅に到着する.
<大船観音>
■仕上げはコーヒー
毎度のことながら,仕上げはBecker'sのコーヒーである.コンコースに面した席に座って,やおらコーヒーを賞味する.
目の前のコンコースを色々な人が右へ左へと歩いている.老若男女,主婦,学生など様々である.速歩の人,ノンビリ歩く人,荷物をぶら下げた人,リュックを背負った人等々.千差万別.
”コンコースを歩く人たちを絵にしたら面白そうだな…”
と途方もないことを連想する.
こうして,今日一日の勿体ない時間が過ぎ去っていく.
明日は塔ノ岳に登るつもりである.身体が持つかなと,チョッピリ心配である.
<ラップタイム>
10:37 鎌倉中央公園清水塚口歩き出し
10:58 バス停山崎
11:01 北野神社参道
11:05 北野神社拝殿
11:06 天神山山頂
11;45 山崎跨線橋三差路
11:57 フラワーセンター大船(12:47まで散策)
12:53 龍宝寺
13:08 龍宝寺裏山山頂(玉縄北条氏供養塔跡)
13:19 伏見稲荷
13:21 岡本神社(13:24まで休憩)
13:30 谷戸池
13:32 子育地蔵
13:49 大船駅
[散策記録]
■水平歩行距離 5.9km
■累積登攀高度 125m
■累積下降高度 171m
■所要時間(休憩時間込み)
鎌倉中央公園清水塚口発 10:37
大船駅着 13:49
(所要時間) 3時間12分(3.20h)
水平歩行速度 5.9km/3.20h=1.84km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f0d306ad8b1c8faaeff21128a6558b56
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(なし)
※誤字脱字転換ミスは後刻訂正する.