<アシニボインロッジからアシニボインを望む>
アシニボイン紀行;第3日目(2);ヘリコプターでアシニボインへ
(アルパインツアー)
2015年9月21日(月)~29日(火)
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第3日目;2015年9月23日(水)(つづき) 晴
<ルート地図>
マウントシャークヘリポート→アシニボインヘリポート(飛行ルート)
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[プロフィール]
水平飛行距離 約30km
標高差 430m
<アシニボインロッジヘリポートへ>
■マントシャークヘリポートから離陸
1台のヘリコプターに乗車できる人数は6人である.その内,1人は操縦席の隣の席,つまりコ・パイロットである.残りの5人は対面座席で,3人は前向き,2人は後ろ向きである.
6人区切りの人数の都合で,私達10人は2組に分かれる.最初の6人は私達だけのグループで満席になる.私は次のグループで他所の方と一緒になる.
私は生まれてこの方,ヘリコプターに乗ったことがない.生来,私は怖いところが嫌いなので,ヘリコプターに乗るのにも,いささかの勇気が要る.正直,足ガクガクである.
いよいよ私が乗車する番である.どこの国の方か分からないが,夫婦者が2組と,私を含めて男性2人の計6人が乗り込む.
私は内心で,コ・パイロットは遠慮したいなと思っていたが,運良くもう1人の男性がコ・パイロット席に乗るように指名される.夫婦者が先に乗り込んだので,私は進行方向左手の特等席に座れる.
12時20分,私を乗せたヘリコプターは轟音とともにおおぞらに舞い上がる.たちまちの内に高度が増す.足元から遙か下の地上が見えているので,充分にスリルがある.
少々不謹慎な話になるが…
先日の集中豪雨のときに,自衛隊のヘリコプターで救出される被害者の映像を見たことを思い出す.
”こんな高い所に,命綱1本で釣り上げられるとは…随分怖いだろうな…”
と身震いしそうになりながら連想する.
<マウントシャークヘリポートから飛び立つ>
■ヘリコプターの機内
私のトイ面の男性は,あちこちの写真を盛んに撮っている.他の方々も食い入るように外科医の様子を眺めたり写真を撮ったりしている.
ヘリコプターは意外にスムーズに飛行しているので,私も怖さが薄れ次第に落ち着いてくる.そこで,私も狭い機内の写真や,窓外の風景写真を撮りながら,約10分の空の旅を楽しむ.
<ヘリコプターの機内>
■素晴らしい眺望;コーン山とスプレイレーク
地上からどの程度高いところを飛んでいるのか良く分からないが,12時26分,ほぼ目線の高さにコーン山(Cone Mountain,標高2,910メートル)と,スプレイレーク(Spray Lake,標高1,710メートル)が見えている.
ヘリコプターからの鳥瞰を見ていると,地形から先ほど飛び立ったヘリポートの位置もかなり正確に分かる.
すぐ下を見ると,手つかずの原生林が広がっているのが良く分かる.
原生林の中にクネクネと続く川が見える.地図で確かめると,マーベルレーク(Marvel Lake;標高約1,800メートル)から流れ出るブライヤントリーク(Bryant Creek)という川である.
すばらしい光景である.
私にはトンビや烏がどの程度の高さを飛んでいるのか良く分からないが,いずれにしても彼らは,何時も素晴らしい風景を楽しんでいるんだなと羨ましくなる.
<コーン山とスプレイレークを見下ろす>
■蛇行するブライヤントクリーク
私達を乗せたヘリコプターは,ブライヤントクリーク沿いの渓谷を遡っている.
12時20分,眼下に大きく蛇行しながら流下するブライヤントクリークが見えはじめる.所々に三日月湖が形成されているのが見える.流域全体がメドウか湿地帯になっているようである.
何ともすごい光景である.私は高所を飛行している恐怖を忘れて,この偉容な風景を眺めている.
■狭い谷間のコル上空を飛ぶ
地図を見ると,この渓谷にはグレートデバイドトレイルという登山道が通っている.この登山道はアシニボインパス(Assiniboine Pass;標高2,165メートル)を通過して,アシニボインロッジまで通じている.
ヘリコプターが谷間を遡るにつれて,谷間が段々と狭くなり,気流が乱れ始める.そのためにヘリコプターが前後左右に小刻みに揺れ始める.ちょっとイヤな感じである.
進行方向左手には,Mt.カウトレィ(Mt.Cautley;標高約2,650メートル)の厳しい山肌が見えている.息を呑むような光景が続く.
<急峻な山,Mt.カウトレイ>
■アシニボインパスを越える
12時25分頃,アシニボインパスを通過する.ヘリコプターは次第に高度を下げ始める.眼下に小さな湖が見えている.その向こうには峻険な頂がいくつも見える.一番奥で光り輝く尖鋒が私達が憧れるMt.アシニボインラネットピーク(Mt.Assinniboine Lunette Peak;標高3,400メートル)に違いない.その手前の山はMt.ママゴク(Mt.Magog;標高約2,450メートル)である.
眼下に見える小さな湖は,ゴグレーク(Gog Lake;標高約2,260メートル)であろう.
<遠くに真っ白の輝くMt.アシニボインが見える>
■アシニボインロッジヘリポートに着陸
12時30分,私達を乗せたヘリコプターは無事,アシニボインロッジヘリポートに到着する.
スタッフが,甲斐甲斐しく,ヘリコプターから荷物を下ろす.私は自分の荷物が確かに到着しているのを確かめてから,荷物を受け取る.
マウントシャークヘリポートからアシニボインヘリポートまでのの飛行時間は,10分(0.67h)である.水平飛行距離は約30キロメートル.したがって,水平飛行速度は,
30km/0.67h=44.7km/h
ということになる.
もっとも水平飛行距離の30キロメートルはあくまで目安なので,正確な数値ではない.
<アシニボインロッジヘリポートに着陸>
<アシニボインロッジ>
■アシニボインロッジの概要
アシニボインロッジは,レークマゴグ(Lake Magog;標高2,155メートル)の北側の湖岸に建っているロッジ群である.
アシニボインロッジ群の中心は事務所,食堂,談話室がある建物である.その建物を囲むように沢山のロッジが建っている.また,事務所のある建物から少し離れたところにサウナとシャワールームの建物がある.トイレ棟もいくつか建っている.
■ヘリポートからロッジへ
どこからともなく,愛想の良い女性が現れて,私達を誘導する.後で女性の名前を教えて貰ったが,例によってすぐに忘れてしまう.アシニボインロッジは数名の方によって管理されているとのことだが,その管理者のお一人の奥さんだとのことである.
私達は,誘導されるままに,空身のまま女性の後に付いて,なだらかな下り坂を歩く.雨でも降っていたのか,足元は少しぬかるんでいる.私達が歩く道の先にはMt.アシニボインが聳えている.
荷物は全てロッジのスタッフが運んでくれる.
<ヘリポートからロッジへ>
■アシニボインロッジに到着
ほどなくアシニボインロッジの中心にある建物(以後本館と呼ぶ)に到着する.赤い屋根の大きな建物である.この建物には事務所,食堂,談話室,2階に若干の客室,それにナイトトイレ(夜,小用だけ使える)が設置されている.
建物の前には,私より一足先のヘリコプター便で到着した方々とツアーリーダーのTMさんが私の到着を待っている.
まずは,本館のテラスに積み上げられている荷物の山をチェックして,ヘリコプターに預けた荷物が届いているかを確認する.私が預けた荷物とリュックは間違いなく到着している.
つづいて,今日これからのスケジュールの説明がある.
まずは,部屋割りをする.本館2室に男女別2部屋,それに離れた場所にある2ヶ所のロッジに男3人,女3人に分かれて宿泊するとのこと.
ツアーリーダーが作った籤を引いて,本館組を決める.私は,偶然,またもやSKさんと一緒に本館の部屋が当たる.これでカナダに来てから,ずっとSKさんと一緒ということになる.こう言うのを腐れ縁という.
ついで,この辺りで昼食を摂るように師事される.談話室,テラス,どこで摂っても良いとのこと.
昼食後は,ロッジの近場をハイキングする予定とのこと.そして,夕食は18時30分からである.ハイキング後の自由時間に,サウナやシャワーを使用することができるとのこと.
<アシニボインロッジに到着>
■まずは部屋に入る
私達が当たった部屋は,本館アネックスの2階にある.ちなみに1階は談話室である.
玄関で軽登山靴を脱いで持参した上履きに履き替える.階段を登って,廊下の右手突き当たりにある部屋が私達の部屋である.
部屋の入口の扉にはストッパーがあるだけで鍵はない.私達の部屋の先は非常口になっていて,ここから外には出られるが,外からは入れない仕掛けになっている.
部屋に入る.質素なシングルベッドが3台置いてある.ちょっと狭い感じがする.それに小さな窓が一つ.室内は少々くらい感じである.
私達の部屋の手前が女性2人の部屋である.許可を得て覗かせてもらうと,私達の部屋より皿に狭くて,シングルベッドが2台置いてある.
<部屋の間取り>
■部屋の様子
部屋の様子は下の写真の通りである.なお,この写真は夜撮ったものなので電気が点っている.
天井,壁,床,ベッド,机,棚など全てが木製である.天井も丸太が丸見えになっている.いわゆるロックハウスというやつである.
ベッドも決して豪華なものではないが,ここは山小屋である.山小屋としては豪華である.とにかくこの部屋に居ると気分が落ち着きそうである.
<部屋の様子>
■外で昼食
私はキャンモアのスーパで仕入れたランチパックを持って,建物から外へ出てみる.外に適当な所があったら,外で食事をしたかったからである.
本部前の踏み跡道を,レークマゴクに向かって歩いてみる.ほんの100メートルほど歩いたところで,少し低い場所に格好のベンチがある.
ベンチからの眺めも最高である(冒頭の写真).
”よし…! ここでユックリ昼食ということにしよう…!”
私はランチパックから,ばかでかいサンドイッチを取り出して食べる.日本のコンビニで売っているサンドイッチと比較すると,どこか大まかで雑な感じがするが,味はなかなかである.私には少々分量が多すぎるなと思ったが,残すのも勿体ない.
”こんなことしているから,太っちゃうんだな…”
と反省しながらも,一寸無理をして,全部食べてしまう.
ついでヨーグルト,これは量が多いものの日本のヨーグルトと味に差はない.
ベンチに座っていると,太陽の光が眩しいが,暑くも寒くもない丁度良い気温である.ただ,空気が乾燥しているらしく,唇が少しゴワゴワしている.
私は食事後も,暫くの間,目の前の美しい風景を眺めながら,ベンチに座り続ける.
<ベンチで食事>
(つづく)
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「カナダアシニボインハイキング」の索引
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お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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アシニボイン紀行;第3日目(2);ヘリコプターでアシニボインへ
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