<モレーンレーク>
アシニボイン紀行;第2日目(1);モレーンレーク観光
(アルパインツアー)
2015年9月21日(月)~29日(火)
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第2日目;2015年9月22日(火) 晴
[第2日目の行動概要]
朝;バンフ国立公園のモレーンレークへ,専用車で移動する(専用車で約1.5時間).
美しいテンピークスの尖鋒群を見渡しながら,しばらく樹林帯の中のジグザグ道
を歩く.やがて2時間ほど登るとラーチバレーの草原に到着.振り返ればテンピ
ークスの山々のパノラマが広がる(標高差約560メートル).
夕刻;ハイキング後,キャンモアへ戻る(専用車約1.5時間)
<ルート地図>
■カナディアンロッキー全体図
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■キャンモア・バンフ付近拡大図
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■モレーンレイク・ラーチバレー付近拡大図
<プロフィールマップ>
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<キャンモアの朝>
■眠れぬ一夜
時差のため眠れぬ夜を過ごす.
夜中にパッチリ眼が醒めてしまう.日本時間で朝4時である.何時も4時以前に起きているので,目が覚めてしまうのは当然の理だが,困ったものである.
トイレに行く.音を立てて,相部屋で眠っている方の目が覚めないように,細心の注意を払って歩くが,ちょっとしたところに躓いて,予期しない音を立ててしまう.
ベッドに戻るが,今度は10月初旬に開催予定の某展覧会に出品する予定の絵のことが気掛かりになり,ますます眠れなくなる.会期が迫っているのに,絵はまだまだ未完である.すぐにでも帰国して,描きかけの絵に手を加えたいという衝動に駆られる.
気掛かりなことは,それだけではない,私が研究員をしている某大学のミーティングが10月中旬に行われる.こちらの方の作業も遅々として進んでいない.さらには街道歩きの皆様の鎌倉案内の日程も迫っている.こちらもどこからどのようなコースで歩くかが定まらないままである.
こんなことを,とりとめもなく連想していると,暗闇の中から,いきなり大きな手が降りてきて,私の首を絞めようとしているような妙な気分になってくる.そんなこんなで,ますます目が覚めてしまう.
さらには,未だにリハビリ中の右膝の状態も気になり始める.勿論,右膝の痛みは全くなくなってはいるが,今日のハイキングに右膝が果たして無事かどうかも大いに気になる.
私は元来弱気な性分のようである.暗闇の中で眼をパッチリ開けて,あれこれ考えていると,気分がますますネガティブな方向に向かってしまうようだ.
“仕方ないな…せめて外が明るくなるまで,このままジッとして居るしかないな…”
私は,暗闇の中で実に辛い時間をジリジリと過ごす.
でも,良くしたもので,眼をパッチリ開けているつもりだったが,何時の間にか,また,眠っている.ただ,熟睡ではなく碌でもない夢を沢山見ながらである.この夢の内容は,自分の居所がなくて困っているという似たようなものばかりだ.これも,辛かったサラリーマン時代の残渣が体内に何時までもこびり付いているからであろう.
6時にモーニングコールの電話が架かる.電話のベルの大きな音にビックリして飛び起きる.先ほどまでの不眠症がウソのように,今度は無性に眠い.眠いのを我慢して,起床する.
同室の方は平然と起床される.いろいろ話を伺うと,随分と頻繁に海外旅行をされているらしく,時差など全く無関係のように元気そうである,うらやましい.
まずはトイレに向かう.
尾籠な話で恐縮だが,場所が変わったり,時差があると,毎度のことながら,便秘気味になる.下腹部に何かが堪っている感じがするが,どうも通じがない.平素,毎日規則正しく
排出しているのにリズムが狂う,どうも気分が悪くて仕方がない.
カナダは,今,1時間早い夏時間である.
もう,そろそろ7時だというのに,まだ夜が十分には明けきっていない.でも,今日も天気は上々のようである.
<キャンモアの朝>
■1階レストランで朝食
7時から朝食である.
同室の方に,
「…そろそろ食堂へ行きましょう…」
と促されながら,6時55分,レストランのある1階に降りる.ツアーリーダーのTMさんが,レストラン入口近くで,私達の到着を待っている.
私は内心で,
”ツアーリーダーの仕事も大変だな…”
と同情する.
私達の席はレストランの一番奥である.
朝食は大きなお皿にパン,ジャガイモ,スクランブルエッグ,フルーツなどが盛りつけられている.コーヒー,紅茶,牛乳,ジュース類は飲み放題である.
まずはモーニングコーヒーを一杯.これで気分がシャキッツとする.今日も元気だぞという気分になる.
毎度のことながら,食べる前に,ノートに朝食の大体の様子を書き留める.私が毎度ノートを取り出して,ゴシャゴシャ書いているのを,見ている同行者が,
「…何時も,絵を画いているんですか…? 凄いですね」
と怪訝な顔で私に尋ねる.
私は慌てて,
「いえ,これはスケッチではありません…字で書くと面倒なので絵文字の積もりで書いているんです」
と言い訳をする.
この朝食.結構美味しい.特にパンが柔らかくて,私達日本人の好みに合うようだ.私はこのパンを食べながら,去年,オーストリアで食べた茶色の硬いパンが口に合わなかったことを思い出す.
”食事が美味しいと,幸せな気分になれるな…”
と思いながら,有り難く朝食を頂戴する.
<朝食>
<専用車でモレーンレークへ>
■ロビー集合
7時45分,ホテル1階のロビーに集合する.
現地案内人のMYさんが,早々とロビーで待機して居られる.MYさんは自分のことを,
「…声が大きくてうるさい人間です…」
と言っておられるが,とにかく陽気で明るい性格の方である.
「おはようございます…」
と大きな声で私達一人ひとりに挨拶する.
<ロビー集合>
■ホテルを出発
一同が揃ったところで,MYさんの先導で専用車に移動する.
外はピリリと寒い.温度計がないので何度か分からないが,多分10℃前後だろうと思う.
8時05分,私達はコーストキャンモアホテル(標高1,309メートル)から,専用車でモレーンレークに向けて出発する.
まずはキャンモアからバンフ(標高1,383メートル)に向けて高速道路国道1号線を北へ向かう.
国道1号線はカナダを横断する幹線道路である.片側2車線の立派な道路が延々と続く.
<コーストキャンモアホテルで専用車に乗車する>
■象形文字で記録
私はワンボックスカーの乗降口付近の席に座る.この席を選んだわけではないが,適当な順番で乗車した結果,この席に落ち着く.残念ながら些か見通しの利かない席である.前を見ると見えるのは前の人の後ろ姿だけ.
私はそんな雰囲気を,ノートに乱雑に記録する.下の写真は,私のノートを写真に撮ったものである.1.6mmφの極太ボールペンで,一枚の絵らしきものを10~20秒でガシャガシャと書きなぐる.そのときの雰囲気を手早くメモするには,いちいち文字で書いていたら間に合わないので,大づかみにした印象を一気にポンチ絵風に書きなぐるだけ.
なんで,こんな言い訳をするかと言えば,この種の絵が私のスケッチ画だと勘違いされるのを怖れるからである.ちゃんと実際にスケッチするときは,せめて5分ぐらいの時間を掛けてジックリ丁寧に過哉かればダメ.だから,私のノートを覗き込んだ方に,これが私の絵だと勘違いされたくないからである.
”スケッチなら,もう少し,ちゃんとした絵が描けるんだぞ…”
と私は言い訳をしたいのである.
とはいえ,この乱暴なメモでも,後から見返すと,そのときの情景をかなり詳しく思い出せる.だから,この種のメモを取り続けることは,多分ボケ防止に随分と役立っていると思っている.
<私のメモ帳;スケッチではない>
■キャッスルマウンテン
8時45分頃,進行方向右手に尖鋒群が見え始める.キャッスルマウンテンである.MMさんの説明によると,この山が分水嶺になっているとのこと.
キャッスルマウンテンの山頂付近が,朝日を浴びて光り輝いている.今日も良い天気である.
私の手許には適当な地図がないので,私達の専用車が一体どの辺りを走っているのか,正確には分からないが,どうやらバンフ郊外を通過しているようである.
<キャッスルマウンテン遠望>
■国道1号線と野生動物保護
片側2車線の国道1号線を走りながら,運転手兼ガイドのMYさんが,国道1号線と野生動物保護について,興味深い話を披露する.
話の切っ掛けは,道路に沿って延々と続く柵である.
MYさんの説明によると,もともとこの辺りには道路などなく手つかずの自然が残っていた.この自然の中を野生動物が自由に歩き回っていた.そこへ道路をつくることになったので,道路ができても野生動物が自由に行き来できるように,4車線以上の道路には,ところどころ動物用のトンネルが作られているとのこと.
ところが頭の良い肉食動物が,トンネルの出入口に待ち構えていて,トンネルを通る小動物を捕獲するようになり,トンネルがあまり使われなくなる.
そこで,今度はアニマルオーバーパス(Animal Over Path)を設けることになったという(下の写真のアーチ状の橋).このオーバーパスは,出入り口をなるべく広くして,なるべく自然に近い状態にするために草木を植えるなどの工夫がされている.
このアニマルオーバーパスを作るのに莫大が金額が掛かるので,政権政党が変わる度に,建設工事が促進されたり,棚上げされたりを繰り返しているようである.
<前方に見えるアーチがアニマルオーバーパス>
■未舗装道路経由でモレーンレークへ
9時丁度にレークルイス(Lake Louise;標高1,536メートル)に到着する.ここで高速道路国道1号線から一般道に降りる.
9時05分,一般道からモレーンレークロード(Moraine Lake Road,距離11.5キロメートル)に入る.ここは,敢えて未舗装のままにしてある道路だという.冬になるとクロスカントリー用のルートに変わるらしい.仮に舗装しても厳しい冬の間に凍結するのですぐに舗装が痛んでしまうため維持が大変だとのことである.未舗装とはいえ,路面は良く整備されている.
9時10分,無事,モレーンレーク(標高1,890メートル)に到着する.
ここは有名な観光地らしく,沢山の車が集まっている.
MYさんが,
「…まず最初に駐車する場所を確保しますので,そのまま乗っていて下さい…」
と言いながら,駐車場所を捜して移動する.
道路際に沢山の車が駐車している.駐車している車の列を100メートルほど通過した先で漸く駐車スペースを探す.
ここで下車.
私達は,下車したところで,まずはハイキングに出掛ける準備を整える.
<モレーンレークに到着>
<モレーンレーク見物>
■駐車場から歩き出す
ハイキングの準備を整えてから,9時35分,専用車から歩き出す.まずはユーティリティのある場所まで移動する.
ガイドのMYさんの前後に固まって,足早に移動する.結構寒いし,結構な長歩きである.
5分ほどでちょっとした広場に到着する.ここでまずはトイレ休憩を取る.
広場は沢山の観光客で賑わっている.
<駐車場から歩き出す>
■階段道
トイレ休憩を終えてから,沢山の観光客に混じって,階段道を登る.そんなに長い距離ではないが,いきなりの登り坂なので結構戸惑う.
前の人に付いて,エッチラホッチラと登り続ける.
<展望台への階段道>
■モレーンレークの展望
9時45分,階段を登り切る.
目の前に,寒々としたモレーンレークと峨々とした山が見渡せる.写真がちょっと露出オーバーになってしまったので,山は霞んでしまったが,なかなかの眺望である.
沢山の観光客が,次々に登って来る.モレーンレークの観光を終えて戻る人,登って来る人で,忙しなく入れ替わる.
さまざまな国から観光客が集まっている.私たち以外の日本人グループも来ている.一段と騒がしく傍若無人なのが極東の某国から来た観光客である.
<モレーンレーク>
(つづく)
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「カナダアシニボインハイキング」の目次
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「カナダアシニボインハイキング」の索引
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お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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アシニボイン紀行;第2日目(1);モレーンレーク観光
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