<テンピークス>
アシニボイン紀行;第2日目(2);ラーチバレートレイル
(アルパインツアー)
2015年9月21日(月)~29日(火)
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第2日目;2015年9月22日(火)(つづき) 晴
<ルート地図>
■ラーチバレーとテンピークス
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■ラーチバレートレイル
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<モレーンレークから歩き出す>
■MYさんのガイダンス
モレーンレーク見物を終えて,10時05分,ラーチバレートレイル出発点まで戻る.
ここで現地ガイドのMYさんが大きな地図を広げ,大きな声でこれから歩くコース,ラーチバレートレイル(Larch Valley Trail)の概要を説明する.説明を受けながら,私はリハビリが済んだばかりの自分の右膝のことが,多少気になる.とはいえ,今日のコースは片道4.5キロメートルのピストンのようなので,まずは心配ないだろうと多寡をくくる.
”万一,右膝が可笑しくなったら,途中でリタイアして,一行が戻ってくるのを待っていれば良いんだ…”
と自分に言い聞かせる.
MYさんの説明によると,これから歩くコースは熊が生息している場所でもある.これまでの経験では4人以上のグループならば,熊に襲われた事例はないとのことである.したがって,ここでは必ず4人以上で歩くことが法律で決められているっとのことである.
<現地ガイドのMYさんから今日のコースの説明を受ける>
■モレーンレーク沿いの出発点
10時05分,モレーンレークの岸辺にある出発点から歩き始める.
暫くの間は,モレーンレークを左手に見ながら,湖岸沿いの遊歩道を歩く.当初予想していたよりも,随分とユックリなペースなので,内心で私は随分ホッとする.
”この店舗ならば,大丈夫だな…”
<モレーン湖岸から歩き出す>
<ラーチバレートレイルを登る>
■分岐点1
歩き出してから100メートルほどでY字の分岐点(標高1,887メートル)に到着する.
左手の道は湖岸沿いを歩くレークショアトレイルである.そして,右側は私達があるくラーチバレートレイルである.
分岐点に屋根付きの案内板が立っている.
MYさんが私達に,
「…ここからいよいよラーチバレートレイルです.ここからは4人以上のパーティでないと入れない規則になっています.この辺りは熊と人間が共生しているところですが,人が4人以上一緒なら,熊は襲ってこないという経験則があります…」
<分岐点1でMYさんの説明を聞く>
■熊に付いての注意書き
案内板には,英語とフランス語で,この地域への歓迎記事が掲載されているが,その真ん中に,大きな熊の写真入りの注意書きが貼られている.ここには,
"When Group Access is Mandatory, You must travel in a group of 4 or more by Law."
と書いてある.
”何だか凄いところに来ちゃったな…”
というのが私の第一印象である.
<熊に関する注意書き>
■木橋を渡る
10時18分,いよいよラーチバレートレイユに第一歩を踏み入れる.ちょっとした登り坂になる.道路はとても良く整備されている.
10時28分,木橋を渡る.
地図で確かめると,木橋の下を流れる川はラーチバレーに沿ってモレーンレークに流れ込む川である.私達が歩くトレイルは,ほぼこの川に沿って続いていることが分かる.
<木橋を渡る>
■密集する樹林帯
MYさんが,ときどき立ち止まって,私達にいろいろなことを説明してくれる.説明を伺う度に,MYさんが博識なことに驚かされる.
”この方の専門は,一体,どんな分野なのだろうか…”
と私は興味津々である.
“…この辺りは○○という木(木の名前,利いた途端に忘れた)が密集して,日光を独占しています.そのために,地面には殆ど何も育ちません…ここからさらに上に登ると,植生が△△(こちらの名前も聞いた途端に忘れた)に変わります.△△は木の枝が疎らで日光が根元まで届きます.だから地面にも色々な植物が育っています.そんなところを見て頂ければ,面白いと思います…”
<熱心に説明するMYさん>
■スイッチバックの途中で休憩
10時52分頃,等高線が混み合っている急傾斜の斜面に突き当たる.ここからは左右に大きくジグザグを繰り返す道になる,いわゆるスイッチバック道である.さすがにここまでくると,道幅は幾分狭くなるものの,相変わらず手入れが行き届いた道が続く.
MYさんが,
「…日本の山と違って,ここは山の中の道まで,手入れが行き届いています…」
と説明する.
同行者の何人かが,
「そうですね…日本の山の道は手入れがしてなくて荒れていますね…」
と同調する.
私はちょっと違和感を持ちながら,この話を聞いている.
”今歩いている場所は北アルプスの上高地みたいな所,上高地だって,この程度には整備されていると思うけど…”
11時10分,ジグザグ道の途中で給水休憩を取る.
「皆さん,空気が乾いていますので,必ず水を飲んで下さい…」
とMYさんが注意する.
私は,近くに居るツアーリーダーのTMさんに,
「…もう,そろそろスイッチバック道の終わり辺りでしょうか…」
と伺う.
「もうちょっとスイッチバックが続くと思います…スイッチバックが終わると広場があるはずです…」
とのこと.
<スイッチバック道の途中で休憩>
■見事な紅葉
11時20分,休憩を終えて,再び歩き出す.
高度が増すにつれて,薄暗い樹林帯から真っ黄色に紅葉したカラマツ(?;間違っていたらご免)林が見え隠れし始める.その向こうに真っ白な尖鋒が見え隠れし始める.
素晴らしい風景である.私は列の後ろの方に廻って,デジカメのシャッターをやたらに押しながら歩き続ける.
幸いなことに,歩行速度が,超スローなので,グループとの間が多少空いてもすぐに追いつけるから安心である.同時に病み上がりの私の足でも,このグループならば,余裕を持って歩けるなと確信する.
<見事な紅葉が見え始める>
<テンピークスの展望>
■広場で一休み
ジグザグ道を登り切って,12時04分,展望の良い広場に到着する.ここはレークトレイルの分岐点(地図の分岐2)でもある.
広場の向こうにはテンピークスの山々が聳えている.
MYさんが,
「ここで休憩を取ります…適当に御弁当でも食べて下さい…」
と一同を促す.
どなたかが,
「休憩時間は,何分ぐらいですか?」
と聞く.すると,
「…山では特に昼休みの長い休憩は取りません.10分ぐらいです.その間に少しずつ食事をして下さい…でも,今日は少しユックリ休憩しましょう…」
各自,適当に座り込んで,思い思いに弁当を開く.
なお,私達が持参している弁当は,今朝,出発するときに,MYさんから支給されたランチパックである.
改めてこのランチパックを開けてビックリする.中には日本でお馴染みの握り飯や菓子類が入っている.私が何時も山に行くときにコンビニで購入するものと大差がない.カナダで日本のコンビニで買うのと同じようなオニギリが入手できるとは思っても見なかった.
思わぬ日本式の弁当なので,私は大満足.あまりに嬉しかったので,ついつい写真を撮るのを忘れて食べてしまった.写真を撮らなかったのが極めて残念である.
■テンピークスの偉容
昼食後の休憩時間を利用して,MYさんから,目の前に見えているテンピークスの山々の名前を教えて貰う.
「…テンピークスの一番西側にあるヴェチェンマ峰は,この山陰にあるので,ここからは見えません…一番右がネプトワク山(標高3,237メートル),その左の三角形の尖鋒がデルタフォーム山(3,424メートル),次いで,山頂がちょっと平になっているのがMt.ツゾ(3,245メートル),その奥の尖っているのがMt.アレン(3,301メートル)…」
と教えて貰う.
私は忘れないように,ノートに山の形と名前をメモする.
<テンピークスの偉容>
<ミネスティマレーク>
■素晴らしい山容
12時20分,少し長い休憩を終えて,広場を出発する.
ここから先は,ごくなだらかな上り勾配の道が続く.大きな石が点在する平原が続く.前方には残雪を抱いた峻険な山脈が見えている.
空気が乾いているためか,唇ががさがさになっているのに気がつく.気温は暑くも寒くもない.実に心地良い転向である.
<岩礫が散らばる平原を行く>
■眼下にミネスティマレークが見える
12時54分,峠に到着する.眼下,直ぐ近くに今回のハイキングの終点,ミネスティマレークが見えている.
”あれ,もう今日の終点か…!”
という感じである.
峠の標高は推定で約2,460メートル.ここが,今回のハイキングの最高地点である.
<今日の最高地点>
■ミネスティマレークに到着
峠からほんの少しの下り坂を下って,13時07分,ミネスティマレーク(標高2,450メートル)に到着する.
池の周囲には人工物が全くない自然のままの小さな湖である.私たちが居る場所の反対側の湖畔は峨々とした山にカール状に囲まれている.
地元の小学生らしい集団が,湖畔に集まっている.
先生の号令で,一斉に「あ~っ」と大声を出す.するとその声が前方のカールで反射して木霊になる.これが面白くて,何回も大声を出して遊んでいる.
<静かな湖,ミネスティマレーク>
■センチネルパスが見える
湖の向こう側の斜面に,大きくスイッチバックを繰り返す登山道が見えている.地図で確かめるとセンチネルパス(Sentiner Pass)という峠道で,目の前に見えているコルまでの距離は1.3キロメートル.コルの標高は2,611メートル.ミネスティマレークとの標高差は約160メートルである.
”ム,ム,ム,…,標高差がたった160メートルか! 1時間もあればあのコルまで往復できるな.あそこまで登ったら,さぞかし見晴らしが良いだろうな…”
と想像する.
”今のオレならば充分に往復できるな…残念!”
でも,こんなことを言うと嫌みになるので,口には出さない.
<センチネルパスが見える>
<往路を下山>
■名残惜しい湖
ミネスティマレークでの休憩を終えて,13時35分に下山開始.
緩やかな坂道を登って,13時45分,峠に到着する.
名残惜しい.
後ろを振り返ると,眼下にミネスティマレークが見えている.やっぱり見応えのある美しい風景である.
峰酢ティバスレークの右上にMt.テンプルの尖鋒がそそり立つように見えている.
<峠からミネスティマレークを見下ろす>
■素晴らし風景を楽しみながら
往路を下る.
下山ともなると気持ちに余裕がある.ときどき立ち止まって,素晴らしい風景をデジカメに収めながらのゆっくり下山である.
私は相変わらず行列の最後尾の方で気儘に歩くことにする.
前を歩く方と,多少,距離が空いても容易に追いつける自信があるから,かなり気楽に写真を撮ることができる.
<風景を楽しみながらユックリと下山する>
■展望の良い所で立ち休憩
14時08分,展望の良い所で,写真撮影のために立ち休憩を取る.紅葉と山のコントラストが素晴らしい所である.私もここで何枚かの写真をデジカメに収める.
内心で,
”この辺りの風景は絵の題材になるな…”
と思っている.
そそり立つように見えている山はMt.テンプルである.
<展望の良い所で立ち休憩>
■テンピークスも見納め
14時23分,再び見晴の良い広場に到着する.
相変わらずテンピークスが良く見えている.ここで10分ほど休憩を取る.ここでテンピークスも見納めである.
”もう,これで,一生の間に,もう一度,ここに来ることはないな…”
と思いながら,テンピークスをジックリと眺める.
<テンピークスも見納めである>
■この鳥は?
14時55分,休憩を終えて,広場を出発する.
すぐに,スイッチバックを繰り返す下り坂に差し掛かる.私達は順調にジグザグ道を下り続ける.
私達が歩いている直ぐ近くの小さな木の上に鳥が止まっている.私達が直ぐ近くを通っているのに,一向に平気である.平気というより無関心である.カラスより少し小振りの鳥である.
私には,この鳥が何という鳥かサッパリ分からないが,まあ,念のため,写真を撮っておく.
<近くの木の梢に鳥1羽>
<モレーンレークロッジ>
■湖畔の出発点に戻る
15時18分,ジグザグ道の途中,標高2,150メートル地点で,立ち休憩を取る.進行方向左側は山,右側は深い谷になっている.
15時20分,また歩き出す.
その後,順調に下り続けて,15時51分,モレーンレイクの畔の三差路に到着する.ここまで下ると私たち以外に湖畔を散策する人たちが多くなる.
モレーンレイクの湖畔沿いの道を歩いて,15時54分,再び出発点に戻る.
<出発点にあるロッジ>
■ロッジで一休み
出発点近くに建っているモレーンレークロッジで一休みする.
歩き始めが10時05分だったので,休憩時間を含めて,所要時間5時間49分のハイキングが終わった漏れーレークロッジで一休みする.
こうして,2日目の予定は全て終わった.
素晴らしい風景を堪能できた点は大満足だが,正直なところ,ちょっと歩き足りないなという印象が残る.
<モレーンレークロッジで一休み>
<一路ホテルへ>
■モレーンレークを出発
モレーンレーク駐車場で専用車に乗り込んで,16時10分,駐車場から発車する.通車上は,観光客の来るまで随分と混雑している.
専用車は,往路を辿って,一路,キャンモアのホテルへ向かう.
私の体内には,まだ猛烈な時差の凝っている.そのためか,あるいは疲労のためか,専用車が発車した途端に,私は居眠りをし始める.
<モレーンレークの駐車場>
■コーストキャンモアホテルに到着
専用車に乗っている時間の大半を,私は居眠りをしながら過ごす.海外へ出ると,毎度のことだが,私はどうも時差が苦手である.
17時20分,専用車は,無事にコーストキャンモアホテルに到着する.
<コーストキャンモアホテルに戻る>
(つづく)
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「カナダアシニボインハイキング」の目次
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「カナダアシニボインハイキング」の索引
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お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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アシニボイン紀行;第2日目(2);ラーチバレートレイル
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