趣味三昧;駅弁回想録;昭和57年;千歳空港「サーモン寿司」
2015年8月30日(日) 曇
秋雨前線が停滞中で,このところヤケに寒い日が続いている.その直前までは例年にない猛暑だったので,秋らしく過ごしやすい日が殆どない今日この頃である.
一昨日の夜,海外に赴任中の息子が,ヒョッコリ帰宅した.数日前から社用で名古屋近郊にある某所で仕事をしていたが,仕事を終えたその足で我が家に帰宅した.
そんなこともあって,私は土曜日に塔ノ岳に登るつもりにしていたが,息子と過ごす時間が欲しかったので,塔ノ岳行は中止した.
そして今朝,息子は早朝に我が家を出発して,成田空港経由で赴任地へ戻った.息子の海外出向はもう2年を超えている.
”そろそろ日本へ戻してくれ~ぃ…”
と息子の会社に直談判したくなる気分である.
つい,この間サラリーマンになったばかりだと思っていた息子も,歳月が過ぎ去るのは早いもので,不惑の年代の後半に差し掛かっている.私が今回取り上げようとしている,千歳空港「サーモ寿司」を賞味したときの年代に,息子が迫っている.
親ばかで,何時までも子どもだと思っていた息子が,何時の間にか,会社の重責をになう年令になっているとは…親の私が耄碌するのも無理ないなとおもう今日この頃である.
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さて,この「駅弁回顧録」の編集も,残念ながら遅々として進まない.未整理の駅弁包装紙の山をみていると,こんな調子で,一枚ずつブログ記事にしていたのでは,これから先どの位時間が掛かるのか見当も付かなくなる.
そうは言いながらも,普通ならば,サッサと捨てられてしまう包装紙を,シゲシゲと眺めてみると,デザインや色調など,多種多様で実に面白い.包装紙を通して,弁当屋の意気込みが直接感じられる.そこが何とも言えない魅力である.
包装紙の上半分の空はサーモン色である.漁師が被っている帽子や顔の描写も秀逸である.包装紙全体からしゃれっ気が感じられる.だから,包装紙のコレクションが止められなくなる.
それにしても,最近はわざわざ包装紙を被せた駅弁がほとんどなくなってしまった.私にとっては,駅弁の包装紙がない旅なんて…旅の魅力は半減してしまう.
・・・・・・・・・・・・・・・・・Back to the past days・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昭和57年(1982年)6月22日
私は北海道に出張していた帰りに,この駅弁を購入した.
私のサラリーマン時代も大分長くなり,このときそろそろ50歳を迎えようとしていた.勤務先の人事部門からは「セカンドキャリアプログラム」(正式な名称は伏せる)とやらで,自己申告書に自分の将来展望を書かされる年頃でもある.
その当時,私は小型の汎用コンピュータのシステム技術部門を担当していた.いわゆる直販ルートの他に代理店経由の販売ルートもあった.この辺りを余り具体的に書いてしまうとお里が知れてしまうので,この辺りで話題を転じるが,とにかく恒常的な技術者不足で頭の痛い毎日が続いていた.
北海道に出張したのも,某販売店の技術者不足への対応策を立案するためであった.
「この対応策が正解」というようなスッキリした対応策など,ぼんくらな私には,そう簡単に考えられない.ウンウンと頭を抱えながら,何とか対症療法を見いだすのが精一杯の毎日である.
仕事を終えて,千歳空港に向かう.
そんなときに,待ち時間を利用して,お値段が安くて美味しそうな駅弁を,1人でゆっくり食べる…これが私にとって至福の時であった.
この駅弁を賞味したときから,1年後,私は関係会社の某社に出向した.2年後また親会社に戻ってから,すぐに某大学に再就職した.
今,私はこの駅弁の包装紙を眺めながら,長いようで短かった私のサラリーマン生活の終章を懐かしく思い出している.
(つづく)
「駅弁回顧録」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/55b07b067ad2c0ee252f3517745ebde7
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