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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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閑話休題;日々雑感;年を取ったら,1回の旅で3度楽しむぞ!

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    閑話休題;日々雑感;年を取ったら,1回の旅で3度楽しむぞ!

2015年8月21日(金) 晴残暑厳しい

■3度楽しむって…何?
 今回話題にするのは,某旅行社の旅で知り合った仲間約20人のグループのことです.旅の最終日にこのままチリジリバラバラになるのは惜しいということだったので,
 「では,鎌倉に住んでいる私が,1年間限定で数回,鎌倉を案内しましょう…」
ということで,グループ活動が始まりました.全員が60才台後半以上のジイサン,バアサンです.
 ところが,1年の筈がまだ続いているんです.
 その内に,旅行社に頼らずに,自分たちだけで街道歩きを始めようということになりました.そして,中山道を切っ掛けに,甲州街道,善光寺西街道などを歩きました.その一方で鎌倉散策もずっと続けています.
 実は.来週の火曜日(8月25日)から善光寺街道を歩き始めます.計画では2泊3日の旅を3回繰り返して,信濃追分から長野善光寺まで歩くつもりです.勿論,ただ歩くだけではなく,沿道にある社寺,遺構,遺跡,主要観光スポットを参拝,見学しながらのノンビリ旅です.
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 さて,本日の主題は,”一回の旅で3度楽しむぞ”です.でも,この記事をご覧の皆さんは,”一体何のこと?”と訝るでしょう.
 実は.
 ①事前準備;旅の計画を立てるのが楽しい.
 ②旅の実施;計画段階の想定と実際の違いが分かるのが楽しい,
 ③事後の整理;実績を積み上げるのが楽しい
の三つのことなんです.
 ではもう少し具体的に説明しましょう.

■事前準備;旅の計画を立てるのが楽しい
 実は,旅が始まる数ヶ月前から,歩く予定のコースに関連する文献や資料類の調査をし始めます.もちろんインターネットも頻繁に使います.
 特に街道歩きの場合は,古道が何処を通っているか,現在,そこが通れるかを調べます.そして次に,沿道にある主要古刹,神社,遺跡,遺構,観光名所などをリストアップし,概要を調べます.
 次に,パソコンを使って資料作りをします.主に使用するソフトウエアはカシミールとPowerPointです.
 まずは,地形図や市街地図を眺めながら,1日当たり水平距離換算で何キロぐらい歩くかを想定します.そのときに,参加者の脚力を思い浮かべながら作業を進めます.
 そして,歩き出し地点までの電車,バスなどの交通機関を調べます.解散後利用する交通機関も同じように調べます.
 ついで,カシミールを使って,全行程の断面図を作ります.この断面図で水平歩行距離,登り坂の累積標高,下り坂の累積標高を詳しく調べます.
 参加者の顔を思い浮かべながら,これはどうも無理だと思ったら距離を縮めます.
 最後に,主要見所の一覧表を作ります.調べるのに結構時間が掛かります.
 参加者の人数が確定したら,集合場所・時間を決めて,利用可能な列車,バスなどの時刻表,タクシー会社などの情報を集めます.
 宿泊場所はインターネットを使って一括予約します.
 つぎに(ちょっと専門的かな?),カシミールの地図をPowerPointに読み込みます.PowerPoint上の地図に,カシミールで作った断面図や主要古刹,神社,遺構などの位置を貼り付けたり記入したりを繰り返します.
 地図は,2泊3日の旅で,A4の大きさで15枚程度の枚数になります.
 出来上がった地図を,ファイル形式pptとjpgで外部記憶装置に覚え込ませます,そして,PCメールを使って,jpg形式の地図だけを参加者に添付ファイルにしてお配りします.PCがない方には,幹事の方から郵送して貰います.
 参加者は,ご自身で地図をプリントアウトして,旅の当日,持参していただことにしています.
 この一連の準備は,幹事役にお手伝いを頂きながら,主として私が担当しています.
 正直なところ,ついつい愚痴が出るほど,この作業はシンドイし,時間が掛かります.それでも,この作業は,とても楽しいので結構熱中してしまいます.だから,多分,ボケ防止にも最適でしょうね.
 この一連の準備作業を行う最大のメリットは,旅行に行く前から,現地の様子がかなり細部まで想定できることです.

■旅の実施;計画段階の想定と実際の違いが分かるのが楽しい     
 こうして,いよいよ旅の初日になります.
 集合場所に集まったら,まずはウォームアップストレッチをします.私が音頭をとりますが,山学校で教わったのを見よう見まねでやってます.ですから実に怪しいんですが,それでも皆さんに好評です.
 いよいよ歩き出す前に,私が地図を使って,旅の概要を説明します.
 歩き出すと同時に.ラップタイムの計測を始めます.
 道中を歩きながら,事前準備で予想していたことと違うところがあります.
 “ははあ…ここは,こうなっていたのか…あれ,こんな所にこんなものがあったか”
と一つひとつの違いを見付けるのが,とても面白いです. 
 …で,歩くときは,一番足が弱い方が先頭です.
 “絶対に頑張らないで”
を口癖のように繰り返して言いながら,ごく,ごくユックリ歩くが真骨頂です.
 私達の旅は,別に旅行会社のツアーではありません.だから,予定の行程が途中で無理だと気がついたら,そこで止めればいいんです.逆に,もっと歩けそうだったら,予定を越えて歩けばいい.個人旅行だからその辺りは実に臨機応変です.なお,何か予期しないことや,困ったことがあっても,お互いに心穏やかに対処するようにしています.私達には”上から目線”や”下から目線”は御法度です.
 1日の行程が終わったらクールダウンのストレッチを必ずします.そして,2泊3日の最初の夕食は懇親会です.夕食を食べながら,2日目,3日目の行動を予習します.どうしたことか,私達のグループにはアルコールを嗜む人が居ません.ですから,夕食はアルコール無しで,いきなりご飯なんです.アルコールに馴れた方が居られたら,多分,物足りなく感じると思います.
 なお,歩行中の細々した用事は世話役の方々にお願いしております.
 夕食を終えて,自室で1人になります.
 どうせ夜は長いです.今日一日の記録を整理します.とにかく,気付いたことは何でも記録します.文字の記録が面倒ならポンチ絵で記録します.そして明日の行動予定を予習します.これらの作業が,これまた,実に楽しいんです.

■事後の整理;実績を積み上げるのが楽しい
 一連の旅を終えてから,自宅のPCを使って,実績データや旅の途中で入手した資料を整理します.
 そして,これらの実績データ,写真,資料を纏めて旅行記を書きます.もっとも,旅行記を作るなど,誰に頼まれたわけでもありません.ただ同行の皆さんが,私の旅行記がブログに掲載されるのを楽しみに,待っててくれます.これが嬉しいです.
 こうして,旅行記を纏めていると,もう一度旅を楽しんでいる気分になれます.
.私自身も旅の記録を纏めることによって,次の旅の基礎資料として利用できますし,なによりもボケ防止に役立っているでしょう(本当かな?). 

■山登りでも楽しみは同じだ
 実は,山に出掛けるときも,私は,全く同じような準備をしています.たとえツアー登山であっても…
 登山途中で,事前に調べた地形図,プロフィールマップ(断面図のこと)にコンパスを当てて,頻繁に現在地を確認します.
 ”ああ,今,ここを歩いているんだな…”
 ”もうすぐ,コルだな…”
 ”後,ウン百メートル登ったら,山頂だな…”
 ”後,ウン時間ぐらいで山小屋だな…”
なんて想像しながら歩きます.これが楽しいんです.
 もし予想通りに歩けたときは,
 ”オレの予想通りに歩けたな…予想が的中したぞ!”
で一層楽しくなります.逆に予想が外れたときは,”ありゃりゃ…”と思います.
 余談ですが…
 山のプロフィールマップを作るときは,地形図首っ引きで,手書きで作ります.そうしないと地図が頭に入らないからです.カシミールで作ってしまうと,地図や地形が頭に入らないし,実感が湧かないんです.
 所で,私には百名山制覇の野心も興味もありません(でも結果的に70座ぐらい登っているかな?).その代わりに気に入った山がなら何回でも登ります.
 でも,そんな私でも,山に登る度にプロフィールマップを作ったので,何時の間にか100座以上のプロフィールマップが手許に貯まっています(海外の山のプロフィールも10座ほど).もっとも,いずれも正確とは言えない代物ばかりです.
 それはともかく,ツアー登山で,山岳ガイドの後を,ただ,くっついて登るだけの登山は勿体ないです.
 私は“安全を買う”という意味で,今はもうアルプス級の高山には1人では行かないし,素人同士で登ることも避けています.必ず定評ある山専門会社主催のツアー登山に参加するようにしています.
 でも,山岳ガイドにガイドして貰うにしても,私は事前に地形図を首っ引きにして,プロフィールマップを作ることにしています.
 なんだか自慢話みたいになりはじめたので,この話はヤメにしましょう.
 
■年を取ったら欲張りになる   
 さて,話を戻します.
 こんな具合に,1回の旅を3度楽しむのが,私流の旅です.この楽しみ方には,余録があるんです.
 実は私のもう一つの趣味に水彩画があります.”下手の横好き”です.
 旅で書き貯めた雑記帳のポンチ絵やスケッチ画をもとに,大きさ20号か40号の水彩画に描き上げ,所属している某美術協会の展覧会に出品しています.これが余録なんです.
 こう考えると,私には,1回の旅で4度も楽しいことがあるんです.だから,実にラッキーなんです.
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 人間,だれしも年を取ります.
 年を取ると,いくら気力だけが元気でも,カラ元気になりがちです.身体にはガタが来るし,すべてが若い頃のよう思うようには動きません.
 だから,たった1回の旅でも実に貴重なんです.
 たとえ,どんなに小さな旅でも旅は旅です.折角の旅だから,3度楽むことにしましょう.これが,今回の記事で,私が一番強調したいことなんです.
 どうです.まだ旅をしていない方が居られたら,まずは少人数で鎌倉路地歩きでも始めたらいかがですか.                          (おわり) 

註;この記事は「趣味人倶楽部」に掲載した内容とほぼ同じです. 

「閑話休題:日々雑感」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/663db65736c811e5493bf95cf60e2f74
「閑話休題・日々雑感」の次回の記事
(なし)

 


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