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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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山ヒルも引っ込むほど猛暑の丹沢;塔ノ岳(今年35回目)

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                         <花立山山頂から越前岳方面を望む>

   山ヒルも引っ込むほど猛暑の丹沢;塔ノ岳(今年35回目)
           (単独山行)
        2013年7月14日(日) 晴・猛暑

■富士山と矢倉岳
 しつこいほどの猛暑日の連続で,さすがの私もバテ気味である.本来ならば昨日の土曜日,丹沢へ出掛けるはずだったが,朝からのムッとする蒸し暑さに恐れをなして(…と言うより孫達が避暑で我が家に来る日なので),予定を一日ずらして日曜日の今日,塔ノ岳を往復した.今年になって35回目の塔ノ岳往復である.
 何時もの通り,5時10分に出発するが,もう暑くて空気がベタベタしている.
 “猛暑になるのが分かっているのに出掛けるなんて,オマエ正気か”
と自分に問いかける.
 でも,まあ,折角,その気になって出掛けたのだから,途中で引き返すのも,結構勇気が要る.そのまま惰性で東海道本線,小田急線を乗り継ぐ.
 今朝は雲が多いようである.でも,急行電車が新松田に近付く頃,富士山と矢倉岳が良く見え始める.
 “ならば富士山と矢倉岳が重なるところを写真に撮ろう…”
ということで,トライするが,手前の家並みや信号機,電線などが邪魔をしてなかなか上手く撮れない.やっと二つの山が重なるところを撮影したが,シャッターチャンスが一瞬遅かったようである.
 近々山仲間達と一緒に矢倉岳に登る予定になっているので,その日が楽しみである.
 
<富士山と矢倉岳>                         <二つの山が重なって見える>

■山麓の白猫
 渋沢発大倉行一番バスは大混雑である.ただ臨時バスは出ないようである.辺りを見回すと,さすがに常連さんの姿は少ない.前の方に常連さんの中で最年長のKMさんが居られる,私がバスに乗り込んだのを見付けて,
 「おや,暫く振りね…元気にしてますが」
と声を掛けてくれる.
 バスは6時59分に大倉に到着する.
 軽くストレッチを済ませて,7時08分に大倉から歩き出す.
 登山口の手前で,白いネコが私の方を見つめている.
 “オレ,ネズミじゃねえぞ…”
とネコに言いたい,
 この頃,塔ノ岳の尊仏山荘へ行っても,山根もミー君は客席に殆ど顔を出さないので,ミー君の代わりに,お前さんの写真でも撮っておくか,ということで早速私の道草が始まる.
 うん,なかなか良いネコである.

<大倉の別嬪ネコ>

■見晴階段
 7時13分,登山道に入る.前方には沢山の登山者の後ろ姿が見えている.既に気温は27℃を超えている.全くの無風で湿度も高そうである.
 “こんな蒸し暑い日は無理しないぞ…”
と改めて自分自身に言い聞かせる.そして,無事,塔ノ岳山頂に到着できればそれで良しということにしよう.
 路面はまあまあ良く乾いている.
 できれば山ヒルの写真を撮りたいなと思いながら足許を凝視して登り続ける…が,このクソ暑さのためか,山ヒルは結局見つからない.
 7時48分,見晴山荘を通過する.そして,見晴階段に差し掛かる.
 例によって,階段下から階段を見上げた写真を撮る.私のすぐ前をKMさんが元気に登っている.その先には沢山の登山客が数珠繋ぎになって登っている.
 申し訳ないなと思ったが,坂の途中でKMさんを追い越させて戴く.私は
 「おはようございます.お暑いですね…すみませんが先に行かせてもらいます.」
と挨拶する.
 「暑いのは仕方ないです,寒い冬もあるんですもの…」
とKMさんがいう.
 “‘けだし名言’.正に秀逸”
と私は思う.暑い寒いは正に自然が与えてくれたもの,素直に受け止めなければ…暑いときは,この暑さ,今だけ味わえるものと感謝しなければ…
 “でも,やっぱり暑いなぁ〜!”

<見晴階段>

■緑陰の一本松
 見晴階段を登り切ってモミジ坂に差し掛かる.頭上を覆う緑が美しい.でも今日は殆ど無風である.山麓よりは幾分マシだが,相変わらず蒸し暑い.
 やがて一本松上の平坦地に差し掛かる,休憩所のベンチは沢山の登山客で満杯になっている.先ほど私を追い越していった男性もベンチに座り込んでいる.
 このベンチで山ヒルを拾う人が多いと聞いている.
 “山ヒルに注意をして下さいよ…”
 気が弱い私は口には出さずに,心の中だけで無言の注意をして通過する.
 私? 勿論,ユックリ登る代わりに,塔ノ岳山頂まで途中で休憩を取るつもりはない.

<登山客で賑わう一本松上のベンチ>

■傘雲掛かる富士山
 駒止階段に差し掛かる.後ろから来た男性に追い抜かれる.でも,私は超ユックリのペースで登って,8時21分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間13分.このクソ暑さなら,まあ,こんなところだろう.
 先ほど私を追い越した男性が茶屋上のベンチで休んでいる.私がベンチの前を通過しようとすると,男性は急いで立ち上がって私の前を行こうとする.ベンチに帽子を置き忘れている.私は,
 「帽子忘れていませんか…」
と注意する.
 男性が帽子を取りに行っている間に,また私が先になる.
 堀山の尾根に差し掛かる.幾分涼しくはなったものの,何時もここで感じる開放感は今ひとつである.空気の流れは感じるものの,身体の周りのべとついた空気を一気に吹き飛ばしてくれるほどの流れではない.
 富士山が良く見える場所で立ち止まって富士山の写真を撮る.
 富士山の頂上に傘雲が湧き出したようである.

<堀山の尾根からの富士山>

■10代の登山者
 8時40分,堀山の家に到着する.店先には,山荘が営業中であることを示すまっ赤な幟がはためいている.ここには下山のときに立ち寄ることにして,登りは通過する.
 小草平のベンチでは,沢山の若者が休憩を取っている.
 いよいよ私が一番楽しみにしている長い登り坂である.この長い登り坂があるからこそ,大倉尾根は登る価値があると思っている.
 今日は,とんでもなく蒸し暑いので,熱射病を警戒して,ここから花立山荘まで45分駆けて登ることを目標にようと思う.平素は40分を目標にしているが,今日は蒸し暑いので特別メニューである.
 “クソ暑いときは,無理しちゃダメだ!”
 私は絶えずこの言葉を念頭に置きながら,ユックリ,ユックリ登る.こんなときは,一人旅も気儘で良いものだ.勿論,顔見知りの方と切磋琢磨しながら登るのも楽しいが……
 とはいえ,“バカ尾根一人旅”に,登山を楽しむ原点があるような気があらためてしてくる.
 私は数え切れないほどの若い登山者に絶えず追い抜かれている.
 戸沢分岐手前の階段道で,10人余りの若い男性の集団に追い付く.リーダーの先生に伺うと高校2年生だとのこと.
 「まだ,みんな10代ですよ…」
と先生が愛情の籠もった声で私に説明する.
 「はいっ!…頑張って!…左によって道を空けなさい!」
と生徒を励ます.
 生徒さんより4倍も年を取っている私が先に行くのもおこがましいが,遠慮がちに先に行かせてもらう.
 “うん,‘頑張って’は,確かに暴力ではなくて,叱咤激励だ…”
 私は昨今の世相を思い浮かべながら,この生徒さん達は良い先生の指導を受けているなと思う,まあ,ここは憚りながら先に行かせてもらう.
 急坂では至る所で,登山道を外れて,草むらに腰を下ろして休憩を取っている人達が居る.今日は,まあ,草むらが乾燥しているので,山ヒルも大丈夫かも知れないけれども,如何にも,
 “山ヒルさん…どうぞ私に食いついて下さい”
というような仕草である.
 気が弱い私は,こんな皆さんに積極的に注意を呼びかけることはしないが,もう少し注意して欲しいなとつくづく思う.

■熱気でムンムンの萱場平
 戸沢分岐近くで,また先ほどの男性が後ろから迫ってくる.私は堪らず先を譲る.後ろからこの男性の登る姿を見ていると,どうみてもオーバーペースである.それに足元がふらついている.
 “もうすぐバテるな…”
 9時00分,萱場平を通過する.ここで何時もの通り写真を撮る.直射日光が照りつける平らは熱気でムンムンしている.そんな中.例のアザミだけは元気一杯である.
 “オマエ,相変わらず元気だな”
とアザミに挨拶して通過する.

<萱場平>

■後7分坂(花立階段)
 自分のペースを乱さないように注意しながら登り続ける.
 萱場平から木製の階段を登り切ると,階段の道幅が広くなる.さらに登る続けるといよいよ露岩帯である.
 この辺りで,先ほど私を追い越した男性の速度が極端に遅くなる.
 「スミマセン,先に行かせて下さい」
で,私は男性の先に出る.といって,私は歩行速度を速めたわけではない.バテないように,あくまでスローペースの定速である.ただ,この男性の歩行速度が極端に遅くなっただけである.
 大岩を廻り込む頃には,先ほどの男性の姿は,殆ど見えなくなるほど下になる.
 やがて,後7分坂に差し掛かる.相変わらず富士山が良く見えている.やっぱり見えている以上は,写真に収めなければ…

<後7分坂手前からの富士山>

■花立山荘
 後7分坂を9分も掛けて,ウンコラ,ウンコラと登る.ジリジリと焼けるような太陽が背中を照りつける.殆ど無風.まるでフライパンの中を登っているような気分である.ただ見晴だけは素晴らしい.
 階段の途中で,何人もの若手の駆けっこ組に追い抜かれる.今日は追い抜く人より追い抜かれる人の方が圧倒的に多い.不甲斐ないけど,でも,まあ,いいや.やむを得ない.
 9時22分,ようやく花立山荘に到着する.
 相変わらず富士山が良く見えている.ここでもベンチは休憩を取る登山客で一杯である.
 大倉から花立山荘までの所要時間は2時間14分.堀山の家からは42分.このクソ暑いときにしては,後半でのバテが軽かったようである.改めて自分の体調が以外に良くて,蒸し暑さで不快ではあるものの,疲労感はほとんどないことに気がつく.
 “よし,よし,この調子.これから山頂までも絶対に頑張らないぞ…”

<花立山荘から富士山を望む>

■花立山
 さて,花立山荘から花立山までが,私にとって一番イヤなところである.何しろ,まだ暫く階段道が続くし,それにその先の岩稜帯は山頂が見えているのになかなか到着できないからである.
 春や秋の快適なシーズンには,花立山荘から花立山まで大体8〜9分で登るが,今日は11分掛けてバテないように登り続ける.
 9時33分,漸く花立山山頂に到着する.
 今日は夏場には珍しく,富士山だけでなく南アルプスも見えている.また,越前岳方面は山麓に薄雲が棚引いていて素晴らしい眺めである.
 “こりゃ〜ぁ…写真を撮るしかない”
 私は,花立山山頂で立ち止まって何枚かの写真を撮る.

<花立山山頂付近から富士山越前岳方面を望む>

■塔ノ岳山頂
 9時40分,金冷シを通過する.
 周囲の森の中から,ジイジイと金属音で啼く虫の声が絶えず聞こえてくる.これも風物詩だが,何とも蒸し暑い感じがする啼き声である.
 ここまで来れば,しめたもの.あと15分で間違いなく塔ノ岳に到着する.それに速く歩いても,遅く歩いても2分と差は付かない.別にラップを気にしているわけではないが……(嘘だよ! やっぱり,それなりに気になるよ!)
 今日は,山頂近くまで来ても涼しくなったという感じはない.でも,まあ,幾分は涼しいかな,無理をして言えば…
 ノソノソ歩きを続けて,9時57分に塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は26℃.やっぱり暑い.
 大倉からの所要時間は2時間49分.まあ,無事に山頂まで登れただけでも良しとしなければ…でも,花立山荘からの所要時間は35分も掛かっている.ここは30分程度で登らなければ…いくら熱いとは言っても,あと,5分は縮めなければダメだな
と,自分の頭の中では,ユックリ登らなければという信条と矛盾することを考えている.
 暑い最中に登ったご褒美は,富士山と南アルプスの眺めである.山麓に漂う薄雲が素晴らしい情感を演出している.自然はやっぱり天才の芸術家だ! やっぱり凄いなと感心する.実はそろそろ秋の展覧会に出品する絵を制作しなければと私は焦り始めている.今度は,何をテーマに絵を画こうかな?

<塔ノ岳山頂からの絶景>

■尊仏山荘
 山頂で周囲の写真を撮る儀式を終えて,尊仏山荘に向かう.
 山頂では沢山の登山客が休憩を取っている.山頂のポール付近で尊仏山荘を見ると,どなたかが私を見付けてニコニコしている.
 “あれ,誰だろう? ご常連ではなさそうだが…”
 近付いて見ると,オーナーのHさんである.
 山荘に入ると,入口近くに座っていた方々が私に挨拶する.一瞬,ビックリするが,堀山の家の若手の面々である.
 今日の小屋番は,オーナーの他にWHさん,WDさん,HYさんのオールスターキャスト.早速300円也のお茶を所望する.夏場の水分補給にお茶は大助かりである.
 オーナーのHさんが,
 「今日の1番バスの中では,FHさんが一番乗りですよ…」
と言う.
 「今日は,韋駄天組のTGさんを初め,常連の皆さんはほとんど居ませんでしたよ」
 「じゃあ,バスは空いていましたか」
 「いえ,臨時バスは出なかったようですが,登山客でギッシリでしたよ…そう! KM女史に会いましたよ.」
 それから四方山話.
 夏の塔ノ岳は蒸し暑いので.北アルプスの普通の山に登るよりも,厳しいなと思っている.こんな暑いときは北アルプスに入り浸っていたいが,北アルプスに1回出掛ける費用で,10回塔ノ岳に登れることを考えると,年金暮らしでは塔ノ岳で苦労するしかないなと思う.
 暑さの話題ついでに,私が,炎天下,甲州道中の旅で甲斐国を歩いた…炎天下の舗装道路で苦労したことを報告する.
 「舗装道路では照り返しで40℃を超えていますよ…」
とオーナーが言う.確かに,あのときの蒸し暑さは,今日以上だった.
 山荘内で暫く座っていると,窓から吹き込む風が,とても涼しくて爽やかなのに気がつく.時間が許せば,何時までも涼んでいたいなと思う.

<尊仏山荘>

■下山開始
 9時25分,そろそろ下山しようと思う.
 尊仏山荘を出たところで,初老の男性に話しかけられる.この男性は私のことを知っているらしいが,私は全く記憶にない.年のせいか,最近,こういう場面が多くて困る.数分立ち話をして,何方か分からないままお別れして,10時29分に下山開始.
 完全な一人旅なので至って気楽.
 山頂直下で,日曜日の常連,MMさんとすれ違う.
 「KMさんと,大分下の方ですれ違いましたよ」
とのこと.KMさんは何時の間にか山頂に来られていたようである.
 金冷シ手前で,先ほどの高校生グループとすれ違う.先頭の生徒が立ち止まっている.先生が,
 「はいっ! 頑張って!」
と気合いを入れている.
 “若さって良いな! ロートルだったら,頑張ったら5分と持たないだろう.”
 花立山荘付近で,同じバスにのっていたと思われる登山者と次々にすれ違う.名前は分からないが常連の方も居られる.

■ノシイカさん
 10時54分,花立山荘を通過する.
 次から次へと数珠繋ぎに登ってくる登山客とすれ違いながら,慎重に下山し続ける.
 花立階段を下り終えて,岩稜帯を少し下ったところで,下の方からいきなり,
 「FHさぁ〜ん!」
と声を掛けられる.山旅スクール5期のノシイカさんである.ノシイカさんの最初に質問は,
 「今日,TGさんは居られましたか」
である.またもやTGさんである.何時もTGさんとすれ違う場所で,合わなかったので不思議だったという.
 「TGさん,1番バスには乗っておられなかったようです」
 暫くの間,立ち話.
 「今日の鎌倉の予報は17℃たっていうんで,よっぽどFHさんに鎌倉案内をお願いしようと思いましたよ…」
と仰る.勿論,山仲間からの要請なら,優先順位1番で即応したのに…残念!
 来る18日には山旅スクール5期の皆さんと一緒に鎌倉の山を歩く予定である.でも,このグループは,いつも途中で道草をしているので,最近セッセと歩いたためしがない.
 「次回,18日はみっちり歩きましょうね」
ということになる.でも,どうなるか分からない.
 もう一度,ここからノシイカさんと一緒に塔ノ岳に登り返そうかとも思ったが,また炎天下の後7分坂を登り返す気にもならないので,ここでお別れ.

■堀山の家
 11時03分,堀山の家に到着する.小草平のベンチは,相変わらず登山者で一杯である.
 余りに蒸し暑いので,堀山の家に立ち寄って,冷たい物で飲みながら一休みしようと思う.
 小屋に入る.小屋の女主人が愛想良く出迎える.外は沢山の登山客が居るのに,小屋の中は閑散としている.
 250円也の冷たいサイダーを所望する.火照った身体に,冷たい飲み物は何よりである.
 「今日,TGさん居られましたか?」
 またもや,TGさんの質問である.人気者のTGさんが居られないと,皆さん落ち着かないようである.
 今日もやたらに蒸し暑いことが話題になる.
 「涼しい内に登るといって,内の者達が尊仏山荘まで登っていきましたよ…」
 「尊仏山荘で,皆さんにお会いしましたよ…」
 余りに蒸し暑いので,山に登るのに時間が掛かることが話題になる.その内に,韋駄天のMSさんのことが話題になる.
 「そろそろ,MSさんが堀山の家を通過する頃ですよ」
 10分ほど休憩を取ってから,私は腰を上げる.女主人が私に,
 「写真を撮らせて下さい」
と言うので,堀山の家の前でポーズを撮る.丁度そのとき,予想に違わずMSさんが下山してくる.
 「では,もう一枚…」
ということで,MSと私のツーショット.次の『堀山の家』のHPに掲載されるかも知れない.
 帰り際に,女主人が.
 「いつも,(お立ち寄り戴いて)有難うございます.」
と私にお礼を言う.たった250円のジュースを飲んだだけなのに,丁寧にお礼をいただくと,正直,照れる.

<堀山の家で一休み>

■下界は蒸し風呂
 堀山の尾根をノンビリと下り続ける.
 堀山近くで,堀山の家に縁(ゆかり)の方々とすれ違う.
 「今日,TGさん登っていましたか?」
 またもや,HGさんの質問である.皆さん途中で会うべき人に会わないと,とうも落ち着かないようである.
 標高が下がるにつれて,ますます蒸し暑さが増してくる.登りのときに比較すると,幾分空気が動いているようで,生暖かい空気が身体の周りをへばり付くようにして抜けていく.
 幸いなことに,今日はどういう訳か,アブや蚊の類は寄ってこない.
 12時42分,観音茶屋に到着する.ここで氷水でも飲んでいこうかと思っていたが,残念ながら今日はお休みのようである.
 堀山の家に続く,第2関門がお休みで,困ったような,ホッとしたような妙な気分である.
 大倉13時11分発のバスの時間を睨みながら,ノンビリと下山する.登山口を過ぎると,かんかん照りの舗装道路になる.手許の温度計では気温34℃.ヤケに暑い.
 20人ばかりの小学生が乗り込んだので,バスは結構な混雑である.
 渋沢,小田原で電車を乗り継いで,14時33分に大船駅に到着する.空は何時の間にか曇っているが,大船も結構蒸し暑い.
 “なんでこんな蒸し暑い日に,わざわざ塔ノ岳に登ったんだろう”
 我ながら,自分のことが奇妙に思えてくる.
 帰宅すると直ぐに,汗臭い衣服を脱ぎ捨てて,シャワーを浴びる.
 ホッとひと息.
 ユックリ登ったとは言え,やっぱり疲労感が残る.
 まあ,とにかく,塔ノ岳山頂を往復できたのだから,良かった,良かったである.

<ラップタイム>

 7:08  大倉歩き出し
 7:30  観音茶屋
 8:48  見晴山荘
 8:21  駒止茶屋
 8:40  堀山の家
 9:22  花立山荘
 9:40  金冷シ
 9:57  塔ノ岳山頂着(25.0℃)
10:29      〃  発
10:40  金冷シ
10:54  花立山荘
11:33  堀山の家(11:48まで休憩)
12:01  駒止茶屋
12:24  見晴山荘
12:42  観音茶屋
13:01  大倉着

[山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:08
  塔ノ岳  着       9:57
  (所要時間)  2時間49 分(2.82h)
  水平歩行速度   7.0km/2.82=2.48km/h
  登攀速度    1269m/2.82h=450.0m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:29
  大倉   着      13:01
  (所要時間)  2時間32分(2.53h)
  水平歩行速度     7.0km/2.52h=2.78km/h
  下降速度     1269m/2.52h=503.6m/h
                                (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d9befa08a2daaa293f27a51de3cd0ede
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)









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