閑話休題;麝香猫のコーヒー
2015年7月20日(月) 晴
3連休の最終日.
先週末からインドネシア駐在中の息子一家が,現地のラマダン明けの休暇を利用して一家揃って帰国中.また,同じくインドネシアに単身赴任中の長女の旦那も帰国中.それぞれ日本滞在中の日程計画はバラバラだが,7月18日(土)~20日(日)の間は我が家に集まることとなった.
集まると言っても土曜日の夜我が家に宿泊する家族も居れば,日曜日に宿泊する連中も居る.勿論連泊組も居る.孫を含めて,総勢14人が出たり入ったり.これらの世話をしなければならない.
近場に住む長女があれこれとお手伝いをしてくれるが,それでも事前の晴の合間の日をねらって布団干しやら,少しは庭の草木の手入れをするやら,重たいものを1階~2階間を上げ下ろししたり…でとても大変.まあ,楽しくもあり忙しくもある.
私達夫婦も,もう,何時お迎えが来てもおかしくない年令に達している.もうお互いに脳味噌はスカスカにしなびてきているし,何をするにも”ドッコイショ”の掛け声が必要である.
そんなこんなで,19日(日)に参加予定だった二宮吾妻山ハイキングは,主催者に申し訳ないと思ったが,前日になってドタキャンした.そして,連夜,飲めない酒のお付き合いをする.
息子の土産の中に麝香猫の糞から作った焙煎済コーヒー(Kopi Luwak)がある.19日夜,これを賞味することになる.少々下ネタで恐縮だが,要するに麝香猫が食べたコーヒー豆がそのまま糞に混じって出てくる.その豆を焙煎したコーヒー豆である.
息子はこのコーヒー豆の売価までは明かさなかったが,
「…美味しいはずだから,飲んでみましょう…」
ということになる.
<コーヒー豆のパッケージ>
糞から取り出したコーヒー豆などと聞かされると,何となく気持ちが悪くて,そんなコーヒーはいくら旨くても積極的に飲む気にはなれない.ときどき,野良猫が我が家に残す臭い糞を連想すると,どうも気が進まないが,折角,息子が入れてくれたコーヒーである.勇気を出して一口飲む.
ところが,このコーヒー,一口飲んだだけで,実に美味しいことがわかる.
私は食べ物のレポーターではないので,なかなか的確な表現はできないが,普通のコーヒーのトゲトゲした味が完全になくなって,とてもまろやかである.私のようにコーヒーの知識が全くない人間が飲んでも,このコーヒーのまろやかな味にはすっかり魅了されてしまう.
「よおし…,今度はオレがコーヒー豆を食って,(麝香猫コーヒーじゃなく)人間コーヒーを皆様に馳走しよう…」
と余計なことを言う.
この私の一言で,和やかな雰囲気が,一瞬で凍り付いた.
(おわり)
「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/45e0d899dd3e5f32ca669bd0ff2b8c0d
「閑話休題」の次回の記事
(なし)
↧
閑話休題;麝香猫のコーヒー
↧