<見晴らし山荘前から相模湾を望む>
台風11号の合間に登る丹沢;塔ノ岳(小草平まで)(今年13回目)
(リハビリ単独山行2回目)
2015年7月18日(土) 曇一時小雨・風強し
■早朝,怪しい雲が南から北へ流れている
何時ものように3時頃起床する.
巨大台風11号は,中国地方に大きな災害の爪痕を残しながら日本海へ超ユックリの速度で北上している.台風の影響で,私が住んでいる鎌倉でも悪天候の日が続いている.
今日は土曜日.天気予報が雨でさえなければ,第2回目のリハビリ登山をするつもりである.行き先は勿論塔ノ岳.もちろんリハビリ中なので塔ノ岳山頂までは登らずに,駒止茶屋か小草平辺りで引き返す積もりである.
有料の天気予報サイトで,塔ノ岳付近の天気予報を入念にチェックする.どうやら今日は終日曇.ただし小雨がぱらつくことがあるらしい.私は出掛けるかそれとも止めるかで多少躊躇するが,いつまでもグズグスとリハビリを延ばしていては踏ん切りが付かない.断固行くぞと決める.
何時ものように4時10分に自宅を出発する.水は少々多めに1.5リットル用意する.その他の持ち物は,膝への負担を考慮して,必要最低限に留める.
今は7月中旬.まだ夜明けが早い時期なので,4時を過ぎれば十分に明るくなっている.日中の蒸し暑さには閉口するが.出掛けるときに明るいのは,出発のプレッシャーを随分と軽減してくれる.
今朝は台風の影響のためか,少々風が強い.空を見上げると雲が南から北へかなり速い速度で流れている.
大船駅前のコンビニでオニギリなど昼食を購入して,大船発下り初電5時10分発熱海行に乗車する.こんなに早い時間なのに,もうすっかり明るくなっている.私は明るくなっているのが嬉しくて,大船駅のホームの写真を撮る.この写真には前回の塔ノ岳の記事手取り上げた横須賀線の0キロメートルポストも写っている.
5時50分,小田原に到着する.新宿行小田急電車に乗り換える.車窓から海側を眺めると雲が多いものの青空も見える.ところが反対側の丹沢方面は薄暗くて分厚い雲が山麓まで覆っている.ひょっとしたら,富士山と矢倉岳が重なる風景の写真が撮れるかもしれないと思っていたが,これでは到底無理,残念.
<台風11号の怪しい雲> <早朝の大船駅>
■常連と一緒に大倉から歩き出す
6時11分に小田急線渋沢駅に到着する.
大倉行バス乗車口には,なぜか1番乗り.私より先に来られている常連のNGさんが今日は居られないので,ちょっと寂しい.暫くすると常連のIIさん,NJさんが到着する.電車が到着する度に,バス待ちの列が長くなるが,今日は臨時バスは出ないようである.
バスは定刻6時37分に発車する.乗り合わせたご常連は,IIさんの他に編集長のYKさん,三角髭のTDさん,SSKさん,KMさん,MTさん,YDさん,駈けっこのHさん他.バスは立ちんぼの人が沢山居るが,何時もの土曜日のようには混雑していない.多分,下り電車が遅延しているに違いない.
バスは6時59分に大倉に到着する.私は途中までバスで乗り合わせた常連の皆さんと一緒に登る積もりである.2番バスに乗車している常連さんがいるだろうということで,15分後に到着する2番バスを待つ.案の定,2番バスには,毎日登山のTGさん,HMさん,MGさん,STさん,KIさん,カメラマンのMMさん,MTさんなどが乗車しておられる.
7時19分,居合わせた常連の皆様と一緒に,バス停大倉から歩き出す.
路面はグショグショに濡れている.登山口から登山道に入る.暫くの間,簡易舗装の道が続くが,山の斜面からしみ出す雨水が道路に流れ出している.沢山の山ヒルが一緒に流れているんではないかと気になる.
7時36分,丹沢ベースを通過する.この辺りは山ヒル天国.山ヒルに取り付かれないように,ひたすら登山道の真ん中を歩く.
■常連の皆さんと前後しながら登る
7時49分,観音茶屋を通過する.この辺りから常連の列がバラケ始める.先頭はTGさん,少し離れてSSKさんとHDさん,そして私,その後にIIさん,STさん達が続く.私は常連の皆さんと一緒に歩きながら,
“4ヶ月のブランクがあったけど,まあ,まあ,常連の皆さんに付いて歩けそうだな…”
とちょっとばかり安心する.
8時10分,雑事場ノ平に到着する.ここで大倉の尾根筋に出る.その途端に涼風が尾根を吹き抜けている.これまでの蒸し暑さから解放される.何という心地よさだろう.これだから山が止められないなと思う.
8時12分,見晴茶屋を通過する.
<高原の家分岐に差し掛かる> <雑事場ノ平付近の心地よいトラバース道>
■チャンピョンにバッタリ
8時05分,ヒョッコリとチャンピョンが現れる.先日,塔ノ岳登頂5000回を達成したばかり.毎日新聞にチャンピョンの偉業が報道されたばかり.近々,ラジオのインタビューを受けるとのこと.
塔ノ岳5000回.1年は365日しかないので,仮に連日登っても15年近く掛かる計算になる.
これはただごとではない.いや大したものである.
<チャンピョンとバッタリ>
■見晴階段
8時12分,見晴茶屋を通過する.
いよいよ見晴階段である.例によって見晴階段を見上げて写真を撮る.何時もの土曜日なら,登山者の後ろ姿が数珠繋ぎになって見える筈だが,今日は随分と少ないようである.
私も無理をしないように十分に注意をしながら常連の皆さんの間に入って登り続ける.内心では.
”ブランクが長かったけど,まあ何とか登れる体力はありそうだ…”
とちょっとばかり安心する.
<見晴階段を登る>
■モミジ坂の見事な緑陰
見晴階段を登り切ったところで,下山してくるKSさんにバッタリ.
「…随分,長い間,会わなかったね…」
とKSさんが私に話しかける.
右膝を故障してウンヌンカンヌンと説明している時間がないので.「色々あって…」という省略形で挨拶をする.
挨拶をしている間に,私のすぐ前を歩いておられるSSKさんとの間隔が開いてしまう.この先,SSKさんとの間隔が狭まることはなかった.
見事な緑陰のモミジ坂をユックリペースで登り続ける.
8時28分,ようやく一本松を通過する.大倉を歩き出してから1時間09分経過している.元気だった頃より10分ほど余計に時間が掛かっている.
<モミジ坂を登る>
■駒止階段
やがて駒止階段に差し掛かる.
私の今日の終着点は小草平にすると,固い決心でいる.このまま常連の皆さんの後を追っていると,そのままズルズルと小草平より先に行ってしまいそうである.
私はここからは意識的に歩行速度を落として,なかば良い頃合いに小草平に到着するようにしたい.
駒止階段で,私の後の居られるHDさんとSTさんの到着を待つ.
「今日,私は(小草平の)堀山の家を終着点にします.よろしく…」
と挨拶してから登り出す.
<駒止階段>
■駒止茶屋
8時46分,漸く駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間27分.超ユックリだが,今の私には,この程度が一番無難なように思える.
引き続き,大倉の尾根道に入る.涼しい風が吹いている.実に心地よい.
モタモタしている内に,先ほどまで見えていたSSKさんの後ろ姿が見えなくなる.
<駒止茶屋>
■表尾根に分厚い雲
涼しい海風を受けながら,大倉の尾根道を楽しむ.
時間がタップリ,十分にある.私は表尾根に低く垂れ込める雲を眺めながら,時間潰しをする.
そうこうしているうちに,私の後ろに居られたHNさんとSTさんが私に追い付く.
<大倉尾根から表尾根を眺める>
■残念ながら富士山は雲の中
9時頃,富士山が見える場所で立ち止まって,雲に隠れて見えない富士山の写真を撮る.まあ,未練タップリというところだろう.
<堀山の尾根道から見えない富士山の写真を撮る>
■小草平
9時10分,小草平に到着する.残念ながら,堀山の家はまだ開店していない.
小草平のベンチには,先ほど私を追い抜いていったお二人の他に,カメラマンのMMさんが休憩を取っておられる.暫くすると,IIさんが到着する.
今日の私はここが終点である.堀山の家が開店していれば,コーヒーでも馳走になってから下山しようと思っていたが,まだ開店していない.
”仕方ないな…時間潰しに,今日も,予定を変更して萱場平まで登ろうかな…”
と思っている矢先に,雨が降り始める.
”こりゃダメだ…やっぱり下山しよう.”
<堀山の家> <小草平のベンチ>
■駒止階段と見晴階段
時間がタップリあるのは有り難い.今日は2本ストックを使っての下山である.一歩一歩,足に無理が架からないように細心の注意をしながら下山し続ける.
9時37分,駒止茶屋を通過する.一番バスの韋駄天組はそろそろ塔ノ岳山頂に到着する時間である.それなのに,私はショボショボとこんな所を下山している…何だか情けない気分になってくる.
駒止階段の降り口で呆然と立ち尽くす高年齢の男性が居る.足元がふらつくらしくて苦労しておられる.この方に較べれば私など未だマシな方だな思いながら下り続ける.
9時58分,一本松を通過する.何時もならば,モミジ坂を一気に飛ばしながら下るところだが,今日は慎重である.
モミジ坂の先,見晴階段も慎重そのもので下る.
10時19分,見晴茶屋を通過する.
■観音茶屋
10時32分,分岐を通過する.
観音茶屋の手前で,下山中のYKさん後ろ姿が見え出す.追い抜くのも気まずいので,観音茶屋まで,YKさんの後ろに付いたまま下山し続ける.
10時39分,YKさんと一緒に観音茶屋に到着する.茶屋の女主人が私達を快く出迎える.
<観音茶屋に到着>
■まずは氷水
私,夏場は観音茶屋で,氷水を飲むと決めている.早速氷水を注文する.
氷水を賞味しながら雑談.私が,
「…年を取って減るのはお金,増えるのは診察券…」
と愚痴る.すると,YKさんが,
「…毎日,生きるのに精一杯ですよ…」
という.
この一言,何とも切迫感があり,大いに賛同する.
<観音茶屋の氷水>
■上野東京ラインの電車で大船へ
YKさんが,
「ハンディを付けて,先に出発します…」
と冗談を言いながら,観音茶屋から歩き出す.その約3~4分後,私も観音茶屋から下山開始.足元が濡れていて滑りやすいので慎重に下り続ける.
11時04分,丹沢ベースを通過する.足元の石が濡れていて歩きにくい.ここで先に観音茶屋を出発したYKさんを追い抜く.
11時16分にバス停大倉に到着する.バス停に乗客が居ない.私は11時18分発のバスに乗るつもりだったが,私の記憶違いで,土曜日のバスの発車時刻は11時15分.タッチの差で間に合わなかった.
バス停には駈けっこの方々が4~5人居られる.ふと見ると,その中にHさんが居られる.今日は橋本まで走らなかったらしい.
「今日は風が強くて…天気が最低…」
と愚痴る.
大倉発11時35分のバスに乗車する.
渋沢から小田原に出る.
私が,4ヶ月間,塔ノ岳をご無沙汰している間に,上野東京ラインの電車が走り出したので,これまでに比較すると,何だか勝手が違う.上野東京ラインを走る電車と湘南新宿ラインを走る電車とが,私の頭の中でこんがらかる.
小田原始発12時34分上野東京ラインの電車に乗車する.
■小腹が空いた
13時06分に大船駅に到着する.気がつくと昼食をろくに摂っていない.
”ならば…”
ということで大船駅構内のBecker'sで,オニポテとブレンドコーヒーで軽食を摂る.
コーヒーを賞味しながら,ここ数日中にやらなければならない雑務をノートに列挙してみる.
”こりゃあ,大変だ…”
”おちおちコーヒーなんか飲んでる時間などないぞ…!”
私は俄に落ち着かなくなる.
<オニポテとブレンドコーヒー>
■やっぱり慎重にしなければ…
14時過ぎに帰宅する.同居人は出掛けていて留守.
すぐにシャワーを浴びて汗を流す.そして,登山できていたものを全て洗濯する.
そうこうしている内に,猛烈な眠気が襲っている.やっぱり身体がまだ登山になれていないんだと実感.
<ラップタイム>
7:19 大倉発
7:27 登山口
7:31 克董窯
7:36 丹沢ベース
7:49 観音茶屋
8:00 分岐
8:10 雑事場ノ平
8:12 見晴茶屋
8:28 一本松
8:46 駒止茶屋
8:51 堀山
9:10 堀山の家着
9:15 〃 発
9:25 堀山
9:37 駒止茶屋
10:17 見晴茶屋
10:19 雑事場ノ平
10:32 分岐
10:39 観音茶屋(10:58まで休憩)
11:04 丹沢ベース
11:08 克董窯
11:12 登山口
11:17 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 4.1km(片道)
■登り累積登攀高度 673m
累積下降高度 47m
■登り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:19
小草平着 9:10
(所要時間) 1時間51分(1.85h)
水平歩行速度 4.1km/1.85h=2.22km/h
登攀速度 673m/1.85h=363.8m/h
■下り累積登攀高度 47m
累積下降高度 673m
■下り所要時間(休憩時間込み)
小草平発 9:15
大倉着 11:17
(所要時間) 2時間02分(2.03h)
水平歩行速度 4.1km/2.03h=2.02km/h
下降速度 673m/2.03h=282.2m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/93fc3e18c8287f311f1e38a4471aa876
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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台風11号の合間に登る丹沢;塔ノ岳(小草平まで)(今年13回目)
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