第38回2015神奈美展出品作品『山頂を目指して(アパチャ山)』(40号)
趣味三昧:神奈美展出品作品を振り返る;『山頂を目指して(アパチャ山)』
(3作品中3枚目)
2015年4月14日(火) 曇
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2枚目の記事
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■アパチャ山の思い出
数年前,私は某登山専門のツアー会社が主催するアパチャ山登山に参加した.
アパチャ山は,カムチャッカ半島のほぼ中央に位置する山である.浅間山を彷彿させる山である.夏のカムチャッカは夜21時を過ぎても,まだ空が明るいので,タップリ時間を掛けて登った.
アタックキャンプを出発する.最初の内は,川を渡ったり,見晴の良いりょうせんを歩いたりで,楽な登山である.進行方向左手には,綺麗な円錐形をしたカリヤーク山が常に見えている.
いくつかの雪渓を横切って,いよいよアパチャ山本体の登り坂に差し掛かる.勾配が次第にきつくなる.
山頂付近はガラガラとした感じの噴石が降り積もった急勾配の登り坂になっている.一歩登ると,ガラガラとその分だけずり落ちるといった感じである.ついには四つん這いになって這い上がった.
山頂のリムに登る.反対側は荒涼とした火口原になっている.火口原の端の噴気口があって常に水蒸気(正確には湯気)が立ち上っている.アパチャ山が火山である証拠だろう.
■雄大なアパチャ山を表現したい
私はアパチャや山の雄大な光景を,何時かは水彩画に仕上げたいなと思っていたが,今回ようやくその気になった.
この絵を画くに当たって,私が一番気にしたのは,アパチャ山の雄大さを表現することだった.画きながら,なかなか自分の意図が表現できないので,イライラしたり,途中で画くのを放置したりで,散々だった.
最後に,この絵の中央よりやや右下に,2人の登山者を描き入れることで,この山の雄大さを表現しようとした.
この絵を見た山仲間の一人が,
「…私もアパチャ山に登ったけど,登山道はこっちの方じゃなかったかしら…」
と言いながら,黒く塗りつぶした手前の山を指さす.
いや,正にご指摘の通りである.
でも,絵は写真とは違うので,自分が表現したいことを,もっとも効果的に表現するように工夫しても構わないと思っている.
■大御所のご意見
例によって神奈美所属の大御所のご意見を伺う.
この大御所の指摘は2点あった.
[第1の指摘]
その第1は,山肌の色が画一的なのでもう少し変化させた方が良いとの指摘である.私,大いに納得.
確かにご指摘の通りだと私も思う.指摘された点についてはあまり考えないままこの絵を画いていたかもしれない.
実は,この絵を画いている最中に,もう少し立体感(というか奥行きのある感じ)のある絵に仕上げたいなと思いながらも,なかなかそうはいかなかったという思いがある.
[第2の指摘]
2番目の指摘は,手前の黒く塗りつぶした岩稜はもう少し明るくして細部を書き込んだ方が良いとのことである.
実は,この部分をシルエットのように画いたのには,私なりの理屈がある.それは,ここをグッと暗くして,アパチャ山本体を引き立たせたかった.私なりに考えれば,その意図はある程度成功しているように思える.
でも,もし,このシルエットのような近景をもう少し描き込んだらどんな感じの絵になるんだろう…と想像するのも楽しい.多分,描き込んでも,それはそれで魅力ある絵に仕上がるような気がしてくる.
ただ,このシミュレーションは簡単にはできないので,ここでは省略するが,何れ,全景部分だけを書き変えたものを切り取って,この絵の上に重ね置きしてみたいなと思っている.
■今後の予定
次回の神奈美会員展は10月6日(火)から11日(日)まで神奈川県民ホールで開催の予定である.
それまでに,水彩画2枚を仕上げたいなと思っている.
逆算すると,そうノンビリしているわけには行かない.5月に入ったらそろそろ何を画くかの私案を始めたいと思っている.
(おわり)
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