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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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厳冬期の蔵王山;地蔵山・熊野岳縦走(後編)

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                                       <モンスターを眺めながら歩く>

[再編集]  厳冬期の蔵王山;地蔵山・熊野岳縦走(後編)
           (湘南カラビナ隊)
      2007年1月27日(土)~28日(日)

※過去の登山記録を「復刻版」として,少しずつ整理します.
 この記事は,ずっと以前収録したものですが,この度全面的に書き改めることに
致しました.
 アクセスして頂く方には申し訳ありませんが,この記事は古い上に全く個人的な
内容です.でも参考にして頂ければ嬉しいです.

    ***********************
        
前編の記事
   ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a5938c43a7ee168f0a99f25836ed28c6
(先にこちらをご覧下さい)

第2日目;2007年1月28日(日)

<ルート地図>


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<プロフィールマップ>


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<第2日目の行動概要>

■朝食後,ペンション・スイスを出発
 ペンション・スイスの部屋が快適だったので,大変よく眠れた。6時に起床。部屋から外を眺める。風はあまり吹いていないものの曇っている。昨日の朝の天気予報では,曇後雪であった。その後の天気予報は見ていないが,曇は仕方がないとしても,何とか吹雪にだけはならないように祈っている。
 7時から朝食である。手作りのスープ,焼きたてのパンがとても美味しい。

<ペンション・スイスの朝食:パンが美味しい>

■蔵王山麓駅へ到着.
 7時45分頃,ペンション前の空き地に集合する.
  曇り空.寒い.
 ワカンを背負って,ペンション村駐車場へ向かう.ここから送迎バスに乗って,8時18分に蔵王ロープウェー山麓線の蔵王山麓駅に到着する.
 
<寒くて薄暗い朝>                             <ペンションの車で>
 
■樹氷高原駅から蔵王山頂駅へ
ここからロープウェーに乗って,樹氷高原駅まで登り,ここで蔵王ロープウェー山頂線に乗り換えて,8時42分に蔵王山頂駅に到着する.
 蔵王山頂駅付近は,沢山のスキー客で大変混雑している.
 蔵王ロープウェー山麓線の蔵王山麓駅でロープウェーに乗車,8時22分に出発する。車内は定員一杯の満員である.乗車約7分,8時29分に樹氷公園駅に到着する.辺りは真っ白な雪で覆われている.駅前の広場には沢山のスキー客が居る。私達に較べて,年齢が若いだけでなく,明るくて派手な服装をした人達が多い.スキー客に比較すると私達は如何にも野暮ったい.
 広場を横断して蔵王ロープウェー山頂線の樹氷公園駅に向かう.そして,沢山のスキー客に混じって,8時34分発の蔵王山頂行に乗車する.辺りの霧が立ち込めて視界が悪くなる.
 8時42分,終点の蔵王山頂駅(標高1665m)に到着する.駅前の屋根付きテラスへ出る.テラスの天井から吊り下げられたワカンのような形をしたオブジェは霧氷で被われ,キラキラと輝いている. 
 
<蔵王山麓駅>                                <蔵王山頂駅のテラス>

■行く手に素晴らしい樹氷
 目の前に素晴らしい樹氷林が見えている.
 比較するのは良くないかもしれないが,丹沢周辺で見られる樹氷とはスケールが全く違うのに驚かされる.

<素晴らしい樹氷が広がる>

■初めての体験,ワカン
 まず,ワカンを履く.天然の素材で作られたワカンは,とても手触りが良くて心地よい.それに,縄の結び方も,基本は決められているものの,細かいところは,履き手の気分で色々と変化を付けることができる.その辺りが融通無碍で,いかにも日本的だなと感じる.

<ワカンを履く>

■蔵王山頂駅から歩き出す
 SKガイドと,名前は分からないが若い助手2人のガイドが付く.
 8時57分に蔵王山頂駅から歩き出す.
 辺りは薄曇りで,あまり見通しは利かない.歩き始めると,すぐに,なだらかな登り斜面になる.
 ワカンを履いて雪の上を歩くのは初めての経験である.アイゼンとは比較にならないほど軽いので,きわめて歩きやすく快調である.

<ワカンを履いて出発>

■始めて見る白いモンスター
 進行方向左手の霧の中で太陽が淡く輝いている。沢山の雪が付着した樹氷が逆光の中で鈍く光っている。
 私は美しい樹氷をウットリとしながらデジカメに収めながら,
 「・・綺麗ですね~ェ・・・これで元が取れたですね・・・」
と独り言をいう。私の独り言を聞いた鈴木ガイドが,
 「まだまだ,これからですよ・・・後で樹林帯の中を通りますよ」
と私を期待させる。

<モンスターの間を歩き始める>

■モンスター写真集
 私達は樹氷の中をユックリと登り続ける.そして,9時57分に,あっけなく地蔵山山頂(1736m)に到着する.ここから西南西の尾根伝いに下り,途中から白いモンスター群の間を抜けて,氷河公園駅へ戻る予定である.






■熊野岳山頂に到着
 丁度このとき,急に霧が晴れる.そしてなだらかな窪地を挟んだ東南東に白く輝く熊野岳の山頂が見え始める.すると,仲間の1人が,
 「折角,ここまで来たのだから熊野岳まで行きませんか・・・」
と提案する.勿論,異論はない.

<熊野岳山頂を目指して登る>

■素晴らしい雪原を行く
 私達は既に樹林帯を越える高度にいる。霧が晴れると,素晴らしく見通しが利く。前方には,これから登る熊野岳が聳えている。左手,つまり北東には,何処の山か分からないが白く輝く山脈が連なっている。熊野岳の南側の山麓には,見渡す限り沢山の樹氷がまるで生け花に使う剣山のようにビッシリと生えている。

<一応準厳冬期の装備だ>

■熊野岳山頂を目指して
 私達は,標高差50メートルほどのなだらかな坂を下り,鞍部を通過する。そして,ここから150メートルほど登り返して,10時25分,熊野岳山頂(1736m)に到着する。

<鞍部を通過>

■大量の雪が付着した鳥居
 山頂はなだらかな丘になっている。一面が深い雪に覆われているので,どこか最高地点なのかハッキリとは分からない。丘の中央に岩のように大きな雪の塊が二つある。手前の雪の塊は神社の鳥居だという。そういえば,この雪の塊の中央に,トンネルのように小さな孔が空いている。もう一つの雪の塊は神社の社殿だということである。

<厚い雪が付着した山頂の鳥居>

■御釜が見える
 熊野岳山頂は風もあまりなく平穏である.上空は青空である.ときどき霧が涌いては消えていく.SKガイドの発案で,山頂から尾根沿いに更に東へ進み御釜見学をすることになる.御釜はいうまでもなく蔵王山の火口湖のことである.
 山頂から,幅が廣くて,ほぼ水平な尾根が東南東の方向に延びている.もし,視界が悪くなれば瞬く間に方向が分からなくなりそうなところである.
 私達は足跡が全くない銀世界の尾根に沿って進んでいく.遠くから大きな雪の塊のように見えていたのは避難小屋のようである.
 この小屋を通り越して,やや急な斜面を,ほんの5分ほど下り,10時55分,大きな雪庇に突き当たる.雪庇を踏み抜いたら大変なので,余り先へは進めないが,時折覆い被さってくる霧の間から,断崖に囲まれた御釜が良く見える。絶景である.
 昨年1月に湘南カラビナ隊の皆様と訪れたニュージーランド北島のルアペフ山の山頂から火口湖を見下ろしたときのことを,ついつい連想する. 

<霧が晴れて現像的な御釜が見えた>

■再び地蔵山へ
 御釜を背景に何枚かの写真を撮り合う.私も,液晶画面が壊れてしまった例のオンボロカメラを取りだして,ガイド補佐の名前の分からない青年にシャッターを押して貰うが,丁度,このとき,カメラが遂に完全に壊れてしまう.私は,しかたなく,バックアップのために持参したオンボロカメラに切り替える.途端に写真の画質が悪くなる.

<荒れた雪原を登る>

■広大な山裾
 11時04分,雪庇の付け根から引き返す。途中で外国人1人を伴った登山客とすれ違う.帰路は熊野岳の山頂は通らずに山腹をトラバースして,11時45分に,再び地蔵山山頂へ戻る.ここで,10分ほど休憩を取る.

<広大な山裾を登る>

■樹氷の林
 眼下に広大な樹氷林が見下ろせる.

<眼下に樹氷の林が見える>
←クリック拡大

■モンスターの間を抜ける
 11時57分,私達は地蔵山山頂を出発して,西南西に延びる尾根沿いに下り始める.途中から樹林帯の中に入り込む.現場を熟知した鈴木ガイドの指示で,巨大な白いモンスターが立ち並ぶ中を,右へ左へと進路を変えながら進む.モンスターの姿は正に圧巻である.
 「いつもより随分と雪が多いな・・・」
とガイドが独り言をいう.
 何故,この辺りに例年より多くの雪が積もっているかについて,ガイドから説明を受けたが,難しくて,あまり良く理解できなかった・・・・が,どうやら風向きと風の強さが影響しているようである.

<モンスターの間を抜ける>

■新田の平
 モンスターの間の,さらさら雪には全く足跡がない.そこに足跡を残しながら歩くのは快感である。モンスターの林を抜けて,一旦,尾根に出る.
 「この辺りに標高1500メートルの標識があるはずです・・・」
とガイドがいう。しかし今はこの標識も雪の下である.

<1500m案内板付近から見た熊野岳>

■新田の平
 この辺りから,ガイドの指示に従いながら,再び斜面を下り始める.モンスターの間を細かく右へ左へと進路を変えながら下り続ける.すると,大きな木が消えて,雪に覆われた平地に飛び出すようにして到着する.ここが「新田の平」である.振り返って上の方を見ると,樹氷林の向こうに熊野岳の山頂がチラリと見える.
 「この辺りからの眺めが,隠れた絶景ポイントなんです・・・」
とガイドが誇らしげに説明する.
 広場の真ん中に,半ば雪に覆われた看板が立っている.看板には達筆で「新田の平」と書いてある.
 ガイドが,私達に,看板の周囲に半円形に並ぶように指示する.そして私達を前景にして写真を撮る.この写真を「ペンション・スイス」のホームーページに載せるという. 

注)
 このときSZさんが撮った御釜の写真がホームーページに掲載されている。
 「ペンションスイス」で検索すればHPにアクセスできる。
 HPを開いたら「とっておき」をクリックすると,私達の写真や当日のモンスターの様子が掲載されている。 
 ※2015年3月17日現在,この写真は既に削除されている.

■ユートピアスキー場に到着
 広場を抜けて再び樹林帯に入る.そしてほんの数分歩くと,いきなりスキー場のゲレンデに飛び出す.沢山のスキーヤーがスキーを楽しんでいる.スキーヤーと衝突しないように注意しながら,ゲレンデの端を下る。そして,13時52分,ユートピアスキー場にあるレストラン「とどまつ」に到着する.
 ここで昼食を摂る.私はラーメンがたまらなく食べたくなる.具沢山で美味しいラーメンである.

<具沢山なラーメン>

■さっさと帰京
 昼食を終えた私達は,樹氷公園14時32分発のロープウェーに乗り,14時38分に蔵王山麓駅に到着する.ここで入浴組と直帰組とに分かれる.直帰組は,私の他に4人である。
 山形行のバス停を探しながら歩くのも面倒なので,タクシー相乗りで山形駅へ向かう.
 山形新幹線山形発16時05分東京行に乗車,18時56分に無事東京駅に到着する.ここで解散.

<ラップタイム> (2日目)

 8:22  蔵王山麓駅発 (ロープウェー乗継)
 8:42  蔵王山頂駅着
 8:57  歩き出し
  9:17  地蔵山山頂着
 9:20    〃   発
10:25  熊野岳山頂着
10:30    〃   発
10:55  御釜展望地点(11:04まで展望休憩)
11:45  地蔵岳
13:37  新田の平
13:52  ユートピアスキー場
14:32  樹氷公園発(ロープウェー)
14:38  蔵王山麓駅着(解散)

[山行記録] (2日目)

■水平歩行距離    6.7m

■累積登攀高度     355m

■累積下降高度     696m

■所要時間(休憩時間込み)
 蔵王山頂駅発     8:57
    〃   着    14:38
 (所要時間)     5時間41分(5.68h)
 水平歩行速度   6.7km/5.68h=1.18km/h
                                       (おわり)

「東北・北海道」の前回の記事
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「東北・北海道」の次回の記事
(ない)


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