<姫次付近にて>
シロヤシオ咲く丹沢主脈縦走(3):青野へ下山
(常連に同行)
2012年5月22日(水) 晴・雲多い
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<ルート地図>
※前掲と同じ地図
<蛭ヶ岳から姫次へ>
■盆栽のような大木
12時54分に蛭ヶ岳山頂に到着した私たちは,ここで昼食を取る.そして,13時30分に蛭ヶ岳山頂を出発,主脈線に沿って姫次に向けて歩き出す.
姫次方面への下山口に,素晴らしい木が数本ある.如何にも過酷な風雪に耐えたというような雰囲気を持った木である.私たちは異口同音に,
「素晴らしい木だなあ…!!」
と話し合う.
<姫次方面への下山口に生える威風堂々の木>
■延々と続く木の階段
蛭ヶ岳山頂を出発すると,いきなり急な下り坂が続く.以前は随分と荒れた道だったが,今は木製の階段が延々と作られているので,極めて歩き易い.
私たちは先頭を歩く方の歩行速度に合わせてごくユックリとした速度で下山し続ける.蛭ヶ岳山頂でたまたまお会いしたStさんも私たちの列に入って一緒に下山し続ける・
およそ15分ほど下ったところで,お二人の方が先頭を歩いていた方を追い越して,列の先頭に出る.そして,何時もの塔ノ岳登山の時のように,ご自分に適した速度で下山し始める.随分と高速である.途端に列が長くバラケ始める.
先頭を行くお二人は,途中からの分岐点を正確にはご存じない筈である.私はどうしようか迷ったが,今日の参加者の中に,分岐点を正確に分かっている人が私を含めて2人居る.それならば,私は先行グループに付いて行くのが正解だろうと判断する.
<木の階段が延々と続く>
■緑一杯の展望
長い木道を下り終えると,前方に広大な展望が開ける.
地形図で調べる余裕はないが,深い谷間は多分青根方面と思われる.立派な橋も見えている.上空は晴れているが,目線と同じぐらいの高さに薄雲が掛かっているので,谷間の先の山並みはあまりハッキリとは見えない.でも,とにかく雄大な風景である.
私も先頭を行くお二人の後を追って,かなり高速で下山し続ける.
後ろを振り返ると,何時の間にか,Ssさん,Iiさんも私の後ろに居られる.結局,私たちは前の5人,後ろの2人の小さなグループ二つに分かれた形になる.ただ,どちらのグループにも正確なルートを知っている人が居るので,道に迷う心配はない.ならば,ここは何時もの大倉尾根方式に従って,それぞれが応分の速度で下山するのも良かろうと思う.
<緑一杯の展望>
■再び樹林帯へ
14時02分頃,再び木の階段が連続するようになる.階段を下りおえて,広葉樹林帯の中に入り込む.木の間をクネクネと廻る登山道は,大倉尾根の雰囲気と大分変わっているので,とても新鮮に感じる.
先頭を行くSsさんと,そのすぐ後ろを行くTgさんはますます快調に飛ばす.その後を追う私は結構大変である.
<快調に飛ばして樹林帯に入るSsさんとTgさん>
■蛭ヶ岳と姫次の中間点
急坂を下り終えると,ほぼ水平で新緑が美しいトラバース道になる.相変わらず先行のお二人は快調である.
14時07分,「蛭ヶ岳1.6km 姫次1.6km」の案内番を通過する.私は内心で,
“まだ,姫次までの半分か…! まだ,まだ,先は長いなぁ〜”
とガッカリ.
<蛭ヶ岳と姫次の中間点を通過する>
■地蔵平
相変わらず緑陰の長閑な散策路が続く.緩やかな下り坂である.
14時12分,地蔵平を通過する.
私の前にはSsさんとTgさん,後ろにはTnさんとIiさんが続いている.暫くの間,まるで飛行機の編隊飛行のように,このままの順序で急速に下山し続ける.私は歩きながら,後ろのグループのことが少々気になっている
地蔵平という名称の由来は,私には全く分からない.この辺りに地蔵尊が安置されているのかとも思うが,近くを見渡したところでは,そのようなものは見当たらない.
<地蔵平を通過>
■原木屋平
相変わらず心地よい緑陰の散策路が続く.
14時18分,原木屋平を通過する.ずっと以前,ここに山小屋があったと聞いているが未確認.
ここに「蛭ヶ岳2.5km 姫次0.7km」の案内板が立っている.
“う〜ん…姫次まで,まだ,ちょっとあるな”
と思いながら通過する.
<原木屋平>
■シンドイ登り坂
やがて前方にこんもりとした山が見え始める.
“うえ〜…,,,あの山を登るのか”
と思うと少々ゲンナリする.
でも,この山に近付くと,山の尾根から少し下のトラバース道になっていることに気がつく.進行方向左手を見上げると,この山の尾根が延々と続いている.
やがて道はやがて登り坂に差し掛かる.坂を登るにつれて次第に勾配が増す.
坂の途中で,Tgさんが,
「後ろからユックリ行きますよ…」
と言って,私の後ろになる.
私の歩行速度も,もう一杯一杯である.先頭を行くSsさんに付いて行こうと思うがもう限界.だんだんとSsさんと私の間の距離が開いていく.
「その先の姫次で休憩を取りましょう…」
とSsさんに声を掛けてから,もうSsさんを追いかけるのを諦める.
登り坂をフウフウ言いながら登って,14時31分に,やっと姫次に到着する.
私より先に姫次に到着したSsさんが,姫次のベンチに腰を下ろしている.
<姫次で休憩>
■振り返ると蛭ヶ岳
私が姫次に到着して間もなくTnさんとIiさんが相次いで姫次に到着する.一同一緒にベンチに座り込んで休憩を取る.
日射しは結構強いが,涼風が吹き抜けるので,実に心地よい.ベンチから振り返ると,先ほど休憩を取った蛭ヶ岳が聳えているのが見える.
“あんなに高い所から下ってきたのか”
と思うと感慨一入である.
<蛭ヶ岳を眺めながら姫次で一休み>
■日野のStさん
後続を待ちがら休んでいると,先ほど蛭ヶ岳山頂でお会いした日野のStさんがヒョッコリ現れる.
「いや〜ぁ…皆さん,速いですね…,後ろと400メートルほど離れていますよ」
とStさんが言う.
“そんなに離れちゃったか! ちょっとマズイな…”
とは思うが,こればかりは致し方ない.
なかなか後の組が姫次に到着しない.その内に,速組のお一人が,
「どうせ青野へ降りることが分かっているんだから,先に降りましょうよ」
と提案する.
躊躇していると,Stさんが,
「後ろから来られる方とも会ってから下山したいので,私,待っていますよ.皆さんが先に出掛けたことを伝えておきますよ」
と提案する.
「それでは,申し訳ありませんが,お願いします」
ということで,私たちは14時40分に姫次を出発する.
なお,Stさんは東海自然歩道を辿って私たちとは別の方角に下山されるとのこと.
<日野のStさんを囲んで>
<避難小屋分岐から急坂を下る>
■避難小屋分岐
暫くの間,緩やかな下り勾配の道が続く.この道は東海自然歩道に指定されている.そのためか,総じて道幅は広く歩き易いが,道路のメンテナンスが必ずしも十分とは言えず結構荒れている.
14時54分,青野に下る最初の道の分岐,八丁坂ノ頭に到着する.
私たちは八丁坂ノ頭を見送って,さらに10分ほど先へ進んで,15時04分,避難小屋分岐で左折して枝道に入る.
<避難小屋分岐>
■延々と続くザレたジグザグの急な下り坂
分岐から枝道に入った直後は,平坦で素晴らしい小径が続く.しかし,ものの5分も経たないうちに,ザレた急坂が始まる.木の根っこが無秩序に張った急な下り坂が連続する.礫や砂利がゴロゴロと転がっているかと思うと,滑りやすい土道になる.
十分に注意しながら歩いているつもりだが,殆どの人が石車に乗ったり滑ったりで,かなり難儀しながらの下山である.こんな厄介な道が,これでもか,これでもか,と思うほど連続する.その内に,ザレ道の下りに馴れた人と,そうでもない人との間がどうしても空いてしまう.
無駄口を叩く余裕もなしに,ひたすら下り続ける.
15時36分,急勾配のジグザグ道を下り終えて,川の畔に到着する.残念ながら川は涸れていて,水は流れていないが,ここで一休みすることにする.
急な下り坂もここでやっと終わりである.
<水が涸れた河原で一休み>
■林道と交差
15時42分,山道から飛び出るような感じで林道に出る.この林道を横断して,すぐにまた山道に入る.
ここからの山道は,随分と荒れている.谷筋の左岸を高巻きしながら下り続ける.2ヶ所,トラバース道が崩れて,少々危険な所がある.
途中,大きな砂防ダムの脇を通過する.
<林道を横切る>
■谷川を2回徒渉する
私たちは何時の間にか隣の谷の右岸を歩いている.この谷川の名前は調べていないが,冷たくて綺麗な水が流れている.
一旦川を徒渉して左岸に渡るが,すぐにまた徒渉し返して,再び左岸に渡る.
ここで,暫時,顔洗い休憩を取る.冷たい川の水が,火照った顔を冷やしてくれる.
<冷たい川の水で一休み>
<長い林道歩き>
■林道に出る
15時52分,漸く林道に出る.ここから青野までの長い林道歩きが始まる.
この調子ならば,青野発17時35分のバスには,十分すぎるほど間に合うと確信する.相変わらず先頭を歩く人の歩行速度が速いので,付いて行くのが大変である.
林道に降り立ったところから暫くは舗装道路が続くが,途中から完全な砂利道になる.
<林道に出る>
■二つのゲート
長い林道歩きである.退屈きわまりないが,林道歩きはやむを得ない.イヤになるほど歩いて,16時10分,漸く最初のゲートを通過する.でも,まだ砂利道が続く.ゲートを通過するとすぐに「青野まで2km」の案内標識がある.さらに歩き続けて,16時16分,2番目のゲートを通過する.
2番目のゲートを通過すると舗装道路になる.前方には民家が見え始める.ここまで来るとバス停青野が近いと肌で感じる.
林道の山側沿いに潅漑用の水路が設置されている.そろそろ田植えの時期である.水路一杯に冷たい水が滔々と流れている.
<最初のゲート> <2番目のゲート>
<いよいよ青野>
■青根の集落に入る
林道に引き続き舗装道路をひたすら下り続ける.
道路は青根の集落に入る前に,潅漑用水路と枝分かれして,少し急な下り坂になる.この下り坂を辿って,16時29分頃,青根の集落に入る.この集落を下れば間違いなくバス停青野に到着するはずである.
<青根の集落が見え始める>
■バス停青野に到着
集落の中の下り坂を歩き続けて,16時34分に,無事,バス停青根に到着する.
三ヶ木行バス発車時刻は17時35分.また,やまなみ温泉行のバス発車時刻は17時30分.どっちにしても,1時間ほど待ち時間がある.
ちなみに,1本前の三ヶ木行バスの発車時刻は,16時05分.もし,途中の休憩時間をもう少しセーブすれば,十分間に合いそうな時間である.
<バス停青野>
■I商店でノンビリ時間を過ごす
まずは,バス停近くのI商店という店に入る.一寸したスーパーのような店である.火照った身体が冷たい食べ物を欲しがっている.そこで,氷菓を購入.店の前に置いてある空き箱に座り込んで,ゆっくりと賞味する.
私たちの仲間に,この店の女将との知り合いの方が居られるので,女将との雑談に花が咲く.一時,たまたま買い物に来られたご近所の奥さんや,女将の母親も雑談に加わる.
私も少々気になっていたことを伺ってみる.
「この辺りの皆さんの主な生業は何なんですか? 林業?・・・・」
「いえ,林業は今はもうダメ…大多数の方々は会社などに通っていますよ…」
さらに雑談をしている内に,女将の母親が,私より2歳年上だと分かる.
「山に登るなんて…それにしても,あなたは随分と若くて元気ですね」
と私に言う,何だか妙な褒められ方をしてくすぐったい.
いつまでも,お店に居座っているわけにもいかないので,バス停付近の日陰に移動する.ここも暑くも寒くもなくて心地よい.
17時10分頃,後から来られたお二人も,無事,バス停に到着する.
<I商店>
<JR藤野駅を経由して帰宅>
■やまなみ温泉行のバスに乗車
前回の主脈縦走のときは,三ヶ木経由で橋本までバスで出たが,随分と時間が掛かってしまい,自宅に辿り着いたときは20時30分を廻っていた.
“ひょっとして,やまなみ温泉経由で中央本線藤野駅に出たら,早く帰宅できるかもしれないな”
と淡い期待を持った私は,Tnさんと連れだって17時30分発のやまなみ温泉行のバスに乗車する,橋本に出る他の皆さんより一足先の出発である.
小さなバスに乗客は私たち2人だけ.やまなみ温泉までの乗車賃は1人200円.それにしては随分と乗り出がある.乗客は終始私たち2人だけ.バスは曲がりくねった下り坂を快調に走る.
■藤野駅から八王子へ
17時52分,バスは漸くやまなみ温泉バスターミナルに到着する.バスターミナルには小型のバスが2台駐車している.広場の奥に小さな待合室がある.
藤野行のバスが出るまでに30分以上の待ち時間がある.そこで,待合室の掃除をしていた女性に,タクシー会社があるかどうか伺う.女性は私たちを待合室に案内して,電話帳を開く.老眼の私には字が良く読めない.同行のTnさんにタクシー会社に電話を掛けていただく.
18時08分,タクシーに乗車する.タクシーは,随分と長い間,坂道を下り続ける.やがて,タクシーは,大きく右カーブしながら相模川に掛かる橋を渡って,川の右岸から左眼に渡る.そして,さらに相模川沿いに下り続ける.
車窓からは,先ほど下った尾根と思われる山が随分と高く聳えているのが見える.
“あんな高い所から下ってきたんだな…”
と今更ながら驚く.
18時17分,ようやく藤野駅に到着する.タクシー代は2人の割り勘で1人当たり千円弱.
幸いなことに電車の接続が良くて,18時27分発立川行の電車に乗車する.車内は意外に混雑しているが,何とか座席に座れる.
私は八王子から?浜線に乗り換えるか,それとも立川.武蔵小杉経由のルートにするか迷うが,まあ,今日の所は,Tnさんと一緒に八王子で下車することにする.
<藤野駅>
■茅ヶ崎経由で帰宅
18時45分,電車は八王子駅に到着する.丁度ラッシュアワーである.人波に乗って,跨線橋を渡り,?浜線ホームに向かう.丁度,18時52分発の相模線経由茅ヶ崎行の電車に間に合う.ここでTnさんとお別れして,この電車に飛び乗る.
勿論,座席には座れないが.押しくらまんじゅうにならなければ,立っているのも苦にならない.やがて橋本駅に到着する.ここで,前回,バスで橋本に出たときに乗車した電車と同じ電車に乗っていることに気がつく.
結局,やまなみ温泉経由にしても,タクシー代など余計な経費が掛かるだけで,橋本経由と所要時間に差がないことが分かる.今後,もし丹沢山稜から青野に下山する機会があったら,迷わずバスで三ヶ木から橋本に出ることにしよう.
20時43分,ようやく帰宅する.私には,もう眠たくて堪らない時間である.
<ラップタイム>
7:07 大倉歩き出し
7:35 観音茶屋
7:52 見晴山荘
8:21 駒止茶屋
8:38 堀山の家
9:18 花立山荘
9:32 金冷シ
9:49 塔ノ岳山頂着(10:06発)
10:17 キレット
10:29 日高
10:42 龍ヶ馬場
11:02 丹沢山山頂(11:24まで休憩)
11:55 吾妻屋
12:03 不動ノ峰
12:12 棚沢ノ頭
12:26 鬼ヶ岩ノ頭
12:54 蛭ヶ岳山頂(13:30まで休憩)
14:12 地蔵平
14:18 原小屋平
14:31 姫次(14:40まで休憩)
14:54 青根分岐
15:04 避難小屋分岐
15:42 林道
16:34 バス停東野着
[山行記録]
■水平距離 21.5km
■累積登攀高度 2080m
■塔ノ岳までの登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:07
塔ノ岳 着 9:49
(所要時間) 2時間42 分(2.70h)
水平歩行速度 7.0km/2.70h=2.74km/h
登攀速度 1269m/2.70h=470.0m/h
■所要時間(休憩時間を含む)
大倉 発 7:07
東野 着 16:34
(所要時間) 9時間27分(9.45h)
水平歩行速度 21.5km/9.45h=2.27km/h
(おわり)
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「丹沢の山旅」の前回の記事
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「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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シロヤシオ咲く丹沢主脈縦走(3):青野へ下山
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