<花立階段からの富士山>
富士山と甘酒とトコロテンを楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年23回目)
(常連と付いたり離れたり)
2014年5月10日(土) 晴
■5月でも朝は一寸寒い
“ム,ム,…チト寒いナ…”
と思ったが,長袖シャツ1枚着ただけで,4時10分に家を出発する.前回までは雨具の上着をヤッケ代わりに着込んで出掛けていた.でも,今日からは,もう5月も中旬である.朝の冷え込みも,随分と和らいでいるだろうと思ったが,シャツ1枚はまだ無理のようである.
小田原から小田急線の電車に乗り換えてから,まだ電車に暖房が入っているのに気が付く.
今朝も,新松田手前で.矢倉岳と富士山がとても良く見えている,車窓一杯に雲一つない青空が広がっている.
今日は土曜日.大倉行バス停には沢山の登山客が集まっている.臨時バスが出る.1番バスを含めて,バスに乗り合わせた常連は,韋駄天のSTさん,TGさん,TDさん,KIさん,KMさん,MTさん,TZさん,Hさん,SSKさん,MNさん,STさん,Hさんなど多数.
<富士山と矢倉岳>
■TZさんと一緒に歩き出す
7時06分,久々にお会いしたキャベツのTZさんと一緒に大倉から歩き出す.TZさんは,
「今日は,蛭ヶ岳まで往復しようと思います…」
とのことである.
そういえば,昨年,TZさんと一緒に姫次経由で丹沢を縦走したのが,丁度今頃だったなと思い出す.私は内心で,
“陽気も良いし,ソロソロ長距離縦走も良いな…”
と思い始める.
ユックリとしたペースで歩き続けて,7時30分に観音茶屋を通過する.
歩き出してそろそろ30分になるので,ウオームアップも十分だろうと判断した私は,TZさんにお断りして,少々歩行速度を上げて,マイペースで歩き続ける.歩きながら,今日の自分の体調をチェックする.今日は絶好調とはいかないが,マアマアの体調である.ただ,日が昇るにつれて,やや気温が高いようである.
7時35分,高原の家分岐を通過する.大きく右にカーブして,分岐を少し通り過ぎたところから,たった今歩いてきた道を見下ろすと,何人かの登山者の姿が見おろせる.
<分岐付近からジグザグ道を見下ろす>
■見晴階段
TZさんとお別れしてからは,塔ノ岳山頂まで完全な一人旅になる.
9時47分,見晴山荘を通過し,直ぐに大倉尾根最初の難所である見晴階段に差し掛かる.
何時もの通り,階段を見上げた写真を撮る.
今日は土曜日なので,登山客が多い.沢山の登山客の後ろ姿が見えている.
“今日はペースを崩さずに登るぞ…”
と自分に言い聞かせながら階段を登る.
<見晴階段>
■堀山の尾根道からの富士山
8時04分,一本松を通過する.大倉から歩き出してから,58分経過している.
“ありゃ…一寸ノソノソ歩きが過ぎたかな…”
いくらユックリ歩くと言っても,少しノンビリしすぎたようである.
一本松上のベンチでは,沢山の登山者が休憩を取っている.私は少し歩行速度を上げる.そして,大倉尾根で2番目の難所,駒止階段に差し掛かる.
階段をゆっくり登って,8時17分に駒止茶屋に到着する.大倉を歩き出してから,1時間12分経過している.
“理想より5分ほどビハインドだな…”
とブツブツ独り言を言いながら,堀山の尾根道に差し掛かる.
今日は快晴.残雪で真っ白な富士山がとても良く見えている.
8時26分,堀山の案内杭を通過する.
<堀山から富士山を眺める>
■萱場平
8時35分,小草平に到着する.相変わらず富士山が良く見えている.数名の登山客がベンチで休憩を取っている.
まだ時間が早いのに,もう堀山の家が開店している.堀山の家には下山のときに立ち寄ることにして,そのまま通過する.
今日も,堀山の家から花立山荘まで,40分掛けて登ろうと思う.
どこからか,ツツドリの啼き声が聞こえてくる.
オーバーペースにならないように十分気を付けながら登り続けて,8時53分,萱場平に到着する.萱場平には暖かい日射しが降り注いでいて,日向ぼっこには絶好だ.
堀山の家からの所要時間は18分.丁度良い速度である.
<萱場平>
■萱場平のアザミ
木道の間から,今年もアザミが元気に顔を出している.先週の土曜日と比較すると,随分と大きく育っている.
私は,このアザミから元気を貰いながら,萱場平を通過する.
<萱場平のアザミ>
■花立山荘
その後も,独り登山が続く.
またまた例によって,歩きながら色々なことを妄想する.
“待てよ…標準時間って言うのがあるだろう…”
と私は,心の中のもう一人の私に話しかける.
“もし,オレが標準時間で歩いているとすれば,追い越される人数と,追い抜く人数が同じになるはずじゃないか…? それにしては,追い抜かれる人数の方が多いのはどういう訳ななんだろう…オマエどうしてか分かるかネ…”
事実,沢山の若者に追い抜かれる一方で,何人かの登山客を追い越すが,私を追い抜いていく人数の方が,圧倒的に多いような気がする.
“何でだろう? オレの歩行速度が,いくら遅いといっても標準時間よりは速いと思うが…”
“まあ,どうでもいいや…”
もう少しで後7分坂に差し掛かるところで,2番バスで来られたFTさんが私に後ろから,
「FHさんを見付けた…」
と話しかけながら,私に追い付く.相変わらずの俊足である.
9時07分,FTさんと一緒に後7分坂の上り口に到着する.相変わらず富士山が良く見えている.FTさんは私など遙かに及ばない速度で階段を登っていく.見る見るうちにFTさんの後ろ姿が遠のいていく.
9時14分,花立山荘に到着する.後7分坂をピッタリ7分で登ったことになる.大倉からの所要時間は,2時間08分.前回登ったときよりも8分余計に掛かっている.小草平からの所要時間は39分.ということは,大倉から堀山の家までユックリしすぎたということだろう.
花立山荘前のベンチは,もう沢山の登山者で賑わっている.相変わらず富士山が良く見えている.
<花立山荘>
■花立山
9時24分,花立山を通過する.相変わらず富士山が良く見えている.
馬の背の手前で,久々に下山してくるKSさんとすれ違う.
「やあ,やあ、…」
と言いながら握手する.
「相変わらず元気ですね…山頂の気温は8℃で気持ちよかったですよ.今日は南アルプスまで良く見えましたよ…」
私は何時もながらKSさんから元気を貰う.
続いて韋駄天のSTさんとすれ違う.
<花立山付近から富士山と鍋割山稜を望む>
■塔ノ岳山頂
9時29分,金冷シを通過する.
ここから塔ノ岳山頂までは気楽な登山である.ノンビリと3本の階段を登れば,もう山頂である.
この辺りまで登ると,さすがに冷気が漂っていて,新緑はもう少し先のようである.
周囲の風景をユックリ眺めながら,9時43分に塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は+11℃.風もなく穏やかである.
雲一つない青空が広がっていて,富士山や南アルプスが良く見えている.山頂では数名の登山客が休憩を取っている.
私より先に山頂に到着していたIIさんが居られる.山頂でツーショットの写真を撮る.
大倉からの所要時間は,2時間37分.ちょっと遅かったかな.でも,まあ,こんなラップでも,今の私には分相応という所だろう.
山頂からの写真を数枚撮ってから,久々に尊仏山荘に向かう.
<塔ノ岳山頂からの富士山>
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.
先客はKIさん,MTさん,Hさんの常連の他に2〜3人.小屋番はWBさんとFYさん.FYさんが,私に,
「お茶でいいすか…」
と私に尋ねる.小屋番の皆さんは,何時も常連が注文するものを覚えている.
「今日は甘酒にしますよ」
ということで,柄にもなく甘酒を所望する.
常連の皆さんと雑談をしながら,ときどき外の様子を見る.時間が経つにつれて,山頂で休憩を取る登山者の人数が増えていく.
10時05分頃,大倉を一緒に歩き出したTZさんが,尊仏山荘の窓越しに私たちに挨拶して,山荘の前を通過していく.TZさんはこれから丹沢山方面に向かうようである.
山荘も次第に混雑し始める.山荘に入る登山客が入口の扉を開けると,外にいた華伊達美弥雄さん(ミャ〜君のこと)が山荘内に入ってくる.相変わらずノンビリとした物腰である.
小屋番のWBさんが,
「この頃,白いネコが山荘近くに現れるんですよ…」
と言う.FYさんも,
「結構,太ったネコなんです…捨て猫かな」
と教えてくれる.
常連の誰かが,
「ミャ〜も大分年だから…ミャ〜の跡継ぎかな…」
と言う.
山荘が大分混雑し始めたので,私もソロソロ下山しようかと思い始める…が,それにしてもIIさんやSSKさん達がまだ山頂に現れないのは妙である.
<尊仏山荘の甘酒> <ミャ〜君>
■豆桜の写真を撮りながら下山
10時15分,下山開始.
山頂から堀山の家までは,KIさんと付かず離れずで,適当に道草しながらの下山である.山頂から2番目の階段を下りているときに,登ってくるIIさんとすれ違う.さらに金冷シ手前の長い階段で,SSKさんとアルコールエンジン付きのNMさんとすれ違う.
私は道すがら豆桜の写真を撮りながら,ノンビリペースで下り続ける.
花立山を下っているときに,下山中のSTさんを追い抜く.
<花立付近の豆桜>
■堀山の家のトコロテン
11時07分,小草平に到着する.
「堀山の家」の前の椅子で,カナブンが居眠りをしている.その脇の椅子にKIさんが座る.
私は,堀山の家に入る.私より一足先に下山開始のIIさんが客室に居る.私はトコロテンを注文する.
先ほどの尊仏山荘で冬を象徴する甘酒を所望したが,ここでは初夏を思わせるトコロテンである.序でに観音茶屋では氷水でも賞味して,今日中に冬,初夏,盛夏を代表する嗜好品を制覇しようかと思い始める.
暫くすると,MTさんが堀山の家にご到着.コーヒーを所望される.
10時22分頃,FTさん,UMさん,Hさんが堀山の家を通過する.それを見て,そろそろ私たちも下山しようかと思い始める.
そのとき,堀山の家の女主人が,MTさんと私のツーショット写真を撮りましょうと言う.別にお断りする理由もないので,どうぞ尾根がしますということで,進んで被写体になる.
女主人から,
「これ,疲れたときに飲んでみて下さい…」
と小さなビニール袋を頂戴する(写真の左下).
「堀山の家」と書いてある小さな袋の中に岩塩が入っている.女主人の話だとどこか外国産の岩塩のようである.
ツツドリの啼き声が小屋の中まで聞こえてくる.
「(ツツドリの声も)風物詩ですね…」
と女主人が言う.
<堀山の家のトコロテンと岩塩の袋>
■結構な速度で下山
11時25分,MTさんと一緒に堀山の家を出発する.
「…どんどん歩きましょう…」
とMTさんにけしかけられる.
「それでは…」
ということで,遠慮なしにかなり速い速度で下山し続ける.
11時40分,駒止茶屋を通過する.
同じペースを保ちながら下り続けて,一本松に差し掛かる頃,FTさん,KMさん,TDさん,Hさんのグループに追い付く.
モミジ坂でお気に入りの花のあるところで,ちょっと道草をする.
MTさんが,再び,
「ドンドン歩きましょう…」
と私に言う.
「それでは…」
私は気分良く歩ける速い速度で下山し続ける.
12時丁度に見晴山荘を通過する.
「12時40分のバスに間に合いそうですね…」
とMTさんが尋ねる.
「十分に間に合いますよ…」
雑事場ノ平を通過してから,まっ赤な帽子とウインドブレーカーを着た女性に追い付く.THさんである.
「随分速いですね…」
と赤帽子さんが言う.
「いえ…下り坂を転げ落ちているだけですよ…」
ここから先,大倉バス停まで3人が一緒で下山し続ける.
バス停近くで,菖蒲かアヤメか分からないが紫色の綺麗な花が咲いている.立ち止まって写真を撮る.
<山麓に咲く見事な花>
■無事帰宅
12時23分,大倉に下山する.
下り所要時間は2時間08分.この中には堀山の家での休憩時間18分が含まれるので,実質1時間50分で下山したことになる.チョット飛ばしすぎたかな…
予定通り大倉12時40分発のバスに乗車する.結局,UMさん,TDさん,FTさん,MTさん,Hさんなど,朝1番バスで乗り合わせた常連の皆さんも同じバスに乗車する.
渋沢から小田原を経由して,13時50分に,無事,大船に到着する.
電車の中で眠くなってしまい,寝過ごしてしまうのではないかと心配したが,何とか無事に帰宅する.
無事山登りを終えた達成感はなかなかなもの.
今日も良かった! 良かった!
<ラップタイム>
7:06 歩き出し
7:30 観音茶屋
7:47 見晴山荘
8:17 駒止茶屋
8:35 堀山の家
9:14 花立山荘
9:29 金冷シ
9:43 塔ノ岳山頂着(+11.0℃)
10:15 〃 発
10:26 金冷シ
10:38 花立山荘
11:07 堀山の家(11:22まで休憩)
11:40 駒止茶屋
12:00 見晴山荘
12:10 観音茶屋
12:23 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 9:43
(所要時間) 2 時間37分(2.62h)
水平歩行速度 7.0km/2.62h=2.67km/h
登攀速度 1,269m/2.62h=484.4m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:15
大倉 着 12:23
(所要時間) 2時間08分(2.13h)
水平歩行速度 7.0km/2.13h=3.28km/h
下降速度 1,269m/2.13h=595.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bacd206912bc3522997c4cf6c2000b1b
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
※誤字脱字転換ミスご容赦下さい.
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富士山と甘酒とトコロテンを楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年23回目)
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