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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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熱中症を気にしながらヨタヨタ登る丹沢:塔ノ岳(今年23回目)

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  熱中症を気にしながらヨタヨタ登る丹沢:塔ノ岳(今年23回目)
         (ご常連と前後しながら…)
     2013年5月10日(金) 晴・蒸し暑い

■土日の天気が悪そうなので…
 今度の土日は天気が悪そうである.ならば,今日,金曜日に塔ノ岳に登るしかない.一昨日,塔ノ岳を往復したばかりだが,これも天気の巡り合わせでやむを得ないことである.
 何時も通り5時10分に家を出発するが,今日は朝から気温が高い.また,上空には青空が見えてはいるが,何となく靄が掛かっていてどうもスッキリしない天気である.自宅近くの湘南モノレールの駅から富士山の方向を眺める.一昨日はここから富士山がとても良く見えていたが,今日は靄が掛かっているので富士山は全く見えない.
 例により,小田原駅で乗換時間2分を階段2段跳びでクリアする.渋沢で下車すると,私と同じように階段二段跳びをクリアした湘南住まいのYさんがいる.
 渋沢発大倉行のバスは平日にしては混雑.沢山の立ち席がでる.Tさん,Yさん,Sさん,Hさん,Nさん,Iさんなど,土曜日にお会いすることの多い常連の方々が沢山乗車しておられる.
(注)今回から「あだ名」の使用を止めます.
   もともと,私の記憶用に「あだ名」を使っていましたが,次第に匿名性がなくなり齟齬をきたすようになったのが
   理由です.

■キンラン
 私は,たまたま居合わせたTさんと一緒に,7時07分に大倉から歩き出す.まだ早朝なのに,気温は20℃を超えている.いつも出だしの歩行速度が速いTさんの後ろに付いて行くのは結構辛いが,まあ,付いて行けないほどの高速ではないので,途中で数名の登山客を追い越しながら登り続ける.
 雑事場ノ平の手前で,花や鳥に詳しいHさんに追い付く.Hさんは登山道の土手を頻りに気にしている.
 「Hさん…おはようございます.何かあるんですか?」
 Hさんが指さす方を見ると,黄色い花が咲いている.花のことは殆ど分からない私には,どこにでもある平凡な草花としか思えないが,キンランという花だそうである.私もHさんの真似をして,キンランの写真を撮る.
 もっとキンランだけをハッキリ,後はボカした写真を撮りたいなと思うが,バカカメラは私の言うことを聞いてくれない.

<路傍のキンラン>

■見晴階段
 7時45分,見晴山荘を通過する.私を凄い勢いで追い越したSさんとNさんが先に見晴階段を登り始める.
 例によって,見晴階段の下から階段を見上げた写真を撮影する.階段に沿って,点々と登山者の後ろ姿が見えている.

<見晴階段>

■今日も,まあ,順調かな…
 見晴階段が終わって,モミジ坂に差し掛かる.途中で何となく体力に余裕があるようなので,少し歩行速度を速めて,先ほど私を追い越していったご常連お二人を追い抜く.
 7時59分,一本松を通過する.
 「ありゃ〜っ! この分だと駒止茶屋吸うかは8時12〜13分になりそうだな…今日の体調は余り良くないな・・・」
と思う.
 一本松を過ぎて平坦な道になる.今日は蒸し暑いので,そろそろ給水しようかと思ってハイドレーションから水を飲もうとする.ところがリュックの中の詰め方が悪いらしくで,ハイドレーションのパイプが折れ曲がってしまい水を飲むことが出来ない.
 「これはまずいな・・・」
とは思ったものの,まあ,いいか,ということで,堀山の家までは給水せずに行こう.そして,堀山の家で,リュックの中を整理しようと思う.後から考えると,これがいけなかった.
 急な上り勾配の駒止階段を登って,8時12分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間05分.一昨日は1時間04分だったが,まあ,1分程度の差なら,一昨日と同じテンポで歩いている.私はまあ今日も順調かなと判断する.

■堀山の尾根道
 堀山の尾根に差し掛かる.毎度,平坦地は速く歩くことにしている私は,何時も通り,かなりの速歩で堀山の尾根道を歩き続ける.私の直ぐ後をNさんがピッタリ付いてくる.
 やがて,富士山が良く見える場所に到着する.私は例によってバカカメラを,あれこれ工夫しながら,富士山の写真を撮る.
 確かに一昨日に比較すると,富士山は霞んで見えている.でも肉眼ではとても良く見えているが,カメラに写すと,ご覧の通りである.富士山などほとんど写っていない.

<富士山が良く見えているが写らない>

■萱場平
 8時26分,堀山の家に到着する.
 すぐにリュックの中を調べる.するとハイドレーションシステムのパイプが乱雑に入れた手拭いや食料品で折れ曲がっていて,水が通らなくなっている.すぐに荷物を整理してパイプのオレ曲がりを直す.
 私のすぐ後に居られるNさんに,
 「ここから花立山荘まで,40分掛けてユックリ登りますので,もしお急ぎでしたらどうぞお先に…」
と声を掛けるが,とても速くは歩けませんとのことだったので,そのまま二人で登り続ける.
 歩きながら,ハイドレーションの水を1口,2口飲んで,喉を潤す.
 気温は相変わらず20℃を超えている.この高温が,いくら注意していても私の身体を消耗させる.
 「どうも,今日は調子が悪いな」
と思いながら次第に登攀速度を意識的に落とす.
 それでも,戸沢分岐の手前で,頭がクラクラするような異変を感じる.私は熱射病に罹るのを極度に警戒して,後ろに居られるNさんに,先に行ってもらい,一層歩行速度を落とすことにする.
 8時46分,ようやく萱場平を通過する.大分,疲労していたのか,ここで撮影した写真を後から見てみると,前方の空が写っていない.判断力が鈍っていたんだろうか.
 例により,木道の間に元気よく繁茂するアザミの写真を撮りながら,ごくユックリの速度で平らな道を歩き続ける.
 
<萱場平>                                   <木道の間のオニアザモ>

■青息吐息の後7分坂
 萱場平から花立山荘の間は,ごく低速で,慎重に,慎重に登り続ける.暫くの間,Nさんの後ろ姿が見えていたが,後7分坂(花立階段)に差し掛かる頃には,Nさんはもう見えなくなる.
 後7分坂をどの程度時間を掛けて登ったのか,記録していないので分からないが,思うように足が上がらなかったので,多分,9分程度要したものと思われる.
 9時16分,漸く花立山荘に到着する.山荘前の広場から富士山がうっすらと見えている.
 大倉から花立山荘までの所要時間は2時間05分.堀山の家からの所要時間は46分.後半随分と速度を落としたのに,意外に速い.これには,私も少々ビックリする.
 「もういいや,所期の目的は果たした…今日は疲労気味なので,ここから先はノンビリ行こう…」
と決心する.
 丁度このとき,Tさんが私に追い付く.
 「もう暑くてダメだ…ユックリ行きましょう」
と私に言う.勿論,私も同感.
 花立山荘から花立山までの登り坂は,超ユックリ.
 途中,鍋割山稜を眺めながら,
 「緑が大分上まで来ましたね…ついこの間まで高い所は冬だったのに…」
 9時20分,花立山山頂に到着する.花立山荘から花立山までは何時も9分程度で歩いているところを,今日は14分掛けている.
 
<花立山荘>                                  <鍋割山稜と富士山>

■風景や花を眺めながら道草
 花立山山頂付近で風景や草花を眺めながら,一寸長い間,道草.
 「花の写真は,どうも上手く撮れないんだな・・・」
とTさんが言う.私も同感.前回写真を撮ったときも,ピントが花に合わずに地面に合ってしまう.今回は上手く撮れたかなと思ったが,やっぱり思うように採れない.
 言いたくはないが,“このバカカメラめ!”. 
 道草をしている間に,常連のSさんに追い抜かれる.
 「私たち花を見ながら,ユックリ登ります」
と挨拶する.
 花立山を過ぎると,豆桜が目立ち始める.木によっては見頃を大分過ぎているものもあるが,今が見頃な木も沢山ある.豆桜の花を愛でながらノンビリ登り続ける.
 
 <綺麗な豆桜>

■この頃増え始めたバイケイソウ
 9時31分,金冷シを通過する.もう,ここまで来れば山頂は目の前である.ユックリ序でに,なおユックリ,ユックリと登る.どうやら熱射病にはならずに済みそうだが,足取りは何とも重い.
 登山道の周辺を見ると,バイケイソウが沢山繁茂している.
 Tさんの話によると,この頃塔ノ岳でもバイケイソウが増えているとのこと.
 「バイケイソウはシカが食べないんですよ…だから増えているんでしょう」
 私は進行方向左手にあるバイケイソウ群生地の写真を撮る.
 「こっちに,もっと綺麗に見える(バイケイソウの)群生地がありますよ」
というTさんの案内で,今度は進行方向右手に土手に登ってみる.なるほど,そこには見栄えのするバイケイソウの群生地がある.さっそく写真を撮る.

<山頂付近のバイケイソウ群生地>

■綺麗な花
 今日は,徹底的にTさんの御指南を受けなが登ろうと思う.時間などどれだけ掛かっても良い.そして,私は,柄にもなく,Tさんが教えてくれる花の写真を何枚か撮影する.
 取りあえず写真を撮ったのが,ワチガイソウとハナネコノメソウ.どちらも小さくて可愛い花である.ただ写真を撮った途端に,どっちがどっちのの花の写真かわからなくなる.また,この近くで,他にも花の写真を撮ったので,下の写真は取り違えているかもしれない.だから,ここでは綺麗な花の写真とだけしておこう.
 
<山頂付近の綺麗な花>

■塔ノ岳山頂
 山頂付近で,Tさんに木道半分位引き離されたが,9時55分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は,私の温度計で20℃と高温である.一昨日は8℃だったのに…正に激変.
 大倉からの所要時間は,途中から失速して,2時間47分と最悪.一昨日より20分近く余計に掛かっている.それも,金冷シから山頂までの所要時間は実に24分.もの凄い鈍(のろ)さである.
 山頂にはまだ登山者の人影は殆どない.
 天候は晴だが,周囲は靄に覆われていて,遠くは余りはっきりとは見えない.
 山頂で,今朝方,小田原駅で階段2段跳び乗換をされたYさんと合う.尊仏山荘を覗くと私よりちょっと先に山頂に到着したTさんが席に座ろうとしている.私は山頂から周囲の景色を写す儀式を済ませてから,尊仏山荘に向かう.

<塔ノ岳山頂からの景色>

■尊仏山荘
 今日の尊仏山荘の客は常連ばかり.小屋番はオーナーのHさん他.
 例により300円也のお茶を所望する.
 どこからともなく,華伊達美弥雄氏(ネコのこと)がノッソリと現れる.私は電車やネコは出会ったときに必ず写真を撮ることにしている.お茶を飲む前に,ネコの写真を何枚か撮る.
 この所,このネコ君,どうも太りすぎたようで,かなりの太鼓腹になっている.動作もかなり緩慢になってきたような気がしている.ちょっと心配.
 やがて,IさんがTさんにエスコートされて,一緒に尊仏山荘に到着する.

<一寸元気がないミャ〜君>

■ご常連で賑やかな山荘
 やがて,常連のMさんも山荘に到着する.暫くの間,賑やかに食事などを共にする.
 コーヒーを追加して賞味している間に,先ほどまでの疲労感はまるで嘘のように完全になくなっている.そして何時もの元気を取り戻す.
 たっぷり雑談をした後,10時32分,Tさん,Sさん,Nさん,Iさんの4人と一緒に,下山開始.

<ご常連で賑わう尊仏山荘>

■渋沢でコーヒーブレーク
 山頂から2番目の階段を降りているところで,いつも金曜日にお会いするHさんとすれ違う.,
 「毎日登っているの…?」
が挨拶代わりである.
 つい最近,登頂2000回の新聞記事で有名になったTさんは,色々な方から声を掛けられるので,ついつい遅くなる.下山速度が速い方はどんどん先に行かれるので,私は結局Nさんと2人で遅からず速からずの速度で下山し続ける.
 12時07分,見晴山荘に到着する.ここでIさんの到着を5分ほど待つ.
 12時42分,無事,大倉に下山する.
 まずは,洗い場で,靴の埃を洗い直す.勿論,使用するタワシにヒルが付いていないか,ちゃんとチェックする.今年は,まだ,今のところ,ヒルが出たという噂は,直接には聞いていない.
 Sさんが,前後して同行した私たちに,アイスバーを振る舞ってくれる.私もアイスバーを頂戴する.内心で,
 “Sさんは,私も仲間の端くれとして扱ってくれているんだ…”
と思うと,飛び上がるほど嬉しくなる.
 “ありがとうSさん…何時か恩返しをしなければ…”
 大倉では,私たちより一足先に下山していたMさんとYさんが,私たちの到着を待っている.
 「渋沢で,一緒にコーヒーでも飲みましょう…」
とお誘いを受ける.このお誘いも,とても嬉しい.
 勿論,大賛成.
 もっとも,先ほど,尊仏山荘でもお茶を所望した後でコーヒーを賞味したばかりだが…
 渋沢駅南口駅前にあるコーヒーショップに立ち寄る.私は,ここでもホットコーヒーを所望する.
 
<渋沢駅南口の某コーヒーショップにて>

■愛用のバカカメラが…
 私はコーヒーの写真を撮ろうとして,カメラを構える.
 写真を撮ってから,カメラの電源をオフにする.ところが,突然,カメラのレンズカバーが半分閉じなくなる.何回スイッチを入れ直しても,上半分のカバーが閉じない.
 “遂にオマエも脳卒中か!”
と愛用のバカカメラを労る.
 でも,スイッチを入れると,下のカバーはちゃんと開くので,撮影には差し支えないようである.
 このカメラとのお付き合いは結構長い.多分,5年程度になるだろう.平素バカ呼ばわりしているが,結構,愛着のあるカメラである.
 “仕方ないな! まあ,オマエが全く使えなくなるまで愛用してやるよ”
 カメラが,
 “お前さん,そんなこと言っているが,お前さんの方が先にくたばるかも知れないよ”
と言っているような気がする.
 
<渋沢駅南口某コーヒーショップのコーヒー>                 <レンズ扉が半分閉じなくなったカメラ>

■大船で多忙
 小田急線と東海道本線快速アクティを乗り継いで,15時24分に大船駅に到着する.
 電車を降りた途端に,ムッとした暑さを感じる.手許の寒暖計は30℃を示している.
 ここからがちょっと大変.郵便局,Y電機,西友などをグルグル回って,ちょっとした雑務を一気に片付ける.
 その内に,今日の登りがきつかったことなど,すっかり忘れている.熱射病を気にしながら,ユックリ登ったので,結局は体力の消耗が少なくなったのが,疲労感がない原因かも知れない.
 まあ,ともかく,この暑い最中に無事塔ノ岳を往復することができて良かった! 良かった!
 次回の塔ノ岳詣では,お天気にもよるが,水曜日かな.

<ラップタイム>

 7:07  大倉歩き出し
 7:28  観音茶屋
 7:45  見晴山荘
 8:12  駒止茶屋
 8:26  堀山の家
 9:12  花立山荘
 9:31  金冷シ
 9:55  塔ノ岳山頂着
10:32      〃  発
10:49  金冷シ
11:00  花立山荘
11:15  萱場平
11:28  堀山の家
11:44  駒止茶屋
12:07  見晴山荘(12:12まで休憩)
12:24  観音茶屋
12:42  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:07
  塔ノ岳  着       9:55
 (所要時間)        2時間48 分(2.80h)
 水平歩行速度    7.0km/2.80h=2.50km/h
 登攀速度           1269m/2.8h=453.2m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:45
  大倉   着       13:11
 (所要時間)         2時間26分(2.43h)
 水平歩行速度    7.0km/2.43h=2.88km/h
 下降速度       1269m/2.43h=522.2m/h
                               (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9e74c798eafbc6712e97e05a834a87a9
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)


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