<大倉山記念館>
知らない街を歩く(横浜);大倉山公園・太尾・新横浜縦走(1);大倉山記念館と和紙版画
(独り散策)
2020年2月19日(水) 晴
<ルート地図>
■全体図
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■大倉山公園概念図
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※港北観光協会HPから引用
<大倉山駅から大倉山公園へ>
■大船駅から大倉駅へ
何気なくインターネットの記事を読んでいたら東横線の大倉山駅近くに梅の名所である大倉山公園があることを知る.大倉山駅ならば私が平素利用している大船駅から小一時間で行けるところである.
”ならば、早速、大倉山公園とやらへ行ってみよう…”
と即断即決.
平素忙しい、忙しい…と愚痴ばかり言っている私だが、忙しいとはいうものの、自分から勝手に忙しくなっているだけで、余所様との関係で忙しいわけではない.だから事情によっては、私の忙しさなどどうにでもなるのである.幸いなことに家内は午後から何やら習いごとがあるとか、これ幸いと早めに昼食を済ませ、私もそそくさと家を出発する.
コロナとやらのご時世である.人混みの中に出かけるのはあまり好ましいことではないが、そうかといって家に籠もってばかりだと体が腐る.杉の花粉症対策で家内の買い置きのマスクを1枚譲り受けて、さっそく出かける.そして無事東横線大倉山駅に到着する.私がこの駅に降り立つのは初めてのことだが、あらかじめ港北区観光協会のHPやカシミールで大倉山公園の大凡の検討をつけているので、さしずめ大きく迷うこともないだろうと思っている.
13時20分、大倉山駅から歩き出す.
駅前の繁華街を左に見送って、線路沿いのやや急な坂道を登る.
<大倉山駅前商店街> <線路沿いの道を登る>
■大倉山公園に到着
数分坂道を登って、13時24分、大倉山公園に到着する.広々と整備された雰囲気である.どうやら私の予想よりずっと大きくて立派な公園のようである.
<大倉山公園に到着>
<大倉山記念館>
■大倉山公園地図
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※現地案内地図を撮影
■記念館前広場と記念館
公園入口から上り坂を少し登ったところに立派な石段がある.石段の段数は数えていないが、およそ40~50段ほどもあるだろうか、石段の上にはきれいな疎林が広がっている、地図で確かめると記念館前広場というらしい.疎林の奥に威風堂々の白亜の建物が見えている(冒頭の写真).
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※現地案内地図を撮影
<日本の和紙版画展>
■記念館の中に入る
記念館前の広い石段を登って、記念館入口に行ってみる.入口に特に鍵などがなさそうなので、試し扉のにノブを回してみる.すると意外なことにスルリと開いてしまう.
”建物の中に入っても良いのかな…”
と半ば訝りながらも、怒られたら謝って外に出ればいいな…で、建物の中に入る.
意外なことに建物の中にはかなりの人数の人が居る.
”なるほど! 現役で使われている建物なんだ…”
入口から見て左手の部屋で何か催し物があるようだ.
部屋の入口には「日本の和紙版画展」という案内が出ている.”今日の4時で終わる”という添え書きがある.
”版画か! 面白そうだな…”
ということで、とにかく中に入ってみる.
<和紙版画展の会場>
■活気に満ちた和紙版画展会場
それほど広くはない会場だが、大変賑わっている.部屋の入口近くに置かれた大きなテーブルに絵はがき大の作品が沢山展示されている、1枚200円で販売している.入口に近いところから春夏秋冬の順に作品が並んでいる.
私も素人ながら水彩画を少し嗜んでいるので、版画にも多少の興味がある.ついつい並んでいる作品に興味を引かれてしまう.正直なところ、繊細な作品を見て、その美しさについつい見とれてしまう.
品の良い年配の男性が、和紙版画の作り方を説明する.この説明を伺ってから改めて作品を見ると、その手の込んだ手間と出来上がりの優美さにすっかり魅了されててしまう.
<展示兼即売会>
■お気に入り2枚
[1枚目]
版画にすっかり魅せられた私は、ついついお気に入りの2枚の作品”200円/枚×2枚=400円也”を購入してしまう.
1枚目は瀬戸内海だろうか、島の重なりと空気遠近法が素晴らしい.実に良い絵柄だと思う.特に遠景の奥行きが見事に表現されているのに、ただ、ただ、驚くばかり.私もこんな感じの絵を描いてみたいなと心底から思う.
”それにしても、この見事なパースペクティブは一体何だろう! (恐れ多いことだが)天孫降臨のとき、雲の上から下界を眺めたら、こんな具合に見えるのではないかな…”
良く見ると2艘の小舟が浮いている.でもどちらも影が薄い.所詮、人間なんて影が薄い存在でしか過ぎないんだな.それにしても、一体、どこへ行くつもりなんだろうか.
見方によっては、海の中を奇っ怪な形の生き物の群れが右から左に競争しながら泳いでいるようにも見える.一番手前の”大きい奴”、少し遅れてるぞ! もっと頑張れ! それともおまえ達、小さな船に乗っている人間を襲うつもりか.それだけはやめておけ.そんなちっぽけなもの食べても、腹の足しにはならないぞ!
左下の岬の端っこで、ちょこんと立っている小さな三角の陰は、私のように思える.この私と奇っ怪な生き物を上から見下ろしているおまえは一体誰だ!
私はこの作品を眺めながら想像を逞しくする.
[2枚目]
2枚目の絵は杉林と空の色と構図に惹かれて,つい,つい,買ってしまった.
この絵で三角形の繰り返しで表現されている杉の木が何とも絶妙である.それに夕焼けだろうか空の色と杉の色の取り合わせがいかにも叙情的である.また左右から折り重なるような山脈がおても面白い.一番遠くの山から白い滝が流下している.多分遠い滝なので音は聞こえてこないだろうが、この滝が遠景にある種の緊張感を持たせている.近景に立ち上る白いものは炭焼きの煙だろうか…この絵を見ていると山の様子がいろいろと想像できる.また一本一本の木が同じ所作の繰り返しのように見えるが、よく見るとすべての木の大きさが微妙に違っていて個性的である.近景を見ると、杉林の間に紅葉した木が所々に見えている.この木が空の色と共鳴し、絵の緊張感を一層高めている.2本の白い煙と紅葉した木々を見ていると、まるで上皿天秤のように見えてしまう.左手の白いものの方がどうやら重たそうである.この絵から上皿天秤を連想するのは私だけだろうか? この天秤模様がこの作品の構図を一層華やかなものにしているように感じる.
”それに、中景の暗い地肌は一体何を意味しているんだろう…近景を過去の自分、中継を現在の自分、そして遠景を未来の自分に置き換えて見ると…燃えるような空は一体何を意味しているんだろう…”
私は一枚の絵を眺めながら、多分、作者が意図していなかっただろうと思える物事まで、この絵に託してしまっている.
こういうことをあれこれと連想しながら絵を眺めるのが私の趣味であり、楽しみでもある.
このように、絵を眺めながらあれこれと連想の輪を広げるのがとても楽しい.絵と対峙してあれこれと想像していると,ついつい時間のたつのを忘れてしまう.これこそが我流の絵の楽しみ方なのである.
<2枚の版画>
■和紙版画とは…
版画を購入したときに、MHさんという方の解説文が添付されている.著作権の問題があるのでそのまま紹介するわけにはいかないが、和紙のスクリーン(コロシオン加工原紙)に孔を開けてローラーで刷り上げるとのことである.昔流行した「プリントゴッコ」のようなものだという.
私はもっぱら水彩画だが、今回、和紙版画の作品を見て、すっかり和紙版画に魅せられてしまった.取りあえずはプリントゴッコの道具でも手に入れて試してみたいななどと、とっさに思いつくが、三日坊主に終わる可能性が多分にある…という自己評価の結果、やっぱり当分は水彩画一本で行こうと思い直す.ただ、今回の版画展で感じたものを自分の水彩画の中で少しでも反映させてみようと思っている.
もう少しいろいろと他の作品も見て回りたいが、あまりゆっくり模していられないので、13時46分、会場を後にする.
この公園がどんな配置になっているのか、良くわからないが、取りあえずは梅林を見物しようかと思う.
(つづく)
つづきの記事
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(執筆中)
「関東・伊豆箱根・上信越」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a3626393679b41fdac7125b71c8f1061
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