<塔ノ岳山頂から富士山を望む>
春一番が吹き荒れて寒い丹沢;塔ノ岳(2019年9回目)
(単独山行)
2019年3月9日(土) 晴(山頂付近残雪)
▇朝が大分楽になった
天気予報では朝は寒いものの日中は晴れて4月初旬並みの暖かさになるとのことなので,前回までの服装より幾分薄手の装備にして,いつも通り4時ちょっと過ぎに家を出発する.勿論,いくら日ノ出が早くなったとはいえ,この時間,外は真っ暗である.今朝もまた,犬が吠える家を避けながら大船駅に向かう.
いくら日中暖かくなるとはいえ,やっぱり早朝は寒い…とはいえ,2月の厳冬期に比較したら大分マシである.
陽気が良くなったためか,今日の東海道本線下り電車は,何時もの土曜日よりは,幾分,乗客が多いようである.
小田原駅で小田急線快速急行新宿行に乗り換える.日ノ出の時間が大分早くなり,電車が小田原を発車する頃になると,辺りが随分と明るくなる.後,2~3週刊過ぎれば,車窓から富士団と矢倉岳が重なる風景が望めそうである.
▇路面が濡れている
バス会社も今日は登山客が多いと予想したのか,定期バスよりほんの少し早く大倉行の臨時バウが出る.それほどきゅうぎゅう詰めに成らない程度の混雑である.乗り合わせた常連は毎日登山のTGさん,YSさん,AIさん,IIJさん,IWIさん,MTさんなど.
6時55分,臨時バスはバス停大倉に到着する.
6時59分,何人かの常連の皆さんと前後して,バス停大倉から歩き出す.今日の体調は,まあ,まあのようなので,歩き出しから幾分ピッチをあげて歩くことにする.
7時04分,登山口を通過する.路傍の梅が満開である.
<登山口を通過>
▇朝日射し込む登山道
7時08分,克董窯を通過して,程なく石を敷き詰めた道に入る.石がベトベトに濡れているので,滑って随分と歩きにくい.今日はちょっとダメだなと思いながら,7時14分,丹沢ベースを通過する.
やがて,石ころを敷き詰めた道を通過して土道に入る.その直ぐ先で日の当たる坂道に入る.朝日が右手から眩しく射し込んでいる.気分最高.
<日の当たる坂道>
▇観音茶屋
7時23分,観音茶屋を通過する.大倉からの所要時間は24分.
”まあ,こんな所だな…”
と納得しながて通過する.
<観音茶屋;朝が早いのでまだ開店していない>
▇見晴茶屋からの眺望
ジグザグの山道を登って,7時41分,見晴茶屋に到着する.大倉からの所要時間は42分.先週土曜日に塔ノ岳に登ったときと全く同じペースである.
”人間って,案外,機械仕掛けのような感じだな”
と奇妙な感じを持つ.
見晴茶屋の前からの展望を楽しむ.上空には極薄い雲が掛かっていて,太陽が滲んで見えている.海と空の境目が全く分からず,何となくぼやけている.
”もう確かに春だな”
と実感させられる.
<見晴茶屋からの眺望>
▇見晴階段
見晴階段に差し掛かる.階段沿いに登山者の後ろ姿が点々と連なっているのが見える.今日も清々しい日光が右手から射し込んでいる.
私はオーバーペースにならないように注意しながら見晴階段を登り続ける.
”今日の体調は,まあ,まあ,ってところかな…”
<見晴階段>
▇一本松
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.相変わらず柔らかい日差しはあるものの,どうやら風が強いようだ.
オーバーペースにならないように記を受けながら登り続けて,7時57分,一本松を通過する.大倉からの所要時間は58分.
”うん,まあ,この調子で登り続ければ,塔ノ岳山頂までの所要時間は3時間を少し切るぐらいだな…”
と予測する.
<一本松>
▇駒止茶屋
一本松から,暫くの間,起伏の少ない尾根道が連続する.進行方向右手には,朝日を浴びる表尾根の山々が見えている.
やがて,駒止階段に差し掛かる.ほぼ停まりそうな速度で登っている登山者や,スタスタと登る若い登山者も居る.ここで頑張っちゃうと後でしんどくなるので,体調を見ながら慎重に登り続けて,8時12分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間13分.
”まあ,所要時間は,こんな所かな…”
<駒止茶屋>
▇堀山の尾根道
駒止茶屋から先はほぼ平坦な尾根道になる.その先は土道になる.ここだけはどんなに疲れていても快調に歩けるところである.今日は少し風が強いためか,ピリッとした寒さを感じながら,8時21分,堀山の標識を通過する.進行方向左手には,5合目付近まで雪で真っ白な富士山が枯れ枝越しに見え隠れする.
堀山の標識から先,暫くは下り坂なので,歩行速度を上げて,一気に下る.
<堀山の標識>
▇小草平
下り坂が終わって,登り返しに入る.体を意識的に下りモードから登りモードに切り替えて,ユックリ登らないと調子が狂う場所である.
登り坂をユックリ登って,7時28分,小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間30分.まあ,まあ,満足のラップである.堀山の家の温度計は2.5℃.今日はこの時期にしてはちょっと低温のようである.
小草平から富士山がとても良く見えている.シャッターの露出時間を色々変えながら4~5枚の写真を撮るが,その中で一番綺麗に撮れたのが下の写真である.なお,構図をちょっと弄って,富士山が上下方向に3分の1,横方向には左から3分の1になるようにした.絵を描くとき中心に位置すべき対象を3分の1の交点に老いてみるというのがあるが,どんなものだろうか?
悪戯はこの程度にして,小草平でも特に休憩を取らずにそのまま登り続ける.
<小草平からの富士山>
▇小草平上のビューポイント
小草平から萱場平まで登り坂が連続する.登山らしい雰囲気があって楽しいところでもある.小草平からちょっと登ったところに短いヤセ尾根がある.この尾根を通過すると本格的な坂道が連続するようになる.この坂道が始まって間もなくのところに富士山のビューポイントがある.勿論ここでも,富士山の写真を撮る…が,目の前の杉の木にピントが合ってしまい,肝心の富士山は脇役になってしまう.この辺りが写真の難しさだなと実感する.
<小草平上のビューポイントから富士山を眺める>
▇萱場平
坂道をひたすら登り続けて,8時51分,萱場平を通過する.
前方には心地よい青空が広がっている.登山道は夜中に凍結した泥んこが少し溶け始めている.
<萱場平>
▇花立階段下から富士山を望む
頑張るのがいやなので,デレデレと坂道を登り続ける.
9時09分,花立階段に到着する.ここで,AIさんと,次のバスで来られたNGさんが私に追いつく.勿論,お二人には先に階段を登って貰い,私はここで富士山の写真を撮る.ここからの富士山は,まあ,こんな感じである.
<花立階段下からの富士山>
▇珍しくシカに出会う
ふと階段脇を見ると,シカが1頭,日向ぼっこをしている.一時期シカが駆除されてしまい,この辺りでシカを見かけることは少なくなっていたが,最近,またシカを見ることが多くなってきたようである.
<シカを見かける>
▇花立階段をユックリ登る
この長い階段を登るのは本当にシンドイが,ここを登らないわけには行かないので,観念してユックリ,ユックリと登り続けるが,直ぐ目の前に見えていたMGさんとAIさんの後ろ姿がだんだんと遠ざかる.
<長~い花立階段>
▇花立山荘
長い階段を9分掛けてユックリ登って,9時11分に花立山荘に到着する.大倉からの所要時間2時間12分.今の私には,まあ,こんなところが精一杯だなと諦める.数年前には2時間かからなかったのに…
山荘前のベンチでは5~6人の若者が休憩を取っている.山荘前で人が入らないようにしながら,富士山の写真を数枚撮る.
<花立山荘から富士山を望む>
▇花立山のガレ場
花立山荘から先にある歓談道がくせ者である.実に歩きにくいだけでなく,この辺りを歩いているときが一番シンドイ.でも階段が終わってガレ場に入ると途端に視界が開け気分爽快になる.
この辺りまで登ると,足許に残雪が身へ始める.
今日は天気も上々なので,残雪の鍋割山稜と富士山がとても良く見えている.ときとき立ち止まって,富士山の写真を撮る.
<富士山と鍋割山稜;ちょっと露出不足かな?>
▇花立山山頂
9時31分,花立山山頂に到着する.前方にはこれから登る塔ノ岳が見えている.足許の木道の雪は溶けているが,周囲には残雪がかなりある.青空がとても美しい.
<花立山山頂>
▇花立山山頂からの富士山
残雪の向こうに真っ白な富士山が見えている.富士山の右手にはかすかに白銀の南アルプスが連なっているのが見える.
<花立山山頂からの富士山>
▇凍結の馬の背から金冷シへ
花立山山頂から先は完全な冬景色になる.特に馬の背の下り坂はアイゼンが欲しくなるほど滑りやすくなっている.凍結した道を慎重に降りて,9時26分,金冷シを通過する.
ここから先,残雪の登山道が連続する.とてもではないが,いつも通りの速度で歩くことは無理なので,歩行速度は極端に落ちる.
<金冷シ>
▇残雪の登山道
金冷シから先は残雪の登山道となる.当然,サッサと歩く訳にはいかないので,歩行速度はガクンと落ちるが,金冷シから最初の坂道でAIさんに追いつく.この辺りから先は,AIさん,KIさんと前後しながら登り続ける.
山頂直下の急階段に差し掛かる.ここはとても辛い登りになるので,何時も一生懸命に登ろうという気力が無くなる.
”どうせ直ぐ山頂だからデレデレ登ろう”
ということで,一段と速度を落とす.
丁度そのとき下山してくるMGさんとすれ違う.
「…山頂は寒くて長居できません…」
とのこと.
<残雪の登山道;滑りやすい木道>
▇塔ノ岳山頂
9時53分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は0℃.それに,冷たい強風が絶えず山頂を吹き抜けている.体感的にはかなりの低温である.ただ,残雪は思っていたより少なめである.多分強風で吹き飛ばされたり,直射日光で溶けたりしたためだろう.
AIさんは山頂に到着したその足で直ぐに下山するとのこと.私も周囲の写真を撮ってから,なるべく早く下山しようと思う.
大倉からの所要時間は2時間54分.幸いなことに3時間を切ったが,花立山から塔ノ岳山頂までの雪道に時間がかかってしまい,前回より5分ほど余計になってしまった.でも,まあ,無理せずに3時間を切れたんだから,これで良しとしよう.
儀式として,塔ノ岳山頂からの風景を写真に撮る.今日も富士山と南アルプスがとても良く見えている(冒頭の写真).
<塔ノ岳山頂>
▇下山開始
9時59分,下山開始.丁度,下山しかけたところで,KIさんが山頂に到着する.
前方には相模湾が広がっている.贅沢な風景である.ときどき風景を眺めながら.残雪で湿っている木道を慎重に下山開始.最初の木道で登ってくるMDさんと,もう少し下ったところで,YSさんとすれ違う.
<下山開始>
▇堀山の家に立ち寄る
さらに下って,金冷シから2番目の木道で毎日登山のTGさんとすれ違う.
10時16分,ようやく金冷シを通過する.雪道を慎重に歩いて,10時23分,花立山山頂を通過し,10時22分,花立山荘に到着する.三層のベンチは休憩を取る登山客で満杯である.この中に誰か知った顔は以内かなと見回すが,誰も居ない.そのまま花立山荘を通過する.
その後沢山の登山者とすれ違いながら淡々と下山し続けて,11時10分,小草平に到着する.たまには堀山の家に立ち寄らなければと思って,今回は堀山の家に入る.女主人が愛想良く出迎える.私は甘いものが欲しかったので,オレンジジュースを所望する.
<堀山の家でオレンジジュースを所望>
▇観音茶屋のお汁粉
その後もジャストマイペースで淡々と下り続ける.途中で先に下山開始したAIさんに追いつくが,先に行かせて貰う.
12時03分,見晴茶屋に到着する.茶屋のベンチでIIJさんが休憩を取っているが,先に行かせて貰う.
12時22分,観音茶屋に到着する.急げば12時39分のバスにギリギリ間に合う時間だが,お汁粉の魅力の方が強いので,茶屋に立ち寄ってお汁粉をご馳走になる.
<観音茶屋のお汁粉>
▇無事下山,渋沢駅でコーヒーブレーク
山小屋の女主人と雑談しながらお汁粉を食べていると,山小屋の前をIIJさんが通過する.ちょっと間を置いてAIさんも.
12時21分,お汁粉を食べ終えて,観音茶屋を出発する.それほど急いで下山しているわけではないが,AIさん,IIJさんに追いつく.その後はバスの時間を意識しながらユックリ下って,12時50分にバス停大倉に到着する.下り所要時間は2時間51分.登り所要時間とほぼ同じだった.
朝一番バスで一緒だった常連の大半は,大倉発13時11分のバスに乗車している.少し立ち席が出る程度の混雑である.
13時25分頃,バスは渋沢駅に到着する.希望者6人で渋沢駅ビル1階にあるミスタートーナッツでコーフーブレーク.270円也のホットコーヒーを所望.
<ミスダートーナッツのホットコーヒー>
▇無事帰宅
小田急線上り電車に乗車する皆様より一足先に,ミスだードーナッツを出て,13時52分発快速急行小田原行に乗車する.小田急線のエスカレーターや改札口が混雑していていたたために,東海道本線の上り電車に間に合わず,10分後の電車に乗車する.その流れで,大船からのバスも一本遅れてしまうが,15時過ぎに無事帰宅する.
大船でも強風が吹き荒れている.夕方のテレビで,今日の強風が”春一番”だったようである.
今日もまあまあ3時間を切るペースで塔ノ岳に登れたので,良しとしようかな.
帰宅後,衣類を着替えてから,しばし昼寝.これが実に気分が良いんだなぁ~
<ラップタイム>
6:59 大倉歩き出し
7:23 観音茶屋
7:41 見晴茶屋
8:12 駒止茶屋
8:23 堀山の家
8:47 萱場平
9:21 花立山荘(花立山から先は残雪)
9:36 金冷シ
9:53 塔ノ岳着
9:59 〃 発
10:16 金冷シ
10:22 花立山荘
11:10 堀山の家(11:19まで休憩)
11:37 駒止茶屋
12:03 見晴茶屋
12:22 観音茶屋(11:31まで休憩)
12:50 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6:59
塔ノ岳着 9:53
(所要時間) 2時間54分(2.90h)
水平歩行速度 7.0km/2.90h=2.41 km/h
登攀速度 1,269/2.90h=438m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 9:59
大倉着 12:57
(所要時間) 2時間51分(2.85h)
水平歩行速度 7.0km/2.85h=2.46 km/h
下降速度 1,269m/2.85h=445m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f0be7250518cadfb0758d61eb7b78907
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します
↧
春一番が吹き荒れて寒い丹沢;塔ノ岳(2019年9回目)
↧