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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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富士山眺望と新雪を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年59回目)

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                           <塔ノ岳山頂から富士山を望む>

    富士山の眺望と新雪を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年59回目)
        (登り常連に同行・下り単独)
      2013年12月28日(土) 快晴

■常連の皆様と一緒に歩き出す
 冬至を過ぎて,少しずつ昼間が長くなっているはずだが.私が家を出る時間の4時10分は相変わらず真っ暗である.それに今朝は滅法寒い.こんな日に,誰に頼まれたわけでもないのに,わざわざ丹沢くんだりまで出掛けるとは…傍目にはとんだ酔狂に思えるだろう.かく言うご本人の私だって,なんで好き好んでこんな寒い時間に,わざわざ雪だらけの丹沢に出掛けるんだろう.当のご本人も不思議でしょうがない…が,ずるずると家から大船まで山を下って,何時ものように大船発5時10分の東海道本線下り始発電車に乗車する.
 東海道本線の電車は,そこそこの乗客が乗車していたせいか暖かかったが,小田原で乗り換えた小田急電車は暖房が殆ど利いていない,ガタガタ震えながら詰めたい座席に座る.まだ外は真っ暗である.
 6時20分,渋沢駅に到着する.大倉行バスの乗り場には,もう3〜4人の登山客が列を作って待っている.その中に大倉から塔ノ岳,蛭ヶ岳を経由して橋本まで走っていく勇者,Hさんも居られる.
 バス停から塔ノ岳方面を望むと,新雪で真っ白になっている.今日も山頂付近には雪が積もっていそうである.
 今日は臨時バスが出るのか出ないのか良く分からないが,1番バスは登山客で超満員になる.韋駄天のSTさん,TGさん,編集長のYKさん,三角髭のTDさん,橋本まで走るIIさん,SSKさん,KMさん,TNさん,NGさん,KIさん,MTさん,YDさん,HDさんなどのご常連が乗車している.バスが発車する頃になると,辺りはすっかり明るくなっている.
 7時頃,1番バスが大倉に到着する.何人かの常連の皆様は,サッサと歩き出す.
 私は少々モタモタ.沢山の常連の方々と一緒に,7時15分,漸く大倉か歩き出す.とても賑やか,背中に漸く太陽が当たり出す.

<朝日を背中に大倉から歩き出す>

■見晴階段
 路面はまあまあ乾いている.
 「今日は一緒にユックリ登りましょう」
と言いながら歩き出したにもかかわらず,観音茶屋を過ぎる辺りから,列がバラケ始める.
 SSKさんが先頭.その後をTNさんと私が続く.この先頭3人と,後続の方々との差がだんだんと開き始める.私は先頭グループと一緒に登ろうか,それとも後ろのグループと一緒になろうかと少々迷うが,
 “まあ,いいか…”
でSSKさんの後ろについていく.
 7時11分,見晴山荘を通過する.山荘前から光る海が見下ろせる.
 見晴階段に差し掛かる.
 今日は土曜日.坂の上を見上げると沢山の登山客の後ろ姿が見えている.

<見晴階段>

■駒止階段
 見晴階段を登り終えてモミジ坂に差し掛かる.この辺りから昨日降ったと思われる新雪で辺りに白いものが見え始める.私は相変わらず先頭を行くTNさんSSKさんと一緒に歩いている.大倉から一緒に歩き始めた方々の姿はもう全く見えなくなっている.
 やがて,駒止階段に差し掛かる.
 「私,ユックリ登りますので,お先にどうぞ…」
と私のすぐ後ろに居られるTNさんに,先頭を譲ろうとするが,
 「良いですよ…ユックリ登りましょうよ…」
と仰るので,そのままマイペースで登り続ける.
 階段を登るにつれて,だんだんと積雪が多くなる.
 8時26分,漸く駒止茶屋を通過する.
 大倉からの所要時間は,1時間11分.雪で路面状態が悪かったのでやむを得ないが,欲を言えば,あと5分短い時間で登りたかった.

■堀山の尾根道
 堀山の尾根道に差し掛かる.登山道の路面が凍結していて滑りやすくなっている.何時の間にか,TNさんと私の2人だけで一緒に歩いている.
 「少し待ちましょうか…」
 「じゃあ…堀山の家でアイゼンを装着しながら待ちましょう…」
ということで,ややユックリの速度で歩き続ける.
 富士山が良く見える場所に到着する.今日も富士山が良く見えている.ところが先客が一番良い場所に,大きな三脚を広げて構えているので,やむを得ず,ちょっと離れたところから,富士山の写真を撮る.今日は何時ものバカカメラではなく,キャノンのパワーショットを持参している.このカメラは操作しやすいので,めんどくさがり屋の私でも,ご覧の通り富士山がチャンと写る.ただ,絶好の場所を三脚男に占領されたために,ベストポジションからの写真ではないのが残念である.

<堀山の尾根道からの富士山>

■小草平からの富士山
 8時45分,漸く堀山の家に到着する.まだ,朝が早いので,堀山の家は開店していない.
 小草平のベンチで軽アイゼンを装着しようと思ったが,ベンチに数センチの新雪が積もっている.まだ,だれも座っていないので,全く綺麗なままの雪である.なんだか座るのが勿体ないし,座ったら冷たい.
 「もう少し登って,どこか平らな所でアイゼンを付けましょう…」
ということになり,堀山の家は取りあえず通過する.
 小草平からも,相変わらず富士山が良く見えている.今日のカメラは操作が明快なので,なんとか見応えのある富士山を写すことができた.

<小草平からの富士山>

■萱場平
 堀山の家からすぐ先のヤセ尾根に差し掛かる.ここは尾根の左右が崩落して道幅が狭くなっている.今日は路面が凍結しているので,ここを通過するのは,かなり慎重である.滑って転落したら百年目.まず無事では戻れない.無事通過して正直なところ,ホッとする.
 その先のジグザグ道で,私たちより先に大倉から歩き出したNGさんに追い付く.NGさんは既にアイゼンを装着している.
 「私たちももう少し先でアイゼンを装着します…」
と挨拶して,先に行かせてもらう.
 長い階段道に差し掛かるところで,軽アイゼンを装着する.
 実は,私はつい先日購入した4本爪軽アイゼンを,今日初めて使用する…が,固定用のゴムが強すぎてなかなか装着できないことが分かる.そのため装着に随分と手間取ってしまう.
 その後も,私が先頭になり,全く私のユックリペースで登り続ける.TNさんには申し訳ないが…
 9時11分,ようやく萱場平に到着する.
 萱場平のベンチで数名の若い登山客が休憩を取っている.

<萱場平>

■後7分坂下からの富士山
 平素,私は堀山の家から花立山荘まで40分掛けて登るように自分の歩く速度をコントロールしながら登るようにしている.しかし,今日のように雪道では,同じ道のりでも45分から50分掛けても仕方がないと思いながら登っている.
 私は萱場平から幾分歩行速度を落として登っているが,私のすぐ後ろに続くKNさんも,私に遠慮してか,私を追い越そうとしない.そんな状態で登り続けて,9時25分に後7分坂(花立階段)に到着する.
 ここからも富士山がとても良く見えている.当然,私はここでも富士山の写真を撮る.

<後7分坂下からの富士山>

■花立階段を登る
 シンドイ花立階段に差し掛かる.私が富士山の写真を撮っている間に,KNさんが先に階段を登り出す.私はKNさんの後をやっとついて登っていく.
 階段には踏み固められた新雪がベットリと付いている.もしこのままの状態が下山のときまで続いていたらアイゼンを着用したまま降りた方が良さそうだなと思いながら登る.
 9時32分,花立山荘に到着する.雪の後7分坂を,丁度7分で登ったことになる.もし,私一人で登っていたら,多分,途中でだらけて8分程度掛かったかもしれない.
 大倉から花立山荘までの所要時間は,2時間17分.やっぱり!…
 堀山の家から花立山荘までの所要時間は47分.途中,アイゼン装着で5分ほどモタモタしていた時間が響いているが,まあ,まあ,当初予定していた時間内である.
 
<雪が残る花立階段を登る>                                             <花立山荘を通過>

■花立山
 花立山荘を通過すると,いよいよ雪山である.
 9時42分,花立山を通過する.花立山山頂からの素晴らしいパノラマを堪能しながら,富士山や,冬日を反射して光る相模湾の風景を写真に収める.
 ここまで来れば,塔ノ岳山頂までは後僅か.気分的にも楽になる.
 風景を堪能した後,馬の背のヤセ尾根に向かう.途端に積雪が多くなる.

<花立山山頂からの眺望>

■塔ノ岳山頂
 9時49分,やっと金冷シを通過する.積雪が一段と深まって,山頂に至る階段道は殆ど雪の中である.当然歩行速度は鈍るし,疲労感も増え始める.
 やがて金冷シから2番目の階段道に差し掛かる.もちろん,階段は雪に埋まっている.ヒイヒイ言いながら登っていると,同じバスに乗り合わせてYDさんが下山してくる.続いて三角髭のTDさんともすれ違う.
 やっとの思いで,10時06分,塔ノ岳山頂のポールにタッチする.
 大倉からの所要時間は2時間51分.まあ,何とか3時間は切っているが,何とも情けないラップである.平素,ラップなど気にせずに安全第一で登るんだと大見得を切っているのに,やっぱりラップタイムが気になるとは…私もつくづく悟れていないなと,一人で苦笑い知る.
 花立山荘からの所要時間は34分.雪がなければ私の標準は28分.まあ,遅いのも雪道だから仕方がない.
 山頂の気温は,ポールに掛かっている寒暖計でマイナス10℃.尊仏山荘の寒暖計でマイナス5℃である.風は吹いていないが,凍えるような寒さである.
 相変わらず富士山,南アルプスの山々が良く見えている.私は寒いのを我慢して,山頂からの景色を写真に収める.
 「寒い,寒い…早く小屋に入りましょう」
と同行のTNさんが言う.

<塔ノ岳山頂から富士山と南アルプスを望む>

■光る海
 山荘に入る前に,後ろを振り返る.
 山頂の雪が深いので,山頂に何重にも取り付けられている土留めの材木が全部雪の下に埋まってしまい,山頂は一面の雪原に変わっている.その雪原の先に日光を反射して光る相模湾の絶景が広がっている.登山者の姿がシルエットになって見えている.
 “これは凄い風景だ…!”
 私は山荘に入る前に,この素晴らしい風景を写真に収める.

<塔ノ岳山頂から光る海を見下ろす>

■尊仏山荘
 TNさんと一緒に尊仏山荘に入る.
 山荘内は若い登山者で賑わっている.入口付近で常連のKIさん,MTさん,FTさんが陣取っている.私の顔を見るなり,KIさんが,
 「なんだ,今日は随分と遅いじゃないの…」
と私に軽くジャブを入れる.
 「これが精一杯ですよ…」
 今日の小屋番はWDさんお一人.随分と忙しそうである.取りあえずは300円也のお茶を所望する.
 お茶を飲みながら,まずは昼食.
 おにぎりを一つ食べ終えた頃.SSKさん,IIさん,NMさん,TGさんが山荘に入ってくる.山荘は座る場所がないほどの混雑である.
 あまりの混雑で,ゆっくり休憩を取るという雰囲気ではない.10時45分頃,軽アイゼンを装着して下山開始.余りに寒いので雨具の上着をヤッケ代わりに着込むことにする.

<沢山の登山客で賑わう尊仏山荘>

■山旅スクール5期のTBさんにバッタリ
 山頂でモタモタしている内に,一緒に山荘を出たはずのYNさんを見失う.まあ,いいやで下山は一人旅である.どうせ,直ぐ後から下山するTGさん,SSKさん達に追い付かれるだろうと思いながら,雪道を慎重に下山し続ける.
 11時12分,花立山荘に到着する.山荘のベンチは休憩を取る登山客で一杯である.ここで軽アイゼンを脱ごうかと思ったが.
 “ままよ,もう少し,アイゼンをしたまま降りよう”
と先延ばしする.
 後7分坂を慎重に下りはじめる.階段を3分の1ほど下ったところで.これから塔ノ岳へ向かう山旅スクール5期のTBさんとバッタリ.
 「おや,こんにちは…」
から立ち話5分ほど.
 丁度そのとき,ご常連のNGさん上から降りてくる.すかさずお二人の写真を撮る.

<後7分坂を下る>

■泥だらけの登山道
 後7分坂を下り終えたところで,軽アイゼンを脱着する.
 ところが,駒止階段を過ぎる頃までは,残雪があって滑りやすいところと,雪が溶けてドロドロになった泥濘の道が不規則に入れ替わる.
 “歩きにくいったらアリャシナイ…”
 私はブスブス独り言を言いながら,それでも慎重に下山し続ける.
 11時56分,堀山の家に到着する.小草平のベンチでは相変わらず沢山の登山客が休憩を取っている.
 私は堀山の家に立ち寄ろうかと迷ったが,先週土壌日にコーヒーブレークを摂ったばかりなので,2週続けることもなかろうということで通過する.
 その後も一人だけの気儘な下山をし続ける.
 堀山の尾根で,登りのときにはベストポジションを三脚に占領され,上手く撮れなかった富士山のリベンジ写真を撮る.登りのときに比較すると,空には随分と雲が湧いている.でも,湧き上がる雲も一興である.

<堀山の尾根からの富士山>

■観音茶屋から駆け足で下山
 随分ダラダラとした調子で下山し続けるが,12時29分,観音茶屋手前の分岐で,編集長のYKさんに追い付く.
 「スミマセン…先に行かせてもらいます…」
とYKさんにお断りして先に行かせてもらう.
12時56分,観音茶屋に到着する.茶屋の中から女主人が,
 「おかえりなさい…」
と挨拶している(ガラス戸濃しなので声は聞こえないが…).
 私は恐縮しながら通過する. 
 そのとき私は,今日が土曜日なことに気がつく.私は大倉発13時22分のバスに乗車すると森だったが,これは平日のダイア.土曜日のバスは13時11分発である.
 “走れば,13時10分発のバスに間に合うかな…”
 私は怪我で寝たり起きたりをしている家内のことが気になるので,間に合うんだったら13時11分のバスに乗りたい.そこで,一か八かとにかく駆け足で下山することにする…と,言っても,年寄りに駆け足なので,バテないように注意しながらの駆けっこである.幸いなことにバス停までずっと緩やかな下り勾配の道が続く.
 13時01分,丹沢ベースを駆け足で通過する.この付近の登山道は滑りやすい石が敷き詰められているので,なかなか速くは走れない.当然,私は心の中でヤキモキする.
 13時06分,登山口を通過する.バスの発車時間まで,あと4分.4分あれば十分に間に合うと確信する.

■バスに間に合う
 13時09分,何とか大倉バス停に到着する.発車時間の2分前である.今日は靴の水洗いを省略して,バスに飛び乗る.
 バスは常連の皆さんで一杯である.私たちより後のバスで来られたMGさん,俊足のYDさん,TTさん,KIさん,MTさん,TNさん達が乗車して居られる.
 そんな皆さんの前で,発車間際に私が飛び乗ったので,一瞬注目の的になる.
 「このバスに間に合いそうだったんで,観音茶屋から駆け足で下山しました…」
と皆さんに言い訳をする.
 「走って(バスに)間に合わないんならともかく,間に合ったんだから凄いよ…年寄りなんて言えないよ」
と奇妙なコメントを頂戴する.
 雨具を着込んだまま走ったので,汗ビッショリである.
 「何時も(FHが言っている)汗をかかないで登るといっているルールに違反しますね」
とどなたかが言う.正に図星” 弁解の余地はない.
 ただ,今回の駆け足で,観音茶屋からバス停大倉まで,13分あれば,私でも駆け足で下れることが立証できた.

■無事帰宅
 この頃,土曜日は渋沢駅ビルのコーヒー屋で常連の皆様とお茶をしてから帰るのが通例になっているが.先週土曜日に引きつづき,今週もお茶をお断りして,一目散に自宅を目指す.
 電車の待ち合わせもうまい具合で,小田急の快速急行,JRの特別快速高崎行と乗り継いで,15時前に無事帰宅する. 
 夕食のオサンドンを済ませてから,ノンビリと風呂に入る.雪の中を歩いたり,早朝自宅から大船まで歩いたことなどが効いたのか,何時もと違って疲労感,脱落感が残っている.そんな諸々を洗い流したいので,随分とユックリ,湯船に浸かる.
 今回の塔ノ岳詣でで,今年は累計59回,塔ノ岳に登ったことになる.あともう一回登れば60回になったのに…ちょっと残念だが,今年の塔ノ岳詣では,今回を以て打ち止めにしようと思う.
 今年は,家内の怪我などアクシデントがあったが,まあ,何とか年を越せそうである.
 今回も素晴らしい雪景色を堪能できたので,良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:15  大倉歩き出し
 7:47  観音茶屋
 7:59  見晴山荘
 8:26  駒止茶屋
 8:45  堀山の家
 9:32  花立山荘
 9:49  金冷シ
10:06  塔ノ岳山頂着(-5.0℃)
10:45      〃  発
10:55  金冷シ
11:12  花立山荘
11:56  堀山の家
12:15  駒止茶屋
12:41  見晴山荘
12:56  観音茶屋
13:09  大倉着 

[山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発      7:15
  塔ノ岳  着      10:06
  (所要時間)  2時間51分(2.85h)
  水平歩行速度   7.0km/2.85h=2.46km/h
  登攀速度    1269m/2.85h=445.3m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:45
  大倉   着      13:09
  (所要時間)  2時間24分(2.40h)
  水平歩行速度     7.0km/2.40h=2.92km/h
  下降速度     1269m/2.40h=528.8m/h
                                     (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/17c76aaf493087c7a6c24d96dfd5d3d5
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスは後刻訂正する.


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