<塔ノ岳山頂からの眺望>
馬の背と鍋割山稜の紅葉が見頃になった丹沢;塔ノ岳(2018年32回目)
(単独山行)
2018年10月28日(日) 晴
▇土曜日は雨
私は毎週土曜日に塔ノ岳に登ることにしているが,土曜日の朝,かなりの雨が降っていたので,塔ノ岳詣では断念した.暫くすると天気が回復して日が射し始めた.
”なんだ! こんなに早くお天気が回復するんなら,出掛けちゃえば良かったのに…”
と地団駄.まさに”遅かりし由良之助”である.
気を取り直して,今日,日曜日.塔ノ岳に出掛けた.
日曜日となると,ちょっと勝手が違って多少の違和感はあるが,何時もの通り,早朝の夜道,2.5キロメートルほど歩いて大船駅に到着.東海道本線下り始発電車に乗車する.勿論,まだ真っ暗.空を見上げると闇夜ながら白い雲が斑に浮いているのが見える.
”どうやら,今日は雨の心配はなさそうだな…”
▇富士山が見えるぞ
小田原で小田急線快速急行新宿行に乗り換える.土曜日よりも日曜日の方が電車は空いているようである.
私はまるで子どものように額を窓に擦りつけて,次々に後ろに過ぎ去っていく風景を眺める.実は富士山が見えるかどうかが気がかりのためである.
電車が新松田駅に近づく頃.矢倉岳と富士山が見え始める.多少靄が掛かってはいるが,山頂付近に降り積もった雪が朝日に輝いているのが見える.早速,カメラを構えて富士山と矢倉岳の写真を撮る.電車がさらに進んで,この二つの山が重なるところをデジカメに収めたが,カメラがバカなのか私が下手なのか分からないが,えらくピンボケ.とてもここで披露できる代物ではない.とても残念.
電車は,6時11分,渋沢駅に到着する.
そのまま大倉行バス乗場に移動する.先客は1人.私は2番目.
<小田急車窓から倉岳と富士山を望む風景>
▇三々五々バス停大倉から歩き出す
土曜日の登山客が今日に流れたためか,随分と長い待ち行列ができる.臨時バスが出る.臨時バスに乗り合わせた常連は,毎日登山のTGさん,軽快なフットワークのKMさん,YSさん,MTさん,魔法の竹箒に乗って飛ぶかのような超速登山のNMさん,YDさん他.
臨時バスは,6時55分頃,バス停大倉に到着する.
身支度を調えて,7時00分,三々五々,バス停大倉から歩き出す.
歩き出してすぐに,今日の自分の体調が「並」だなと判断する.
”まあ,10時前に塔ノ岳山頂に到着できれば「御の字」だな”
と今日の目標を設定する.
私の前後には常連さんは誰もいない.私は全くのマイペースで登り続ける.
7時07分,登山口を通過する.
”ちょっとペースが速すぎるかな…? まあ,いいや”
▇日の当たる坂道
7時15分,丹沢ベースを通過する.そして程なく日の当たる坂道を登り始める.今のところ,体調は’まあ,まあ’である.ただ気温は心なしか先週の土曜日より高いような気がする.
終先だってまでの蒸し暑さはまるで嘘のよう.爽やかな朝日がまぶしく射し込んでいる.
<日の当たる坂道>
▇観音茶屋
7時23分,観音茶屋に到着する.
私のすぐ前を常連の女性が警戒に歩いている.ここで休憩は取らずに,そのまま登り続ける.
ここからはジグザグの山道になる.いよいよ山登りの風情が漂い始める.
<観音茶屋>
▇見晴茶屋
7時43分,雑事場ノ平を通過する.雑事場ノ平では,つい先ほど私を追い抜いていった数名の男性が休憩を取っている.折角私を追い越したのだから,そのまま私の先を歩いて欲しいなと重いながら通過する.
7時45分,見晴茶屋に到着する.常連2人が休憩を取っている.
茶屋の前から見える風景をデジカメに収める.下界には霞が掛かっていて,海と空が渾然一体になって見えている.
<見晴茶屋からの眺望>
▇見晴階段
この階段で張り切ると後が続かなくなるので,自重して極ユックリペースで登り続ける.
相変わらず進行方向右手からまぶしい太陽が射し込んでいる.
この階段,誰にも追い越されず,また,誰も追い越さずに,ジャストマイペースで登り続ける.
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる…が,ここのモミジは青々としていて,色づくのはまだまだ先のようである.
モミジ坂をユックリ登って,8時57分,一本松を通過する.大倉から一本松までの所要時間は,57分.わずか3分とはいえ,とにかく1時間以内で一本松に到着できたのは率直に嬉しい.
<見晴階段を登る>
▇駒止茶屋
一本松上のベンチは登山客で一杯である.その中に知り合いの人が居ないかチラリと眺めながら確認する.そして,そのままベンチ前を通過する.
暫くの間の水平道が続く.
水平道が終わるところで,下山してくるKSさんとすれ違う.
「やあ,やあ,FHさん…今日の山頂は涼しくて気持ちが良いですよ…馬瀬付近の紅葉は今日が見頃ですよ」
とのこと.
何時ものようにKSさんと握手.
「では,気を付けて…」
で,勇気を貰ってお別れ.
いよいよ見晴階段である.ここは慎重に体力をセーブしながら登り続ける.そして,8時20分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間20分.
”ちょっとユックリしすぎたかな…”
<駒止茶屋>
▇堀山の家
駒止茶屋を通過して堀山の尾根道に入る.気温がちょっと高めのようだが清々しい雰囲気である.
途中,富士山が見える場所を通過するが,何時の間にか雲が湧いていて,富士山は見えなくなっている.
8時23分,堀山の標識前を通過する.この標識から先の下り坂を一気に下り,少し登り返して,8時31分,小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間31分.先週と同じペースのようである.
堀山の家の軒下の温度計は14℃を指している.今日は日曜日,勿論,堀山の家は朝から開店している.ちょっと中を覗く.女主人が愛想良く迎える.そして,私の写真を撮る.どこかの若い男性と一緒の写真である.
「まだちょっと暑いですね…」
と汗ばんでいる私は,ストレートに感想を言う.
「そうですかあ~…↑」
と女主人が言う.
”なるほど! 歩いていると蒸し暑く感じるけど,歩かなければ14℃は涼しだろうな…”
<小草平に到着>
▇「とりあえず塔ノ岳山頂まで行ってきます」
堀山の家での挨拶で2~3分のロスタイム.
「とりあえず塔ノ岳山頂まで登って,帰りにもう一度立ち寄ります…」
ということで,堀山の家を出発.まぎわに女主人から,下の写真のような一口食品を頂戴する.
<堀山の家を出発>
▇萱場平
堀山の家からの長い上り坂に差し掛かる.ここは結構シンドイので,できるだけユックリペースを保ちながら登り続ける.
後もう少しで戸沢分岐というところで,女流韋駄天の一角を占めるNMさんが私に追いつく.当然のことながら.
「…どうぞ,どうぞお先に…」
と先を譲る.
8時52分,戸沢分岐に到着する.ここで,朝早く自家用車で来られたSSKさんに追いつく.先ほど私を追い越したNMさんはSSKさんと雑談をしている.私もお二人のすぐ後を歩いて,9時54分,萱場平に到着する.
<萱場平;SSKさんとNMさん>
▇花立階段
SSKさんは萱場平で休憩を取るとのことなので,NMさんと私は一足先に行かせて貰う点が,NMんと私との間はだんだんと広がっていく.
”私は私.マイペースで登るに如かず…”
また独り旅になる.
「やけのやんぱち」で,ぐうたら,ぐうたらと花立階段を登る.階段を半分ほど登ったところで,MTさんに追い抜かれる.
「後7分坂でしょう…」
とMTさんに言われてしまう.
「いやぁ~…,もう7分は無理.10分で登ります」
MTさんが私を追い抜いていく.そして,MTさんと私の距離はみるみるうちに開いていく.
9時04分,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
<厳しい花立階段>
▇花立山荘
9時18分,花立山荘に到着する.気温9.5℃.登山には最適な温度である.
山荘前のベンチには,もうかなり沢山の登山客が休憩を取っている.相変わらず富士山は雲の中.
大倉からの所要時間は2時間18分.花立山荘から塔ノ岳山頂までの所要時間は約30分.今日も10時前には間違いなく塔ノ岳山頂に到着できるなと皮算用する.
<花立山荘>
▇花立山
ここまでユックリと登ってきたので,疲労感は全くない.花立山荘でも休憩は取らずに,引き続き荒れた階段道を登り続け,見晴らしの良いガレ場に到着する.
富士山は見えないものの,谷を挟んだ鍋割山稜や.秦野付近の平野や海が良く見えている.素晴らしい風景をデジカメに収めながらガレ場を登って,9時27分,花立山山頂を通過する.
さきほどKSさんが言っていたように,馬瀬付近の紅葉は今が見頃のようである.
<花立山からの眺望>
▇紅葉が見頃な馬の背
馬瀬付近に差し掛かる.なるほど,周囲の木々が紅葉している.あいにく曇り空になってしまったので,紅葉に華やかさはないが,確かに今週が丁度見頃のようである.
私は何回も何回も立ち止まって随分沢山の写真を撮ってしまう.でも帰宅後撮った写真を見ると,どれもこれも似たような碌でもない写真ばかりである.
<馬の背付近の紅葉>
▇塔ノ岳山頂
9時37分,金冷シを通過する.
馬瀬付近で写真を撮っていたので,予定の時間よりどうやら3~4分遅くなったようである.金冷シから先は,写真もほどほどにして,ジャストマイペースで登り続けて,9時51分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は10.5℃.微風.
山荘の隣にあった物置小屋は完全に取り壊されている.つい2年ほど前までは,物置小屋2階の窓際でミャ~君が昼寝をしていたことを懐かしく思い出す.そういえば,ミャ~君をかわいがっていたSKさんは今どうされているんだろう.
山頂での儀式として周囲の眺望をデジカメに収めるが,相変わらず富士山は雲の中である.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,2時間51分.先週よりちょっと余計に時間が掛かっているが,まあ,こんな所だろう.
<塔ノ岳山頂>
▇寒いので早々に下山開始
ジッとしていると寒いので,10時02分,早々に下山開始.
ちょうどそのとき,TGさんが山頂に到着する.途中SSKさんと話をしていたので遅くなったとのこと.つづいて下山口でONさんとすれ違う.さらに山頂近くで,YSさん他常連さんとすれ違う.さらに下ったところでKIさんとすれ違う.
まだ時間が早いので,急いで下山する必要もないし,独り歩きということもあって,実にノンビリ,ゆっくりと下り続ける.
10時35分,花立山荘を通過.花立階段は登ってくる登山者が数珠つなぎになっている.その中で外国人が結構多いのに驚く.
▇萱場平の紅葉
10時54分,萱場平を通過する.登っているときには気がつかなかったが,萱場平の紅葉も結構美しい.立ち止まって,写真を何枚か撮る.
<萱場平の紅葉>
▇堀山の家
ノンビリ下り続けて,11時13分,小草平に到着する.まだ時間に余裕があるので.堀山の家に達よって,コーヒーを所望する.
じゃり豆とキュウリの塩漬けをおまけに貰って.ユックリとコーヒーを味わう.私がコーヒーを飲んでる間に,TGさんが小草平を通過していく.
<堀山の家のコーヒー>
▇観音茶屋
11時25分,小草平から下り始める.相変わらず沢山の登山者とすれ違いながらの下山である.ときどきトレイルランの人達が私を追い越して下山していく.急階段を駆け下りる人達を見て,危ないなあと思う.
順調に下って,観音茶屋の手前でTGさんに追いつく.このまま下れば大倉発12時38分のバスに間に合うが,ちょっと忙しい.
TGさんが観音茶屋に立ち寄ったので,釣られるようにして私も観音茶屋に立ち寄る.まるで山小屋のハシゴである.ここでも女主人が愛想良く私達を向かい入れる.私は久々に冬の名物,お汁粉を所望する.これからのシーズンはお汁粉に限るなと思う.
先客の女性2人が,私達に,
「…塔ノ岳山頂まで登ったんですか?」
と聞く.登ったと答えると,それはすごい,自分たちはやっと堀山の家までしか登れなかったと愚痴る.
TGさんは,大倉の八百屋に立ち寄るとかで,私より先に,早々と観音茶屋を後にする.
<観音茶屋のお汁粉>
▇大倉ののどかな風景
12時37分に観音茶屋から歩き出す.バスの時間は13時10分,時間はたっぷりある.そうなろとどうしてもデレデレ歩きになる.克董窯を過ぎる頃,後ろの方に人の気配を感じる.常連のKMさんとMTさんである.
12時52分,登山口を通過する.前方にはのどかな大倉の風景が広がっている.
<のどかな大倉の風景>
▇ミカンを衝動買い
途中の無人スタンドを覗き込む.100円也のミカンを衝動買いしてしまう.山に登ると何となく甘いものや新鮮な柑橘類が欲しくなる.家に帰ってからの楽しみが増える.
私がミカンを糅ている間に,KMさんとMTさんに追い抜かれる.
<衝動買いしたミカン>
▇無事下山
12時57分,バス停大倉に無事下山する.下り所要時間は休憩時間込みで2時間55分,登りより余計に時間が掛かってしまった.
バス停近くの青空市場を一回りしてから,大倉13時10分発の路線バスに乗車する.
バスは立ち席が出るほど混雑する.
今日はミスタードーナッツでのコーヒーブレークの旗振り役,MGさんが居られないので,渋沢駅で,三々五々,解散となる.
▇無事帰宅
私は小田原経由.小田原14時04分発特別快速高崎行乗車,14時33分に大船に到着する.我が家付近を通るバスの接続も良くて15時前に無事帰宅する.
まずはシャワーに風呂.着衣は臭くならないうちに洗濯してしまう.
まだ日が高いが,電車の中で眠くて仕方がなかったことを思い出して,暫くの間昼寝.これが実に良い気分である.
<ラップタイム>
7:00 大倉歩き出し
7:23 観音茶屋
7:45 見晴茶屋
8:20 駒止茶屋
8:31 堀山の家(8:33まで雑談)
9:18 花立山荘
9:36 金冷シ
9:51 塔ノ岳着
10:02 〃 発
10:17 金冷シ
10:35 花立山荘
11:13 堀山の家(11:25まで休憩)
11:42 駒止茶屋
12:03 見晴茶屋
12:14 観音茶屋(12:37まで休憩)
12:57 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:00
塔ノ岳着 9:51
(所要時間) 2時間51分(2.85h)
水平歩行速度 7.0km/2.85h=2.46 km/h
登攀速度 1,269/2.85h=445m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:02
大倉着 12:57
(所要時間) 2時間55分(2.92h)
水平歩行速度 7.0km/2.92h=2.39 km/h
下降速度 1,269m/2.92h=435m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3c7683c8b50bc7fdf5e8177168a5e24c
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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