<花立山から富士山を望む>
富士山と寒さで震えるネコの丹沢;塔ノ岳(今年57回目)
(ご常連に付いたり離れたり)
2013年12月14日(土) 晴
■今朝は寒いぞ…
昨夜の内から,
“明日は,絶対に塔ノ岳へ出かけるぞ…!!”
と心の中で決心,ヤッケさえ羽織れば直ぐに出かけられるように,衣類を着込んで就寝した.そして,予定通りに,今朝も3時30分に起床する.別に部屋の暖房をしているわけではないが,雨具兼ヤッケを羽織れば,アドネラリン全開なこともあって,全く寒くない.
…で,まだ睡っている家内を起こさないように注意しながら,4時10分に家を出発する.勿論外は真っ暗で寒い.
“良い年令をして,こんなに朝早く出かけるなんて…お前さんも随分と酔狂な変人だな…”
と自分のことが可笑しく,変人に思えてくる.私は苦笑いをしながら,自分自身に,
“誰に頼まれたわけでもないのに,こんなに朝早く出かけるのは,確かに頭が狂っていると言われても仕方がないぞ…”
と問いたくなる.
正直なところ,なんでこんな無理をして,朝早く出かけるんだろう.実は私にもその本当の理由がサッパリ分からないのである.
何をするにしても,その行為にはプラス面とマイナス面がある.途轍もなく早く家を出ることにも,プラス面とマイナス面が必ずあるはずである.その相殺値がプラスならば,即“GO”なんだろう.私ノ頭の中で,どんな計算をしているか知る由もないが,早く家を出る場合の相殺値を無意識のうちに計算して,プラスと判断しているから,今日も出かけるのだろう.でも,そんなことを言っている私自身が,どんな計算プロセスでプラスと判断したのかが知りたい.
…そんな馬鹿なことをグルグルと考えながら,夜道を大船駅に向けて急ぐ.
■超満員の1番バス
何時ものように,東海道本線下り始発大船5時10分発熱海行電車に乗車する.そして小田原駅で少々時間を潰して,小田急線小田原7時02分発新宿行急行電車に乗り換える.暖房が殆ど利いていないガラン空いている電車に,凍えながら乗り込む.
電車が渋沢に到着するまで,外は真っ暗.車窓から矢倉岳の形はシルエットになっているので確認できるが,明るくなれば見える筈の富士山はまだ全く見えない.
6時20分に渋沢駅に到着する.1番バスの乗客の中では,多分私が一番乗りだろうと思っていたが,さすがに土曜日,すでに4〜5人の先客が並んでいる.
土曜日なので,1番バスは乗り切れないほど混雑しているが,臨時バスは出ないようである.乗り合わせた常連は,毎日登山のTGさん,三角髭のTDさん,SSKさん,NMさん,KIさん,MTさんYUさん,編集長のYKさん,STさん,土曜日のマドンナさんなど多数である.
6時58分,バスは大倉に到着する.たちまちの内に,バス停周辺は登山客で賑やかになる.
丁度その頃,朝日が眩しく照り出す.
7時07分,バス停大倉から歩き出す.TGさん,SSKさん,NMさんと一緒に歩き出す.
今朝は随分と寒いので,身体が冷える.私は自分の身体が温かくなるまでは.歩行速度を少々早めて歩こうと思う.そんな思惑もあって,今日は,暫くの間,韋駄天のTGの後ろに付いて歩くことにする.
■見晴階段
今朝はとにかく寒い.とてもじゃない! 少々歩行速度を上げて早く身体を温めなければ…
観音茶屋を過ぎる頃から,私の前を歩いている韋駄天のTGさんの後にくっついて登り続ける.雑事場ノ平に近付く頃,私たちより数分前に歩き出したTDさん,KEさん,MTさんの後ろ姿が見え始める.
7時43分,見晴茶屋を通過する.大倉からの所要時間は36分.TGさんに釣られてかなり速い.
見晴階段に差し掛かる.TDさん,TGさん,KIさんのご常連の後について見晴階段を登る.今日は土曜日,階段の上の方には沢山の登山客の後ろ姿が見えている.進行方向右手の足許から眩しい朝日が射し込んでいる.
今日はとにかく寒い.かなりの速度で登っているが,一向に暖かくならない.
<見晴階段>
■堀山の尾根道からの富士山
7時48分,一本松を通過する.私は相変わらずTGさんの後ろに付いて登っている.駒止階段に差し掛かる.いくら気温が低いとはいえ,ここまで来ると私も汗ばんでくる.このままTGさんに付いて駒止階段を登ったらダラダラ汗になりそうなので,幾分速度を落とす.TGさんとの距離がジワリジワリと開き始める.
8時11分,堀山の家を通過する.大倉から堀山の家までの所要時間は1時間04分.途中かなり速く歩いたかと思ったが,ここまでのラップタイムは意外に平凡である.
すぐに堀山の尾根道に入る.平坦なところでは,私もかなり速く歩けるので,すぐにTGさんに追い付く.
今日は素晴らしい富士山が見えている.どの程度の写真が撮れるのか怪しいが,とにかく“下手な鉄砲数打ちゃ当たる”で滅多矢鱈にデジカメのシャッターを押す.その結果だが,やっぱりろくな写真が撮れていない.でも,まあ,見られそうな写真を1枚,披露しておこう(下の写真).
“でも…本当の空の色はもっと紺碧だったぞ! このバカカメラめ!”
と自分の腕の未熟さを棚に上げて,思い通りに取れないのをカメラのせいにしておく.
<堀山の尾根道からの富士山>
■堀山の家
8時25分,堀山の家を通過する.小草平からも富士山が良く見えている.でも,ここからの富士山は私のカメラでは絶対に撮れない.撮れないのが悔しいので,今日は最初からカメラなど構えないことにしておく.
「私,今日は堀山の家から花立山荘まで,38分を目安にして登ります…」
とお断りして,TGさんに先に行ってもらう.直ぐ私の後ろを歩いているYUさんが,
「私は35分ぐらいで歩きます…」
と言って,私を追い越していく.
坂道に差し掛かると,身体が意外に暖かくなる.肌が占める程度に汗ばんでいる.これ以上速く歩くと汗が滴れ落ちそうになるので,歩行速度を幾分落とす,
“今日も,花立山荘まで40分掛けて歩こう”
と直ぐに宗旨替えをする.
登るにつれて,先を行くTGさんとの距離がだんだんと開き始めるが,なおも私の視界内に居られる.
■萱場平
8時45分,萱場平に到着する.例により定点観測の写真を撮る.カメラを取り出したときはTGさんの後ろ姿が見えていたが,モタモタしている内に見えなくなってしまう.また,何をして居られたのか分からないが,脇道に逸れていたYUさんと一緒になる.勿論,YUさんには先に行ってもらう.
萱場平からは紺碧の空が実に見事に見えている.
<萱場平>
■花立階段からの富士山
花立階段に差し掛かる.私の先を行くTGさんも,今,花立階段の真ん中辺りを登っているだろうなと想像する.
階段の手前から富士山を眺める.雲一つない青空を背景に見事な富士山が見えている.
“こうなったら…何がなんでも富士山の写真を撮るぞ…”
と意気込んで,またまた何枚もの写真を撮る.その中で,まあ,まあ,見られそうなのが下の写真である.
<花立階段登り口からの富士山>
■花立山荘
後7分坂(花立階段)を登る.さすがにシンドイ.どうせ一人旅ということもあって,ややだらけモードである.
そろそろ階段が終わりそうなところで,若い女性に追い抜かれる.
「あら,FHさん…!」
と女性が私に話しかける.私,ビックリする.先日お会いしたばかりの方である.
「あれ,またお会いしましたね…」
と話し始めたときに,後ろから来た男性が話しかけてくる.ご常連のMGさんである.またビックリ.
9時05分,花立山荘に到着する.MGさんが,
「今,TGさんはどの辺りを登っていますか?」
と私に質問する.
「そうですね…多分,花立山辺りでしょうか.(MGさんなら)多分,追いつけますよ…」
「いや〜ぁ…それだけ離れていたら,多分,追いつけないでしょう」
さらに,
「今日は,帰りにドーナッツですね…」
という提案を受ける.これは渋沢駅で皆でお茶しようという意味である.
大倉から花立山荘までの所要時間は1時間58分.やっぱりこの季節になると,鈍足の私でも2時間を切るラップで花立山荘まで登れるようである.でも,堀山の家からの所要時間は,38分は無理で,やっぱり40分かかっている.
<花立山荘>
■花立山
花立山荘を通過して花立山に差し掛かる.後7分坂をセーブして登ったので体力に余力がある.案外なテンポで花立山を登る.私の少し先をMGさんが登っている.そのすぐ先にTGさんの後ろ姿が見える.TGさんとの距離が意外に近いのに驚く.
9時11分,花立山に到着する.花立山で衣服調整をするTGさんより先に行かせてもらう.
<花立山>
■花立山からの眺望
相変わらず,花立山からの富士山の眺望が素晴らしい.鍋割山稜の先に真っ白な富士山が聳えている.今日は空気が透明なので,越前岳,南アルプスの山々まで手に取るように見えている.
こうなれば,ここで一時停止して写真を撮るまでだ.
まだ,どこにも雲が湧いていない.
<花立山からの富士山>
■塔ノ岳山頂
9時16分,金冷シを通過する.
どの辺りからかはっきりしないが,何時の間にか私は一人旅になっている.私はリラックスした気分で登り続け,9時30分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はマイナス7.0℃.風がないので体感温度はそれほど低く感じないが,やっぱり厳冬期の寒さである.
今日は土曜日のためか,山頂で休憩を取っている登山者が結構沢山居る.
今日の大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間23分.花立山荘からは25分だった.どうやら,山頂の気温が0℃以下になると,2時間25分程度で登れるようである.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
山頂での儀式を終えて,尊仏山荘に入る.常連ではない先客が2〜3人居られる.
今日の小屋番はWHさんとWDさんのお二人である.華伊達美弥雄さんは石油ストーブの前に陣取って香箱を作っている.
塔ノ岳山頂へ私より先に到着したと思われるYUさんが山荘に立ち寄らなかったようなので,1番バスに乗っていた常連の中では私がどうやら一番乗りのようである.
何時もの通り300円也のお茶を所望する.
程なく1番バスに乗り合わせていた常連の皆さんが,つぎつぎに山荘に到着する.私たちが乗車したバスの次のバスで来られたFTさんも山荘に到着する.
<ネコが寒がる尊仏山荘>
■まずは堀山の家まで下山
10時20分頃,一足先に下山し始めたTGさんに次いで,私も下山を開始する.暫くの間,何となく一人旅である.
金冷シ付近で後から来られたSSKさん,MNさんが私に追い付く.そのまま3人でユックリと下山し続ける.
11時12分,堀山の家に到着する.お二人は堀山の家には立ち寄らずに,先に下山し始めたTGさんを追いかけるという.私は火曜日に実施予定の鎌倉散策案内文を掲示板に貼りだして貰うために,一寸だけ,堀山の家に立ち寄ることにする.
堀山の家に入る.沢山の登山客で賑やかである.私より先に下山を開始したKIさん,TDさん,MTさんが先客である.300円也のコーヒーを所望する.なお,写真に写っているビールの空き缶は私が飲んだものではない.
<堀山の家でコーヒーブレーク>
■ご常連と一緒に下山
私がコーヒーを飲み出して間もない頃,KIさんグループが,
「そろそろ出かけるよ…」
とのこと.
私は到底間に合わないが,早めにコーヒーを飲み干して,19時25分にTDさんと一子に堀山の家を出発する.少し急ぎ足で歩く.そして堀山付近で,KIさん,TTさん,MTさんに追い付く.暫くの間,皆さんと一緒に下り続ける.
11時45分,一本松を通過する.この辺りから私はほんの少し歩行速度を速める.雑事場ノ平を過ぎた頃から,後ろから聞こえていたKIさんたちの話し声が次第に聞こえなくなり,だんだんと一人旅になる.
12時08分,観音茶屋に到着する.ふと茶屋前のベンチを見ると,YGさんが座って居られる.
「どうせ12時40分のバスにしか乗れないのでユックリ下山しています…」
とのこと.
ここから先はTGさんの後ろに付いて下山し続ける.
12時24分,無事,大倉に到着する.下山所要時間は,休憩時間込みで2時間04分である.
■渋沢でお茶
大倉12時40分発渋沢行バスに乗車する.1番バスで乗り合わせたご常連のほぼ全員が,同じバスに乗車する.バスは立ち席が出るほどで,この時間にしてはかなり混雑している.
12時52分,バスは渋沢駅に到着する.
私はMGさん,TGさん,SSKさん,NMさん達と一緒に,渋沢駅ビル1階の某ファストフード店に立ち寄る.私は先ほど堀山の家でコーヒーを賞味したばかりなので.コーヒーは敬遠.柄にもなく180円也のソーダ水をオーダーする.
■今日も無事で良かった!
私は13時17分発小田原行の電車に乗りたいので.13時14分,皆さんより一足先に店を出る. 小田原駅での東海道本線への乗換を順調で,15時前に無事帰宅する.
早速,山で着ていた衣類の洗濯を済ませる.そして,早めに風呂を沸かして,ユックリと風呂に入る.気分最高である.今日も楽しかった.良かった,良かった.
<ラップタイム>
7:07 歩き出し
7:43 見晴山荘
8:11 駒止茶屋
8:25 堀山の家
9:05 花立山荘
9:16 金冷シ
9:30 塔ノ岳山頂着(-7.0℃)
10:20 〃 発
10:32 金冷シ
10:42 花立山荘
11:12 堀山の家 (11:25までコーヒーブレーク)
11:35 駒止茶屋
11:55 見晴山荘
12:08 観音茶屋
12:24 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:09
塔ノ岳 着 9:30
(所要時間) 2時間23分(2.38h)
水平歩行速度 7.0km/2.38h=2.94km/h
登攀速度 1269m/2.32h=547.0m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:20
大倉 着 12:24
(所要時間) 2時間04分(2.07h)
水平歩行速度 7.0km/2.07h=3.38km/h
下降速度 1269m/2.07h=613.0m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/15e4ac073caca96e83a2d03ea1506514
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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富士山と寒さで震えるネコの丹沢;塔ノ岳(今年57回目)
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