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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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歩いて巡る甲州道中四十四宿(第7回);第2日目(2);甲府柳町宿と芸術の森公園

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                     <芸術の森公園の銀杏>

 歩いて巡る甲州道中四十四宿(第7回);第2日目(2);甲府柳町宿と芸術の森公園
             (五十三次洛遊会)
       2013年11月16日(土)〜18日(月)

第2日目;2013年11月17日(日) 晴

<ルート地図>


お断り;地図の中で「甲府柳町宿」が「甲府新町宿」と誤記されています(これまで掲示した地図でも).
      修正・差し替えには,かなりの労力と時間が必要ですので,当分このままにしておきます.
      ご承知置き下さい.


<甲府柳町界隈>

■甲州柳町宿の概要
 資料2(p.333)によると甲府柳町宿の宿内人口は905人.内,男486人,女419人.宿内惣家数209軒.内,本陣1軒,脇本陣1軒,旅籠21軒だった.
 下の地図は同資料(p.331)から部分的に引用したものである.この地図によると,甲府柳町宿の中心部は,正に私たちが宿泊していた甲府ワシントンホテル辺りにあったようである.なお,同資料には甲府柳町の範囲について詳述されている.

<甲府柳町;資料2(p.333)から引用>

■身延道分岐
 甲府駅前と舞鶴城公園の見学を終えた私たちは,一旦,甲府ワシントンホテルに戻り,ホテルに預かって貰っていた荷物を受け取って,9時02分にホテルから歩き出す.昨日まで歩いた甲州街道の続きを歩き始める.
 信号問屋町で右折,すぐにうなぎ屋の前の三叉路で左折する.そして信号桜町南でまた右折する.資料2によると,この辺りが甲府柳町宿の中心部だったようである.
 相生歩道橋橋交差点を渡る.そして,9時17分,見延道分岐に到着する.分岐点に「南みのべみち」と刻字された立派な道標が立っている.でも,この道標,新しすぎるような気がする.
 “でも,新しいかどうかなんて,どうでも良いか…”
 資料1によると,見延道は「鰍沢(かじかざわ)を経由して見延へ,さらに岩淵に出るので駿州往還と呼ばれた」ようである.

<見延道分岐>

■青沼山天然寺
 9時21分,青沼山天然寺に到着する.
 この神社の由来などは,手許の資料では不明である.

<青沼山天然寺>

■かんかん地蔵
 9時22分,かんかん地蔵に到着する.
 資料3によれば,かんかん地蔵は,「武田有義公は武田氏の始祖・武田信義の長男で,太郎を名乗っていた人物.法輪寺にはその武田有義公の墓があり「将軍地蔵」と呼ばれている.もうひとつの名を「かんかん地蔵」という.その名は石で叩くととてもよく響くことから由来し,人から人へと伝わり広まっていった.戦前まで行われていた有義公の命日のお祭りを平成15年から復活させたとのこと.ちなみに京都の嵯峨にある法輪寺から有義公が平家滅亡後,ご本尊を甲斐に移したことからこの名前がつけられた.」という説明がある.
 この場所は法輪寺の境内のようである.
 かんかん地蔵の側に立っている案内板の説明によると,「武田有義は,新羅三郎善光の4代孫で甲斐源氏(武田氏)の第6代棟梁である.平家全盛時代には,平重盛に仕え,兵衛尉として活躍した.のち,源頼朝が平家追悼に決起したとき,共に挙兵した甲斐源氏軍の総大将として平家追悼に大功を立てた」とある.

<かんかん地蔵>

■荒川橋を渡る
 9時32分,荒川橋を渡る.右手前方には白い雪を頂く尾根が見えている.
 この橋を渡ると甲府柳町宿ともお別れである.

<荒川橋を渡る>

■サイカチの大木
 9時42分,サイカチの大木の前に到着する.大木の前に立っている説明文によると,このサイカチの木は樹齢約300年とのことである.
 植物のことはほとんど分からない私には,サイカチという木の特徴すら分からないが,とにかく樹齢300年とは凄いなと率直に感心する.

<サイカチの木に見入る仲間達>

■秋葉神社
 サイカチの木の近くに秋葉神社がある.赤い鳥居が印象的である.小さいながらも立派な社殿が建っている.
 この神社の由来など,手許の資料では不明.

<秋葉神社>

<山梨県立美術館>

■山梨県立美術館に到着
 9時48分,貢川橋を渡る.
 資料1によると,この辺りは瀑布の直轄地で,市川代官が支配したところ.明治8年(1875年),上石田,徳行,富竹,竜王,下川原が合併して貢川村になったという,
 ついで,9時56分,信号前田橋南を通過する.
 10時05分,山梨県立美術館に到着する.
 美術館周辺の紅葉が実に美しい.入口には大きな字で「生誕100年萩原英雄展」という看板が出ている.

<山梨県立美術館に到着>

■立派な美術館
 街道歩きの途中なので,あまり時間がない.でも,取りあえずは常設展示だけでも,斜め見しておこうと思う.
 建物を見ただけで羨ましくなる立派な施設である.私がこの近くに住んでいたら,多分,週に一度ぐらいは見学のために訪れるだろう.この近くに住んでいる人は羨ましい.

<立派な美術館>

■美術館に入る
 入口で入場券を購入する.入場券にはミレーの「種をまく人」の絵が印刷されている.
 リュック類は荷物預けに預けて身軽になってから,美術館の中に入る.展示場は勿論撮影禁止である.いくら私が物好きでも,「禁」を侵してまで,隠し撮りする気はない.展示場前の休憩室で窓外に広がる見事な紅葉の写真を撮ってから,カメラは潔くカバンに入れてしまう.
 
<入場券>                   <休憩室から紅葉を眺める>

■まずはミレーの絵画を鑑賞
 まずは,ともかく,ここへ来たらミレーの絵を見なければ…
 残念ながら,館内で写真を撮るのは憚られるし,多分,撮影禁止だろう.それを侵してまで写真を撮りたいとも思わないので,カメラはリュックの中に入れてしまう.
 良くこれだけ沢山のミレーの絵を集めたものだと感銘を受ける.時間の許す限り丁寧に絵を鑑賞したいが,ここで取れる時間は,如何にも短い.仕方なくほぼ斜め見で絵の前を通過する.
 これまで複製品で見たことのある絵が沢山並んでいる.本物の絵を見た感激はまた一入である.
 美術館の玄関にある2枚の絵のレプリカ.穴から顔を出して記念写真を撮る仕掛けである.
 折角の名画を,こんなことに利用して良いのかという苛立たしさを私は感じるが,そんなことを感じるのは,多分,私一人だけ何だろうなと思う.勿論,こんな感想を持ったことなど,誰にも言わない.
 でも,まあ,本物の写真を撮る代わりに,レプリカでも撮っておこうかという気になる.

<レプリカ2枚>

■衝動買い
 美術館を出る前に,売店を覗いてみる.展示してある絵画の写真版絵はがきを数枚購入したいなと思って,品定めをする.しかし,本物を見てから直ぐに,絵はがきの写真を見ると,本物とは随分とかけ離れた色をしている.そのため,ついついミレーの絵はがきは買いそびれる.
 “ミレーの絵は自宅にある美術全集の写真を見た方がマシだ…”
 その代わりに,ミレー以外の作家の画いた絵,2枚の絵はがきを購入する.
 上の絵はレオンオーギュスタンレルミットという画家が描いた「洗濯する女」という作品である.女性達は洗濯をしながらお喋りをしていたのだろうか,もう日が傾きかけていて,洗濯場はすっかり日陰になっている.でも,聚落の方はまだ夕日を浴びて明るく輝いている.この絵を見ていると,そんな生き生きとした情景がびんびんと伝わってくる.購入した絵はがきでは,そんな情景の10分の1くらいしか伝わってこないが,思い出になると思って,この絵はがきを選んだ.
 下の絵はヨハンバルトルトという画家が描いた「ドルドレヒトの月明かり」という作品である.本物の絵に書かれている月は,透明感のある冴え渡った月だが,絵はがきの月は,本物の魅力の10分の1ほどの価値しかないような気がする.


■美術館の庭で一休み
 10時50分,集合場所に戻る.
 秋の爽やかな日射しが一杯に広がる庭で,一同が休憩を取っている.疲れているのか,椅子に座り込んでいる人も居る.
 全員が揃ったところで,美術館前から再び歩き出す.

<美術館の庭で一休み>

[参考文献]
資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
資料3;http://www.kofucci.or.jp/kofu51/first/27.html
                                         (つづく)

「甲州道中」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/059a4087263248edb1d2bd3cd9aee8e3
「甲州道中」の次回の記事
(編集中)
「甲州道中」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a622a87fbc7f4454e3e837fc990ece58

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