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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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濃霧と粉雪舞う極寒の丹沢:塔ノ岳(今年41回目)

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        濃霧と粉雪舞う極寒の丹沢:塔ノ岳(今年41回目)
               (単独山行)
        2017年12月15日(金) 曇・山頂付近粉雪

■なんだか体が重いぞ
 ついこの間正月を迎えたばかりだと思っていたのに,今年も後残すところ半月になってしまった.”老年ますます老いやすく諸事成り難し”である.
 師走ともなると日頃お世話になっている皆様や家族が,てんでんばらばらに諸行事の日程を決めて,私に参加せよとのご託宣である.これも毎年のことだが…得てして土日がサッサとつぶれていく.
 私は仕事の関係で土曜日に塔ノ岳に登ると決めているが,師走の時期だけはそう簡単にことが進まない.先週末は家族サービスのために土日がつぶれた.その前の週も…そして今週も…
 私は,意を決して,急遽,金曜日の今日,塔ノ岳を往復することにする.
 …とはいえ,今日は実に寒い.
 塔ノ岳に行くには4時10分に自宅を出発したい.他の地方に比較すれば比較的暖かい鎌倉でも,さすがに今朝は寒い.
 ”こんなに寒いときに出掛けたら,さずかし血圧が上昇しているだろうな…”
 正直なところ,11月下旬辺りから気温が下がるにつれて,私の血圧はかなり高めな状態で推移している.
 余談だが…
 実は,一昨日,かかりつけの医師の診察を受けた.その結果,降圧剤を処方して貰ったが,果たして効果があるかどうか?
 大船から東海道本線下り初電に乗車する.休日に比較して平時との初電は随分と空いている.4人掛け1ボックスを独りで占領する.ここまでは良いのだが,車内が空き好きなので何となく薄ら寒いのには閉口する.
 何時ものように,小田原で小田急電車に乗り換える.こちらも空き空き.JRの電車より更に寒い.
 6時11分,渋沢駅に到着する.まだ辺りは真っ暗.2週間前には明るくなっていたのに…
 小田原駅でホームの階段を登っているときに,私は今日の自分の体調がすこぶる悪いのに気がつく.体の骨が突然鉛に変わったのではないかと思えるほど体が重い.駅の階段を登っているうちに,息切れが始祖になり,心臓場バクバクしているような感じになる.

■気勢が上がらないまま登山開始
 今日は平日にも関わらず大倉行1番バスは結構満員である.同じバスに乗り合わせた常連は超韋駄天のNMさん,毎日登山のTGさん,草花にやたらと詳しいTNさん,キャベジンのTZさん,KIさん,その他名前は分からないが顔見知りの女性など.
 バスは7時頃大倉に到着する.
 登山支度を済ませてから,KIさん,TGさん,TNさんより少し遅れて,7時08分,バス停大倉から歩き出す.
 歩き出した途端に,自分の体調が芳しくないことにすぐ気が付く.とにかく体が重い.私は塔ノ岳山頂まで行けなくても仕方がないな…適当なところで下山してしまおうと思いながら,普段よりグッと歩行ペースを落として登り続ける.
 私がノソノソ歩きをしているので,歩き出し当初は数十メートル先に見えていたTGさんとTNさんの背中が次第に遠ざかっていく.そして,克董窯を過ぎる頃には,お二人の後ろ姿は全く見えなくなる.
 路面はとても良く乾いている.歩きやすい.
 重い体を引き釣りながら,7時16分,ようやく克董窯を通過する.全くの独り登山である.

<克董窯>

■日の当たる(筈の)坂道
 7時21分,丹沢ベースを通過する.そして日の当たる坂道に差し掛かる.腫れていれば,まぶしい陽光が右手方向から突き刺さるように射し込むが,今日は全くの曇り空で陽光どころではない.むしろ寒くて憂鬱である.
 ただ嬉しいことに前後に登山者の姿が全くない.私は極々自分のペースでノンビリと登り続ける.

<日の当たる坂道>

■観音茶屋
 7時35分,観音茶屋を通過する.今日は平日.観音茶屋はお休みである.縦矢之脇にある観音菩薩に,頭を下げてから通過するが,歩き出してからもう30分も経過している.
 ”今日は特別足が遅いな…この分だと塔ノ岳山頂まで確実に3時間以上掛かるな…”
 私は,早々と塔ノ岳までの3時間以内登山を諦める.
 ”塔ノ岳山頂まで登れれば,それで御の字ダヨ…!”

<観音茶屋>

■光る海;見晴茶屋からの眺望
 7時39分,光源の家分岐を通過する.
 正直,シンドイ.
 何時もならばサッサと登るところだが,今日はダメ.ノソノソ登りを続けて,7時52分,漸く見晴茶屋に到着する.
 茶屋の前から相模湾を見下ろす.
 頭上を真っ黒な雲が覆っているが,海の向こうは晴れているらしく,太陽の光るが海の反射して光り輝いている.海が光って見えるのは冬の間だけ.素晴らしい尤物詩てある.

<光る海>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 何時ものように階段下から,階段を見上げる写真を撮る.登山者の後ろ姿がチラホラと写っている.
 この階段でバテたら,とてもではないがその先は登れなくなるので,特に慎重に登り続ける.

<見晴階段>

■モミジ坂
 見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.
 2週間前は紅葉が見頃だったが,たった2週間過ぎただけなのに,もうすっかり冬景色に変わっている.ちょっと残念だが,これも自然の成り行きである.
 疲労が蓄積しないように,極々ゆっくりペースで登り続ける.
 8時11分,漸く一本松標識の前に到着する.今日の大倉からの所要時間は1時間03分.随分とゆっくり歩いたつもりだったが,目標時間からの遅延は3分,誤差は意外に小さい.

<モミジ坂>

■駒止階段
 駒止階段に差し掛かる.この改題,いきなりの急傾斜の登りなので,呼吸の銚子を会わせるのが結構大変である.
 ”無理をせずに,ユックリ登ろう…”
 でも,駒止階段を登り始めると,
 ”やっぱり,今日は調子が悪い,最低だ!”
 自分の重い体に腹を立てながら,駒止階段を登り続けて,8時28分,やっと駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間20分.私の標準時間から約5分ビハインドである.

<駒止茶屋>

■冬枯れの散策路
 堀山の尾根道に差し掛かる.落葉樹は冬枯れ.辺りには凜とした冬の気配が漂っている.ところどころに紅葉の名残が残っている.
 冷たい空気を吸いながら,冬枯れの尾根道散策を楽しむ.
 ”やっぱり丹沢は良いな”

<堀山の尾根道>

■富士山は雲の中
 8時42分,下山してくるKSさんとすれ違う.例により,
 「やあ,やあ,FHさん!」
と話しかけてくる.
 「山頂はマイナス4℃で,霧が出ていて寒いですよ…」
とのこと.何時ものようにKSさんから元気を貰う.
 晴れていれば富士山が見えるはずの場所に到着する.今日は上空を分厚い雲が覆っている.近場の鍋割山稜は見えているが富士山は完全に雲の中である.
 8時59分,堀山の標識前を通過する.ここから暫くの間は緩やかな下り坂が続く.

<富士山は雲の中>

■小草平(堀山の家)
 下り坂が終わってから,ちょっとした登り返しがある.登り返しはちょっと辛い.
 8時49分,ようやく小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間41分.何時もなら1時間30分で歩いている.私は心の中で,
 ”こりゃ駄目ダ!…てめえも耄碌したな!”
と嘆く.
 堀山の家の玄関に吊してある温度家は,マイナス0.5℃を指している.
 「マイナス0.5℃か!」
と小声でつぶやくと,私より先に堀山の家に到着していたKIさんが,
 「ついさっきはマイナス1.0℃だったよ…ちょっと(気温が)上がったのかな…」
という.
 KIさんは,堀山の家のお手伝いで,今日は塔ノ岳山頂までは行かないとのこと.
 「では,ちょっと(塔ノ岳の)山頂まで行ってきます…」
ということで,2~3分の立ち話を下だけで,小草平を出発する.

<堀山の家>

■萱場平
 ガレ場を過ぎると,長い階段道が連続する.階段を登っていると,途中で上るのがイヤになるが,そこは惰性で,ほとんど何も考えずに,まるで自動機械のように登り続ける.そして,9時09分,漸く萱場平に到着する.萱場平で9時を回っていたのでは,10時前に塔ノ岳山頂に横着するのは絶対に無理である.
 ”もう塔ノ岳山頂に到着するのは何時になってもいいや…なるようになれ」
とふてくされる.
 萱場平には誰も居ない.妙に静まりかえっている.

<萱場平>

■花立山荘
 萱場平から先も,相変わらずノロノロペースで登り続ける.
 9時19分,下山してくる超韋駄天のNMさんとすれ違う.同じ1番バスに乗っていたのに,このとてつもない大差って!…いやはや,たいしたものである.NMさんは私などが住んでいる世界とは別の世界の方である.
 さらに登り続けて,ようやく花立階段に差し掛かる.
 花立階段を3分の1ほど登ったところで,るかなり年配の方が降りてくるのが見える.近づくとTGさんである.
 「今日は疲れたので,花立山荘までで降りてきました…」
とのこと.
 TGさんが途中から下山すると伺って,私も一気に気が萎えてしまう.
 「私も,(体が重いので)今日は花立山荘でお終いにするかも知れません…」
と弱気になる.
 もう少しで花立階段を登り切るところで,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
 「やあ,やあ,FHさんですね.気をつけてね…」
といつも通りの挨拶.
 9時36分,ようやく花立山荘にたどり着く.気温マイナス3℃.
 まだ時間が早いのか,山荘前のベンチには誰も居ない.もちろん富士山も雲の中である.ベンチに霜がべったり付いている.
 大倉からの所要時間は2時間23分.最低!
 とはいえ,何時の間にか体が上り坂になれたらしく,疲労感がほとんどないのに気がつく.
 ”この調子だと塔ノ岳山頂まで楽々登れそうだな…”
 私は,やっぱり塔ノ岳山頂まで登ろうと思い直す.

<花立山荘>

■花立山山頂
 気を取り直して,花立山荘からまた急階段を登り始める.花立山荘からの階段道を登り切るまでが結構きつい.改題道の先のガレ場に入る気分的に随分と楽になる.
 花立山荘から11分も掛けて,9時57分,ようやく花立山山頂に到着する.
 花立山山頂から振り返って,今登ってきた方向を見下ろす.分厚い雲の下に相模湾が太陽の光を反射して鈍く輝いている.空気が意外に澄んでいて,真鶴半島まで良く見えている.
 これもまたなかなかの風景である.ここで少々立ち止まって何枚かの写真を撮る.

<花立山から相模湾を望む>

■残雪が見える
 花立山辺りから,気候が一変して,一段と寒くなる.
 最近どうやら雪が降ったらしく,馬瀬付近から残雪が見え始める.もう本格的な冬の気配が感じられる.冷たい風が吹いている.まだ手袋をしていない手が少々冷たい.
 9時54分,やっと金冷シを通過する.

<残雪が見え始める>

■塔ノ岳山頂
 金冷シから先は,まあ消化試合のようなものである.ゆっくり歩いても急いで歩いても山頂までの所要時間は15~20分程度である.
 ”ならば,ゆっくりだ…”
ということで,ノソノソ登りを続ける.
 山頂付近の木の階段を半分ほど登ったところで,下山してくるTNさんと顔見知りの女性とすれ違う,
 「山頂はマイナス4℃,メチャメチャ寒いので,(山頂の)棒にタッチしたらすぐ降りてくるんですね…」
と私に言う.
 9時12分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.なるほど気温はマイナス4℃である.とても冷たい風がやや強く吹いている.どうやら山頂は雲の中らしく,辺り一面に霧が掛かっている.したがって周囲の視界はゼロ.ごく近くに建っている尊仏山荘も霧で霞んでいる.その上に粉雪が舞っている.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は3時間04分.ついに3時間以上掛かってしまった.花立山荘からの所要時間も36分.何時もより5分ほど余計に掛かっている.
 山頂は,とにかくジッとしていられないほどの寒さである.
 長居は無用.
 10時16分,下山開始.

<塔ノ岳山頂>

■花立山荘まで急いで下山
 塔ノ岳山頂は,とにかく寒い.
 冷たい風から一刻も早く逃れたいので,山頂からの階段道をスタスタと下る.山頂からほんのちょっと下っただけで,冷たい風が当たらなくなる.風から逃れただけで,随分とホッとした気分になる.
 山頂から2番目の階段道で,カメラマンのMMさんとすれ違う.
 10時28分,金冷シを通過する.
 10時34分,花立山の少し手前で,登ってくるキャベジンのTZさんとすれ違う.
 「相変わらず速いですね…」
とTZさんが私に言う.
 速いですねと言われて,私は内心で,随分とチグハグな感じを受けるが,早い遅いは全く相対的なものだと改めて実感する.
 ”早い遅いは他人と比較するものではない.あくまで自分の過去,現在,未来と比較するものだ”
という思いを強くする.

■堀山の家で道草
 その後も順調に下山し続けて,11時23分,堀山の家に到着する.
 今日は平日なので,堀山の家は休業中である.ただ堀山の家にお手伝いに来ているKIさんが居られるので,稲の中に入れて貰って,ストーブで暖を取らせて貰う.
 ストーブに当たりながら,KIさんと雑談をしていると,小屋の女主人が沢山の荷物を背負って到着する.土曜日が多忙とかで,今日の内に登ってこられたようである.
 忙しいところで長居は無用と思って,11時37分に私は退散する.
 その後は,独り気ままな下山を続ける.
 今日は13時22分の路線バスに乗ろうかと思う.バスの時間に合わせて,急ぐわけでもなく,ノンビリしすぎることもなく,下山し続ける.途中,紅葉の名残を見つけると写真を撮ることにする.
 ⑿時56分,無事,バス停大倉に下山する.

<バス停付近の名残の紅葉>

■仕上げはコーヒー
 大倉13時22分発路線バスに乗車する.バスは8割ほどの席が埋まるほどの混雑である.
 渋沢から小田急線,東海道本線の電車に乗車,14時57分に大船駅に到着する.でも,このまま帰宅するのでは何かが物足りない.
 私は大船ルミネ1階にある某コーヒー店に立ち寄って,ブレンドを所望する.
 店内は結構混雑している.年配者が多いようである.何となく同類項が集まっているような気がして落ち着く.

<ドトールのコーヒー>

■今日も無事だった
 今日の体調は最悪だったが,でも無事に塔ノ岳を往復することができたので,まあ,まあ,良かったなと思う.
 帰宅後,早速熱めの府尾を湧かして,ユックリと入浴を楽しむ.ちょっとした達成感が何とも言えない.
 入浴後は,小一時間昼寝だ.長時間の昼寝は良くないと言うが,そんなの知ったことではない.夕食の時間までたっぷりと昼寝をしてしまう.
 寝起きの気分は最高.

<ラップタイム>

 7:08  大倉歩き出し
 7:33  観音茶屋
 7:52  見晴茶屋
 8:28  駒止茶屋
 8:49  堀山の家
 9:36  花立山荘
 9:54  金冷シ
10:12  塔ノ岳山頂着
10:16    〃    発
10:28  金冷シ
10:42  花立山荘
11:23  堀山の家(11:37まで休憩)
11:53  駒止茶屋
12:19  見晴茶屋
12:35  観音茶屋 
12:56   大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             7:08
    塔ノ岳山頂着         10:12 
    (所要時間)         3時間04分(3.07h)
  水平歩行速度      7.0km/3.07h=2.29 km/h
  登攀速度         1,269m/3.07h=413m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発            10:16 
    大倉着            12:56
   (所要時間)         2時間40分(2.67h)
 水平歩行速度      7.0km/2.67h=2.62km/h
  下降速度         1,269m/2.67h=475/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」(塔ノ岳)の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a9f682ea2491a4da0db926591da2fdf5
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します

 








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