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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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ピレネー山小屋縦走トレッキング;第6日目(2);プハルエロ峠からプザラドウ小屋へ

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                                <プハルエロ峠からの眺望>

  ピレネー山小屋縦走トレッキング;第6日目(2);プハルエロ峠からザラドウ小屋へ
              (アルパインツアー)
          2018年8月18(金)~27日(日)

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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d0a989ce7b287cd5bacc44a2fbf55278

第6日目;2017年8月23日(水)  姉のち曇り

<ルート地図>


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<プファエロ峠へ>

■怪しい雲の下
 7時40分,タンテ峠駐車場から歩き出す.
 駐車場からは比較的なだらかな登り坂が続く.4駆の自動車なら余裕を持って通れそうな砂利道である.
 歩き出してまもなく,雨は止んだが,上空にはまだ怪しげな雲が湧いている.私たちは現地ガイドのPBさんを先頭に,かなりゆっくりペースで歩き続ける.
 また例によって,私は最後尾で,写真を撮りながら気ままに歩き続ける.

<雨は止んだが怪しい雲が空に広がっている>

■駐車場が見える
 歩き出してから10分ほど経過したところで後ろを振り返る.
 つい先ほど,歩き出した駐車場が見えている.夜がすっかり明けて辺りが明るくなっている.駐車場の右手には凸凹とした山並みが連なっている.
 方向的に見て,あの山並みの向こう側に,昨日トレッキングしたシルク小屋が位置してるに違いない(間違っているかもしれないが…).

<駐車場遠望>

■峠手前のちょっとした登り坂
 何時の間にか道幅が狭くなっている.向かって右から左に落ち込む斜面のトラバース道を歩いている.前方はV字型に開けている.
 タンテ峠まであと僅かである.一同,元気に歩いている.
 地図で確かめると,正面に聳えている岩山は,多分,プエルトデブハルエロ(Puerto de Bujaruero;標高2,272メートル)に違いない(ただしカタカナで記した読み方は正確かどうか分からない).

<峠間近のトラバース道を行く>

■プハルエロ峠に到着
 8時17分,標識らしい大きな石の前に到着する(標高2,270メートル).石の周りはほぼ平らな尾根になっている.この石がプファルエリ峠の標識ということにしておこう.石の脇に案内板が立っているが英語ではないのでチンプンカンプン.読めないので強いイライラを感じる.
 ”実質,世界共通語である英語の説明ぐらい付けておけば良いのに…ブツ,ブツ,…”
 ここからの眺望は実に素晴らしい.早速数枚の写真を撮る(冒頭の写真).

<プハルエロ峠に到着>

■峠の一角で最初の休憩
 なだらかな峠の一角で,今日,最初の休憩を取る.
 どうやら雨が止んだようなので,雨具を脱いでリュックの中に仕舞い込む.気温がどの程度あるのか分からないが,立ち止まって暫くすると,だんだんと寒くなる.
 8時21分,峠での休憩を終えて,再び歩き出す.
 前方にはこれから歩くトラバース道が斜めに見えている.当面は歩きやすそうな道が続くようである.

<峠の一角で休憩>

<眺望を楽しみながら登る>

■礫混じりのトラバース道
 8時21分,休憩を終えて歩き出す.進行方向右手には尖峰が衝立のように連なっている.
 天気は次第に良くなっているようである.雲間に見える青空がまぶしい.暫くの間は緩い上り勾配の礫混じりの道が続く.
 気温はどの程度だろうか.少し寒いが,ある国は丁度良い気温かもしれない.私は相変わらず列から少し間を開けて,しんがりを歩いている.写真を撮りながらの気まま歩きである.

<見晴らしの良いトラバース道>

■遙か先に見えるタンテ峠
 8時35分,トラバース道の途中で,後ろを振り返る.
 素晴らしい眺望である.一番手前で左手から右手に流れ落ちろ尾根が平になったところに,今朝歩き出したタンテ峠の駐車場が見えている.この尾根の向こうにはギザギザとした尾根が幾重にも重なっている.
 ”うん,ここも絵になるな…”
 眺望の良いなだらかな登り坂もこの辺りまで.ここから先は次第に勾配が杵築なり,岩稜を縫って進むようになる,

<タンテ峠遠望>

<岩礫の中の踏み跡道>

■岩の割れ目に咲く花
 8時57分,路傍の岩の割れ目に一列に咲く紫色の花を見かける.花に疎い私には当然花の名前など分からないが,僅かな割れ目で懸命に咲いている花が愛おしい.私が最後尾を歩いていることを良いことにして,ちょっと立ち止まって,数枚の写真を撮る.
 もう少しアップの写真を撮りたかったが,最後尾でガードしているツアーリーダーのHDさんに叱られそうなので,適当なところで切り上げる.

<岩の割れ目に咲く紫色の花>

■岩稜累々の休憩場
 9時00分,標高2,370メートル地点で休憩を取る.写真の右手の崖から崩れ落ちたの思われる岩や巨岩が辺り一面の転がっている.なんだか今にも落石がありそうな物騒な気がする.
 ”こんなところはサッサと通過すべきだな…”
と思うのだが…でも,経験豊かな現地ガイドの指示に従うだけだ.でも何時礫が落ちてくるかもしれない.
 十数年前に通っていた登山学校で教わったことを思い出して,万一の落石に備えて岩陰に隠れて休憩を取る.
 ここからの展望も,相変わらず素晴らしい.遙か向こうに今朝ほど歩き出したタンテ峠がまだ見えている.

<岩の間で休憩>

■岩と巨石の間の踏み跡道
 岩礫の間の縫うようにして坂を登り続ける.登山道はあるような,ないような.いくらか礫が少ないように思えるところが登山道のようである.案内標識もまばらにしか設置されていないようである.今日は見晴らしが良いので,辺りの地形を見ながら歩けるが,霧に巻かれたときのことを想像すると,ゾッとする.地図や磁石を持っていたにしても,見通しが利かなければどうにもならない.
 ”やっぱりGPSを持参するに限るな…”
 とはいえ,GPSだっていつ故障するか分からない.やっぱり現地ガイドの案内に限るな…私は碌でもないことを連想しながらしんがりに付いていく..
 登り坂である.前方から射し込む光でやけに長い人影ができている.

<岩稜の間の踏み跡道を行く>

<ちょっとスリリングな徒渉>

■滝のような川を徒渉
 休憩を終えて9時10分に歩き始める.
 9時31分,やっと標識を見つける.棒杭に小さな黄色の板切れに何か地名が書いている.何とも読みづらい地名なので,無理に読もうとすると途中でイライラしてくる.
 先ほどまで,進行方向右側に聳えていた岩稜が,目の前に迫っている.岩稜から岩肌を伝って,滝のような川が流れている.
 現地ガイドのPBさんが立ち止まって,全員に厳しい目つきで注意する.
 「これから徒渉する.オレが渡ったところと同じところを忠実に渡ること.勝手に上流や下流に移動して渡らないこと,いいですか!」(もちろん英語.日本語に直せばこんなニュアンス)
 9時12分,PBさんの後に付いて,下の写真右手の見えている川を渡る.結構急な斜面を流下している川なので,少々緊張する.
 徒渉箇所の左手は,崖のように切り立っている.まるで滝が流下する場所を徒渉しているような感じである.
 近くで川を見ると,結構な水流である.水面に顔を出すか出さないか程度の小さな岩が1メートルぐらいの間かくて不規則に並んでいる.そこをバランスを取りながら渡る.
 ”石を踏み外して濡れても仕方がないな…”
と腹をくくって慎重に渡る.
 幸いなことに滑ったり踏み外すこともなく何とか無事に渡りきる.

<徒渉ルート>

■角が削られた巨石が累々と重なっている
 数分掛けて全員が無事徒渉する.
 徒渉して暫くの間は下の写真のように岩角が削られてすべすべになっている巨岩が累々と連なる場所を通る.これらは多分大量の雪解け水で削られたんだろうなと勝手に想像しながら,写真を撮る.
 いずれにしてもちょっと珍しい風景である.

<水で削られたツルツル岩が続く>

<眺望を楽しみながら休憩>

■岩陰に隠れて腰を下ろす
 9時56分,標高2,540メートル地点で,10分足らずの休憩をとる.その間に,そそくさと食べ物を摂る.シャリバテ防止のためである.で
 この場所も,私には,やっぱり,礫などの崩落が気になる.
 ”私たちが山学校でお世話になったNKガイドならば,このようなところでは絶対に休憩は取らないだろうな”
と,密かに思う.
 私だけは,大きな岩陰に座り込んで,多少の岩礫の崩落があっても避けられるように心がける.

<崖下で休憩>

■行く手には累々と重なる崖の帯
 休憩している場所から上を見ると,いくつもの崖が層をなして累々と重なっている.そして,カール状の谷間には残雪がある.
 私は,
 ”どこかで同じような風景を見たことがあるな…”
と思う.
 ”そうだ! グランドキャニョンだ…!”
 私はこの春訪れたグランドキャニオンの谷底往復トレッキングで,同じような風景を見ていた.

<累々と重なる崖の帯>

■広大な眺望
 休憩している場所から,前を眺めると広大な眺望が広がっている.
 何時の間にか,青空が広がっている.今朝方の雨が嘘のような晴天である.私たちは大きな岩場の陰に居るので日が当たっていないが,その先は明るい日光を浴びた広大な眺望が開けている.谷間の向こうには峨々とした山脈が幾重にも重なっている.
 ”なるほど,これがピレネー山脈か…!”

<広大な風景が広がる>

<ザラドウ小屋で小休止>

■岩礫の中の踏み跡道
 1数分の休憩を終えて,10時06分,また歩き始める.
 ここから先も,やっと踏み跡が判別できる程度の岩礫道(道の言えるかな?)が続く.前方には,岩の間がぽっかり空いた不思議な形が見えている.
 ”ひょっとして,あそこがプレッシュドローランかな…?”
 10時10分,ガルバニーから谷間を通って登ってくる登山党と合流する.

<がん絵区の中の踏み跡道>

■ザラドウ小屋に到着
 10時24分,やっとザラドウ小屋(Refuge des Sarradetes;標高2,580メートル)に到着する.現在,この小屋は改修工事中である.FBさんによると,この小屋は来春営業開始とのこと.
 小屋の脇にある水道が使えるか懸念していたが,水道のホースから勢いよく水が出ている.
 実は,ここのミスが使えないことを想定して,登山前に2リットルの水を用意するように言われていた.2リットルの水は結構重い.
 ここで4分ほど休憩を取る.

<ザラドウ小屋に到着>

■プレッシュドローランを見上げる
 ザラドウ小屋の前から前方を見上げる.
 ここから少し上にプレッシュドローランの裂け目が見えている.
 ”あそこまで登れば,その先は下り坂だぞ…,あともう少しだ!”
 10時28分,休憩を終えて,ザラドウ小屋から歩き出す.


                                               (つづく)
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(執筆中)

「ピレネー山小屋縦走トレッキング」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e982fb31374fcc1a1d2c50a93cc7d960
「ピレネー山小屋縦走トレッキング」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5112bb15f11338411dd77a26b2c1d70a

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