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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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青空に富士山がクッキリ見える丹沢;塔ノ岳(今年19回目)

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                             <塔ノ岳山頂から富士山を望む>

  青空に富士山がクッキリ見える丹沢;塔ノ岳(今年19回目)
         (登り単独・下り常連と一緒)
         2017年6月3日(土) 晴れ

■朝焼けを眺めながら…
 あっという間に6月になってしまった.夏である.テレビの報道によると,今日もあちこちで真夏日になりそうである.例年,夏になると海に近い鎌倉は涼しくて良いなと思う.それに東京方面が豪雨になっていても,相模湾沿岸や三浦半島は良く晴れているということが多い.
 今朝も,いつも通り4時10分に自宅を出発する.天気予報では,今日はかなり気温が上昇するとのことだが,夜明け前はさすがにちょっと寒い.私は朝の内だけ極薄でのナイロン製のジャケットを着用することにする.
 もうすぐ夏至を迎える今日この頃は夜明けの時間も随分と早い.まだ4時ちょっと過ぎだというのに,東の空は眩しい朝焼けである.
 私は朝焼けの空を眺めながら,尾根筋にある標高69メートルのわが家から谷戸を下って,大船駅に向かう.
 余談だが…
 先週,長い間工事中だった小袋谷跨線橋が無事開通した.
 ”ちょっと遠回りになるかな…”
と思ったが,新しい跨線橋を歩いて渡って見る.やっぱりウン百メートルほど遠くるようだ.やっぱり次回からはいつも通りの迷路のような路地を歩くことにしよう.

<朝焼けの山を下って大船駅へ>

■おっ! 富士山が見える.
 何時ものように大船5時10分発東海道本線下り初電に乗車する.暖かいコーヒーでも飲みながら車窓の風景を楽しむことにしよう.私はホームの自動販売機で何時も押し馴れているボタンを押す.ガタンと音を立てて缶コーヒーが出てくる.
 ”ありゃ~っ…! 冷たいぞ!”
 何時の間にか,今までホットコーヒーがあった場所が冷たいコーヒーになっている.コーヒーはホットに限ると思っている私は,ちょっとガッカリ.でも仕方がない4人掛け対面座席を1人で占領して,冷たいコーヒーを賞味する.
 列車が鴨宮に到着する頃,富士山と矢倉岳がとても良く見えている.
 ”おやおや,今日は…気がよさそうだな”
ということで早速デジカメを取り出す.

<鴨宮駅付近からの富士山と矢倉岳>

■富士山と矢倉岳の写真バッチリ
 5時51分,小田原駅に到着する.ホームの階段を登ってコンコースを横切って,小田急線6時56分発新宿行急行に乗り換える.
 早速,新松田駅手前で富士山と矢倉岳が重なった写真を撮る準備をする.そして,ちょっと緊張しながら,その瞬間を今か,今かと待ち構える.6時丁度,デジカメに重なり合った瞬間をバッチリ撮影に成功.
 ”ヤッタァ~”
 6時11分,渋沢駅に到着する.大倉行バス停1番の乗りは常連のYSさん.暫くすると,IIさんが到着する.さらに毎日登山のTGさん,俊足のYDさん,AIさん,KMさん,IWIさんなどの常連が列に加わる.下り電車が到着する度に待ち行列が長くなる.ストレッチをしながら,バスの到着を待つ.
 6時45分発の臨時バスが出る.1番バスの3分前である.臨時バスは満員,6時57分,バス停大倉に到着する.

<富士山と矢倉岳が重なって見える>

■大倉から歩き出す
 7時丁度にバス停大倉から歩き出す.私のすぐ前にYDさん,YSさんが早々と歩き出す.
 例によって,私の歩き出し速度は至って低速度である.正直なところ,歩き出してすぐの舗装道路の勾配が結構きついので,高齢者の私は極々低速で登り始めないと,跡でバテが来るのが自明である.
 私はユックリ,ユックリ,歩き続ける.その間,実に沢山の登山者に追い抜かれる.
 路面は良く乾いている.この分だと今日は山ヒルの食いつかれる確率は低そうである.
 7時08分,登山口を通過する.前方には沢山の登山者の後ろ姿が見えている.中にはかなり高年齢の方が,明らかにオーバーペースと思われる速度で私を追い抜いていく.
 ”ああ,あの方は途中でへばって頂上まで行けないな…”
とハラハラしながら後ろ姿を見送る.
 7時15分,克董窯を通過する.克董窯を過ぎたすぐ先から,石を敷き詰めた歩きにくい道になる.もし石が濡れていると歩きにくいし,山ヒルがきになるが,今日の石道は良く乾いているので嬉しくなる.
 7時20分,丹沢ベースに到着する.先ほど私を追い抜いていった高年齢の方は,丹沢ベースで早々と休憩を取っている.
 ”言わんコッチャナイ…”
 私は,高年齢の方に
 ”もっとユックリ歩きましょうよ…”
とご進言しなかったことに,ちょっと後ろめたさを感じながら,丹沢ベースを通過する.
私は相変わらずノロノロペースで歩いている.

■日の当たる坂道
 丹沢ベースを過ぎてから,もう少し登ると日の当たる坂道になる.今日もすっかり青々と茂った木の間を抜けてこぼれ日が眩しく射し込んでいる.
 どこからともなくホトトギスの啼き声が聞こえてくる.
 ”ああ,良い気分だ!”
 私は単独山行の気安さから,両手を大きく広げながら深呼吸を繰り返す.
 ”登山はこうでなくっちゃ…”
 四季折々の自然を肌に感じながらユックリ,ユックリと登る…つまり心にゆとりを持って登る所に登山の醍醐味があるんだと思う.
 7時28分,観音茶屋を通過する.私を追い抜いていった人達の何人かが,早々と観音茶屋で休憩を取っている. 
<日の当たる坂道>

■見晴階段
 観音茶屋から先はやや上り勾配がきついジグザグ道になる.
 7時33分,高原の家分岐に到着する.メモ帳を取り出して通過時間を記帳している間に後ろから来られたAIさんが私を追い抜いていく.この後,ここから駒止階段辺りまで,私はAIさんから5~6メートル離れた後ろを歩き続けるが,駒止階段で引き離されてしまう.
 7時48分,見晴茶屋を通過して,見晴階段に差し掛かる.
 例によって,見晴階段を見上げた写真を撮る.今日も沢山の登山者の後ろ姿が見えている.
 オーバーペースにならないように気を付けながら見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.坂の途中で立ち止まって呼吸を整えている人,坂道などなんのそので駆け上がっていく人,いろいろである.
 8時丁度に一本松に到着する.大倉を歩き出してから,ちょうど1時間である.
 ”ホホウ…,やっぱり1時間か…!”
 不思議なもので,この辺りまでは,毎回,ほぼ同じラップになる.
 一本松を通過して平坦道になったところで,下山してくるKSさんとすれ違う.例によって,
 「やあ,やあFHさん…」
で握手.
 「今日の山頂は素晴らしいですよ,富士山がバッチリ見えますよ…」
 「そうですか! 期待して登ります」
 「じゃあ…気を付けて」
でKSさんとお別れする.
 私はKSさんから勇気をもらって登り続ける.

<見晴階段>

■駒止階段
 一本松から先の平坦道に入ると,すぐのところにベンチがある.坂道で私を追い越していった人達が数人ベンチで休憩を取っている.
 ”折角,オレを追い越したんだから,そんなところで休憩を取っていないで,サッサと歩いたら…”
と心の中で悪態をつきながら通過する.でも,例え心の中だけでも,こんな悪態をつくなんて,
 ”やっぱり,オレはまだ悟り切れていないな”
と反省する.
 駒止階段に差し掛かる.
 階段の周囲を鬱蒼と茂った木々が囲んでいる.私の前を沢山の登山者が登っている.
 ユックリ,ユックリ登って,8時14分,駒止茶屋を通過する.
 大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間14分.まあ,まあ,この頃の私の標準時間である.

<駒止階段> 

■写らない富士山
 駒止茶屋を通過して堀山の尾根道に入る.ここが大倉尾根の中で一番気分良く歩けるところである.
 私は坂道はだらしなくしか歩けないが,平坦道はかなり調子よく歩ける.速度を上げて歩いている内に,前方を歩いているAIさんに,一旦,追い付く.
 「平らな所だけ,ちょっと先へ行きます」
 やがて,富士山が良く見える場所に到着する.
 ”どうせ,富士山は写らないだろう”
と思いながらも,ここから富士山の写真を撮が,案の定,富士山など全く写っていない.
 写らない原因は多分露出オーバーだろう.

<写らない富士山を写す>

■小草平
 8時30分,小草平に到着する.
 大倉から歩き出してちょうど1時間30分経っている.
 ベンチでは数名の登山者が休憩を取っている.相変わらず富士山が良く見えているが,写真を撮ってもどうせ写らないに決まっているので,写真は省略する.
 堀山の家の温度計を見ると,今の気温は16℃.
 堀山の家のご主人とはバスの中で一緒になったが,まだ,到着していないらしく,堀山の家は閉まったままである.
 小草平でも休憩はせず,そのまま通過する.

<小草平と堀山の家>

■萱場平
 ここから先も気儘な独り登山が続く.
 シンドイ思いをするのがいやなので,流れ出るような汗をかかないように注意しながら登り続ける.
 ガレ場を歩いている内は難なくマイペースを守れるが,階段道になると,ついついペースが乱れがちになる.
 ”おや,シマッタ…ペースが速すぎるな”
 そんな制御をしながら,8時50分,萱場平に到着する.萱場平手前の階段で私を追い抜いていった人が,ベンチで休憩を取ろうとしている.余計なことかも知れないが,私はガッカリする.
 息遣いがちょっと弾んでいるような気がするので,萱場平の平坦道を歩いている間に呼吸を整える.
 並行している木道の間から,今年もアザミが大きくなり始めた.これから何処まで大きくなるかが楽しみである.

<萱場平>

■絵になる富士山
 萱場平から先も,あいかわらずグウタラ登山を続ける.
 8時50分に萱場平を通過すれば,余程のことがない限り,間違いなく10時前には塔ノ岳山頂に到着できる.それならば敢えてシンドイ思いはしないに限る.
 ”頑張らないが,私の信条だ…”
と改めて自分にも言い聞かせる.
 …と,言うのも自分が十分に高齢だと自覚しているからである.
 ダラダラと登っていても,登り続けていると,何時の間にか応分の場所に辿り着けるものである.
 あともうすぐて後七分坂(花立階段)というところで,次のバスで来られたMGさんに追い抜かれる.
 やがて花立階段に辿り着く.階段下からの富士山の眺めは最高.絵になる富士山である.私はデジカメを撮りだして富士山の写真を数枚撮りまくる.

<花立階段下から富士案を望む>

■花立階段
 富士山の写真を取り終えて,花立階段を登り始める.
 私が富士山の写真を撮っている間に,常連のNMさん,AIさんが私を追い抜いていく.私はずいぶん抑制して歩いてきたはずなのに,何だか疲労感があって,ますますノロノロ歩きになる.とてもではないが階段をサッサと上れない.
 お二人との間は見る見るうちに開いていく.
 階段を登っている間に,MTさん,KIさんにも追い抜かれる.
 ”マア良いか”という気持ちと,”口惜しい”という気持ちが相半ばする.

<花立階段>

■花立山荘
 9時14分,ようやく花立山荘に到着する.相変わらず富士山が良く見えている.
 抜けるような青空が広がっている. 
 花立山荘は,もう開店している.山荘前のベンチには10人ほどの登山者が休憩を取っている.
 大倉からの所要時間は2時間14分.遅い!
 でも間違いなく10時前には塔ノ岳山頂に到着できそうである.

<花立山荘>

■花立山からの眺望
 肌建て山荘から暫くの間階段道が続く,ここが私にとって一番シンドイナと感じる場所である.
 やっとの思いで,階段道を登り切ると,見晴が開ける.
 朝方より幾分霞んできたようだが,花立山山頂付近からは富士山と鍋割山稜がとても良く見えている.何回か立ち止まって写真を撮る.

<花立山から富士山と鍋割山稜を眺める>

■花立山山頂
 9時24分,花立山山頂を通過する.
 山頂付近で,名残のツツジの写真を撮る.
 山頂から先は,暫くの間,大きな上り下りがない稜線歩きになる.気が休まる場所の一つである.
 私はノンビリと下気分で稜線歩きを楽しむ.

<花立山山頂>

■名残のツツジ
 馬の背で,まだ咲いているツツジを見つける.さっそく写真を撮るが,なんだか妙な色に写ってしまった.

<名残のツツジ>

■塔ノ岳山頂
 9時28分,金冷シを通過する.
 ここから先は消化試合のようなもの.ノソノソと歩き続けて,9時45分,塔ノ岳山頂に到着する.
 山頂のポール近くに,常連のMGさん,YDさん,AIさんが居る.そろそろ下山しようかというところである.ちょっと待って頂いて私もお三方と一緒に下山することにする.
 山頂の気温は14℃.ほぼ無風である.涼しい.
 相変わらず富士山が良く見えている(冒頭の写真).
 大倉からの所要時間は2時間45分.最近の私にしては,まあ,まあ,のラップである.

<塔ノ岳山頂>

■常連と一緒に下山
 9時52分,塔ノ岳山頂から4人一緒に下山開始.
 下山口で,汗ビッショリのIIZさんとすれ違う.私より先を歩いていたのにどこで追い越したんだろう.
 続いて山頂直下の階段で,毎日登山のTGさんとすれ違う.さらに下って,金冷シ手前の階段道で登ってくるHMさん,カメラマンのMMさんなど多数の常連の方とすれ違う.
 10時10分,花立山に到着する.ここでISIさんとすれ違う.
 その後も,YSさんを先頭に,どこの山小屋に立ち寄ることもなく,休憩も取らずに管地続けて,11時58分,大倉に到着する.
 下り所要時間は2時間06分.
 結局,休憩時間込みで,大倉から塔ノ岳往復の所要時間は4時間56分であった.

■ミスタードーナッツでコーヒー
 今日は大倉発13時10分のバスに乗車して渋沢のミスタードーナッツに立ち寄る予定である.それなのに1時間も早い12時10分のバスにも間に合う時間に下山してしまった.
 私は多忙なので,なるべく早く帰宅したかったので,皆さんより1本早い大倉12時40分発のバスに乗車して,一足早くミスタードーナッツに入る.そして270円也のコーヒーを所望する.
 
<ミスタードーナッツのコーヒー>

■今日も無事だった
 常連の皆様は30分後のバスで渋沢に到着する.
 私とほぼ入れ替わるタイミングで,常連の皆さんがミスタードーナッツに到着する.
 私は予定通り,渋沢13時33分発快速急行小田原行に乗車する.小田原で東海道本線上り電車に乗り換えて,14時33分,大船駅に到着する.路線バスを利用して,15時前に帰宅する.
 今日も無事に塔ノ岳を往復した.”良かった,良かった”である.

<ラップタイム>

 7:00  大倉歩きだし
 7:28  観音茶屋
 7:42  見晴茶屋
 8:14  駒止茶屋
 8:30  堀山の家
 9:14  花立山荘
 9:29  金冷シ
 9:46  塔ノ岳山頂着
 9:52    〃    発
10:05  金冷シ
10:15  花立山荘
10:44  堀山の家
11:12  駒止茶屋
11:02  見晴茶屋
11:37  観音茶屋 
11:58  大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             7:00
    塔ノ岳山頂着         9:45 
    (所要時間)        2時間45分(2.75h)
  水平歩行速度      7.0km/2.75h=2.55km/h
  登攀速度         1,269m/2.75h=461m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発            9:52 
    大倉着            11:58
   (所要時間)        2時間06分(2.10h)
 水平歩行速度      7.0km/2.10h=3.33km/h
  下降速度         1,269m/2.102h=604m/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/520e78c0a490643209f6a6a3fb1dde3f
「丹沢の山旅」の次回の記事
なし


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