<マザーポイント手前の岩稜から早朝のグランドキャニョンを望む>
グランドキャニオン谷底往復;第6日目(1);早朝のグランドキャニョン
(アルパインツアー)
2017年2月28日(火)~3月7日(火)
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第6日目;2017年3月5日(日)
<ルート地図>
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<グランドキャノンの日の出>
■ベッドの寝心地
昨夜は久々にちゃんとしたベッドで就寝したので,実に良く眠れた.ただ,夜中に目が覚めてしまうが,それまでの睡眠が深かったためか,実にスッキリしている.
折角,頭がスッキリしているので,昨夜中途半端に書きなぐったままで寝てしまった日記を30分ほど掛けて整理する.
その後も,目が覚めたままだったが,いくら何でもまだ起床するには早すぎるので,二度寝をすることにする.ベッドが快適だと,テントの中とは違って,いくらでも眠れるようである.またもやグッスリ眠ってしまい,今度は5時少し過ぎに目が覚める.起床するのに丁度良い時間である.
早速,起床.衣服を着てから,荷物の整理と再確認を行う.
5時55分,モーニングコールの電話が架かってくる.
今朝は,希望者だけで,グランドキャニョンに昇る朝日を見に行く予定である.
■グランドキャニヨンビジターセンター駐車場へ
6時20分,ロビーへ降りる.
結局参加者は私を含めて3人だけ.案内役は現地ガイドのADMさんである.
6時25分,ADMさんの運転で,専用車に乗って,ツサヤンのレッドフェザーロッジ前から出発する.
6時42分,グランドキャニョンビジターセンター(Grand Canyon Visitor Center)駐車場に到着する.駐車場周辺には私たちと同じように朝日を見に来た人で結構賑わっている.
<マザーポイント近くの駐車場>
■マザーポイント手前の岩へ
グランドキャニョンの日の出のビューポイントはマザーポイント(Mother Point)である.
ADMさんの先導で,マザーポイントに向かう.ところが,マザーポイントの大分手前にある柵の切れ目から,
「ここからちょっと中に入ります…」
と言ってから,突き出した岩にヒョイッ…と降りる.
”ありゃ~っ…! 一体何処へ行くの…”
私は一瞬戸惑うが,ADMさんの後に続く.
そこから先は幅4~5メートル(もっと狭いかな?)ほどの岩がグランドキャニョンの谷底の方へ突き出ている.
「ここが日の出をミルには一番良いところですよ…マザーポイント展望台は人ばっかりで落ち着かないです」
とADMさんが言う.
<マザーコインと近くの岩の上で>
■近くに見えるマザーポイント
なるほどすぐ目の前に,沢山の観光客が屯している岩の上の広場が見えている.確かにADMさんが言うように,私たちが居る所の方が,空いているし多少スリルがある.
…とはいえ,この狭い場所は谷底から屹立している.むやみに歩き回ることもできないので,岩角に腰掛けて,日の出を待つことにする.
<近くにマザーボード展望台が見える>
■曇り空で残念
やがて,日の出の時間を迎えるが,残念ながら東の空一面に雲が掛かっていて,日の出を拝むことはできない.こればかりは自然のなせる業で,どうにもならない,日の出は諦めるしかない.
とはいえ,まだ,朝食までは時間があるので,もう暫くの間,ここからの眺望を楽しむ.
私たちが岩の突端に居るのを目ざとく見つけた人が,2~3人,こちらへやってくる.その中の一人がADMさんの仲間である.
その内に犬を連れた人がここへ来ようとする.すると,ADMさんが,かなり毅然とした態度で,
「ここは人間だけです.環境保全のために犬は駄目です…」
と諭す.
私は,注意された人が怒り出すのではないかと心配するが,案外素直に,”そうですか”とうなずいて,そのまま通過する.
岩の突端からの風景は正に絶景である.遙か下に谷底に通じる道が見えている.湖野道は正に昨日私たちが昇ってきた道である.ここからは本当の谷底は見えない.つい昨日まで,私たちは,地表からは殆ど見えない谷底の別世界にいたことになる.
”これを題材にして,何か推理小説でも書けそうだな…”
という気になる.
<岩の突端から谷底を覗く>
■岩の壁
眼下に物凄い岩の壁が屹立しているのが見える(冒頭の写真).荒々しい光景に畏怖の念すら感じる.ましてや,その奥底まで降りていったとは…何だか天罰が下りそうな感じがする.
”それにしても…谷底まで下るとは! 何とまあ,凄い体験を下ものだな…”
私は眼下の風景を眺めながら,改めて感慨に耽る.
ここからの広大な風景は,私のデジカメではとても全部は写らない.35ミリフィルムカメラ換算で,せめて焦点距離が25ミリメートル程度の広角レンズが欲しいところである.
<屹立する岩壁>
■突出した岩場
ADMさんが,
「…寒いから,そろそろ帰りましょう…朝食までは大分時間がありますが」
と私たちを促す.
岩場から道路に這い上がって,往路を戻る.
振り返ると,私たちが居た岩場が見えている.
何と…!!
私たちが居た岩場は,オーバーハングした崖の上で,なんとも足場が不安定なところだった.
つい先ほど私が立っていた場所に,赤い上着を着た人が立っている.正に,
”ウ,ヒャ,ヒャー…!”
と奇声を上げたくなるような場所である.
”それにしても…高所が苦手な私が,よくもまあ,あんな所に立っていたものだ”
この場所を見ただけで身震いする.
<突出した岩壁>
■広場に戻る
7時12分,ビジターセンターの広場に戻る.広場には巨大な円形の案内図が書かれている.
ADMさんが,私たち3人に,円形図面の中央に立つように言う.そして,何を思ったのか,
「皆さん,カメラを貸して…皆さんの写真を撮ります…」
という.
カメラを預かったADMさんは,写真中央のやや左に立っている大きな岩の上に,スイスイと昇ってしまう.さらに,その岩の上に”スクッ…”と立ち上がって,私たちに,
「ハイッ!…ポーズを取って…!」
という.
あんな高い岩の上にスクッと立つADMさんのバランス感覚の良さに,とてもビックリしてしまう.
”オレなんか,手で身体を支えるところがなければ,右側の小さな岩の上ですら,スクッとは立てないだろうな…”
とにかくADMさんの行動にはビックリ.それにしてもバランスを崩して落ちないか真剣に心配してしまう.
”万一,ADMさんがバランスを崩して落ちて怪我をしたらどうしよう…”
私は咄嗟にそんなことを考えてしまう.さらに,正直に言えば,
”写真など撮らなくて良いから,そんなところへ登らないでくれ~ぃ…!”
もっと,厳格に言えば,今,土地不案内の3人の客をガイドしている最中である.そんな状況の中で,万一,自分が怪我をしたらどうするつもりだ.一番大切なのはガイド自身のセキュリティに万全を期すことではないか…これ,私の本音.この辺りにADMさんの"若さ”が露呈しているような気がする.
<ADMさんが尖った岩の上に立った!>
■3人の記念写真
下の写真は,ADMさんが岩の上に立って,3人を見下ろして撮った写真である.まず,3人のカメラで,同じシーンの写真を合計3枚撮る.続いて,円の真ん中に1人だけで立っている写真をそれぞれのカメラで撮る.
”よくも,まあ,あんな高い所で,目眩もせずに長時間立っていられるものだ…”
私はADMさんの超人振りにただただ驚くばかりである.
程なく全員の写真を取り終えたADMさんが,岩の上から降りてくる.
ADMさんが無事降りたのを見て,私も心底からホッとする.
<ADMさんが岩の上から撮った写真>
■モニュメントの前で記念写真
ADMさんが,
「序でに,モニュメントの前で写真を撮りましょう…」
という,もちろん異論など全くない.
7時19分,「GLAND CANYON NATIONAL PARK」と大きな字が刻字されているモニュメントの前で,写真を撮って貰う.この写真も良い記念になる.
写真に写っている私は,別に赤いフレームのメガネを欠けているわけではない.自分自身のプライバシー保護のために,PowerPointを使って,顔の上にイタズラ書きしたものである.念のために記しておこう.
<モニュメントの前で記念写真>
<ツサヤンのレストランで朝食>
■ツサヤンへ戻る
7時21分,専用車に乗って駐車場を出発する.
往路を走って,7時34分にレッドフェザーロッジの隣の建物にあるRESTAURANTに到着する.
レストラン内の客席で,朝日を見に行かなかったお三方とツアーリーダーのHDさん達と合流する.
「素晴らしい日の出でしたよ…」
と嘘を言うが,すぐにばれる.
<レストランに到着>
■私の朝食
朝食はバイキングである.
私の朝食は下の写真の通りである.小さなパン一切れと後は野菜と果物ばかり.それに,スープとコーヒーである.これで十分…というよりむしろ多めである.
新鮮な野菜や果物が食べられるのが何よりである.
時間いっぱい,コーヒーを賞味しながら過ごす.
<私の朝食>
<出発準備>
■荷物の確認
朝食を終えてから,すぐ隣のレッドフェザーロッジへ.
8時05分,自室へ戻る.
もうすっかり出発の準備ができているので,集合時間の9時00分まで,テレビを眺めながら,ボンヤリと時間を過ごす.
私の荷物は,羽田を出発したときより少し軽くなっている.なにしろずっと谷底トレッキングに大半の時間を費やしていたので,消耗品がちょっと減っただけで,ほとんど不変である.
黒いスタッフバッグが,専用車のトランクに入れる荷物,リュックが背負う荷物である・背負う方には飲料水,資料,雨具程度しか入っていない.
<私の荷物>
■見納めの風景
8時45分,部屋から外の景色をシゲシゲと眺めてから部屋を出る.この風景はもう一生の間に二度と見ることはないなと思いながら…
ロビーには,もう気の早い人が居る.
部屋の鍵をツアーリーダーのHDさんに預ける.後は専用車に乗車するだけである.
<部屋からの風景;これで見納め>
(つづく)
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(執筆中)
「グランドキャニョン谷底往復」の目次
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「グランドキャニョン谷底往復」の索引
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