<キャンプ場での夕食>
グランドキャニョン谷底往復;第3日目(5);トレッキング1日目(5);
ブライトエンジェルキャンプグラウンド;3日目の纏め
(アルパインツアー)
2017年2月28日(火)~3月7日(火)
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第3日目;2017年4月2日(木) (つづき)
<ルート地図>
■幕営地周辺地図
*前掲
■ブライトエンジェルキャンプグラウンド概念図
この地図は概念を示すだけで不正確です.
<幕営地を一廻り>
■私達の幕営地は一番端だ
ブライトエンジェルキャンプグラウンド(以下幕営地と略す)に到着した私達は,ひとまず備え付けのテーブルで落ち着く.
これから少しは馴れたところにある幕営地の本部まで行って,ミュールがリムから谷底まで運んでくれた荷物や,屋栄のためのテント類などを運んでこなければならない.
一番端に位置する私達の幕営地から,本部までかなりの距離があるらしく,荷物を取りに言った現地ガイドのADMさんとツアーリーダーのHDさんが,なかなか戻ってこない.
その間,私達は首を長くして待っている.
<指定された幕営地で一息入れる>
■幕営地を一廻り
待っている間に,トイレの位置を確かめるために近場を散策してみる.
私達の幕営地とコロラド川の支流の左岸沿いの間に幕営地を南北に通路がある.新緑の木々に覆われた心地よい散策路である.ここがあの険しい様相のグランドキャニョンの谷底だとは信じられないほどの長閑さである.
私は通路に沿って,本部のある北の方向にノンビリとした歩調で歩いてみる.
通路の両側には,私達の幕営地と同じような区画が並んでいる.私達より早く谷底に到着したグループはもう夕食の準備に取りかかっている.
ときどきキャンパーとすれ違う.
”ハーィ…”
と現地風に挨拶を交わす.
<幕営地内のメインストリート>
■トイレ棟
私達の幕営地から3~4分歩いたところの左手にトイレ棟がある,男女別になっている.
男性用のトイレを覗いてみる.広々としたスペースに洗面台と2箇所のブースがある.水洗.ただし,水道が故障中なので,使用した後,外にある貯水池から大きなバケツにいっぱいの水を汲み上げて,自力で流さなければならない.
試しにバケツいっぱいの水を汲み上げてみると,やたらに重くて,結構,腰に来る.
”トイレを使うのも命がけだな…”
<トイレ棟>
■ファントム・悪魔(?)
さらに北へ進む.
トイレ棟から400~500メートル離れた所で,橋を渡って小川の左岸へ.さらに北へ進むと,RANGER STATIONへ向かう枝道と分岐する.
そこに立っている案内板には,この先にPHATOM RANCHというところがあるらしい.
ファントムという単語で連想するのは「オペラ座の怪人」・ファントムは怪人のこと.
”妙な名前だな,ひょっとすると,ここでは従業員のニックネームがファントム名のかな…?”
私はこんなつまらないことでも気になり出すと,気になって仕方がない.
後でAMDさんに伺うと,FHANTOMはこの辺りの山の地名とのこと.カクカクシカジカの理由でファントムという名前が付いたという説明を受けるが,伺った途端にうろ覚えになってしまったので,ここで由来を説明するのは控えることにしよう.
<RANCHER STATIONとFHATOM RANCHの案内板>
■荷物運び
ファントムランチがある本部付近で,重い荷物をぶら下げたAMDさんとHDさんとすれ違う.
お二人で荷物を運んでいるが,一往復ではとてもとても運びきれないとのこと.これは大変.
<荷物運びのAMDさんとHDさん>
■水汲み
一旦,自分の幕営地に戻ってから,再び水汲みのために,先ほどの幕営地付近までもう一度出掛ける.一往復に20分ほどかかるので,正直なところ厄介である.
”トイレの所の水道が使えれば何の問題もないのに…”
と心の中でボヤク.
水汲みの序でに,レストラン(ファントムランチ)の裏手にある荷物置き場まで行って,寝袋などの軽い物の運搬を手伝う.
<水汲み>
<テント設営>
■1テント2人
幕営地にテントを張る.ほとんど全員がテント張りの経験者である.皆で協力して,実に円滑にテント張を終了する.テント1張に2人入る.
HDさんの提案で,
「では,組み合わせをジャンケンで決めましょう…」
ということになる.
「では,グー無しでジャンケンポン!」
そんなジャンケンをした経験がない私は,その意味が分からず少々まごつく・
ジャンケンの結果,私はツアーリーダーのHDさんと一緒に一番隅っこのテントを使うことになる.
女性群の方はどのように組み合わせを決めたのか分からない.
<テント設営>
■テントの住み心地
テントの中に入る.
”ム,ム,ム,…狭いな!”
でもテント泊なんてこんなもの.
足許にミュールが運んでくれた荷物を置く.この荷物には着替え一式,防寒具,髭剃りなど日用品が入っているが,わざわざ着替える気にもなれない.それに髭など反る気にもなれない.こんなの今に始まったことではない.テント泊のときは1週間ぐらいは着の身着のままで過ごしてしまう.もちろん髭など剃ったことがない.今回も多分同じように過ごすだろう.ただ,ミュールが運んでくれるというので,使わないだろうと思いながらも運んでもらった.でも,結果的には,テントの中を狭くしただけだった.
マットを広げ,シュラフをその上に広げる.使用するシュラフは冬用の保温性の良いものである.マットは最新式のものだが,やっぱり床が堅く感じる.マットの下の石がゴロゴロと転がっているのがマットを通じてやっぱり分かる.
”今夜は,多分,何回も…何回も,寝返りを打つだろうな…”
<夕食>
■ADMさんとHDさんがコック
ベンチの片隅で,ADMさんとHDさんが夕食の準備をしている.シストの断崖のすぐ下で作業している.
”落石は大丈夫だろうか…”
と心配性の私は気になる.
断崖を見上げると,逆層になっているところもあるが,浮き石はなさそうだ.
”一体,どんな料理を作るんだろう…?”
私は興味津々である.
ちなみに,私1人でテント泊になったら,料理などせずに,パンや乾き物で簡単に済ませてしまうだろうな…と思いながら,お二人の作業を興味深く見つめている.
<AMDさんとTDさんの共同作業>
■豊富な食材
テーブルに並べた豊富な食材.
ADMさんが,私達が二本寺であることを考慮して,選んでくれたものである.感謝.
大変感心したことに,使い捨ての食器類は全く使わずに,できるだけエコで過ごす工夫をしているのに感心する.
食器は使用後全部ADMさんが洗っている.
■メインディッシュ
メインディッシュはポテトサラダとご飯物.
<メインディッシュ>
■お粥
それにお粥.
すべてお湯を注げばできあがる食材を使用している
<お粥>
■デザートとコーヒー
デザートは乾き物.それにミカン.
荷物をミュールに運んでもらったので,テント泊にしては贅沢な食事を摂ることができた.
<コーヒーとミカン>
<トレッキング初日が無事終わる>
■素晴らしい夜空
夕食後,ヘッドランプの光を頼りにして,暫くの間,歓談を楽しむ.ヘッドランプを消すと辺りは漆黒の暗闇である.何一つ光はない.
空を見上げると夥しい数の星が見える.カシオペア座が3分の1ほど断崖に隠れて見えている.こんなに美しい夜空を見上げるのは,戦中戦後の頃の夜空以来である.
人工衛星らしいものが弱い光を放ちながらユックリと動いている.
私は,今日一日の記録を纏めるために,皆さんより一足先にテントに戻る.
■就寝
テントの中で寝袋に潜り込む.勿論着の身着のままである.
寝袋にくるまって,今日一日の出来事をノートに認める.その間,皆さんの歓談が手に取るように聞こえてくる.テントには防音効果が全くないからである.
30分ほどで日記の整理が終わる.
一足先に就寝する.
近くを流れる川の音が,絶え間なく聞こえてくる.飛行機の中の騒音を連想する.背中にはマットレスを通して,地面の石ころが堅く当たる.余り寝心地は良くないが,テント泊はこんなものと諦めるしかない.
こうしてトレッキング1日目は無事終わった.
<ラップタイム>
9:05 サウスカイバブトレイルポイントから下山開始
9:49 オーアーポイント(9:55まで休憩)
10:23 シダーリッジ(10:40まで休憩)
11:46 スケルトンポイント(12:25まで昼食)
13:40 トップオフ(13:58まで休憩)
15:20 橋を渡る
15:37 エンジェルキャンプグラウンド着
[山行記録]
■水平歩行距離 11.3km
■累積登攀高度 tr.
■累積下降高度 1,430m
■所要時間 (休憩時間込み)
サウスカイバブトレイルポイント発 9:05
ブライトエンジェルキャンプグラウンド着 15:37
(所要時間) 6時間52分(6.87h)
水平歩行速度 11.3km/6.52h=1.64km/h
下降速度 1,439m/6.52=219m
(3日目終わり)
(4日目に続く)
つづき(4日目)の記事
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(執筆中)
「グランドキャニョン谷底往復」の目次
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「グランドキャニョン谷底往復」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c18667bacc5d6d7634fb6ebe265177b2
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