<塔ノ岳山頂からの眺望>
日の出が早くなったが未だ雪山の丹沢;塔ノ岳(今年10回目)
(単独山行)
2017年3月15日(土) 晴
■春分が過ぎたのに寒い朝だ
東京は桜が開花したというのに,今朝は真冬のような寒さである.こんな朝は,さすがに塔ノ岳に出掛けるのが億劫になる.丁度今は4月初旬に開催される展覧会に出展する水彩画の仕上げが最終段階である.これを理由に今日の塔ノ岳詣ではヤメにしておこうかと何回も迷う.
でも,日中の青空を眺めて,なんで塔ノ岳に行かなかったんだろうと後悔するのが目に見えている.私は,決心して,早朝4時10分に自宅を出発する.
寒い!
まさに真冬並みの寒さである.でも幸いなことに詰めたい風は吹いていないようである.
出掛けるまでは,行く行かないで迷っていたが,歩き出してしまえば,そんな迷いはすっ飛んでしまう.そして,下山後に賞味する美味しいコーヒーのことを期待しながら,大船駅まで速歩で歩き続ける.
何時ものように,大船駅~東海道本線下りの初電に乗車する.電車が平塚を過ぎる頃.夜が明け始める.
”夜明けが随分と早くなったなあ…”
私は明るくなり始めた車窓を眺めながら,なんとなくウキウキした気分になる.
■富士山と矢倉岳
つい先日までは,真っ暗な中,小田原で小田急電車に乗り換えていたが,今日はすっかり明るくなっている.
”そうだ! 久々に矢倉岳と富士山が重なる所を写真に撮ろう…!”
小田急電車に乗り換えた私は,車窓から富士山が見えるのを,今か,今か,と待ち続ける…が,残念ながら春霞で藤さんの姿は朧である.でも久々に富士山と矢倉岳がうまく重なるところを見ることができた.
私はその瞬間をデジカメで撮影したのが,下の写真である.残念ながら富士山は見えるような,見えないような,なんだか微妙な写真になってしまった.
<富士山と矢倉岳>
■大倉から超ノロノロで歩き出す
6時11分に渋沢駅に到着する.
バス停には既に先客が居て,私は前から2番目.
渋沢駅前はメチャクチャ寒い.前方に見える山の頂付近には白い物が見えている.今日も山頂付近は,どうやら残雪がタップリありそうである.
バスの発車時間までまだ30分ほどあるので,私は少しでも冷たい風が当たらない場所に移動して,軽くストレッチをしながら,身体を温める.
そうこうしている内に,若手常連のNNさんがバス停に現れる.やや間を置いて,ISIさん,AIさん,IIJさん,TGさん,KIさん,HMさんなど土曜日の常連の方々が列に加わり始める.
私達を乗せたバスは,6時59分にバス停大倉に到着する.
私は歩き出しのひとときは,超ユックリにしか歩けないので,大方の常連の皆さんより,少し早めにバス停大倉から歩き出ことにする.
身支度を調えて,7時07分に,バス停大倉から歩き出す.
歩き出して登山口付近までは特に超ノロノロである.その間に,沢山の登山者に追い抜かれてしまう.
7時11分,ようやく登山口を通過する.路面は良く乾いていて歩き易い.
目の前には,先細私を追い抜いていったNMさんとAIさんの後ろ姿が見えているが,お二人の姿は次第に遠ざかってしまい,やがて私の視界から消えてしまう.
<登山道近くの杉林を行く>
■日の当たる坂道
ほどなく常連のHMさんが私に追い付く.
”お先にどうぞ…”
と先を譲るが,辞退されるので,暫くの間,HMさんと雑談をしながら歩き続ける.
7時26分,日の当たる坂道に到着する.ここは真横から太陽の光が射し込む心地よいところである.ここまで登ると,これまでの薄暗い杉林から一気に解放されたような気分になる.
「私,ここを登ることを楽しみにしているんです…」
と余計なことをHMさんにお話しする.
<日の当たる坂道>
■見晴階段
7時32分,観音茶屋を通過する.まだ時間が早いので観音茶屋は閉店したまま.
この辺りまで歩き進むと私の体調もやっと”山モード”に切り替わる.後は自分の体調に絶えず気を配りながら,オーバーペースにならないように歩き続けるだけである.
私の後ろには相変わらずHMさんが付いたり離れたりしながら居られる.
9時49分,見晴山荘を通過して,見晴階段に差し掛かる.
階段下で,恒例の定点観測用の写真を撮る.今日も相変わらず沢山の登山者の後ろ姿が写っている.
<見晴階段>
■駒止茶屋
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.この辺りまで歩きつづけると,今日の自分の体調がハッキリと分かる.
今日は登山には最適な気温のようである.汗をかくこともなく,楽な気分のまま,8時05分に一本松を通過する.今日の大倉から一本松までの諸幼児かっjは58分.僅か2分とはいえ,1時間が切れたのはさすがに嬉しい.
一本松上の平坦な道をHMさんと雑談しながら歩き続ける.
8時13分,駒止階段の手前で,ランナーのHさんが,ボデーランゲージで,私達に,
「ヤア…」
と挨拶して追い抜いて行く.Hさん,今日も橋本まで走って行くのかなと想像しながら見送る.
ほどなく駒止階段に差し掛かる.いつものようにマイペースで階段を登って,8時20分に駒止茶屋を通過する.
今日の大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間13分.最近の平均ラップより2~3分,速いようである.
<駒止茶屋>
■堀山の尾根道からの富士山
堀山の尾根道に差し掛かる.この辺りを歩くときが気分最高である.
やがて富士山が見える場所に到着する.
春霞で朧ながらも,山麓まで真っ白な富士山が大きく見えている.早速,富士山の写真を数枚撮るが,どうもよく写らない.
そのなかでも,何とか富士山らしいものがボンヤリと写っているのが下の写真である,
<堀山の尾根道からの富士山>
■小草平(堀山の家)
8時28分,堀山の標識を通過する.
ここからちょっとの間下り坂である.ここだけは思い切り飛ばす.その分だけ,下り坂の先の登り返しがとてもシンドイが,何とか登り返して,8時35分,小草平に到着する.堀山の家はまだ開店していないが,小草平のベンチでは数名の登山客が休憩を取っている.
小草平からも,相変わらず富士山が良く見えているが,どうせ私のデジカメでは写らないのが分かっている.癪だから撮る気にもなれない.
私はここでも休憩を取らずに通過,長い登り坂に取りつく.
<小草平(堀山の家)>
■萱場平
小草平を過ぎる辺りから,独り旅になっているのに気が付く.
独り旅は実に気楽である.歩行速度は足任せ.とにかくシンドイのは大嫌いだ.のんびり息が上がらない程度のマイペースで,余裕を持って登り続ける.
そろそろ戸沢分岐に差し掛かる頃,フト前を見ると,私より少し先に大倉から歩き始めたヤングのNNさんの後ろ姿が見える.NNさんとの距離が次第に短くなる.
8時56分,萱場平に到着する.
いつものようにここで定点観測の写真を撮る.写真を撮っている間に,再びNNさんとの距離が開く.
萱場平には春の日差しがタップリと射し込んでいる.
”ここで,1~2時間,昼寝をしているのも良いな…”
と,ちょっとばかり心が動くが,それでは運動不足になるので,予定どおり登り続けることにする.
<萱場平>
■花立山荘
萱場平から先も,全くのマイペースで登り続ける.
再び,前方を行くNNさんとの距離が縮まり始める.あともう少しで後七分坂(花立階段)に差し掛かる頃,NNさんが立ち休憩を取ると言って立ち止まる.
”では,ちょっと先へ行きます”
ということで,NNより先に行かせてもらう.
9時08分,後七分坂に差し掛かる.偶然,坂の前方には誰も居ない.私はオーバーペースのならないように慎重に登り続けて,9時16分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチでは数名の若者が休憩を取っている.
大倉から花立山荘までの所要時間は2時間09分.まだ本調子とは言えないが,まあ,まあ,のラップである.小草平からの所要時間は41分.こちらはこんなものだろうと納得する.
花立山荘前で写真を撮っている間にNNさんが私に追い付く.
花立山荘でも休憩は取らずにそのまま登り続ける.
<花立階段>
■花立山
花立山荘から先は,意外に体調が良くて,9時25分に花立山山頂に到着する.花立山荘からの所要時間は9分.このところなかなか10分以内に登れたことがなかったので,たった1分とはいえ嬉しい.
花立山山頂の手前で,2番場素手来られたMGさんに追い抜かれる.
早ダテ山から先は,気候が一変して,山麓では想像もできない完全な冬山になる.
花立山山頂付近から富士山の方向を眺める.何時の間にか薄雲が湧いていて富士山は雲の中である.すぐ手前に見える鍋割山稜には沢山の雪が残っているようである.
<花立山から鍋割山稜を望む>
■金冷シ
花立山山頂から先へ進むと一段と厳しい冬の気候になる.登山道には残雪が凍結している.
馬の背で,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
「…やあ,FHさんですね…」
と何時もの調子で,私に挨拶して,軽い足取りで下山していく.
馬の背の下り坂は短いけれども,凍結した雪がツルツルと滑って,きわめて歩きにくい.リュックの中にはちゃんと4本爪軽アイゼンが入っているが,出すのも何だか億劫なので,アイゼンをしないまま,屁っ放り腰で何とか通過する.
9時32分,ようやく金冷シを通過する.これで間違いなく10時前に塔ノ岳山頂に到着できるなと確信する.
金冷シ手前の木の階段は,この1週間の間に綺麗に改修されていて,ちても歩き易くなっている.
金冷シから先は,さらに残雪が深くなる.
■塔ノ岳山頂
金冷シから最初の階段を登り始める.踏み固められた残雪がビッシリ階段にへばり付いている.登りは特に問題もないが,下りはかなり慎重に降りないと滑るなと思いながら登り続ける.
山頂直下の階段を登っているときに,下山してくるAIさんとすれ違う.
残雪に翻弄されながらも,9時48分,無事,塔ノ岳山頂に到着する.山頂には先に登ったMGさんがまだ居られる.山頂の気温は+1℃.無風なので寒さはそれほど感じない.
もう華伊達美弥雄さんが居ない尊仏山荘に立ち寄る気もないので,周囲の風景写真を撮る儀式を済ませたら,長居せずに下山しようと思う.
山頂から周囲を見廻すと,何時の間にか雲が立ちこめていて,視界は余り良くない.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間41分.前回とぴったり同じ時間である.花立山荘からの所要時間は32分.途中が雪道だったことを考慮すればまあこんなところか.また金冷シからの所要時間は16分.こちらも雪道だったので,こんな所であろう.
”もし,雪道でなければ,間違いなく2時間30分台で登れたな…”
と勝手に解釈する.こういうのを”取らぬ狸の皮算用”という.
<残雪に覆われた塔ノ岳山頂>
■残雪道から泥んこ道へ
そろそろHMさんが山頂に到着するだろうと期待しながら山頂で暫く休憩を取るが,何時になるのか良く分からないので,見切りを付けてMGさんと一緒に下山することにする.
丁度そのとき,花立山荘辺りまで私と一緒だったヤングのNNさんが山頂に到着する.
9時54分,NNさんと入れ替わるようにして下山開始.アイゼンは装着せず.
アイゼンなしのため山頂付近の急坂は,結構大変である.屁っ放り腰で無様な歩き方で下り続ける.途中でカメラマンのMMさんとすれ違う.さらに金冷シ手前の下り坂でHMさんとすれ違う.さらにその先で,IIさんとすれ違う.
10時11分,金冷シを通過する.ここまで下れば滑りやすい所も殆どなくなる.ホツとした気分で,花立山へ向かう.
花立山から先はルンルンの下り坂である.ジャストマイペースで下り続ける.
10時23分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは登山客で鈴なりである.右膝に爆弾を抱えている私は,足に無理が掛からないように慎重に下山し続ける.
萱場平付近は大変な泥んこ道になっている.これには参った.
10時55分,小草平に到着する.堀山の家に立ち寄ろうかと迷ったが,同行のMGさんが立ち寄らないようなので,私も立ち寄らずに下山し続ける.
11時10分,駒止茶屋を通過する.駒止階段を下山しているときに,先に下山されたAIさんに追い付く.ここから先はMGさん,AIさんと一緒にバス停大倉まで下山し続ける.
■ミスタードーナッツでコーヒーブレーク
12時02分,無事,バス停大倉に到着する.
山頂まで行かずに途中から下山された皆さんの合流する.12時11分発のをわざわざ見送って,12時40分発のバスに乗車する事にする.その間,バス停近くの広場で開催中の青空市場を一廻りする.
大倉12時40分発渋沢行路線バスに乗車する.乗り合わせた常連はTGさん,MGさん,AIさん,IIJさん他.
12時55分,渋沢駅着.
何時もの土曜日のように鬆部沢駅ビル1階のミスタードーナッツでコーヒーブレークである.
運良く入口近くの一角に6人分の席を確保することができた.270円也のコーヒーを所望する.
例により2回お代わりをして,コーヒー1杯当たりの担架を90円にする.
<ミスター℃ナッツでコーヒーブレーク>
■無事帰宅
例によって,皆様より一足先にお店を出て帰途につく.
今日は,長男一家がわが家を訪れることになっている.孫娘が無事中学校を卒業した報告とのこと.嬉しいことである.
襲い来る眠気に耐えながら,小田原で電車を乗り継いで15時過ぎに帰宅する.
孫娘の卒業を祝って,近くのレストランで懇親会を開催する.
こうして,今日も無事に終わった.正に”良かった,良かった”である.
<ラップタイム>
7:07 大倉歩きだし
7:32 観音茶屋
7:49 見晴茶屋
8:20 駒止茶屋
8:35 堀山の家
9:16 花立山荘
9:32 金冷シ
9:48 塔ノ岳山頂着
9:54 〃 発
10:11 金冷シ
10:23 花立山荘
10:55 堀山の家
11:10 駒止茶屋
11:28 見晴茶屋
11:43 観音茶屋
12:02 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1,269m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:07
塔ノ岳山頂着 9:48
(所要時間) 2時間41分(2.75h)
水平歩行速度 7.0km/2.75h=2.55km/h
登攀速度 1,269m/2.75h=461/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 9:54
大倉着 12:02
(所要時間) 2時間06分(2.10h)
水平歩行速度 7.0km/2.10h=3.33km/h
下降速度 1,269m/2.10h=604m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/88d757cd0624e660698bf9bdae1684e0
「丹沢の山旅」の次回の記事
なし
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日の出が早くなったが未だ雪山の丹沢;塔ノ岳(今年10回目)
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