<大船観音に見送られて東京浜松町へ>
定期開催がますます”しんどく”なった高校同期会
2016年10月20日(木) 晴
1年ぶりの高校同期会が東京某所で開催された.
私達は昭和7年生まれのロートルである.天皇陛下より1歳年上である.
いきなり余談になるが,先日の陛下のお言葉を拝聴して,身につまされている世代である.
私達は,終戦の年に,信州の某旧制中学校入学した.戦後,学制改革(改悪?)により,図らずも6年間同じ学校に通って,何時の間にか銃声中学校が新制高校になり,昭和26年に新制高校を卒業した仲間である.
6年間の在学中に,何回も組替えがあったので,今となっては卒業の時に誰が何組だったかはあまり定かではない.そんなわけで,何組だったかは二の次で,同期生約300人が一緒くたになって,故郷の信州と東京に分かれて毎年同期会を開催してきた.
詳しい数字は良く分からないが,約300名の卒業生の内,約半分が東京,神奈川,千葉,埼玉など関東地区に住んでいる.つまり,約150人が関東在住と言うことになる.ところが齢(よわい)70才台後半に差し掛かると,片道切符の旅に出てしまう仲間が徐々に増え,今では全体の3分の1余りが旅立ってしまった.
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齢80歳を過ぎる頃から,残された元気なはずの方々からも,体調がどうも思わしくないとか,病床で過ごしているという情報がますます増え始めている.
対数年前までは,関東地区の同窓会には,例年,30~40人程度の参出席者があったが,3年前ぐらいから,出席者の人数がさらに急激に減り続けて,対に今回の参加者は,たった十数名と言うことに相成った.
幹事の方々も,病魔には勝てず,同窓会を開きたくても,準備がなかなか円滑に進められない状態である.
「…もう,これ以上,今まで通り,同期会を開催するのは無理だ…」
ということに相成り,来年の同期会を最終回とすることに決まった,
残念至極だが,これも致し方ないことである.
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さて,1面振りに会ったメンバーは,久々に信州弁を使って,忌憚のない雑談を楽しむ.でも,話題はどうしても,
*中学高校時代の懐旧談
*最近の物故者や欠席している方達の噂話
*病気の話
*スマホなんか要らないの話
が中心となる.
「…この中で,生きていて東京オリンピックを見られる人は何人居るだろうね…」
と誰かが言い出す.
「う~ん…,○○と△△は間違いなく100歳迄生きるだろうな…でも東京オリンピックまで生きていられるのは半分ぐらいかな…」
というのが大方の意見である.
そういえば,ここ2~3年,耳が遠い人や,放しのろれつが少し怪しい人も増え始めている.よその人が話をしているのに,いきなり大声で自分の話を始める人,同じ内容の話をクドクドと何回もする人,回りくどい話を延々とする人など,
”やっぱりお互いに年を取ったな…”
と実感させられる同期会であった.
とはいえ,料理はとても美味しかった.
久々に(?)…と,言ったら,角が立つかもしれないが,ブランカ山脈トレッキング中の食事のことが,まだ,色濃く頭の中に残っている.
美味しい料理の内容を写真で紹介しよう.
<前菜> <スープ>
<メインディッシュ1> <メインディッシュ2>
<メインディッシュ3> <チャーハン>
<志那茶> <デザート>
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さて,私の本職であるITについて感想を述べておこう.本職と言っても,なかなか世相には付いて行けないシーラカンス的な本職だが…
まず,驚いたのは,集まったメンバーの中で,スマホを使っている人は皆無だった.かく言う私も,大きな声では言えないが,ガラケイを使っている(ただし,私のガラケイは高機能である).ただ私はiPadを使っているし,SNS,フェースブックなども,かなり使っている.山仲間との連絡もパソコン,携帯メール,フェースブックなどを結構利用している.
ところが,我が同窓会は未だに往復はがき中心のやり取りである.
「パソコンやスマホなどなくても,何の不自由もないよ…」
この意見には私も同感.
でも,周りの人は連絡が取りにくくて迷惑しているに違いない.事実,私も電話でしか連絡が付かない人とは,何時の間にか疎遠になっている.
それにしても,私達の世代が生まれたころは,電話も殆どなかったし,各家に定額の電灯が1灯だけあった時代である.朝はニワトリの鬨の声で起床.周囲には牛,ウマ,ヤギ,ウサギなどの家畜が沢山居た.江戸末期と私達が生まれたころの文明の差と,私達が社会に出た頃から今日までの文明の差を比較したら,後者の方が圧倒的に大きいといえよう.
あのオウエルの小説『1984年』を最初に読んだときは,まさか!…と,思っていたが,今はオウエルの小説よりももっと複雑怪奇な時代になっているというのが実感である.
この先,一体,どうなっていくのやら…桑原,桑原!
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14時30分頃,同期会は無事終わる.
全員起立して,『信濃国』の1番を合唱してお開きとなる.
次回の同期会は来春である.来春の同期会が,現在のやり方で開催される最後の同期会になる.お互いに健康に気を付けて,来春また会いましょうと言うことでお開きになる.
今までは校歌,応援歌,凱旋歌…など,声を張り上げて元気に歌っていたが,今年はもうそんな元気はない.
いろいろと考えさせられる同期会であった.
(おわり)
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(なし)
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