<戸川秦野公園の紅葉>
秋の丹沢山麓;四十八瀬川・八幡神社・大倉周遊と収穫体験
(五十三次洛遊会定例会)
2016年10月13日(木) 曇
<ルート地図>
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<小田急線渋沢駅集合>
■朝の時間を持て余す
久々の五十三次洛遊会定例会開催日である.
今回は,地元渋沢在住のTNさんのご案内で,渋沢・大倉周辺の散策と里芋の収穫体験がテーマである.
小田急線渋沢駅10時00分集合である.
渋沢駅は,毎回,塔ノ岳詣でのときに利用しているお馴染みの駅である.塔ノ岳に登るときには,10時と言えばもう塔ノ岳山頂で尊仏山荘のネコを相手にお茶を飲んでいる時間である.そんな遅い時間の集合なので,早起きを常としている私には,どうやって時間を過ごしたら良いのか戸惑ってしまう.
やっと時間を潰してから,路線バスを利用して大船駅へ出る.まだ時間がある.私は大船駅前のフェースとキッチンでホットコーヒーを賞味しながら,30分ほど時間つぶしをする.
■渋沢駅集合
どうせ遅い時間で良いならば,所要時間は30分ほど余計に掛かるけど,ちょっとでも運賃が安い小田急線相模大野廻りで行こうと決める.
案の定,タップリと時間が掛かる.それに電車が混雑している.
”やっぱり,東海道本線小田原経由の方が楽だな”
と実感する.
集合時間の10分前,9時50分に渋沢駅に到着する.すでに大半の参加者は集まっている.
小田急線下り電車が遅れているのか,お一人の到着が10分ほど遅れる.10時10分過ぎにようやく参加予定者全員が揃う.
今回の参加者は11人(男6人,女5人)である.全員60才以上の中高年である.皆さん至って元気なのに感心する.
当初予定より,13分遅れて,10時13分に渋沢駅から歩き出す.
<大山道・富士道>
■国栄稲荷社
まずは渋沢駅南口から歩き出して,10時16分,国栄稲荷社(くにざかいいなりしゃ)を詣でる.立派な社殿である.ただ,この神社の由来などはインターネットで調べても明確には分からない.どうやら宇迦御魂大神,金比羅大神,菅原大神の3柱が祀られているようである.
近くに設置されている説明板によると,境内の大イチョウ(写真は撮らなかった)は,秦野市の天然記念物に指定されているようである.説明文によると,この大イチョウの高さは25メートル,幹まわりは3.96メートルとのこと.
<国栄稲荷社>
■矢倉沢往還と小田原道の交差点
神社境内にある説明板「古道解説」によると,ここは江戸赤坂と駿河国吉原を結ぶ矢倉沢往還と小田原道が南北に交差するところで,大山や富士山詣をする旅人で賑わったところだという.
国栄稲荷社の参拝を済ませた私達は,往時の富士道(反対に歩くときは大山道)に沿って,やや急な坂道を登る.道路の両側には,比較的新しい住宅がビッシリと建っている.
<古道往還の説明文>
■石造りの道標
10時10分,進行方向右手に石柱の道標が立っている.大きくて立派な石柱である.石柱の周囲を回ってみる.石柱の刻字は風化が進んでいて読みにくいが,江戸時代後期に作られたものだと分かる.
先ほどの「古道解説」で記してある江戸屋喜平治が建立したものだろうか.
<大きな石で作られた立派な道標>
■矢倉沢裏街道と国道矢倉沢往還道
10時22分,「矢倉沢裏街道・国道矢倉沢往還道」と書いてある案内板の前を通過する.
進行方向左側は丘陵になっている.丘陵の上まで折り重なるように住宅が密集している.この辺りの宅地化がこれほど進んでいるとは思っても見なかった.
かなり急な登り坂を通過して,10時29分,曲松1丁目の交差点を通過する.さらに,10時37分.バス停萩が丘を通過する.なおも登り坂が連続する.
<矢倉沢往還の道標> <曲松1丁目の交差点>
■庚申塔と地神塔
10時39分,登り坂右手に大きな木に到着する.
案内役のTNさんによると,この坂道を登ってきた旅人が,この木の下で休憩を取りながら,後ろを振り返って大山を眺めたという.
木の下には庚申塔と地神棟が立っている.
<庚申塔と地神棟のある木> <庚申塔と地神棟>
■矢倉沢往還と千村地区説明板
この木の下に「矢倉沢往還と千村地区」の説明板が立っている.この内容の紹介は省略す
るが,説明の末尾にある「おすすめのハイキングコース」に興味を持つ.
”いつか歩いてみたいな…”
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<小田急線トンネル上から四十八瀬川河畔へ>
■テニスコート脇から路地へ
10時45分,バス停千村自治会館前を通過する.その先に,また大きな石の道標が立っている.大きさ形ともに先ほど見た石の道標と同じである.
10時48分,バス停萩山を通過する.
案内役のTNさんが,
「…本当はもう少し先まで歩くつもりでしたが,時間が押しているので,ここで右折しましょう…」
と言う.
ここで富士道とお別れして,やや下り坂の道に入る.相変わらず道路の両側には,同じような住宅が建ち並んでいる.
10時53分,進行方向左側の金網に囲まれたテニスコートの角で左折して道幅の狭い路地に入る.
<バス停萩山付近で右折する> <テニスコート手前で左折>
■漸く野趣豊かな路地になる
テニスコートを抜けて暫く歩くと,進行方向左手にようやく畑が見え始める.この辺りから,やっと野手豊かな風景になりはじめる.これまでのちょっと息苦しい感じからやっと解放されたような気分になる.
TNさんが,
「ちょうどこの下辺りに小田急線のトンネルがありますよ…」
と説明する.
私は,平素,塔ノ岳に向かうときに通過する渋沢駅手前のトンネルの上がどうなっているのか気になっていた.比較的長いトンネルである.電車に乗っていると,いつもトンネルを出たところで,
「…間もなく渋沢駅に到着します…」
というアナウンスがある.
”随分長いトンネルだな,トンネルの上はどうなっているんだろう…一度,トンネルの上を歩いてみたいな…”
図らずも,今日,その願いが叶えらえた.私は"なるほど,こうなっているのか”と合点する.
<小田急線トンネル上の野趣豊かな道を行く>
■展望が開ける
10時56分,台地の外れに到着する.畑の向こうに丹沢表尾根の山々が見え始める.
どなたかが,
「…凄い山ですね…FHさんはいつもあの山に登っているんですか…」
と私に尋ねる.
「…ええ,ここからはちょっと見えないようですが,もうちょっと奥にある塔ノ岳に週一のペースで登るようにしています…」
と答える.
<展望が開ける>
■六地蔵の先の急坂を下る
急な下り坂になる.
11時02分,六地蔵前を通過する.下り坂は皿に急になる.転倒したら坂の下まで停まりそうもない急坂である.
”こんな急坂,自動車は登れるんだろうか…”
と独り言のように言う.それを聞きつけたどなたかが
「登りそうですよ…あそこに車庫がありますよ」
という.
<六地蔵> <急な下り坂>
<四十八瀬川の左岸を遡る>
■飛び出るように四十八瀬川の左岸に到着
11時07分,急坂から飛び出るようにして,四十八瀬川の川岸に降り立つ.
ちょうどそのとき,森の向こうにトンネルを出たばかりの小田急線特急電車が走っているのが見える.特急電車が走っているところをデジカメに収めたかったが間に合わない.
「これで,今居る場所の位置関係がハッキリ分かったでしょう…」
と案内役のTNさんが私に言う.
私達は,四十八瀬川の左岸沿いに,上流に向けてユックリと歩き始める.
<急坂から飛び出るように四十八瀬川の左岸到着する>
■草道と田圃
11時10分,橋の下を潜る.
左岸の堤防道は続く.2本の轍の付いた草道が柴原津続くが,やがて轍もない草道が暫く続く.
11時15分,甘柿橋の下を潜る.進行方向右手には河川敷に作られた田圃が続く.殆どの田圃は稲刈りが済んでいるが,まだ刈り取られていない田圃もある.
<轍のない草道が続く> <河川敷の小さな田圃;TNさんの説明を聞く>
■小川と階段
11時24分,小川に掛かる津知橋を渡る.つづいて,階段を登って堤防歩きを続ける.一同久々に童心に帰ったような穏やかな表情になっている.
案内役のTNさんが,
「…皆さん都会の人ばかりなので,こんなところが良いだろうと思って,ここを選びました.私はこんなところ歩きたくないんですが…子どもが小さい頃,この辺りを良く散歩しました…」
と説明する.
私も田舎育ち,さらに頻繁に山へ登っているので,この辺りの風景が特に凄いとも思わない.でもまさか,今日,んな野趣豊かなところを歩くとは想像もしていなかった.言い体験をしているなと私も思う.
<小川を渡る> <階段を登る>
■渓流の趣がある
11時28分,四十八瀬川の渓流が良く見える場所に到着する.
一同,
「わあ~凄い! 水が綺麗ですね…」
と感銘を受ける.
<渓流の趣>
<四十八瀬川から秦野戸川公園へ>
■堤防道から自動車道へ
11時49分,堤防道は舗装道路に突き当たって終わりになる.ここから先は自動車の通る舗装道路になる.登り坂が続く.
11時53分,最初の信号を鋭角に左折する.さらに緩やかな上り坂が連続する.
<堤防道が舗装道路に突き当たる> <最初の信号を鋭角に左折する>
■上秦野神社
11時57分,上秦野神社に到着する.
もうすぐ正午である.大分時間が押している.上秦野神社の御参りは省略して,そのまま通過する.この神社には案内板のようなものは見当たらないので,由来などは全く不明.
12時06分,三差路を右折する.ここからは緩やかな下り坂になる.
<上秦野神社>
■掘之郷正八幡宮
12時08分,掘之郷正八幡宮(以下八幡宮と略す)に到着する.
ここは塔ノ岳詣でのときに路線バスで通るところである.八幡宮を見た途端に私ノ頭の中にある地図と整合性がとれる.これで今日歩いた場所の位置関係がスッキリと頭に収まる.
八幡神社は,現在,改修工事中で,境内には入れない.ちょっと残念.
<掘之郷正八幡宮>
■掘之郷正八幡宮の案内板
鳥居の側に案内板が設置されている.
この案内板によると,応神天皇,神功皇后,武内宿禰の3柱が祀られている,由緒も見ると天安2年(858年)に九州宇佐八幡宮から分霊したというから.鎌倉の由比八幡宮よりも古いことになる.
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<秦野戸川公園>
■地図
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■運動場脇で昼食
八幡宮前の道を直進する.緩やかな下り坂が連続する.
12時17分,下り坂は水無川右岸沿いの道に突き当たる.左折して皆瀬川沿いの道を上流に向けて歩く.ちょっとした上り坂である.
途中,新東名高速道路建設予定地を通過する.
12時24分,右折して秦野戸川公園入口に到着する.
入口近くの運動場のベンチで,昼食を摂ることになる.一同がベンチに一列に並んで座っているのも見て,私は思わず電線に止まっている雀を連想してしまう.
上空には雨雲が低く掛かっている.食事中の少しの間,霧雨が降ってくる.
昼食後,数名の方から飴やお菓子が振る舞われる.
”いつも貰いっぱなしでは悪いな…”
と反省しながら頂戴する.
<運動場脇のベンチで昼食>
■もうすぐ見頃な紅葉
13時04分,昼食を終える.
園内を虹の吊り橋へ向けて歩き始める.イチョウがそろそろ見頃を迎えている.
途中,何組かのグループとすれ違う.今日は平日.それなのに,結構,若い人が多いのが意外である.
やがて頭上に風の吊り橋が見え始める.
「…あそこまで登るんですよ…」
13時11分,水無川の暗渠を渡る.
「この辺りは,子供達に水遊びをさせるのに安全で,具合の良いところですよ」
とTNさんが説明する.
暗渠を渡ってから,頭上に架かる風の吊り橋のところまで登らなければ成らない.正確な落差は分からないが,ちょっとしたビルの高さぐらいはある.ちょっと大変そうである.
<もうすぐ紅葉が見頃になる> <皆瀬川の暗渠を渡る>
■風の吊り橋
大回りの坂道を登って,13時24分,漸く,風の吊り橋に到着する.吊り橋をユックリと渡って,13時34分,バス停大倉に到着する.
ここでトイレ休憩を取る.
<風の吊り橋>
<収穫体験>
■会場の農園へ
バス停大倉から,鍋割山に登るときに通る道を直進する.最初の三差路を左折して,緩やかな坂道を200メートルほど下って右折.農道に入る.こんもりとした林の手前が,収穫体験の畑である.農園の経営者は案内役のJNさんの知人.参加費は1人300円.
<バス停大倉> <農園到着>
■まずは説明を受ける
最初に,農園経営者から説明を受ける.
すでに,里芋は人数分だけ掘り出されている.掘り出し作業は素人では大変なので大助かりである.
<まずは説明>
■里芋掘り
すでに掘り終えてある里芋の(株)をバラバラにほぐして,ネットリと付着している泥と細かい根を自分で取り除く.
中腰のままの姿勢での作業なので,すぐに腰が痛くなる.農家の人の辛苦を垣間見る.
収穫した里芋は,当初予想していたよりも,桁外れに大量である.リュックには何とか収納したがずしりと重い.
<収穫体験>
<面白い体験だった…>
■無事解散
14時17分,収穫体験を終わる.
農場から往路を引き返して,14時27分,無事,バス停大倉に到着する.ここで解散.
解散後も,大倉発14時52分渋沢行のバスに乗車する.渋沢駅で,懇親会を開こうとしたが適当な場所がないので,地元のTNさん以外は,そのまま小田急電車に乗車する.
■大量の里芋にビックリ
相模大野から先は流れ解散.
私は快速急行とやらを乗り継いで藤沢へ.藤沢から東海道本線と路線バスを乗り継いで,17時過ぎに無事帰宅する.
収穫した里芋を家内に見せる.
「…こんなに沢山,1年掛けても食べられないわ…」
”多分,気前よく娘やご近所に分けるんだろうな…”
<ラップタイム>
10:13 渋沢駅歩き出し
10:15 国栄稲荷社
10:39 庚申塔と地神塔
10:43 バス停萩山
10:53 テニスコート
11:07 四十八瀬川左岸
11:15 甘柿橋
11:49 川岸歩き終わり
11:57 上秦野神社
12:08 掘之郷正八幡宮
12:24 秦野戸川公園(13:04まで昼食)
13:11 水無川暗渠を渡る
13:24 風の吊り橋
13:34 バス停大倉
13:44 収穫体験農場(14:17まで)
14:27 バス停大倉(解散)
[ウォーキング記録]
■水平歩行距離 7.8 km(農場・バス停大倉間復路を除く)
■累積登攀高度 263m
■累積下降高度 147m
■所要時間(休憩時間込み)
藤沢駅発 10:13
農場着 13:44
(所要時間) 3時間31分(3.52h)
水平歩行速度 7.8km/3.52h=2.22km/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0cdca33a4d35ea71cd0421cf9ed2ee2a
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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秋の丹沢山麓;四十八瀬川・八幡神社・大倉周遊と収穫体験
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