<今日のコーヒー>
残暑なお厳しい鎌倉;秋の雲,ツクツクボウシとウシガエル
(独りプチプチ散策)
2016年8月19日(金) 晴(雲多し)
早朝から午前中は,もっぱら水彩画の制作に費やす.
”もうこの辺りで良いかナ…”
と思って,額縁に入れてみる.
額に入れた絵をシゲシゲと見ていると,ここはこうしたい,あそこはもっと工夫したい…というところが次々に出てくる.
また額縁から絵を取り出して修正する.そしてまた額縁に入れてみる…こんなことを際限なく繰り返している.
額縁とは不思議なもの.
額縁は単に絵を入れるものではない,外界と絵の領域の境目が額縁だということが,実際に絵を画いてみると実に良く分かる.
「割れ鍋に綴じ蓋」ではないが,額縁の中に入れる絵の品格が合致したときに,初めて絵の見栄えがすることは確かである.だから,厳密に言えば,それぞれの絵に合致する額縁は,この世に一つしか存在しないことになる.
今,私が額縁に入れたり出したりしているの絵の大きさは40号.それほど大きな絵ではない.この程度の大きさの額縁でも,1個2万円以上もするので,サンデー毎日を決め込んでいる私には,絵に合致する額縁は一つしかないなどと悠長なことは言っていられない.どうしても,同じ額縁を使い回ししなければ,財布が持たない.
…となると,使う額縁も,できるだけ汎用性を持たせるために,平凡なものを使うしかない.額縁が平凡だと,中に入れる絵も平凡ということになるのは当然の帰結である.そこで,この平凡さをいくらかでも打破しなければならない.そこが苦労のしどころである.
それに,40号の絵を入れる額縁となると,結構大きくて重い.独りで絵を出し入れするのは一苦労である.このムスケルアルバイトも,老い耄れた私には結構きつい.
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いくら物好きでも,こんな「解」のないきつい作業を,ぶっ続け半日もやっていると,どうしても飽きが来てしまう.そこでまた,よせば良いのに,一番蒸し暑い昼下がりに,お散歩をすることになってしまう.
昼食後,どこへ行く当てもなく,自動運転のロボットのように,足は鎌倉中央公園方面に向かう.これもまた無難なので,私は自動運転の自分の足に行き先を任せる.
私の足は,勝手に清水塚口から公園に入り,上の池を経由して下の池に向かう.
下の池の淵からは,この池の主,ウシガエルが「ボウ,ボウ,…」と啼く声が辺りに木霊する.森の中からはミンミンゼミの鳴き声に混じって,ツクツクボウシの啼き声が聞こえてくる.
<ウシガエルが啼く下の池>
山崎口から大船駅へ向かう.
空を見上げると.透明な青空に,真綿を千切ったような雲が浮いている.もうすっかり秋の空である.
さきほどのツクツクボウシや透明な青空に,早くも秋の気配を感じる.
<見上げれば秋の空>
私の足は,適当な路地を渡り歩いて,大船駅前に到着する.
今日はとくに買い物もないし,駅前でやることもない.
”じゃあ~…,折角だから,コーヒーでも賞味してから帰るか…”
ということで,ルミネ1階のコーヒーショップに立ち寄る.店内は結構混雑している.
”立ち飲みでも仕方ないな…”
と観念していると,店員が,
「窓際の席が空いてます…」
と教えてくれる.
やっぱり,コーヒー専門店のコーヒーは美味しい.
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帰りは,さすがの「足」も,暑い中.歩くのがイヤになったらしいので,路線バスを利用して帰宅する.
夕食.
何時ものように,夫婦二人だけの寂しい夕食である.年を取ると,どうも話題が病気や健康のことに偏りがちである.
家内の何気ない一言,
「…亭主に先立たれた近所のオバサン達は,皆,元気ですよ…」
に,私は何だか居心地の悪さを感じる.
私は,内心で,
”早く死ななくて,悪かったナ…”
と悪態をつく.
(おわり)
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(なし)
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