アンデス・ブランカ山脈紀行;プロローグ(4);
参加確定・まずはダイアモックス
(アルパインツアーサービス)
2016年9月6日(火)~9月16日(金)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4fce88558bbd4b6bfbe9279f32ad6413
出発日27日前;2016年8月10日(水) 晴・猛暑
<ペルー旅行記の読み返し>
■ついに参加確定
これまで,ブランカ山群トレッキングに参加申込みはしていたものの,本当に参加するかどうか最終的には決めかねていた.決めかねていた理由は二つある.
第1の理由は,昨今,テロや騒乱が世界的規模で広がっていることである.平素でもペルーの治安は余り良くないと言われているのに,お前さん本当に行くのかと自問自答を繰り返していた.
このツアーを主催するアルパインツアー社に電話で現地の治安や最近テロが世界的規模で多発しているときに,ブランカ山群などへ出掛けて大丈夫かと問い合わせた.
アルパインツアー社からの回答は,
「…確かに安全とは言い切れません.安全に十分注意して行動するしかありません…」
ということであった.これは尤もなことである.
かくなる上は,覚悟を決めるしかない.
私は一大決心をして(大げさだが),午後,鎌倉市内の銀行からアルパインツアー社に参加費の残金を振り込んだ.ここで具体的な金額を書くわけにはいかないが,稼ぎが少なくなった私には,身震いするほどの大金である.
考えようによっては,この種のツアーに参加したいがために,ショボショボながらこの年になっても現役で働いているともいえよう.でも,毎度のことながら,参加費が本当にツアーの価値に値するかが気になるところである.
振り込みが終えて帰宅する.
ホッとしたような,ガッカリしたような妙な気分である.
■ペルー・ピスコ山登頂記録
ブランカ山脈の旅に出掛けるとなると,前回のペルーの旅のことを復習しなければ勿体ないという気分になる.
そこで,乱雑に積み重ねてある資料類の中から,数年前に登ったペルーのピスコ山(標高5,750メートル)の資料をほじくり返して,読み返してみる.
”随分,若くて元気だったな…”
が率直な感想である.
もう,今はとても登れそうもない.
<ペルーの日記帳とブログ記事のプリントアウト集>
■日記帳の内容
日記帳の内容は,ざっと以下の写真のようなのもである.
私は,四六時中,この日記帳を持参したまま旅行している.そして,この日記帳に何でも構わずにメモする.文章で書いていたら間に合わないときはポンチ絵を画く.このポンチ絵は上手い下手は言いこなしである.
私が何時の何か書いていると,私の日記帳を覗き込む人がいる.そんなとき,
「…随分,絵がお上手ですね…」
と言われると,正直,無性に腹が立つ.勿論,表面には出さないが…
「これは絵ではありません.文字で書いていると間に合わないので,文字の代わりに印象を書いているだけですよ…」
しょうじきなところ,こんなもので,絵がお上手ですねとは言われたくない.
<何でも書きなぐる日記帳>
■旅の記録の集大成はブログ記事
旅行が終えたら,日記帳を整理する.
整理した結果を記録したものがブログ記事である.その内容は,ざっと,下の写真のような感じである.
これらは後日読み返すと大変参考になる.
今回のトレッキングルートも,この記事に引用されている地図を見ると,きちんと憑依されている.それに私が自己流で作ったこのトレッキングルートのプロフィールマップもちゃんと掲載されている.作者である当の本人が,このプロフィールマップを作ったことを忘れている.今読み返して,プロフィールマップを作っておいて良かったなと付くずく思う.
<ペルー旅行記(ブログ記事)>
<トレッキングルートの概要>
■サンタクルス谷トレッキングルート地図
前回のペルー訪問では,途中で,ピスコ山登頂グループと,サンタクルス谷トレッキンググループとの2班に分かれて行動した.
私はピスコ山登頂グループに入っていたので,残念ながらサンタクルス谷は歩いていない.でも,もしかしたらピスコ山登頂が不可能になるかもしれないと思って,サンタクルス谷トレッキングルートも予習していた.
下の地図は,前回ペルー訪問時に作成したサンタクルス谷トレッキングルート地図である.ただ,今回は,この地図に示したルートを逆に歩くらしい.
←クリック拡大
■プロフィールマップ
下の図は,このルートのプロフィールマップである.
現地でも正確な地形図が遊手できなかったために,かなりラフなものしか作れなかったが,コースの大まかな様子は理解できる.
これらの地図やプロフィールを眺めながら,このルートの標高はかなり高いものの,この老い耄れジジイの私でも何とか歩けるなと確信している.
←クリック拡大
<そろそろ準備をしなければ…>
■携行品
この記録帳には,克明な携行品リストが残されている.このリストを参考にしながら,そろそろ渡航準備に取りかからなければと思い始める.
もっとも,このリストはピスコ山(標高5.750メートル)登頂を目的としていたので,アイゼン,ピッケル,カラビナ,ロープ,スリング等々高所登山用具が幾つも並んでいるが,今回のトレッキングでは,これらの登山用品は要らないと思う.
<携行品リスト>
出発日20日前;2016年8月17日(水) 蒸し暑い1日
<定期検診とダイヤモックス>
■定期検診
月一回の検診を受けるために,近くにある掛かり付けのクリニックへ出掛ける.
過日,胆石症の手術をしていただいたのは,このクリニックの副院長である.
「どうです? その後,天ぷら食べても大丈夫ですか…?」
「はい…お陰様で…,天ぷらは好物なので,胃が痛くならないのは,とても嬉しいんですが,天ぷらばかり食べているとカロリーオーバーになりそうなので自重しています…」
今日の診断結果は,どこも悪いところが見つからず,まあ,まあ…
先日,世田谷の登山者検診指定医で受けた検査結果の写しを副院長に提出する.その検査結果や,血圧などを測定して,体調に異常がないことを確認する.
■ダイアモックス
「所で,先生,実は今度遠征するペルーのブランカ山脈では,標高4,100メートルの高所でテント泊をして,標高4,800メートルの峠越えをします.それで,念のため頓服用のダイアモックスを処方して頂けないでしょうか…」
これをキッカケに,山の話を少々.
副院長は,この夏,西穂高岳の診療所に詰めておられ,西穂高岳に登られたとのこと.
「西穂高岳ですか! 凄いですね…今度,是非,塔ノ岳に登りましょう…」
「この仕事をしていると,なかなか休みが取れなくて…」
掛かり付けの医師が,山登りをすると伺って,私は大変嬉しくなる.
「今まで,高山病を経験したことがありますか?」
「高山病かどうか分かりませんが,標高が4000メートルを越えると食欲不振になり,良く眠れなくなります…」
色々相談の上,ダイアモックス6錠を処方して貰う.
「高山病の症状が出そうになったら,この薬飲んで下さい.ただし,12時間以上間を空けて下さい…」
実は…
標高4000メートルを越える山に行くときは,必ずダイヤモックスを持参するが,実際に服用することは滅多にない.あくまでお守りのつもりである.
■薬局にて
医師から処方された処方箋を持って,近くの薬局へ.ここもいつもお世話になっている顔なじみのところである.
薬剤師は,開口一番,
「頓服にダイアモックスが処方されていますが,どうしたんですか…?」
と私に聞く.
私は内心で,
”やんぬるかな,またか…”
と面倒な気分になる.
”また説明しなければならないのか”
でも,これもまた私のことを気遣ってのことである.そこで私は薬剤師に海外の高い山に登る予定だと縷々説明する.
「(これこれしかじかで),高い山に登るんで,念のため,高山病予防のためにダイアモックスを持参することにしました…」
「山って! 今でも山登りされているんですか?」
私が高年齢なのに,山へ登るなんて言うのでビックリしたのだろうか.
「はい,まあ,大体,週に1度ぐらいのペースで丹沢へ行っています.」
「へぇ~…! 凄いですね」
ここまでは良かったが,ここから薬剤師が上から目線になる.教師が生徒の質問するような仕草で,
「高山病って,どんな症状ですか?」
と私に言う.
私は,なんでそんなことを改めて聞くのか良く分からなかったが.
「…実は標高が4,000メートルぐらいになると食欲がなくなり,良く眠れなくなります…そんなときに,頓服としてダイアモックスを服用するかもしれません…」
「頭も痛くなるんでしょう?」
これを聞いて,私は一瞬”あれ”と思う.
高い所で,頭が痛くなったらもうオシマイ.まごまごしていたら死ぬかもしれない.頭が痛くなったら下山するしかない.私は医者ではないので,詳しいことは分からないにしても,標高4000メートルを超える高山に何回も登っているので,高山病の怖さは,十分に経験済みである.キリマンジャロ(標高5,800メートル)に登ったときも頭が痛くなることはなかった.ただ食欲不振と眠れないのに悩まされた.
<国際化はこれで良いのか>
■英文の説明文書がない
薬を買うとかならず説明書が付いている.もちろん日本語である.
私は血圧の薬,ダイヤモックス,市販の風邪薬,目薬,うがい薬ぐらいは,海外旅行に持参したいと思っている.
これも定かな情報ではないが,粉末のポカリスエットを海外に持って行ったところ,麻薬ではないかと疑われて,
「…この粉末は何だ…」
でトラブったという.
私も,一番心配するのは,持参する薬が麻薬ではないか勘違いされることである.そこで,薬剤師に聞いてみる.
「…ところで,薬の英文の説明書はありませんか…」
薬剤師は虚を突かれたように,キョトンとしている.
やや間を置いて,
「英語の説明書はありません…でも,包装に薬の名前がローマ字が書いてあるので分かるんじゃないですか…」
と自信なさげである.
国際化が喧伝されているご時世なのに,処方箋薬局に英文の説明文が用意されていないのは,かなり問題のような気がする.
実際の所,日本に滞在している外国人の方は,一体どうされているんだろうか.
■今回持参する薬品類
今回のブランカ山脈トレッキングに,私が持参しようと思っている薬品は以下の通りである.
*血圧の薬(これはやむを得ない)
*目薬(後日眼科医に処方して貰う)
*ダイアモックス
*市販の風邪薬
*うがい薬
*いちじく浣腸
*日焼け止め
*防虫剤
*絆創膏,ガーゼ,三角巾,消毒液などちょっとした怪我に対応できるもの
私は携帯する薬品は,いつもチャック付きの小さなビニール袋に入れている.その中には薬の他に,薬局から貰った使用法の必要な箇所だけを切り取って入れておく.
英文の使用法を入れておけば,絶対に麻薬など疑われることがないのに…
<ダイヤモックス6錠>
<携行品の入れ物>
■まずは入れ物
私の体内に巣喰っているもう一人の私はせっかちである.私を,
”そろそろ,ちゃんと準備をし始めなさい…”
と叱りつける.
”うん,まぁ…,でも,まだ出発日は大分先だよ…”
と私は煮え切らない.
”いつもそんなことばかり言っていて,ギリギリになって,アタフタしているじゃないか…”
ともう一人の私はきついことを言う.
”じゃあ~…,まあ,入れ物ぐらいは準備しよう…”
ということで選んだのが下の写真に写っているもの.
なお,私の狭い作業場(格好良く言えばアトリエ)では,これらの代物を並べるだけのスペースがなかなか取れない.私は描きかけの絵をのけて,やっとスペースを作って,入れ物の写真を撮る.
<入れ物一式>
■リュックサック
まず右端はリュックサック.これはアルパインツアー社のツアーに参加したときに,モニター用として頂戴したものである.勿論,有名メーカー品である.日帰り登山にはちょっと大きすぎるが,数日の宿泊登山には最適な大きさである.ザックカバーも内蔵されている優れものである.
私はこのリュックに着替え一式,防寒シャツ,洗面用具,資料類を入れて,機内に持ち込むつもりである.
■スタッフバッグ
写真中央はスタッフバッグ.これに持ち物の大半を入れるつもりである.
このスタッフバッグは故佐々木慶正国際ガイドのお薦めで購入したものである.軽量なのに,いろいろなものが沢山入るので重宝している.今回は持参しないが重登山靴,12本アイゼン,ピッケル,カラビナ,ロープ類をピッタリと収めることができる.
このスタッフバッグを見る度に,お世話になった佐々木慶正ガイドのことを思い出す.
もし存命ならば,年に数回,いろいろとお誘いのメールが入っていたのに…
■ポーチ
左上は今回持参する予定のポーチである.日本から現地までの往路と復路で使用するつもりである.現地滞在中は多分余り使わないと思う.
このポーチもアルパインツアー社のツアーに参加してモニター用として頂戴したものである.
■物入れのベルト
左下は物入れのベルト.ゴアテックス製.
旅行中,パスポートや重要書類.予備の現金,カード類を入れておく,四六時中(寝るときも),身体に密着させておく積もりである.
これらの入れ物に何を入れるかは,追々決めていくことにしよう.
(つづく)
つづきの記事
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(編集中)
「ブランカ山群トレッキング」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3ac14bd1d44b99a378555e26864f76b7
「ブランカ山群トレッキング」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9e3ba704d9bf4f7278473747420c4534
[参考資料]
ペルー周遊記(ピスコ山登頂);インデックス
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f78082280c7a6bb87b1810478b6786ea
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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