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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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新雪の富士山を眺めながら途中でリタイアの丹沢;塔ノ岳(今年8回目)

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                          <堀山の尾根道から富士山を望む>

 新雪の富士山を眺めながら途中でリタイアの丹沢;塔ノ岳(今年8回目)
            (単独山行)
      2016年3月17日(木)  快晴

<ルート地図>


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■久々の塔ノ岳
 私は土曜日と場合によっては水曜日を塔ノ岳登山の日と決めているが,ここ半月の間はこのところ同居人を某クリニックに連れて行ったり,塔ノ岳に登ろうと予定していた日に限って天気が悪かったりで,塔ノ岳詣でを随分とご無沙してしまった.
 今日は木曜日.私は木曜日に塔ノ岳に登ることは滅多にないが,今日がちょうど仕事の切れ目だし,同居人の病状も,まあ,まあ,良好のようなので,思い切って塔ノ岳に出掛けることにする.今回は今年になって,やっと8回目の乙のだけ詣でである.
 何時ものように,4時10分に自宅を出発する.
 一昨日から晴れの日が続いている.そのため今朝も放射冷却のため,この時期にしては気温が多少低いけれども,時すでに弥生3月.低いといっても大したことはない.それに日中はポカポカ陽気になると天気予報は言っている.

■富士山と矢倉岳
 自宅から大船駅まで歩いて,東海道本線下り初電熱海行に乗車し,小田原駅で新宿行の急行電車に乗り換える.つい先日までは,まだ真っ暗な中で小田急電車に乗り換えていたが,さすがに3月も中旬となると日の出が偉く早くなっている.小田原駅のホームにいる間に,ギンギラな太陽が顔を出す.
 ”ひょっとしたら,富士山と矢倉岳が重なるのが見えるかな…”
 私は久々の富士山と矢倉岳のデュエットに期待する.
 電車が新松田に近付く頃,山裾まで雪で真っ白な富士山が見え出す.そして期待通りに富士山と矢倉岳が重なる写真を撮ることができた.ただ,どうしても露出オーバーになっているためか,肉眼で見るほどハッキリ,スッキリした富士山が写らないのが残念である.
 
<富士山と矢倉岳>

■バスは超満員
 6時20分頃,渋沢駅に到着する.
 大倉行バス停にはすでに数名の登山客が並んでいる.今日は平日だが,春休みのためか若い登山者が多いように思える.
 大倉行1番バスは予想外の混雑である.私は原則として土曜日と水曜日にしか塔ノ岳に登っていない.今日は木曜日なので多分顔見知りの方は居られないだろうと思っていたが,TGさん,TDさんが同じバスに乗車している.バスは超満員である.
 バスは何時もより少し遅い時間,7時05分に大倉に到着する.
<バス停近くの桜(?)>

■天気は上々,大倉から歩き出す
 バス停の待合室で登山の支度を整えてから,7時10分に単独で歩き出す.バス停近くの桜(?)が見事に咲いている.
 TGさんと前後しながら,暫くの間,一緒に登り続ける.
 7時18分,登山口を通過する.
 TGさんの話によると,先日の塔ノ岳山頂付近は,積雪が70センチほどもあるとのこと.もっとも今日は暖かいので,かなり融けてしまうだろうが,頂上付近で雪を眺めるのが楽しみである. 

<登山口>

■見晴階段
 歩き出してからすぐに,自分の体調が余り良くないことに気が付く.とにかく身体全体が妙に重い感じがする.この時点で,今日は無理はしないと心に決める.
 7時22分,克董窯を通過する.釜脇の桜が見事に咲いている.つづいて,7時28分,丹沢ベースを通過する.
 この辺りから胃の辺りに不快感が出始める.
 調子が良いときの五臓六腑は,持ち主に,
 「オレはここに居るぞ」
と主張することはない.だから調子の良いときは,持ち主の方で,どこに胃があって,膀胱があって…などと一々気にしていない.ところが,今日の私の胃は,自分が体内のどこに居るのか盛んに私にアピールする.だから胃の辺りが何となく重苦しくてシクシクしている.
 ”これはまずいな…朝食を食べ過ぎたかな”
 お腹の中で,固くなってしまったような感じの胃を意識しながら,7時36分,観音茶屋を通過する.そして,ジグザクの登り坂に差し掛かる.この辺りは半ば惰性で登り続ける.
 7時52分,見晴茶屋に到着する.ますます胃の調子が悪くなってきたようである.
 私は同行のTGさんに,
 「ここから先の坂道は,ユックリ登りますので,お先にどうぞ…」
とお願いして,単独山行に切り替える.
 見晴階段の下で,恒例の定点観測用の写真を撮る.目の前にはつい先ほどまで一緒に歩いていたTGさんの後ろ姿が見えている.
 階段を登り始めた頃から,だんだんと胃痛が始まる.私はつい先日医師から処方された頓服薬を服用する.何時もなら頓服薬を飲んでから10分ぐらいで胃痛は治まるので,坂道を登りながら胃痛が治まるのを期待している.
 見晴階段を半分ぐらい登ったところで,TGさんの後ろ姿はもう見えなくなる.

<見晴階段>

■駒止階段
 漸くの思いで,見晴階段を登り切る.
 つづいて,モミジ坂に差し掛かる.だらだらとした長い登り坂を,超スローでやっと登って,8時15分,一本松上のベンチに到着する.何時もの私は塔ノ岳山頂まで全く休憩を取らずに登っているが,今日は何となく疲労感があるので,ベンチに座って5分程休憩を取る.
 大倉から一本松上までの所要時間は1時間05分.胃痛を抱えながら登ったにしては思ったより時間が掛かっていない.
 続いて,駒止階段に差し掛かる.
 階段を登るのが,やけに辛く感じる.
 ”まあ,ともかく駒止茶屋までは登ろう…そこから先は小草平までほぼ平坦道だ…”
と自分に言い聞かせながら,一段,一段,階段道を登る.
 8時36分,漸く駒止茶屋に到着する.
 大倉から駒止茶屋までの所要時間は,1時間26分.直近の塔ノ岳詣でのときに比較すると10分ほど余計に時間が掛かっている.
 ”今日は体調が悪いのでやむを得ないな…”
と自分に言い聞かせる.

<駒止階段>

■堀山の尾根道からの富士山
 やがて堀山の尾根道に差し掛かる.何時もならば平坦なところは,かなり歩行速度を速めて歩くが.今日はその気力もない.折角,堀山の尾根道まで来たのだから,せめて小草平までは行こう…そんな気持ちだけで,とにかくゆっくりと歩く.
 ここまで登ると,路肩のあちこちの残雪が見え始める.
 やがて富士山が良く見えるところに到着する.今日の富士山はバッチリである.私は立ち止まって,山裾まで真っ白な富士山の写真を何枚も撮り続ける.

<堀山の尾根道からの富士山>

■小草平
 8時49分,堀山の道標前を通過する.
 ここから,暫くの間,下り坂が続く.その先の短い上り坂を登りきると小草平である.
 小草平前の登り坂に差し掛かるところで,下山してくるTDさんとすれ違う.やけに早い時間である.私は,TDさんに,
 「あれ,どうされたんですか?」
と伺う.
 TDさんはニヤリとしながら,
 「今日は堀山の家までで,降りて来ちゃいました…」
という.
 そのTDさんの返事を伺って,私も塔ノ岳山頂まで登ろうという気持ちが一気に消え失せる.
 「私も,今日は堀山の家を終点にします…すぐあと下山します」
とお返事する.
 短い登り坂を登り切って,9時01分に小草平(堀山の家)に到着する.
 私はヘタヘタとベンチに座り込む.ベンチには先客2人.相変わらず富士山が良く見えている(冒頭の写真).
 今日は平日.堀山の家は閉まっている.
 堀山の家の軒下に吊り下げてある寒暖計は10.5℃を指している.ハイキングには丁度良い気温である.

<小草平の「堀山の家」>

■小草平から下山開始
 小草平のベンチに座りながら,もう少し登ろうかと心が動揺する.でも体調が悪いときは無理は禁物である.
 ”今日は断固下るぞ…”
ともう一度自分に言い聞かせてから,9時10分,下山開始.
 塔ノ岳山頂まで登らないで,途中から下山すると,なんだかズルをしたときのような気分になるが,体調の悪いときは仕方がないなと何度も自分に言い聞かせる.
 小草平から下山開始となると,時間が有り余っている.
 私は超ノンビリペースで歩き続ける.その間,依然として胃痛が続く.どうやら頓服薬が効いてこないようである.
 下山の道すがら,枯れ枝の間から,相変わらず富士山が良く見えている.
 胃痛が一向治まらないので,やむなく漢方薬を服用する.服用後,15分ほどで.こちらの薬は少しは利いて,胃痛は大体治まる.でも相変わらず胃の辺りに違和感が残る.

<後草平直下から辛えだの間の富士山を望む>

■休み休み大倉へ下山
 胃痛があると,どうも一気に下り続けることができない.
 休憩用のベンチのある駒止茶屋,一本松,雑事場ノ平,観音茶屋で,それぞれ5分ずつ休憩を取りながら,ユックリ下山して,11時13分に何とか大倉まで下山する.
 洗い場で沓の泥を落として,大倉11時17分発渋沢行のバスに乗車する.渋沢からは小田急電車で小田原へ,小田原でも電車の接続が良くて,すぐに上野東京ラインの電車に乗車する.
 今回は,小草平までしか登らなかったのに,大変な疲労感が残っている.私は電車の椅子に座り込むなり,居眠りを開始する.
 こうして,何とか13時過ぎに帰宅する.
 妙に疲れが貯まっているので,何もせずに,いきなり自分のベッドに潜り込んで17時頃まで眠りこける.こうして漸く疲れから解放される.
 夕方からは胃の違和感からも解放される.
 今回の登山は散々だったが,たまにはこんなこともあるんだなと,自分自身に言い聞かせる.

<ラップタイム>

 7:10  大倉歩きだし
 7:28  観音茶屋
 7:52  見晴茶屋
 8:36  駒止茶屋
 9:01  小草平(堀山の家)着
 9:10    〃         発 
 9:41  駒止茶屋
10:20  見晴茶屋
10:40  観音茶屋
11:15  大倉着

[山行記録] 

■水平歩行距離      4.3km

■累積登攀高度         695m

■累積下降高度      48m

■登り所要時間(休憩時間を含む)
 大倉発             7:10   
 小草平着             9:01
 (所要時間)          1時間51分(1.85h)
 水平歩行速度     4.3km/1.51h=2.84km/h
 登攀速度        695m/1.51h=460m/h

■下り所要時間(休憩時間を含む)
   小草平発            9:01
 大倉着            11:13
 (所要時間)       2時間11分(2.18h)
 水平歩行速度      4.3km/2.18h=1.97km/h
  下降速度         695m/2.18h =319m/h
                                                                  (つづく)

[加除修正]
2016/3/20 転換水訂正.本文訂正

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/abee12474e26f72a409ded15c18f96c1
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

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