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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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寒い尾根道をトボトボ登る丹沢;塔ノ岳(今年28回目)

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      寒い尾根道をトボトボ登る丹沢;塔ノ岳(今年28回目)
            (単独山行)
     2015年12月23日(水・祝) 曇一時霧雨

■今日は天気が良くなさそうだ
 この所,土曜日には塔ノ岳に登ることにしているが,先週の土日は,他のグループとの先約があって,塔ノ岳には登れなかった.そこで,水曜日の今日,1週間ぶりに塔ノ岳に登ることにした.
 昨日の天気予報によると今日は夕方まで曇,夜から雨ということだった.所が当日の朝の天気予報では15時頃から雨になっている.雨の降り出し時間が当初の予報より大分早くなったようである.
 私は,今日の塔ノ岳詣ではヤメにしようかと大分迷った.それに,数日前からどうも体調が今ひとつである.別に何処が悪いというわけではないが,何となく身体が重い感じがする.ただ,重い感じがするからといって,特段に気分が悪いというわけでもない.
 「まあ,出掛けてみるか…」
ということで,何時ものように4時10分に自宅を出発する.
 今日は祝日でお休みである.何時もの平日より,多分,電車は混雑するだろうなと思ったが,何時もの平日とあまり変わらないようである.
 小田原駅で小田急電車に乗り換えるために,ホームの階段を登る.このときに,今日は随分と身体が重く感じることに気がつく.今日の私の体調は,どうやら最悪のようである.
 渋沢に到着する.天気が余り良くないためか,登山客も随分と少なめである.たまたま乗り合わせた常連は,三角髭のTDさん,俊足のKMさん,ランナーのHさんとそのお友達,MTさん,IwIさん.
 7時丁度にバスは大倉に到着する.

■歩き出しから一人旅
 時間が勿体ないので,大倉に到着したら,すぐにでも歩き出すつもりだったが,準備作業が不手際で,無駄な時間を随分と費やしてしまう.結局,私が歩き出したのは,常連さん全員が歩き出した後の7時10分である.
 雨雲が低く垂れ込めていて,風こそ吹いていないが,やけに寒い.今日の私は完全な一人旅である.寂しい感じもするが,気楽なので精神的にはホッとした気分である.
 それにしても身体が重い.私はノソノソと登り続けて,7時15分,やっと登山口に辿り着く.
 登山道入口で名残の紅葉を眺めながら,登山道に入る.
 7時20分,克董窯を通過する.すぐに歩きにくい敷石の道に入る.このところ雨が降っていないはずなのに路面が濡れていて滑りやすい.7時28分,ようやく丹沢ベースを通過する.
 7時30分,トラバース道に入る.天気が良ければ,朝日が真横から射し込む素晴らしい場所だが,今日は朝日も射さず憂鬱である.私は気勢が上がらないまま,ただ惰性でソノソと登り続ける.
 7時37分,漸く観音茶屋を通過する.

<名残の紅葉;登山道入口にて>

■見晴茶屋からの眺望
 観音茶屋を過ぎるとジグザグの登り坂になる.周囲は杉林.薄暗くてジメジメしている.足許に気を付けながら,今日の体調に合わせて,スローペースで登り続ける.
 7時55分,ようやく見晴茶屋に到着する.例によって,見晴茶屋から相模湾を望む風景をデジカメに収める.
 今朝は曇り空.この時期の風物詩である光る海は残念ながら見ることができない.

<見晴山荘から相模湾を望む>

■見晴階段
 見晴茶屋を通過して,見晴階段に差し掛かる.例によって階段を見上げた写真を撮る.周囲の木々はすっかり落葉してしまい寒々とした雰囲気である.
 何だか今日は身体が重いなと感じながら,階段を一段,一段を.やっとこさ,やっとこさと登り続ける.頭の中では,まあどんなに低速でも階段を一段ずつ登れば,いつかは階段も終わりになるだろう…なんて,思っている.
 ときどき,喉に絡む痰を吐き出しながら登り続けるが,風邪でも引いたかなと心配になる.

<見晴階段>

■モミジ坂も冬景色だ
 見晴階段を登り終えて,モミジ坂に差し掛かる.もう冬枯れの風景に変わってしまった.
 「そろそろ軽アイゼンをリュックの中に入れておかなければ…」
と思いながら登り続ける.
 私の前後には全く人影がない.
 8時14分,ようやく一本松を通過する.

<冬景色に変わったモミジ坂>

■立ちはだかる駒止階段
 8時25分,ようやく駒止階段に辿り着く.
 私にはこの階段が難儀である.身体が疲れないように注意しながら慎重に登り続ける.
 8時32分,駒止階段を登り切って,漸く駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は,1時間22分.いかにも遅いが,今の自分の体力では,まあこんなものだなと認めざるを得ない.
 休憩を取らずにそのまま堀山の尾根道に差し掛かる.

<堀山階段>

■見えない富士山と小草平
 堀山の家から小草平までの尾根道を歩くのが,一番気分が良くて楽しい.今日は雲が低く垂れ込めているので眺望が楽しめないのが残念.でも諦めきれない私は,富士山が良く見えるはずの場所で,見えない富士山の写真を撮る.これも大倉尾根での私の定型プロセジュアなので従わないわけにはいかない.
 堀山の標識を過ぎると,ほんの暫くの間,下り坂になる.この下り坂,気分転換に最高である.
 やがて下り坂が終わって,登り返しになる.とたんにしんどくなる.やっと坂道を登って,8時53分,小草平に到着する.小草平のベンチには誰も居ない.辺りは静まり返っている.勿論,堀山の家も閉まったままである.私の携帯電話で気温を計測すると+3.5℃.寒い.
 私はそのまま小草平を通過して,長い坂道に差し掛かる.

<堀山の尾根道で見えない富士山の写真を撮る>

■萱場平
 小草平から岩礫の急坂を登り続ける.もう何も考えずに,ひたすら登る.岩礫の道を過ぎると長い階段道になる.これが結構大変である.階段道だとついついオーバーペースになりがちなので,自分の気持ちを抑えながら,慎重に登り続ける.私は心の中で,
 ”おまえさんも,もう年なんだ…自分が年寄りだということをよくよく自覚して慎重に登りなさい”
と注意し続ける.
 注意し続けたためか,汗もかかず,呼吸も乱れない状態のまま,9時16分,萱場平に到着する.
 このにも人の気配はなく,静まり返っている.
 私は,夏の間,木道の間に繁茂していたアザミの写真を撮る.今はもうすっかり枯れてやせ細ってしまった.
 ”また,春になったらお目に掛かろうね”
とアザミに挨拶して,萱場平を通過する.

<萱場平>

■後七分坂
 萱場平の木道を過ぎてから,ほんの暫くの間,平らな道が続く.ところどころ泥んこなのが困るが…
 この平らな道を歩いている間に,呼吸を整え,足の疲れを癒す.そして,やおら次の坂道に取りかかる.ここから先,後七分坂(花立階段)に差し掛かるまでの山道を登るのが私には楽しい.
 まずは,短い木製の階段を登る.その先は道幅が広い登り坂の階段道が続く.この階段道は階段の幅が広いので,階段1段を2歩で登る感じになる.無心になってひたすら登り続けると,突如,階段のリズムが乱れて急坂になる.その先で,大きな岩を廻り込むようにして登ると,今度はガレ場である.
 この辺りまで登って振り返ると,視界が開けているのに気がつく.そして,9時36分,後七分坂に到着する.正直なところ,階段を見上げ,この階段を登るのかと思うとウンザリする.でも,いくら私がリハビリ中とはいえ,ここで退散して下山する気にはなれない.1段,1段,ユックリ登るしかない.
 階段の途中で,何回も,まだ階段が続いているの…と思いながら,ヤケになって登り続ける.

<花立階段を見上げてガックリ>

■花立山荘
 花立階段をやっと登って,9時45分,やっと花立山荘に到着する.風は吹いていないが,とにかく寒い.富士山は勿論見えない.山荘前の広場には誰も居ない.辺りは人気がなく静まり返っている.
 大倉からの所要時間は2時間25分.元気な頃なら,塔ノ岳山頂に到着している時間である.小草平からの所要時間は47分.これも今年の初めまでは40分を標準にしていた.怪我をする前と比較すると実に情けないが,これが現実.認めないわけにはいかない.
 山荘脇のわずかな平坦を歩いている間に呼吸を整えて,花立山に向かう階段道に差し掛かる.

<花立山荘>

■花立山
 花立山荘から暫くの間,踏み高がヤケに高い階段が連続する.私にとって,大倉尾根で一番きつく感じるところである.つらいなと思いながら,半ば惰性で登り続ける.階段が終わって,ガレ場に入る頃になると,辺りの気候が一変してますます寒くなる.私は喘ぐようにして急坂のガレ場を登り続ける.
 晴れていればガレ場を登りながら富士山や相模湾の眺望を楽しむことができるが,今日は深い霧に覆われていて,殆ど何も見えない.
 9時57分,ようやく花立山山頂に到着する.花立山荘から花立山山頂まで12分も掛かっている.これにはさすがの私も驚いてしまう.

<花立山山頂から塔ノ岳を望む>

■塔ノ岳山頂
 10時05分,漸く金冷シを通過する.ますます寒くなる.
 最初の階段道を登って,2番目の階段を登り始める.10時11分,後ろから,
 「FHさあ~ん…」
と私を呼ぶ声がする.後のバスで来られたTTさんである.TTさんは相変わらずの俊足で,私を抜いて,グングンと登って行かれる.私は,
 「…今日は尊仏山荘には立ち寄らずに下山します…どうせネコに会えないでしょうし…」
と言い訳をする,もちろん,ネコのことは咄嗟の思いつきである.
 TTさんはドンドン私を引き離して行く.
 10時21分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.猛烈に寒い.何も見えない.山頂の気温は+2.1℃.冷たい風が吹いている.
 大倉からの所要時間は,3時間11分.肌建て山荘から36分.共に冴えないラップだが,とにかく山頂まで登ったことで,今日は良しとしよう.
 尊仏山荘に入ると,また時間が長くなるので,山頂には立ち寄らずに下山することにする.登りではストックを使わないが,下りでは膝の負担を軽減させるために,2本ストックを使用することにしている.
 寒い山頂で,大急ぎでオニギリ1個を頬張る.そしてフリースとウインドウブレーカーを着込む.そしてそろそろ下山しようかと思っているところに,霧の中からKMさんがヌツと現れる.勿論,一緒の速度で下山することなど不可能なので,先に下山して頂く.
 10時30分,私も下山開始である.

<眺望のない塔ノ岳山頂>

■顔見知りの方とすれ違う
 前回の塔ノ岳に比較すると,下山はかなり馴れてきたようである.まあまあの速度で,山頂付近の階段道を下り続ける.
 山頂から2番目の階段をほぼ下りきるところで,山旅スクール5期のTBさん,ONさんとすれ違う.お二人とは,つい先日の日曜日に,鎌倉の山道を歩き廻ったばかりである.以前なら,
 「…では,もう一度,一緒に山頂まで登りましょう…」
となるところだが,
 「今日は寒いので,先に下山します」
ということでお別れする.我ながら元気が無くなったものだなと密かに思っている.
 さらに下ったところで,何時も日曜日に登っておられるMMさんとすれ違う.
 「おや,水曜日に…珍しいですね」
 「今日は祝日ですよ…休日です!」
私,なるほど!
 10時56分,花立山荘を通過する.
 花立階段を下りている途中で,重い荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
 「…やあ,FHさん,鎌倉案内の…」
とチャンピョンが私を確かめるように挨拶する.チャンピョンは石油入りの大きなポリタンクを2本背負っている.
 「荷物,大分重そうですね…」
 「いや…今日は大して重くないです…」

<花立階段をチャンピョンが登る>

■常連のお二人に追い抜かれる
 萱場平手前のガレ場を下っているときに,MTさん,TTさんのお二人が私に追い付く.
 「尊仏山荘のネコ,今日はノンビリしていましたよ…今日の小屋番はWDさんでしたよ.だからネコもリラックスしていましたよ」
 「そうでしたか…残念」
 「今度,尊仏山荘を覗いて,ネコが居たら入るようにしたら…」
 「なるほど!」
 それもご尤もだが,今の私の脚力では,大倉発13時11分のバスに乗るためには,山荘でユックリする時間がないというのが本音のところである.
 お二人は私を追い抜いて,またたくまに遠ざかって行く.怪我をする前には,私もお二人とほぼ同じ速度で下山できたのに…と思うと口惜しくなるが,止むを得ない.
 萱場平付近から次第に雲行きが怪しくなっていたが,何時の間にか霧雨が降っている.雨具を着用するほどでもないが,次第に着衣が湿っぽくなりはじめる.
 11時30分,小草平を通過する.今日は祝日だが堀山の家は閉店したまま.続いて,11時50分,駒止茶屋を通過する.急げば12時41分のバスに間に合いそうだが,これこそ怪我のもと.私は予定通り13時11分のバスに乗ることにする.それならば,もっとゆっくりでも良いな.

■バスの時間に合わせて下山
 ここから先は,全くの一人旅である.
 見晴階段を慎重に下って,12時15分,見晴茶屋を通過する.ここから先は淡々と下り続ける.
 12時30分,観音茶屋に到着する.観音茶屋は開いているが,お店に主人,女主人ともに居られない.話し声だけが外へ聞こえてくる.観音茶屋で「お汁粉」ぐらい食べる時間があるが,敢えて立ち寄ることもないので通過する.後は時計と睨めっこしながら,靴洗いの時間だけ残すように調整しながらユックリと歩き続ける・
 12時38分,丹沢ベースを通過する.この辺りの敷石がベットリと濡れていて,滑りやすく,とても歩きにくい.克董窯近くの歩道道路にたどりついてホッとした気分になる.
 登山道付近の名残の紅葉を眺めながら,12時53分,バス停大倉に下山する.
 下り所要時間は2時間23分.まだ一寸時間が掛かりすぎだが,今の私にはこの程度のラップが最適だと思っている.

<再び登山口近くの紅葉を愛でる>

■ヤッパリ山登りは良いな
 予定通り大倉発13時11分のバスに乗車する.IwIさん,MMさんが一緒のバスに乗車する.先ほど私を追い抜いていったMTさんとTTさんは1本前にバスに乗られたようである.
 渋沢駅と小田原駅での電車の接続が良かったので,14時30分に大船駅に到着する.
 バスの接続も良くて,15時前に帰宅する.
 先ほどの霧雨のためか,下着まで湿っぽくなっている.早速乾いた下着に着替える.実にサッパリした気分になる.ついでに,登山できていた衣類一式を洗濯機に放り込んで洗濯を済ませる.そして,少々早い時間に風呂に入って,冷たくなった身体を暖める.私は酒は嗜まないが,まさに小原庄助さん的な気分で最高.
 やっぱり,山登りは良いなと,感じ入った次第である.

<ラップタイム>

 7:10  大倉歩きだし
 7:37  観音茶屋
 7:55  見晴茶屋
 8:32  駒止茶屋
 8:53  堀山の家(小草平)
 9:45  花立山荘
10:05  金冷シ
10:21  塔ノ岳山頂着
10:30     〃   発
10:42  金冷シ
10:56  花立山荘
11:30  小草平(堀山の家)
11:50  駒止茶屋
12:15  見晴茶屋
12:30  観音茶屋
13:53  大倉着

[山行記録] 

■水平歩行距離      7.0km

■累積登攀下降高度   1,269m

■登り所要時間(休憩時間を含む)
 大倉発             7:10   
 塔ノ岳山頂着          10:21
 (所要時間)       3時間11分(3.18h)
 水平歩行速度     7.0km/3.18h=2.20km/h
 登攀速度        1,269m/3.18h=399m/h

■下り所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳山頂発        10:30
 大倉着            13:53
 (所要時間)       2時間23分(2.38h)
 水平歩行速度     7.0km/2.38h=2.94km/h
  下降速度        1,269m/2.60h =533m/h


「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/edf9d6931738f47df31c42b965f08730
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスは後刻修正する.


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