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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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閑話休題:登山家”谷口けい”さんの訃報にショック!

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                       パプアニューギニアの”谷口けい”さん>

    閑話休題:登山家”谷口けい”さんの訃報にショック!
  
       ※谷口けいさんの写真を投稿してよいかずいぶん戸惑いましたが,新聞にも谷口さんの
       写真が公開されていましたので,当ブログでも谷口さんの写真を投稿しました.でも問題
       があれば直ちに消去します.

2015年12月22日(火)

 私はいつも通り,4時頃起床した.
 最初に私の目に飛び込んできたのは,登山家谷口けいさんの滑落事故のニュースである。このニュースに接して、私は物凄いショックを受ける。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 今から8年前,私はアルパインツアーサービス主催のパプアニューギニアのウイルヘルム山登頂ツアーに参加したことがある.そのときのツアーリーダーが谷口けいさんだった.まだ,谷口さんが無名の時代である.
 初めて谷口さんにお会いしたとき,この小柄でかわいい女性が登攀ガイドだとはにわかに信じられなかった.
 ところが,いざ旅に出てみると,物凄くアグレッシブで経験豊かな上に,とても慎重な方だなとすぐにわかった.
 ちょっと言い回しが難しいが,パプアニューギニアは凄いところだった.
 空港に到着すると,黒山の見物人が空港を取り囲んでいる.だれか出迎えに来ているのかと思ったら,時間つぶしに集まっているとのこと.凄い服装と真っ黒の顔立ちの人たちに取り囲まれて,私は息が詰まるような気分になった.しかし,谷口さんは平気である.すぐに現地スタッフの方と仲良くなってしまう.
 さらに驚いたことには,参加者が持参している重たいトランクを,”えいやっ…”と一人で担ぎ上げ,自動車の荷台に載せてしまう.凄いパワーだ.
 私は,谷口さんが何とか無事でいてほしいと願っていたが,残念な結果になってしまった.
 今となってはご冥福を祈るのみ.合掌,
 「おせわになりました…」

<現地案内人と肩を組む谷口さん;向かって右側が現地チーフガイドのトビアスさん>


<参加者の写真を撮る谷口さん>

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 それにしても,山は怖い.
 私は何人かの山岳ガイドの訓導を受けたり,ガイドをしていただいたりしている.モンブランやメンヒ,ユングフラウなどをガイドしていただいた佐々木慶正さんも2~3年前に帰らぬ人となってしまった.私が最も信頼し敬服していた方である.このときの私のショックも大きかった.
 ペルーのピスコ山登頂でお世話になった三井さんと現地山岳ガイドクラディオさんも数年前ワスカランで雪崩に巻き込まれて亡くなった.クラディオさんのかわいい息子さんは今どうしているんだろう.
 そのほかにも,モンブランに登る前の富士山雪山訓練でお世話になった尾崎さんもエベレストで亡くなった.
 山旅スクール1~4期のガイドだった方も…
 また,山旅スクールでお世話になったNDガイドも北アルプスで事故を起こして,ガイドを廃業した.私が傘寿を越えても,何とか山登りを続けていられるのも,これらの方々からいろいろと指導を受けることができたからである.

 さて,こんな話を縷々続けると,
 「…やっぱり山は危険だ…」
と言うことになってしまう.
 でも,ちょっと待っていただきたい.
 確かに山は危険である.では,自動車を運転するのと,山に登るのとでは,どちらが危険なのだろうか?
 私には軽々に判断できないなと思っている.
 自動車を運転すると言っても,もっぱら近場のスーパーでの買い物や,子供やご主人を駅まで送る程度しか運転しない人もいるだろう.さらに,どこへ行くのにも電車やバスは使わずにもっぱら自家用車というヘビーユーザーもおられるだろう.さらに,どこかのサーキットでオートレースをするプロのドライバーも居るだろう.
 山だって同じである.
 私のように普段は塔ノ岳か鎌倉の山しか登らない登山者も居るし,尾崎さんや谷口さんのように,ヒマラヤの高峰を登る方も居られる.
 私のように,平素,近場の里山程度の山にしか登っていない人間に対して,「山は危険だ」というのは,もっぱら近場のスーパー通いにしか車を使わない人に,「車は危険だ」と言っているのに等しい.
 もちろん,それでも,車も山も危険と言えば危険である(だから私も次回の免許更新の時は免許証を返上しようと思っている).

 ついつい話が長くなってしまったが,私もいっそう安全登山に徹するつもりである.
 そうすることが,あの世に旅立ってしまった恩人ガイドに報いる最大の供養だろうから…
                                                (おわり)
「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7bbab5e400867375e0cca78f160f4d77
「閑話休題」の次回の記事
(なし)










 
 


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