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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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残暑の鎌倉;久々の雨が嬉しい鎌倉中央公園

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                             <雨の鎌倉中央公園>

     残暑の鎌倉;久々の雨が嬉しい鎌倉中央公園
         ”Just walking in the rain.”
            (独り散策)
       2015年8月17日(月)雨・一時強風

 何時ものように,4時過ぎに起床する.どうやら夜半から雨が降り続いている.随分と涼しい.涼しいと何だか嬉しくなる.
 午後から,雨の中,ビニール傘をさしてお散歩だ.
 ”こんなに雨が降っているので,なんでわざわざ外へ出るんだ…びしょ濡れになるに決まっているじゃないか…”
と,例により私の体内に巣喰っているもう一人の私が,文句を言う.
 ”うん,まあ,そうだけど…でも,歩きたいんだよ…”
 そうは言っても,こんな雨の日にわざわざ草藪の中や山へ登るのは,いくら物好きの私でも避けるのは当然である.そこで,今日は大船までおとなしくお散歩するだけ…
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 清水塚口から鎌倉中央公園に入る.
 雨の日に公園を散策している人はさすがに居ない.雨傘に当たる雨の音を聞きながら,だれも居ない公園を,一人でノンビリと歩くのも,なかなかいいものだ.
 雨で濡れた公園の緑が,何時もより一層生き生きとしているし,濡れて光る木道も楽しい.
 ”こういうの,オレ,好きなんだよ…”
ともう一人の私に弁解する.
 かなり雨脚が強いので,雨傘をさしていても,膝から下がたちまちの内にびしょ濡れになる.
 私の今日に出で立ちは,ショートパンツに半袖.それに念のため防水機能のある靴を履いているが,靴の中は足を伝って流れ込む雨で,すぐにグチョグチョになる.でも,それも良いさ…


 雨のためか,とても涼しい.
 このところ蒸し暑い日が続いていたので,たとえ雨でも,涼しければ御の字だ.涼しければ気分も弾む.
 ”Just walking in the rain…”
 昔,昔…裏町の映画館で感激しながら見たジーンケリー(だったかな?)の映画のシーンを思い出す.
 ”涼しいな…良い気分だ”
 そう思いながら,念のため携帯電話の温度計で,気温を測定してみる.
 ”ありゃ~っ…! 29.7℃もあるぞ…!”
 これには驚いた.涼しいなと思ったのに30℃近くにも達する高温である.この所,35℃にも達する猛暑が連続したので,私の体内温度計がすっかり狂ってしまったようである.
 雨脚がさらに強くなる.
 ビニール傘越しに.「しし石」が霞んで見えている.
 

 山崎口から公園の外へ出る.
 山崎の集落を抜けて,戸ヶ崎から天神山の山裾を通ってJRの廃線を渡る.まだ線路が見えているが,すぐ先は雑草に覆われていて,線路が全く見えなくなっている.
 私はちょっと気になって,廃線の上で立ち止まる.
 この線路を見ていると,何となく.「一寸先は闇…」という慣用句を連想する.
 ”この線路,まるでオレみたいだな…”
 この所,何かと悲観的になりやすい私は,碌でもない連想をしてしまう.


 台2丁目付近の密集した住宅地内の路地に入る.
 雨脚が一層強くなる.次第に風も強くなる.
 ”こりゃあ~…ただごとではないな…”
 私は,なるべく早く大船駅まで行って,路線バスで帰ろうと思う.叩き付けるような強い雨で足元の舗装道路にさざ波が立ち始める.


 あともう少しで大船駅というところで,いきなり渦巻くような強風に煽られる.私がさしているビニール傘が一瞬でオチョコになってしまう.骨が8本ある頑丈な雨傘だが大半の骨が無惨にも折れ曲がってしまう.一巻の終わり.もうこの雨傘,全く使い物にならない.
 雨の中で,取りあえずは曲がってしまった骨を真っ直ぐに治す..ようやく何とか傘がたためる状態にまで骨を治したときは,もう全身ずぶ濡れである.
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 バス停に辿り着く.
 たった今,バスが出たばかり.次のバスまで30分近く時間がある.吹き曝しのバス停でバス待ちをするのも惨めだ.私は久々にルミネ1階のコーヒーショップで時間潰しをする.
 この所,自宅でまずいコーヒーばかり飲んでいたので,美味しいコーヒーを一口飲んだだけで,オチョコ傘で惨めになった気分が,たちまちの内に雲散霧消する.
 コーヒーショップは,多分,私と同じように強い雨脚を避ける人たちで結構混雑している.


 路線バスに乗って自宅に帰る.
 テレビで,藤沢方面で強い風が吹いて,かなりの被害があったことを知る.どうやら私が雨傘をオチョコにしたときと,ほぼ同じ頃,藤沢では強風が吹き荒れていたようである.
 何はともあれ,ずぶ濡れの衣服を着替える.
 ”わざわざ雨の最中に,何の目的もなしに外を彷徨くとは…我ながらアホだな”
と自分自身に呆れながら,午前中にやり残した仕事やら,展覧会に出品する絵の選択やらで,ゴチャゴチャしている内に,夜になる.
 念のためPCを覗き込むと,「尾根の瓦版」の編集長から,打ち込み依頼のメールが入っている.打ち込む量は大したことないが,何となくすぐに対応する気になれず,
 ”明日,明日…”
と独り言を言いながら,PCの電源をオフにする.
 こうして,私の勿体ない1日が終わった.
                                  (おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bbf6079ed654acee914e94656f26969b
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
(なし)

 


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