<離山の富士見地蔵>
残暑の鎌倉;低山歩き;たちん台付近から離山を巡る
(独り散策)
2015年8月14日(金) 晴・残暑
<ルート地図>
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■離山は果たして山か?
ここ数日,相変わらず残暑が厳しいものの,朝の内は幾分涼いような気もしている.夜明けの時間も数週間前に比較するとめっきり遅くなったようである.暑い暑いと言いながらも秋は確実に近付いているようである.
さて,今日も午後からは定番の低山歩きである.
今日は時間の都合もあるので,大船駅近くに聳えない離山を回ってみようと思う.ただ,この離山だが,確かに名称に「山」は付いているが,果たして山に値するかは,全く定かではない.
念のため,ウイキペディアで調べてみると,山の定義はなかなか面倒なようである.それはさておき,国土地理院発行の地形図に山の名前が掲載されている山の中で一番低い山は仙台市にある日和山(ひよりやま)(標高3メートル)だそうである.
ところで,今日の主題である離山は,残念ながら地形図には名前が掲載されていないので山ではないかもしれないが,日和山よりは少し標高が高いし,鎌倉では一丁前の地名として扱われているし,山の歴史もあるところなので,一応,低山歩きの対象にしても構わない…ということにしておこう.
“それにしても,お前さん! 随分と物好きだな…下らんことを調べるのに時間を費やすなんて…”
私は,またしても,私の体内に巣喰っているもう一人の私に呆れられる.
■今日はちょっと涼しいかな?
何時ものように午前中はソソクサと仕事をこなす.今日は一寸した単行本を一冊斜め読みして,その本の内容を要約し,論評をくわえて,研究仲間にPCメールで送った.ボケタ頭で専門書を読むのは,もうカンベンしてくれと言いたいところだが,もうヤケクソである.
そして,同居人と雑談しながら,昼食の冷や麦を平らげる.
さて,ここからが私の自由時間である.例によりオンボロカメラを片手に,ソソクサと自宅を出発する.ただ,今日は自宅でやりたいことが,もう少し残っているので,お散歩の時間は,せいぜい2時間程度にしたい.そうなると,いくら低山歩きとはいえ,そう遠くまで行ってくる時間がない.
そこで,今日は実に手軽にアクセスできる離山に登ることに決定.
例により,鎌倉中央公園清水塚口が出発点である.
13時39分,清水塚口から歩き出す.
“今日はちょっと涼しいかな…?”
と思いながら,清水塚口で気温を測ってみる.しかし,気温は31℃を越えている.この頃の超蒸し暑い日の連続で,気温の感覚がおかしくなっているらしく,気温が30℃を超えていても涼しいと感じるようになっている.
園内を散策している人はほとんど居ない.事務所前で開店している氷水屋は手持ち無沙汰のようである.
下の池の湖畔に群生するユリが見事だ
<外気温31℃> <下の池の畔のユリ>
■東京上空に積乱雲
今日も東京上空に積乱雲がもくもくと立ち上っている.相変わらず大気が不安定なようである.
<東京上空に積乱雲>
■薬師寺跡ともろん台
山崎口から中央公園の外へ出る.
14時02分,薬師堂跡に到着する.
『かまくら子ども風土記』(p.257)によると,ここは群馬県にある高野山の慈眼寺の末寺,鎌倉十体の一つといわれる薬師如来が安置されていたという.この薬師如来は運慶の作と言われる,現在,光照寺にある薬師如来が,薬師堂跡に安置されていたものだという.
道路は薬師堂跡を廻り込むように北に向かう.薬師堂跡から西に向かって尾根が伸びている.その尾根伝いの所にどうやら「もろん台」のようである.
前掲書(p.256)によると,戦時中,この殆どが削り取られてしまったが,ここには天神社の末社,神明社が祀られていたが,北野神社の境内に移された.昨日登った北野神社の境内で見た2基の石祠が,この神明社に祀られていたものである.
余談だが…
鎌倉をブラブラ歩きしていると,色々なところの結びつきが分かってくるから興味深い・
<薬師堂跡> <もろん台>
■山崎打越公園
14時05分,山崎打越公園の脇を通過.水道山山裾を巻く道を歩く.
14時16分,小袋谷の跨線橋を渡る.ちょうどそのとき湘南新宿ラインの下り電車が通過する.
前方には六国見山が見えている.
<山崎打越公園> <跨線橋から六国見山を望む>
■富士見地蔵・旧鎌倉街道中道
14時22分,富士見地蔵が祀られている三差路に到着する.ここは離山への登り口でもある.
地蔵前には「旧鎌倉街道中道」と刻字された石柱が立っている.
<富士見地蔵> <旧鎌倉街道中道>
■富士見地蔵尊
富士見地蔵尊を拝観する.毎度拝観する度に,実に良く手入れされているなと感銘を受ける.
富士見地蔵尊を拝みながら,数分休憩を取る.
<富士見地蔵尊>
■離山に登る
14時24分,離山入口(敢えて言えば登山口)から,極々なだらかな上り坂に入る.どこか一番高い山頂か分からないうちに,緩やかな下り坂になる.道路の両側には切れ目無く住宅が建ち並んでいる.
前掲書(p.214)によれば,ここ離山には,以前,三つの山が並んでいたという.北側から腰山,長山,地蔵山である.この三つの山が離れて並んでいたことから離山という名称が付けられたようである.元弘3年(1333年),新田義貞鎌倉攻めのときに,この離山に武将を集めて軍議を開いたという.また,足利成氏が,この離山辺りで,今川範忠に追われ,古河に逃れ,古河公方を名乗ったとのこと.
なお,先ほど参拝した富士見地蔵尊は,もともと地蔵山にあったという.
今は,平凡な住宅地になってしまった離山でも,歴史上に残るいくつかの出来事があったかと思うと感無量である.
<離山登り口> <反対側の登り口>
■離山交差点
14時30分,離山交差点近くでバス通りに出る.
昔のはやれ山の名残なのか,バス通りもこの辺りが少し高くなっているようである.交差点の向こうには,六国見山が大きく聳えている.
これから大船駅へ向かうが,もう大船の市街地である.道順などどうでも良い.適当に路地を選びながら,大船駅に向かう.
<離山交差点>
■今日も1日早々と過ぎてしまう
大船市街地を適当に曲がりくねりながら歩いて,14時35分に大船駅に到着する.
今日は自宅で色々やりたいことがあるので路線バスに乗って帰宅するつもりである.バスの時間は14時55分である.まだ,ちょっと時間がある.
私は,ルミネ6階の本屋を一回りしてから,14時50分にバス停に戻る.
”あれぇ~…,変だな,バス待ちの人が居ないぞ…おかしいな”
と怪訝な気分で,バス停に向かう.
バス停の掲示板を見て納得.今日からお盆の間は休日ダイヤで運転すると書いてある.
私の乗りたいバスは,休日なので14時45分発だった.次のバスは15時10分発.今更仕方がない.炎天下で日焼けしながら,次のバスを待つ.
漸くバスに乗車する.車内は物凄く冷房が利いている.乗り込んだ途端に冷房ショックを受ける.冷房温度は28℃,昨日帰りに乗ったバスと同じ温度である.
こうして,予定より少し遅れて帰宅する.
”さあ~てっと!少し頑張らなければ…”
と思いながら.PCの電源を“on”にする…が,眠くなる.ちょっとうたた寝のつもりで,机に突っ伏す,ほんの10分ほどうたた寝するつもりが,小一時間居眠りしてしまう.
こうして,また,貴重な1日が何となく終わってしまった.
<ラップタイム>
13:39 鎌倉中央公園清水塚口から歩き出し
14:02 薬師堂跡
14:03 もろん台
14:16 小袋谷跨線橋
14:22 富士見地蔵(離山地蔵)
14:24 離山入口
14:28 離山山頂付近
14:29 信号離山
14:35 大船駅着
[お散歩記録]
■水平歩行距離 3.1lm
■累積登攀高度 21m
■累積下降高度 67 m
■所要時間 (休憩時間込み)
鎌倉中央公園清水塚口発 13:39
大船駅着 14;35
(所要時間) 56分(0.93h)
水平歩行速度 3.1km/0.93h=3.33km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
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