<緑陰の登山道>
猛暑の丹沢;塔ノ岳(萱場平まで)(今年12回目)
(リハビリ復帰初回登山)
2015年7月11日(土) 晴後曇・猛暑
<ルート地図>
■やっと丹沢へ
3月に右膝を故障してから,久々に塔ノ岳へ出掛けようかと思う.
実は,6月の中旬辺りから,そろそろ塔ノ岳へ復帰しようかと思い始めていたが,長い間,山行から遠ざかっていると,早朝に家を出るのがとても億劫になっている.それに雨の日は登りたくないこともあって,漸くのお出かけである.
でも出発直前まで,何だかんだの屁理屈を考えながら出掛けるのを止めようかと思う.
早朝,4時00分,観念して登山用の服装に着替える.すると不思議なことに,”山へ行くぞ”という気分になる.
とはいえ,まだ右膝のサポーターは,心理的に外せない状態である.無理と油断は禁物だと,何回も,何回も自分に言い聞かせる.
まだ,リハビリの身である.したがってリュックの中味も可能な限り軽くしたい.そのため,一旦リュックを空にして,必要不可欠の品物だけを選んで,リュックに入れる.まずは水,今日は蒸し暑さが予想されるので,最低1リットルは必要だ.それに雨具,ヘッドランプ,非常食.リュックにたったこれだけを入れただけで結構な重さになる.右膝になるべく負荷をかけたくないが,まあ,この程度の荷物は仕方がない.それにストック.平素私はストックは使わないが,今回は足への加重をなるべく軽減したいので,ヤッパリ持参することにする.
さて,今日は何処まで登ろうか.
丹沢復帰の初回だから,バス停大倉から歩き出して,まずは,見晴茶屋ぐらいまでで止めておこう.その先の見晴階段を登るのは次回以降にしよう…こんなことを考えながら,4時10分に自宅を出発する.
■夜明けが早い
今日は未だ7月中旬になったばかり.4時に夜が明け始める.清々しい朝の風景を眺めながら,4ヶ月前と同じ時間と,同じコースを辿って大船駅に向かう.
辺りはすっかり明るくなっている.自宅のある山の稜線から山崎に下る.大船へ向かい途中で水道山の脇を通過する.そして,4時40分に大船駅に到着する.大船駅前のコンビニでオニギリなど若干の食材を購入して,東海道本線5時10分発熱海行に乗車する.電車が発車するほ-六から横須賀線の0キロメートルポストが見えている.早速写真を撮る.今の昼間の長い時間の時期でないと見ることができない大船の珍景である.
<水道山> <大船駅横須賀線0キロメートルポスト>
■久々の常連さん達との再会
これまでの塔ノ岳詣でと同じように,小田原で小田急線新宿行急行に乗り換えて,6時10分頃,渋沢駅に到着する.大倉行バス停へ.常連のNGさんが居られる.私はNGさんに次いで2番乗り.NGさんと雑談をしている内に,小田急線下り電車が到着したらしく,沢山の登山客が次から次へと降りてくる.たちまちの内にバス待ちの長蛇の列ができてしまう.
懐かしい常連の方々も次から次へと到着する.すでに塔ノ岳に2000数百回登っておられるTGさん,SSKさん,NMさん,編集長のYKさん,IIさん,KMさん,NNさん,TDさん,MTさん…数え切れないほどの顔見知りの方々との再会である.
私の近場に居られる方には,私が右膝を負傷した経緯や,最近の状態を報告する.
「…う~ん…まだ,回復度は95パーセントという所でしょうか.今,痛みはありませんが,あいかわらずサポーターをしています…」
臨時バスが出る.臨時バスは,正規バスの約10分前,6時36分に大倉を出発する.勿論超満員.バスは15分ほどでバス停大倉に到着する.
■バス停大倉から歩き出す
リハビリ中の私は,常連さん達とは別行動を取るつもりである.とてもではないが,4ヶ月にわたり登山を止めていた私が,常連の皆様と一緒の速度で歩けるとは思えないし,今回のリハビリ初回は,せいぜい見晴茶屋辺りまで登ったら,そこから先の見晴階段は敬遠して,大倉まで戻ろうと思っているからである.
今日はチャンピョンの塔ノ岳登頂5000回の祝賀会が,観音茶屋で13時30分から始まる.勿論私も出席するつもりである・
当初の予定は,まずは大倉周辺の公園でも散歩してから,ゆっくり観音茶屋まで,あるいは余力があったら見晴茶屋辺りまで登ってから,13時頃,観音茶屋に戻るつもりだった.
ところが,何時も優柔不断は私は,バス停大倉の待合室で常連の皆様と雑談をしている内に,なんとなく皆様と離れられなくなる.ついに成り行きで,7時06分,常連の皆さんと一緒に,バス停大倉から大倉尾根を目指して登山を開始してしまう.
“これは想定外の展開だ…!”
私は皆さんと一緒に歩きながら,戸惑いを感じてしまう.
<バス停大倉から歩き出す>
■山ヒル談義
9時16分,登山口を通過する.
私は,皆さんと雑談をしながら,何気なく登山口を通過する.雑談をしながら,最近,何人かの方々が山ヒルに食いつかれた聞かされる.ある方は,足首に4ヶ所山ヒルに食われたとか,あるいは山ヒルが付いているのに気がつかずに小田急電車に乗ってしまったとか…
数年前までは,大倉尾根で山ヒルにやられたという話は聞いたことがなかったのに,何時の間にか,山ヒルの生息範囲が随分と拡大してしまったなと実感する.
経験者の話によると,雨になるとヒルが雨水と一緒に流れてきて,足尼取り付くとのこと.雨の日には丹沢に出掛けない私は,幸いなことにまだヒルの被害を受けたことはない.
幸いなことに,私が住んでいる鎌倉の山ではヒルの話は聞いたことがない.鎌倉にヒルだけは持ち込みたくないなと思う.
■観音茶屋で一休み
7時35分,観音茶屋に到着する.ここでチャンピョンの塔ノ岳登頂5000回懇親会用の食材を置いていくとのこと.不覚にも,今回,私はうっかり何も差し入れる食材を持参していない.ハズカシイ限りである.
7時43分,観音茶屋から歩き出す.ここからがやや本格的な登山道となる.私は何となく皆さんの列の真ん中辺りに入り込んで,一緒に歩き続ける.歩くほどに次第に列はばらけてくる.それでも私は相変わらず列の真ん中辺りの位置で歩き続ける.
“あれ~ぇ…ブランクがあったにしては,案外,まともに歩けるな…”
私は,皆さんと一緒に歩いている自分の有様に,自分で驚いている.
<観音茶屋>
■見晴茶屋
特段に苦労もなく歩き続けて,8時00分,見晴茶屋に到着する.ここが当初計画していた本日の終点である.でも,まだ8時.懇親会が始まるのは13時,まだ5時間もある.
“ここから大倉まで一旦下って,もういちど観音茶屋まで登り返すかな…”
とも思ったが,それも面白くない.
”じゃあ…どうする?”
私が戸惑っている内に,ご常連の皆様は,ドンドン,見晴階段を登り始めている.
“考えていても仕方がない…オレも,もう少し登って見るか…”
ということで,何となく踏ん切りが付かないまま,見晴階段を登り始める.足元の階段の様子を子細に眺めながら,果たして今の自分の足の状態で下れるかどうかを確かめながら,一段一段登り続ける…とは言っても,あくまでも階段の途中で引き返そうと思っている.
階段を見上げると,ウンザリするほど長い.それに今日は土曜日なので,登山客が数珠繋ぎになっている.
<見晴階段>
■緑陰が美しい尾根道
見晴階段の途中で引き返す積もりだったが,何となく最後まで登ってしまう.塔ノ岳には4ヶ月のブランクがあるので,階段の途中で,へばるに違いないと思っていたが,案が平気で登りきってしまう.
見晴階段から先は,暫くの間,水平道が続く.水平道ならば,どうと言うこともないので.そのままご常連の皆様と一緒に先へ先へと歩いてしまう.内心では,
”こりゃあ~…いかんぞ! どこかで引き返さなければ…”
と強く思い始める.しかし,久しぶりに味わう山の緑が余りにも美しいので,ついついこのまま歩き続けることになる.それに,ご常連の歩く速度が,今の私にも付いて行ける程度のようなので,このまま放置したら,私も塔ノ岳山頂まで行ってしまう危惧がある.
”今の私はまるでネコだな…”
私は尊仏山荘の華伊達美弥雄さん(ネコのミー君のこと)を連想しながら一人で苦笑する.
つまり,ネコは降りることも考えずに木の高い所まで登って,降りられなくなってしまう姿と,今の自分を重ね合わせてしまう.
<心地よい緑陰の尾根道>
■駒止階段で迷う
そうこうしている内に,駒止階段に到着してしまう.当初,今回は精々見晴山荘ぐらいまで登って足の様子を見ようと思っていた私には想定外の展開である.このまま,駒止階段を登ってしまっても良いんだろうか.私は大いに戸惑う.そこで私は,これまで一緒に登っていた常連の皆様に,
「…ここからは別行動を取ります.ドンドン登ってしまうと,(13時からの)懇親会までの時間潰しに困りますので…」
とお断りしてから,階段下で立ち止まる.
”さて,どうしよう? 駒止階段を『登るべきか,登らざるべきか…それが問題だ』”
で暫し迷う.まるでハムレットだ.
<駒止階段でどうしようかと迷う>
■堀山の尾根道で道草
駒止階段から引き返しても時間が余り過ぎる.
”…ん,じゃあ~…まあ,超ユックリペースで登ってみるか…”
私は,内心では,ケガから復帰直後に,駒止階段のような急坂を登って良いのだろうかと,深い反省をしながらも,何かに引っ張られているような感じで,駒止階段を登り始めてしまう,やましい気分のまま…
超ユックリペースで登り続けたので,何の問題もなく,8時39分に駒止茶屋に到着する.そして,ずるずると堀山の水平道に入ってしまう.私は歩きながら,大いに戸惑う.
”このまま行ったら,堀山の家に着いてしまうじゃないか…”
これは当初計画とは全く想定外のことである.でも,堀山の尾根道に来てしまったら,堀山の家まではやや下りの尾根道だ,堀山の家の手前にちょっと登り坂があるが,これはどうと言うこともない.もうこうなったら,今日の終点は堀山の家だ.それにしても,このまま歩いてしまったら時間が早すぎる.そこで私は尾根から見える周囲の風景をジックリと楽しみながら歩いたり止まったりを繰り返す.
8時41分,下山してくるチャンピョンとすれ違う.チャンピョンが,
「…おや,FHさん」
と私に声を掛ける.チャンピョンは今日の祝賀会の主役である.早速写真を撮らせて貰うが,逆光だ!
チャンピョンとすれ違った後も,私は尾根道でモタモタしている.時間潰しである.
8時45分,後ろから来られたキャベジンのTZさんが追い付く.
「どうぞお先に…」
ということで,TZさんをやり過ごす.
<逆光のチャンピョン> <常連が私を追い越して行く>
■富士山残念!
久々に歩く堀山の尾根である.それにここ数日は雨ばかり降っていたが,やっと昨日からときどき青空が覗く天気になった.私は久々の堀山の尾根道で,久々の富士山が見えるのではないかと期待していたが,残念ながら下の写真の通りである.富士山の前には,もやもやとした雲が湧いていて,全く見通しが利かない.近場の鍋割山稜を靄か薄雲か分からないがとにかく霞んで見えるだけである.
でも,富士山が見えないにしても,私がこの場所に立つのは実に4ヶ月ぶりのことである.私は富士山なしでも十分に感激だ.ここで立ち止まって,それこそ10枚以上の写真を撮りまくる.
<堀山の尾根道から富士山が見える方向を眺める>
■堀山の家
時間潰しも兼ねて,超ユックリペースで歩いている内に,9時03分に漸く堀山の家に到着する.何時もの速度で登っていれば,後七分坂(花立階段)を登っている時間である.何時もより遅い時間のためか,沢山の登山客が切れ目なしに登って来る.
私は今日の終着点を,ここ,堀山の家に決める.そして,空いているベンチを探して腰を下ろそうと思う.
ふと見ると,先ほど私を追い越して行ったキャベジンさんが座っている.私は,
「…おや,まだここにいらっしゃったんですか…」
とちょっと不用意な質問をしてしまう.
「わたし,急ぎませんので…」
”この言や良し”
登山はこうでなければいけないと,今の私は心底から思う.
<堀山の家は朝から賑わっている>
■惰性で急坂を登り続ける
やがて,キャベジンさんが腰を上げて,塔ノ岳山頂を目指して登っていく.私は1人取り残された気分になる.でも,今から下山したのでは,いくら何でも時間がありすぎる.そうは言っても,小草平でジッとして居るのも辛いものがある.私は,
”序でだから,もうちょっとだけ…5~6分だけ登って見ようかな…”
と飛んでもないことを考える.すると,私の心の奥底に巣喰っているもう一人の私が,厳しい口調で私を諫める.
”お前さん,…下りが怖いこと知っているんでしょう.これ以上登るのは止めなさい…”
これには私も“ぐう”の音も出ない.
”そうだね,本当に…下りが問題だよね…”
実際の所,わざわざそんなこと言われなくても,私は十分に分かっている.分かってはいるものの,どうしてももう少し登りたいのである.
“…ん,じゃあ~…まあ,階段が始まるところ位まで登ってから,引き返すかな”
ということで,9時22分,堀山の家から歩き出す.
すぐにガレ場が終わって階段道になる.ここで引き返す積もりが,惰性で階段を登り始める.階段の様子を見ると,それほど高い段はなさそうである.これならば充分注意して下れば問題なさそうだと,ついつい思ってしまう.
そのうちに,もう少しで戸沢分岐というところまで来てしまう.
“よお~っし…こうなったら,今日の終点は萱場平だ.その代わり萱場平から先は絶対に登らないぞ”
<ついつい戸沢分岐近くまで登ってしまう>
■萱場平
9時49分,戸沢分岐を通貨し,9時51分,ようやく萱場平に到着する.何時もならば,もう尊仏山荘から下山を開始する時間である.
萱場平のベンチには先客が座っている.
私は先客に挨拶して,ベンチの空いている場所に座る.これまで私は萱場平で休憩を取ったことは殆どないので,改めてここのベンチに座ってみると,萱場平が何とも新鮮なところに感じる.
少々気温が高いが,不快を感じるほどの蒸し暑さではない.私は,萱場平のベンチに座ったまま,時間を潰すことにする.
<萱場平>
■アザミに元気を貰う
ベンチに座って,木道の方を何気なく眺めている.
”そうだ! 木道の間で繁茂するオニアザミを見なければ…”
ということで,アザミの写真を撮りに行く.
今年もアザミは木道の間の空間一杯に元気に育っている.毎年の事ながら,私はこのアザミから大変な勇気を貰っている.今年の私も,なんとかケガを克服して,今日,このアザミに再開できたのが何とも嬉しい.
<木道の間で繁茂するオニアザミ>
■美味しいキュウリの塩漬け
アザミの写真を撮ってから,再びベンチに座ってボンヤリと時間を過ごす.
丁度そのとき,もう10年以上も前にミルフォードサウンドトレッキングで一緒になって以来,ときどきお目に掛かっているONさんが,足取りも軽く,スタスタと近付いてくる.
「おや,暫く振りですね…」
で私の隣で休憩を取る.
雑談をしていると,ONさんが,
「キュウリの塩漬け,食べますか?」
と嬉しいことを言われる.
「ええ,勿論,ご馳走になります…」
そのキュウリの美味しいこと! 天下一品である.
10時01分,ONさんとお別れする.ONさんは花立山荘まで登って,そこから下山するとのこと.あやうく私もONさんと一緒に花立山荘まで登ろうかなと思ったが,それでは山頂まで登ったのと余り変わらないことになる.いくらなんでもそれは無謀である.
私は,ここはぐっと堪えて,萱場平から下山することにする.
<萱場平から先が魅力的である>
■再び堀山の家へ
10時05分,萱場平から下山開始.
戸沢分岐を通過して,長い階段道に入る.全階,ここの階段道を下っている最中に,右膝の半月板がやられたので,因縁の場所である.私はストックを十分に使って,一段,一段,慎重に下り続ける.いやその下山速度の遅いのなんのって…全くお話にもならないほどである.正直なところ,実に焦れったい…が,これも修行である.
慎重に下山すると,登山道がやけに長く感じるが,これも致し方ない.
急坂を慎重に下って,10時32分,漸く堀山の家に到着する.小草平のベンチは登山客で満員である.
堀山の家に入る.父上となっちゃんが居られる.小屋の中には客は誰も居ない.
「…もう,編集長のYKさん,来られましたか?」
と伺う.
「…YKさん,登られているんですか? まだ到着していないです…」
とのこと.
とりあえず300円也のコーヒーを注文する.
山でのコーヒーはまた格別である.
なっちゃんがポツリ,ポツリと話し始める.
「…今日は主人の命日なんです.もう1年が過ぎました…」
月日が経つのは実に早いものである.もう1年も経ったのかと驚く.遺影に線香を上げさせて頂く.
10時30分頃,YKさんが堀山の家に到着する.暫くの間,YKさんとコーヒーを鑿ながら雑談.私の右膝故障から復帰までのことを『尾根の瓦版』に書けとのご下命がある.読者の皆さんのお役に立てるのなら…ということで快諾.
10時55分頃,私より先にYKさんが堀山の家から下山開始.
<堀山の家のコーヒー>
■慎重に慎重に…
11時03分に堀山の家から下山開始.まだ,時間がありすぎるが,致し方ない.
途中,堀山の尾根道で,YKさんに追い付いてしまうが,成り行きで先に行かせてもらう.
11時26分,駒止茶屋に到着する.ここから先,駒止階段を下るのが難儀である.私は全神経を足元に集中させて,慎重に,慎重に階段を下り続ける.それこそ,ここでまた膝の故障をぶり返したら百年目.慎重に下ると階段が実に長く感じる.
漸く階段を下って,平坦な道に入る.心底からホッとする.この辺りで後ろから来たMGさんとYDさんが私に追い付く.そして,一本松手前のベンチで,この二人と一緒に休憩を取る.休憩を取っている間に,YKさんが,
「…一度に3人追い抜きました」
と上段を言いながら,追い抜いて行く.
11時42分,一本松を通過する.何時もなら一本松からモミジ坂を下るのが一番快適なところなので,歩行速度を上げているところだ.でも今日は慎重である.たちまちの内に,MGさんYDさんのお二人に置いて行かれる.引き続き,私は,実にノロノロと下山する.
やがて見晴階段.1段,1段,ヨッコラショ,ヨッコラショで下りきるのに随分と時間がかかる.
12時07分,見晴茶屋に到着する.ここまで下山すれば,もう大倉まで険しい下り坂はない.正直,ホッとする.
■萱場平でお喋り
12時09分,雑事場ノ平到着.
ベンチで俊足のITさんが休憩を取っている.
「…もう,時間の潰しようがなくて…」
とITさんが愚痴る.
私もITさんの横に座って,一緒に時間潰しをする.
「もうすぐ,常連さん達が下山してくるでしょう,それまでここで待っていましょう」
ほどなく,またYKさんがやってくる.そして私達を追い越していく.
ITさんが,いきなり.
「…FHさんは,何でそんなに元気なんですか…」
と意表を突いた質問を私にする.やっとリハビリ登山を開始したばかりの私に…
「いえいえ,元気なんて飛んでもない.今回は膝,その前は足の裏が痛くなって足底板つくりましたよ…」
と応じる.
「…そう言うのはケガでしょう.病気ではないですよ…」
私は,”ケガと病気はちがうのかな…”と素朴な疑問を持つ.”こんなにリハビリで焦れったい思いをしているのに…”
12時29分,SSKさん,IIさん,ONさんのお三方が雑事場ノ平に到着する.私達2人もお三方に合流して下山開始.
<緑陰の堀山の尾根道> <お三方と合流>
■観音茶屋に到着
12時43分,ようやく観音茶屋に到着する.
すでに数名の先客が居られる.どうやら私が堀山の家で時間潰しをしている間に,追い越して行かれた方々のようである.
茶屋の前に立っている「氷」の幟旗がとにかく魅力的である.
小屋に到着する.
小屋の女主人が,私の顔を見て,
「…おや,戻りましたか?」
とボデーランゲージで話しかける.
「少々ケガをしていましたが,何とか…」
と分かったような分からないようなお返事をする.
<観音茶屋に到着>
■早速,氷水だ
まずは300円也の氷水だ.夏場はこれに限る.首根っこの後ろがジンジンと来る冷たさに閉口しながらも,美味しく頂戴する.
<観音茶屋の氷水>
■チャンピョンの塔ノ岳登頂5000回記念
ほどなくTGさんの温度で,チャンピョン塔ノ岳登頂5000回記念パーティが始まる.
一口に5000回って言っても,とんでもない数字である.1年は365日.毎日10年登り続けても3650回にしかならない.だから,5000回なんて途轍もない大事である.
観音茶屋がはち切れそうになるほど沢山の方々が集まっている.これもチャンピョンの偉業とTGさんの仁徳のお陰だろうと思う.
暫し歓談の後,観音茶屋の庭先で,記念の集合写真を撮る.
帰り間際に,IIさんから,
「…そろそろFHさんも,塔ノ岳,1000回ぐらいになるんじゃないですか? 回数を数えて,1000回になったところで,またやりましょう.ウン十歳で1000回なんて凄いことですよ…」
と提案される.
”そういえば,私は一体何回塔ノ岳に登っているんだろう…”
これまで,改めて登山回数を数えたことがないので,ハッキリとは分からないが,歳月の過ぎるのは早いもので,塔ノ岳を頻繁に往復するようになってから,多分20年ぐらい経っている.年間平均50回登っていれば,丁度1000回ぐらいかな…でも,平均50回/年にはならないかな.多分45回/年ぐらいかな…最近の数年は55回~60回/年だが…だとすると900回ぐらいから1000回位の間かな,要するに今は良く分からない.
<チャンピョンの塔ノ岳登頂5000回記念>
■無事帰宅
14時30分頃,流れ解散.
私の家には,夕方,息子の嫁と孫,それに近くに住んでいる娘が我が家に来てすき焼きパーティをする予定である.私はこのパーティに間に合うように,大急ぎでバス停大倉を目指して下り続ける.
14時09分,バス停大倉に到着する.実は14時10分発のバスに乗るつもりだったが,バス停がヤケに空いている.
”おかしいな…”
と思ったら,私がバスの時刻表を間違って覚えていたことが分かる.実際のバスは14時08分.たった2分の差で30分待ちぼうけである.
14時38分発のバスに乗車する.30分近くバス待ちをしたので,もちろんバスでは悠々と座れる.バスは登山客で大変な混雑である.
渋沢駅から小田原へ廻る.小田原15時33発快速アクティ宇都宮行という聞き慣れない電車に乗って,16時05分,大船駅着.16時40分頃,なんとか帰宅する.
玄関を空けた途端に,同居人が,
「あら…,バス停で(嫁と孫に)会わなかったの,たった今,帰ったばかりですよ…」
”ム,ム,ム,…残念!”
でも来週土曜日に,子供達家族全員が我が家に来るとのことなので,まあ,今日はいいや.
とにかく,私ノ塔ノ岳復帰第1回目は,こうして無事に終わった.
正に良かった!良かった!である.
<ラップタイム>
7:06 大倉歩き出し
7:16 登山口
7:25 丹沢ベース
7:35 観音茶屋(7:43まで休憩)
7:45 分岐
7:57 雑事場ノ平
7:59 見晴茶屋
8:19 一本松
8:29 駒止階段下(ここで常連さん達と別行動)
8:39 駒止茶屋
8:51 堀山
9:03 堀山の家(9:22まで時間潰し)
9:49 戸沢分岐
9:51 萱場平着
10:05 〃 発
10:07 戸沢分岐
10:32 堀山の家(11:03まで時間潰し)
11:14 堀山
11:26 駒止茶屋
11:42 一本松
12:07 見晴山荘
12:09 雑事場ノ平(12:30まで時間潰し)
12:43 観音茶屋(14:30頃までチャンピョン5000回記念パーティ)
15:10 バス停大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 5.0km(片道)
■累積登攀高度 872m
■累積下降高度 42m
■上り所要時間(休憩時間込み)
バス停大倉発 7:05
萱場平着 9:51
(所要時間) 2時間46分(2.77h)
登攀速度 872m/2.77h=314.8m/h
水平歩行速度 5.0km/2.77h=1.81m/h
※リハビリ登山にしては意外に高速だった.
■下り所要時間(休憩時間込み)
萱場平発 10:05
バス停大倉着 15:10
(所要時間) 5時間05分(5.08h)
下降速度 872m/5.08h=171.7m/h
水平歩行速度 5.0km/5.08h=0.98km/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3a4a8e8819f45e92a3be3b9a28418f64
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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猛暑の丹沢;塔ノ岳(萱場平まで)(今年12回目)
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