<アジサイと野島を眺めながら会場へ>
『鎌倉学』事始め(第3回);鎌倉に眠るひと(A)(デベッカと大佛次郎)
2015年5月25日(月) 曇
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■鎌倉経由で金沢八景へ
早いもので,このシリーズを受講し始めてから,今回でもう3回目を迎える.
このシリーズは,横浜市金沢区にある某大学の公開講座である.受講者は10名前後か.その中のかなりの方々はリピーターのようである.
この講座の新米受講生である私も,3回目の受講となると,何となく講座の様子が分かってくるので,受講するのが一層楽しくなっている.
私は今日はどんな話だろうと期待しながら,十分に時間の余裕を持って自宅を出る.
私は京急バスの高齢者用の全線パスを購入しているので,少々所要時間が掛かっても,なるべくこのパスを利用するつもりである.そこで,自宅近くのバス停から,まずは鎌倉に出る.そして,鎌倉から朝夷奈峠を経由して,10時40分頃,金沢八景駅前に到着する.
今日から関東地方も梅雨入りしたとのことだが,天候は曇,幸いなことに夜までは雨に会わずに済みそうである.
■瀬戸神社
講義が始まる時間まで,まだ十分すぎるほどの時間がある.ベリーグッド!!.
まずは,かねがねゆっくり参拝したいなと思っていた瀬戸神社を詣でる.
境内のクスノキのほかに,木造守門神坐像,蛇混相,放下僧などの案内板を見て回るが,これらを書き始めると冗長になるので止めよう.
<瀬戸神社>
■某大手スーパーの地下で…
続いて,駅前からちょっと離れた所にある某大手スーパー(百貨店かな?)の地階で軽く昼食を摂る.コーヒーを飲みながら,色々な行事が重なっていてヤケに多忙な今週をどうやって乗り切ろうかと薄らボンヤリ考える.実は,こんなことを考えているときが,一番張り合いを感じているときなのである.
何時の間にか12時を廻っている.
「…そろそろ会場に行かなければ…」
<良い雰囲気の地下食堂> <コーヒーを賞味しながら>
■アジサイと野島
金沢八景駅前から海沿いの道をノンビリと歩く.これが何とも気分が良い.左手前方には野島湾が見えている.
現役時代に,休み時間を利用して,度々野島湾を訪れていたことを懐かしく思い出す.
“…そういえば,野島から足が遠のいて,もう,10年近くになるな…”
ふと,こんなことを思った私は,何の脈略もなく,今度,五十三次洛遊会の皆さんを引き連れて野島から金沢文庫辺りを散策しようかな…なんて,碌でもないことを思いつく.
<野島を眺めながら…> <心地よい散歩道>
■公開講座が開催されるキャンパス
12時30分頃,公開講座が開催される某大学のキャンパスに到着する.綺麗なキャンパスである.看護学部の一角にある教室で公開講座が行われる.
まだ,講座が始まるまで時間があるので,校舎内をブラブラ見学する.丁度,午後からの授業が始まる前なので,何カ所かの教室には学生が集まっている.全員(かな?)が女性のようである.和やかな雰囲気が漂っている.
男女を問わず若い学生からは”若素”が放射されている(らしい).この“若素”を浴びると,老い耄れも若返ると言われている.
“そういえば,あの頃,オレもわかかったなぁ~…”
私は昔のことを懐かしく思い出す.すると,私の体内に巣喰っているもう一人の天の邪鬼な私が,
“何言ってんだ…お前が現役時代って,一体何年前のことなんだ.要するにお前さんは,単に年を取って,老い耄れただけだよ…”
と私の心地よい回想をぶちこわす.
■驚きの授業内容
13時から授業が始まる.
丁度,昼食がお腹の中で熟れてくる時間なので,ついつい眠くなる筈だが,講師のUM先生の話が実に興味深いので,眠気など一気にすっ飛んでしまう.
先生に無断で,講義内容をブログで縷々説明するわけにはいかないが,要するにデベッカという人と大佛次郎に焦点をあてた内容である.
私は自分が住んでいる鎌倉に興味を持っているので,これまで鎌倉に関連する講演を何回も聞いたり,市販の書物などにもそれなりに目を通しているが,今日のテーマであるデベッカという人物のことは聞いたこともないし,読んだこともない.
それだけに,UM先生の講義内容は,驚きの連続である.講義の2時間はアッという間に終わった.
講義が終わった後,UM先生が,
「何か質問がありますか…」
という.そこで私は,
「聞き漏らしたかも知れませんが,デベッカさんのお墓は何処にあるんでしょうか…?」
と質問する.先生はニヤニヤしながら,
「実は,まだ,お話ししていません…」
と答える.引き続き,質問させていただく.
「鎌倉にあるんでしょうか?」
「もちろん…鎌倉にあります.」
その途端,私が鎌倉駅まで歩いて出掛けるときに通る道の近くにカタカナで「デベッカ」と書いてある立派な墓石があることを思い出す.一般の墓よりも階段を登った高い所にある墓である.私は思わず,
「ああ,石段を登ったところにあるお墓ですね」
と独り言のように言う.
「そうです!! その通り! 良く分かりましたね…」
これで,私の頭の中の鎌倉像が一層立体的になった.こういう瞬間が実に嬉しくて,わくわくしてくる.
<講義資料と私のメモ>
■学内喫茶店でお茶
講義終了後,一連の講義で顔見知りになった方々数人と一緒に学内の喫茶室で,コーヒーブレークである.
講義を通じて,共通の興味を持つ新しい知己を得るのも実に楽しいことである.
大学の喫茶コーナーなので,若い学生に囲まれての“お茶”である.この所,いつも古手のジイサンバアサンとしか“お茶”していないので,これまた新鮮で堪らない.
”若素って,いいな…”
半時ほど雑談してお開きになる.
皆さんは,大学前のバス停から金沢八景駅までバスに乗るとのこと.ここは京急バス.だから定期券を持っている私は,出費なしで乗車することができるが,こんな爽やかな時間にバスに乗る気がしない.
「では,私,駅まで歩きますので…」
と挨拶して,皆さんとお別れする.
「さすが足が達者な人は違いますね…」
とどなたかに言われてしまう.
どこかで自己紹介したときに,趣味の一つとして仲間と一緒に街道歩きを楽しんでいると言ってから,なんとなく,私は足が丈夫だということになってしまう.右膝の半月板故障で塔ノ岳に登れずに意気消沈の身であるのに…こんなときに“足が丈夫”といわれると,何ともちぐはぐな感じがしてしまう.
■鎌倉経由で帰宅
金沢八景駅前のバス停に到着する.バスの時刻表を見ると,ほんの2~3分待てば鎌倉行きのバスが来る.ラッキー.
バスはガラガラ.なかなか言い調子だぞ.ところが,バス停青砥橋辺りから急に沢山の観光客が乗車して,たちまちの内に立ち席が出るほどに混雑してくる.途端に車内がうるさくなり,蒸し暑くなる.
”そういえば、人間1人の発熱量は500Wの電熱器とほぼ同じだって聞いたことがあったな…”
とついつい詰まらないことを連想する.
16時45分頃,バスは鎌倉駅に到着する.
鎌倉市役所前からバスに乗って帰宅するつもりである.まだ,少し待ち時間があるなと思いながらも,中央公園行バス停に向かう.
バス停の先客は3~4人.静々とベンチに座る.その途端,隣に座っていた男性に,
「…FHさんですか?」
と話しかけられる.私ビックリ!
どうやら,私のブログを見て頂いているようである.このブログで私の顔が分かったとのこと.私としては自分の顔など特段に秘密にしているつもりはないし,余所様に迷惑をお掛けするようなことや,反社会的なことはブログに書かないようにしているので,別に顔など分かってもどうと言うことはないのだが…でも“これが私です”と積極的に書いた記憶もない.それに,私のブログごときにわざわざお立ち寄り頂く方は,99パーセント私の仲間だけ.
でも,こんなブログでも,これが機会になって,知己が増えるのも良いことだなと思う.
この方のお話しを伺うと,なんと私の家の近くにお住まいの方である.
■講義録の整理
帰宅後,忘れない内に,今日の講義内容を整理する.整理しながら私はある種の興奮を覚える.
今回の『鎌倉学』の内容は,当初私が期待していた内容とは,かけ離れた内容だが,逆に当初全く予想していなかった新鮮み溢れる内容で,大変な感銘を受けた.
その理由はただ一つ.「研究者の発表」という点にある.事実に基づく根拠のある内容が受講者を惹き付ける.
ここから先はあくまで私見だが…
観光案内や,出典が明らかでない網羅的・表面的な解説書では得られない説得力がフロアーを惹き付けるんだと思う.
(次回につづく)
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(なし)
『鎌倉学』の目次
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「閑話休題;日々雑感」の前回の記事
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「閑話休題;日々雑感」の次回の記事
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