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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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廃線の旅;湘南軽便鉄道沿線を巡る(後編);下井ノ口から二宮まで

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                                                                  <厳島湿生公園>

  廃線の旅;湘南軽便鉄道沿線を巡る(後編);下井ノ口から二宮まで
             (五十三次洛遊会)
        2014年11月12日(水) 曇後晴
前の記事
  ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/eeea26cf1d0552cb30802834e78cdaf2

<ルート地図>

■廃線ルート後半

※再掲.前半の地図は,前の記事参照
 この地図は正確ではありません.

■厳島湿生公園地図

※現地案内板を撮したもの

<厳島湿生公園>

■信号井ノ口と信号陣ヶ堂
 12時23分,信号井ノ口を通過する.田園の中を淡々と道が続く.その1分後,次の信号陣ヶ堂で左折する.
 私は歩きながらも,地図を常に左手に持って,現在地を確認しながら歩いているつもりだが,参照している地図が必ずしも現状と合致していないこともあって,ときどき何処を歩いているのか分からなくなる.
 “山で磁石を使って現在地確認をするより難しいな…”
と思いながら,歩き続ける.
 “市街地を歩くときは25000分の1の地形図ではなく,市街地図を持ち歩かなければダメだな…”
と反省する.
 もっとも折角持っているiPadを開けばいいじゃないかとも思うが,どうも持ち歩くには重すぎる.勿論,今使っているガラケイでも地図を見ることができるが,紙の地図でないと,色々なことを気軽に書き込むことができない.
 “困ったもんだな…”
と思いながら歩き続ける. 
 
<信号井ノ口>                              <信号>

■変わった魚屋さん
 12時23分,人集りがしている魚屋さんの前に差し掛かる.それほど大きな構えの魚屋ではないが,色々珍しい魚が尾頭付きのまま店頭に陳列されている.生きも良さそうである.スーパーの魚売場で切り身の魚しか見たことのない私もビックリしてしまう.
 同行者の中には家庭の主婦も沢山居られる.一同,珍しそうに店頭の魚を見回している.
 12時28分,厳島湿生公園に到着する.
 
<魚屋の店頭>                                <厳島湿生公園入口>

■厳島湿生公園で昼食
 ここは広々とした素晴らしい公園である.
 案内役のTNさんが,
 「では,ここで昼食にしましょう…出発は13時頃で良いですか…?」
と提案する.
 勿論,異論などあるはずもない.
 幸いなことに,こんなに広い公園に来客は私達だけ.誰にも迷惑を掛けずにノンビリと中食を楽しむことができる.ラッキー.
 どなたかが,TNさんに,
 「えらく空いていますね…素晴らしい公園なのに…」
と伺う.
 「今日は平日なので人が居ないですが,休日になると結構散策する人が多いですよ…」
とのこと.
 私達は適当にベンチに座って,昼食を楽しむ.

<厳島湿生公園で昼食>

■厳島神社
 13時15分,昼食を終えた私達は,いよいよ午後の部を開始する.
 まずは厳島湿生公園の沼に造られた木道を伝って厳島神社方面へ向かう.
 
<木道を行く>                                   <厳島神社>

<米倉禅寺と下井ノ口停留所>

■米倉禅寺
 厳島神社前の長い階段を登って,再び元のバス通りに戻る.長い階段を登るのは一苦労である.ここから,一路南へ向けて歩き続ける.
 13時25分,進行方向左手にある米倉禅寺入口に到着する.入口から坂道を少し登ると立派な本堂が建っている.曹洞宗の寺である.
 近くのある案内板の記事によると,ここは武田家重臣だった米倉丹後守種継縁の寺のようである.
 境内で数分立ち休憩を取る.

<米倉禅寺>

■下井ノ口停留所跡
 13時36分,バス停下井ノ口を通過する.そしてその2分後,13時38分に下井ノ口停留所跡に到着する.
 例によってお馴染みの案内板が立っている.
 この案内板も「駅」ではなく「停留所」になっているが,案内板右上には「下井ノ口駅」と表記されている.駅でも停留所でも,どっちでも良いようなもののどうも気になって仕方がない.

<下井ノ口停留所跡> 

<いよいよ二宮町;一色停留所跡>

■風通しの良い家
 進行方向右手には長閑な田園地帯が広がっている.
 案内役のTNさんが立ち止まる.
 「ほら,あそこを見て下さい…小さな2階が付いているような家が見えるでしょう.あれは2階はなく通気口なんです.昔,この辺りではタバコの生産が盛んでした.タバコの葉を乾燥させるために家の通気を良くするように通気口を造ったんです…」
と説明する.
 
<長閑な田園風景>                              <通気口がある民家>

■ここから二宮町
 13時44分,「五分一」という奇妙なな名前のバス停前を通過する.
 13時51分,私達は中井町から町境を越えて二宮町に入る.町境に架かる小さな橋の欄干に「堺」という字が刻まれているのが分かる.
 
<二宮町に入る>                               <堺という字が刻まれている橋>

■浄深寺
 13時57分,浄深寺に到着する.浄土宗の寺である.どうやらこの辺りには浄土宗の寺が多いようである.
 後ろに山を背負った立派なお堂が見えている.
 境内入口に「倶会一処」と書かれた掲示板が目に付く.私も何れかの日に極楽浄土に往生して懐かしい父母に会いたいものだとフト思う.

<浄深寺>

■旧一色分校と見事なイチョウ
 14時01分,旧一色分校に到着する.今日は休館日なのか,中には入れない.残念.
 敷地内に立派なイチョウが1本,紅葉し始めている.イチョウを眺めながら,すごすごと引き上げる.
 
<旧一色分校の大イチョウ>                       <今日は休館日>

■一色停留所跡
 14時04分,一色停留所跡に到着する.
 例により,ここにもお馴染みの案内板が設置されている.

<一色停留所跡>

<山安干物店と中里停留所跡>

■町の情景
 14時05分,進行方向右手にある石材店の陳列棚が気になる.そこには沢山の石像が並んでいる.どれもこれも可愛い.ついつい寄り道.石像なので仮に買ったとしても重くて到底持って帰れないのが残念である.それにしても,これらの石像,幾らぐらいするのかな?
 あちこち寄り道しながら二宮駅に向けて歩き続ける.
 道すがら,空き地に紅白の幕で囲った建屋が目に付く.
 「あれ…どこかでお祭りかな…」
 「いえ,違いますよ.選挙事務所ですよ…」
 なるほど,そういえば先ほどから候補者の宣伝カーが行き来している.どうやら二宮町会議員の選挙が間近なようである.
 “そういえば,鎌倉市会議員の選挙事務所に紅白の幕などあったかな…?”
 私の記憶が正しければ,地方選挙にも土地柄があるようだ.
 
<可愛い石像が並ぶ石材店>                      <町会議員候補者の選挙事務所>

■干物専門店「山安」で道草
 二宮の市街地に入ったらしく,道路の廻りが大分賑やかになる.
 14時25分,中里交差点に到着する.歩道橋を渡って,魚の干物専門店の「山安」に立ち寄る.「山安ひもの工場直売」と大きな字が書いてある建物.
 「序でだからちょっと寄ってみましょう…見るだけ」
ということで,立ち寄るのは全くの出来心である.
 「ちょっと見るだけです…」
と店員に言いながら,工場と同じ建物の中にある直売所に入り込む.売場は想像以上に狭いので,私達が入っただけで店は混雑する.
 ショーウインドウ-を覗き込むと,随分と美味しそうな干物が沢山並んでいる.「見るだけ…」と言いながら入ったのに,大半の方々が,結構な買い物をしている.これだからお散歩は楽しい. 
 
<山安の工場>                              <見るだけと言っていたのに…>

■中里停留所跡
 14時32分,中里停留所跡に到着する.お馴染みの案内板が立っている.書いてある内容は,どれも殆ど同じ.

<中里停留所跡>

■万年橋と万年堰
 14時40分,吾妻山公園入口を通過する.
 “どうせなら,二宮駅まで吾妻山公園を横切って行きたいな…”
と,フト思うが,今日は団体行動だ.こんな気持ちはぐっと呑み込んでしまう.
 14時45分,万年橋を渡る.傍らに「萬年堰跡」という遺構があるようだが,由来などは不明.
 
<萬年橋>                                   <萬年堰跡>

■大応禅寺
 緩やかな登り坂を登りきると,今度は緩やかな下り坂になる・
 14時45分,大応禅寺前を通過する.曹洞宗の寺である.この寺の由緒などを調べる間もなく通過する.
 狭い道幅のくねくね道が続く.案内役のTNさんの話によると,この辺りは大山詣での人達で賑わっていた.これらの参拝客を相手にする落花生販売が盛んだった名残で,今でもこの沿線には落花生を生業にするところが多いそうである.

<大応禅寺>

<二宮駅今昔>

■軽便二宮駅跡
 14時56分,生涯学習センター前交差点に到着する.さらに,14時58分,団扇橋を渡る.
 15時02分,軽便の元二宮駅跡の建物が見える場所に到着する.TNさんの説明によると,この建物が軽便の駅舎だったという.
 例によって,軽便二宮駅の案内板が立っている.
 余計なことだが…
 ここの案内板は二宮「駅」になっている.やっぱり「駅」と「停留所」の違いが気になるが,だからといって改めて調べる気にもなれない.
 ここで,私達は湘南軽便鉄道跡を巡る旅が無事完結したことになる.
 
<旧二宮駅駅舎>                                <二宮駅跡案内板>

■昭和2年頃の二宮駅(引用)
 資料1に昭和2年頃の二宮駅の絵地図があるので,そのまま引用させて頂く.
 一見したところ,今はもう何の痕跡も残っていないように思えるが,今私達は,この絵地図に示されている本社建物の直ぐ近くに立っていることが良く分かる.
 この辺りから現在のJR二宮まで貨物線が通っていて,その脇にSLの機関庫があったようである.
 私達があれこれと想像を逞しくしていると,どこからともなく自転車に乗った年輩の男性が近付いてくる.この男性は,軽便本社近くにお住まいの方で,実際に自分の目で軽便を見ていたという.
 「この辺りが再開発されるにつれて,軽便の跡も,だんだんと消えてしまいました…」
と述懐する.
 古いものを蛮勇を持って振り捨てないと進歩がないことも分かるが,古いものが消えていくのが.無性に寂しく,かつ,もの悲しい.

資料;http://zakixzakix.jimdo.com/から引用.

■今の二宮駅界隈
 自転車の男性にお礼を言ってお別れする.
 その後,駅前の案内板を眺める.ここには今の二宮駅周辺の様子がイラストされている.帰宅したら,先ほど引用した地図と見較べながら,今昔二宮変遷の様子をユックリ見よう…また楽しみがひとつ増えた.


■二宮駅で解散
 15時11分,無事,二宮駅前で解散する.丁度良い時間である.
 これから,希望者だけで近くの喫茶店で軽く懇親会を開く.結局は全員が懇親会にさんかすることになる.

<二宮駅>

<今日も無事終わった>

■喫茶店「カルチャー」で懇親会
 案内役のTNさんが予約されていた喫茶店「カルチャー」で懇親会を開催する.
 カルチャーは小規模な店である.私達が入っただけで,ほぼ満席になる.私はコーヒーを所望したかったが,もう朝の内に2杯ほど飲んでいるので,コーヒーは自重する.
 “さて,何にしようか…”
 出された水を飲みながら迷う.この水が実に旨い.うっすらとレモンの香りがするだけでなく,水そのものがまろやかである.この店の女主人に伺うと,やっぱり水道水ではなく,ナントカというミネラルウォーターを提供しているとのこと.
 さて何を注文しようか.迷った末に,たまには甘いものも良かろうということで,柄にもなく蜜豆を所望する.500円也.結構美味しい.
 
<喫茶店「カルチャー」>                           <みつ豆>

■終わりよければ全て良し
 16時丁度に懇親会が終わる.
 今度は本当の解散である.バスで秦野方面に向かうグループと東海道本線に乗車するグループとに分かれる.
 私は二宮駅から東海道本線東京行電車に乗車,16時42分に大船駅に到着する.
 17時過ぎに無事帰宅.
 今日は水曜日,本来ならば塔ノ岳に登る日であった.塔ノ岳には登れなかったが,代わりに参加した廃線の旅も,また,楽しかった.ただ,事前に十分調査する暇がなくて,大分消化不良なままの旅だった.でもまあ,今日も“良かった! 良かった!”である.
 
<ラップタイム>

 9:47  秦野駅歩き出し
10:08  平成橋
10:32  軽便秦野駅
10:35  バス停下宿
10:51  台町駅跡
10:59  命徳寺
11:18  養泉院
11:31  嶽神社
11:32  大竹駅跡
12:00  バス停原
12:09  上井ノ口停留所跡
12:12  簑笠神社
12:27  信号陣ヶ原
12:28  厳島湿生公園(13:15まで昼食)
13:25  米倉禅寺
13:36  下井ノ口停留所跡
13:51  二宮町に入る
13:57  浄深寺
14:01  旧一色分校
14:04  一色停留所跡
14:25  山安
14:36  中里停留所跡
14:45  大応禅寺
15:02  軽便二宮駅跡
15:11  JR二宮駅(解散)

[散策記録]

■水平歩行距離          12.0km

■累積登攀高度           84m

■所要時間(休憩時間込み)
  秦野発                                9:47                                
  二宮着                              15:11
  (所要時間)                5時24分(5.40h)
 水平歩行速度               12.0km/5.40h=2.22km/h
                                 (おわり)

「関東の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ae9e698d98355a544a3f7b31d887fc17
「関東の山旅」の次回の記事
(なし)

※お断り
 この記事は私の旅仲間の方々を対象にして纏めております.内容には多分誤りが多々あり,その上,誤字,当て字,転換ミスもあろうかと思います.これらのことが気になる方は,どうぞ当記事にアクセスされないようにお願いします.








 


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