<会場に向かう途中の浜公園>
中秋の浜;神奈美展(2);久々に研究仲間と頭の体操を楽しむ
(元研究仲間の来訪)
2014年10月31日(金) 晴
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<元勤務先の皆さんが来訪>
■会場に不在の間に元勤務先の同僚が来訪
10月29日(水),特に山に行っているわけでもないのに,朝から私は疲労困憊気味である.どうしたことだろう?
午前中の早い時間に済ませてしまおうと思っていた雑用が,おもうように捗らないのには往生する.午後も大分遅くなってから,神奈美展会場の神奈川県民ホールを訪れる.
受付で,来訪者名簿を見せていただく.
案の定,すくなくとも,元勤務先の同僚2名,MOさんとOKさんが,私の留守中に来られたことが分かる,お二人の方には,大変,失礼なことをしてしまった.なお,名簿を子細に眺めれば,このお二方以外にも,私が不在中に会場までお運び頂いた方が居られるかもしれない.この場を借りて深甚の意を表する次第である.
■タッチの差で会えず
10月31日,朝から雲行きが怪しい.
私は,毎日の雑事を早めに済ませて,展覧会場に向かう.途中,道路の緊急工事とやらの影響で,自宅近くのバス停から大船駅までの路道路が大混雑.そのため,展覧会場に到着する時間が,予定より大分遅れてしまう.
会場の受付に立ち寄ると,
「…FHさんを探していた方が居られましたよ…」
とのこと.
あわてて,来訪者名簿を探すと,もと勤務先のMZさん.MZさんは私と同じコンピュータ関係の仕事をされた後,某大学の教授になられた方である.
「つい先ほど,会場を出られたようですが,まだ隣の写真展を見ておられるかもしれませんよ…」
私は会場をくまなく探したが,MZさんには会えなかった.もしお会いできたら,最近のITをテーマに雑談したかったのに…
<研究仲間の来訪>
■雨の中わざわざ…
今日は,私が現役時代の研究仲間だった大学の先生方が,悪天候を押して,わざわざ私の絵を見に来てくれるとのことである.
私は,先生方と一緒に昼食を摂るために,英一番館のテーブルを予約しておいた.
11時頃,小雨ぱらつく中,NG先生と,HZ先生のお二人にわざわざ会場までお越し頂く.NG先生は男性,元YS大学の教授で今は定年退職されている.HZ先生は女性,まだバリバリのTK大学の教授である.
あいにくの雨にもかかわらず,11時頃,お二人の先生が会場に到着される.さっそく,私ノ拙い絵を見て頂く,有り難いことである.
お二人の先生方は,私と同じように情報システム(俗にICT;Information and Communication Technology)が専門である.
まずは,展覧会場を一回りする.
<NG先生とHZ先生> <持ち寄った参考文献を広げながら…>
■英一番館で昼食を摂りながら…
12時に予約を入れていたレストラン「英一番館」を訪れる.
英一番館は展覧会場のあるビルの最上階(6階)にある.店内からの眺めは最高.展望を楽しみながら,まずは,昼食である.雑談をしながらの食事は“また楽しからずや”である.
最近,私の頭の中は山登りのことが大きな面積を占めているが,先生方との雑談で,私の頭の中で半ば錆び付いていた部分が,また急に蘇ったような衝撃を受ける.
私は自宅から持参した数冊の埃まみれの本を取り出して,久々に熱っぽく持論を披露する.すっかり現役に戻ったような気分である.ただ,ときどき自分が知っていたはずの事象が思い出せなくて,イライラする.
“やっぱり,たまには頭を使わないとダメだな…”
とつくづく思う.
■古典をひもどきながらの雑談
まずは私のお気に入りの古典はこちら.
雑談をしている内に,経営学の範囲を超えて,量子力学まで話が飛躍してしまう…が,主旨は以下の通りである.
<私がお気に入りの古典>
絆って一体何?
ここ数年,私の関心事は,俗に言う「絆」と情報システムの関係の解明にある.ただ「絆」では俗称過ぎるので,ネットワーク組織と読み替えた方が良いかもしれない.
この種のブログで,あれこれ記述するような話題ではないかもしれないが…
私が試みたいのはいわゆる絆を,まずは倫理的視点からの位置づけを解明したいと思っている.私は佐藤俊夫著『倫理学』の最終ページを開いて,「人間は何処へ赴くべきか」という部分を提示する.その上で,ICTが一体どんな役割を果たすべきか.ICTの功罪をどう捕らえるべきかを考えたい.
絆の構造は?
それには,まず,いわゆる「絆」の構造をどう理解すべきかである.これに対して私はリプナック他の著書『ネットワーキング』が一番正鵠を得た書物だと思っている.このリプナックの考え方をベースに,絆の最小単位である二つのノードとそれを結ぶリンク,およびリンクを往復する情報の4要素について色々と解明してみたい.
絆って3次元?
ところで実際の「絆」は2次元的なものではなく上下関係まで含め3次元的な構造を持つものとして考えなければならない.ではどのようなモデルにするかが問題になるが,一番フィット感のあるモデルはドンタプスコットが著書『パラダイムシフト』の中で提示した「個人」,「ハイパフォーマンスチーム」,「インテグレーテドオーガニゼーション」,「インターネットなどで連結された外部」の4階層区分が一番具合が良さそうだ.
だれが絆を保持するのか?
次に気になるのが,ネットワークにおけるシステムオーガナイザーの役割である.この解明には中村陽吉著『集団の心理』が一番良さそうである.この本の中でリーダシップの源泉は,賞,罰,当然の権利,専門家勢力,および同一視の5種類あると看破する.そしてリーダシップには,試みられたリーダシップ,成功したリーダシップ,および効果的なリーダシップの3段階があると提唱している.勿論,望ましいのは効果的なリーダシップである.
効果的なリーダシップとは?
では,どうしたら効果的なリーダシップが取れるか.この問題を解明するには市井三郎著『哲学的分析』がヒントを与える.市井は坂本龍馬の行動から,明確な目的を持つ,実現のための手順(仮言的法則性),敵対する勢力に目的実現のための積極的役割をフヨするの3点が重要だと指摘している.
仮言的法則性とは,突き詰めて考えると目的と目標を(Objectives and Goais)をどう捕らえるべきかということである.これにはエーコフの“Concept of Corporate Planninng”(和訳本なし)の記述がヒントを与えてくれる.
絆におけるICTの位置づけ
以上のような諸々を勘案しながら,絆におけるICTの役割を解明したい.そのヒントになるのはボールディング著『科学の骨格』である.8階層のシステム階序の中で,ICTは下から3番目.一方絆は8番目の階層である.3番目の階層の特徴は正確な機能と効率にある.これらを8番目の階層に取り込むのがICTの役割である.
…で,どうするの?
まあ,以上のようなとりとめのないことをあれこれ勘案しながら,独自の「絆」の構造を提示し,ICT利用のプラス面とマイナス面の構造を明らかにしたい.その上でマイナス面を如何にして回避するかについての処方箋を提示したい.
まあ,そんなおおそれた研究など私にはできないことは百も承知だが…
<楽しい一日だった>
■地下鉄で浜駅へ
13時30分頃,楽しい昼食会を終える.
3人揃って会場を出る.
数ヶ月ぶりの研究仲間との出会いは,実に楽しく刺激的であった.もう叶わぬ夢と知りながらも,再び研究者として活動してみたいなとしみじみ思う.
雨上がりの濡れた道を歩き出す.
「…地下鉄の駅まで5分も歩かなければならないですね.タクシーで浜駅まで行きましょうか…」
とHZ先生が言う.ご年配のNG先生を気遣ってのことである.
NGさんが,地下鉄の駅まで歩こうということなのでご一緒する.私はそのままJR関内駅から根岸線に乗車する方が早く帰れるが,先生方とのお別れが淋しくて,地下鉄で浜駅までご一緒する.
浜駅で先生方とお別れする.
■楽しい一日だった
帰宅後,会場で行き違いになってしまったMZさんから電話を頂戴する.
「…素晴らしい絵が沢山あったので楽しかったですよ…」
とのこと.
MZさんも絵を趣味にしておられる.
「…来年3月に公募展がありますよ…是非,応募して下さい…」
とお願いする.
NZさんが来年の公募展に応募してくれるのを楽しみにしている.
■『尾根の瓦版』No.21が届く
夕方帰宅する.
嬉しいことに,塔ノ岳常連のYKさんが心血を注いで編集発行している『尾根の瓦版』No.21が手許の届いている.21ページにも達する素晴らしい私的雑誌である.記事の行間から,編集長のYKさんのなみなみならぬ努力が偲ばれる.
今回は堀山の家のオーナーだった“ひげさん”の追悼号である.記事を読み進むにつれて,涙が溢れてくる.
これ以上,ここで記事の中味を披露することはできないが,実に沢山の“塔ノ岳常連”の方々が記事を寄稿している.もちろん私も…
明日は塔ノ岳常連の方々が,神奈美公募展を見に来てくれることになっている.
“やっぱり,山仲間は良いな…”
とつくづく思う.これもまた”絆”の典型例である.
■今日も“良かった!,良かった!”
今日は久々に研究仲間だった先生方と,会話を楽しむことができたし,瓦版が手元に届いた.
そして,久々に,頭に心地よい刺激を受けることができた.
だから今日も“良かった! 良かった!”である.
(つづく)
続きの記事
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「閑話休題」の前回の記事
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