<ギャイトアルム小屋>
オーストリアの山旅:エピローグ(2)エピローグは新たなプロローグ
(アルパインツアー)
2014年6月26日(木)〜7月7日(日)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b84c9cbdce335e70053ac53381a03784
<今回の旅の印象>
■現地での印象
今回の旅の印象を,思いつくままに列挙してみよう.
1.天候の都合で,完全縦走が出来なかったのは残念である.
2.夏のシーズンなのに,途中で大雪に見舞われ,思わぬ雪山を経験できたのは
幸いだった.
3.現地ガイドのWGさんと,ツアーリーダーのYDさんの連係プレーは実に見事
だった.
4.WGさんは知日派で,しかも人柄も良く,気配りが素晴らしい方であった.
5.現地では日本人のツアー客が珍しいこともあって,行く先々で歓迎された.これ
は大変嬉しかった.
6.(一寸した苦言だが)グループの中に自分勝手で上から目線でものをいう方が
1人居られたのが気になった(以て他山の石とすべし).
7.どこの山小屋も,日本の一般的な山小屋とは比較にならないほど,素晴らし
かった.
(例)
1人当たりのスペースがユッタリしている.
大抵の山小屋にはシャワーが完備している
お湯がチャンと出る.
シャワーがなくても,お湯が出て身体を洗うスペースがある.
トイレットペーパーの品質が日本以上かもしれない.
8.食事時間がユックリしていて,食卓のスペースもユッタリしている.
9.トイレなどアメニティ空間が清潔でユッタリしている.
10.旅行した範囲では,どこでも水道の水が飲める.
11.垣間見た範囲では,物価は日本よりちょっと高いかなと思う程度.
(昨年訪れたノルウェーでは物価の高さに驚いた)
12.折角,由緒あるウィーン,ザルツブルグを通りながら,全く観光する時間がな
かったのが極めて残念.
■帰国直後の印象
帰国直後の印象は以下の通りである.
1.入国審査など空港の係員が親切で,仕事が速い.
2.?浜駅など公共施設が,とても明るくて清潔感がある.
3.一般の人達の服装が,明るくて,きちんとしている.
4.和食がとても旨くて,ボリュームも最適である.
(私が日本人だから,こんなこと,当たり前だが…)
5.(帰国後日本の山に登っての印象)やっぱり日本の山も良いな.
6.日本の夏は,なんともはやいいようがないほど蒸し暑い…参った!
<エピローグ>
■振り返れば…
私は昨年(2013年),アルパインツアー社主催のノルウェー最高峰ガルホビッケン山登頂に参加した.そのとき大変お世話になった同社のOGさんから,今年の春頃から,同社で初めて開催するオーストリアの山旅について熱心なお誘いを受けてた.
正直に言えば,OGさんからお誘いを受けるまで,オーストリアが登山の対象になるとは全く思っていなかった.オーストリアで私が連想することといえば,古い映画の『会議は踊る』の舞台にもなったウィーン,音楽のザルツブルグ程度である.
“どうしようか…?”
私は迷いに迷った.その後,電話によるお誘いだけでなく,地図などの資料をお送り頂いたので,それではオーストリアへ行ってみるかということにした.
私が初めて海外の登山またはトレッキングをしたのは,かれこれ10数年前に行ったネパール;アンナプルナ・ダウラギリ展望トレッキング(アトラストレック主催)であった.その後.その後,ほぼ毎年1回の割合で,海外の登山やトレッキングを楽しんできた.これまで訪れた海外ツアーは,ミルフォードサウンド,ルートバーン,ルアペフ山・タラナキ山,キナバル山,キリマンジャロ,アパチャ山,モンブラン,ユングフラウ,メンヒ,ピスコ山(ペルー)など,振り返って見ると,結構,徘徊するように,あちらこちらへ行っている.
■書き貯めた雑記帳
旅行中に書き貯めた雑記帳は,分厚いノートで,ほぼ一冊になる.
雑記帳の記事の中には,乱雑だが現地で描写した沢山のスケッチ風メモがある(敢えてスケッチ画とはいわない).
これらの中には,何れ水彩画として仕上げたいものが多数ある.これらのスケッチ風メモを見ていると,
“果たして,自分が存命中に,絵として残せるかな…”
と思案してしまうほどの量である.
でも,現実には,“何も全部水彩画に仕上げなくても良いじゃないか”と割り切ることにしている.
“ソレデイイノダ…”
とはいえ,来年の展覧会には,今回の旅行でえられた資料の中から1〜2枚の水彩画ぐらいは是非仕上げたいなと思っている.
[水彩画に仕上げたいボールペン画の例]
※水彩画にしいボールペン画はまだまだ沢山のあるが…
■容赦ない年令
そうこうしている内に,自分ではまだまだ山へ行けると思っていても,本人の願望とは無関係に,年令だけは容赦なく1年,1年と増えていく.その結果,平素からお世話になっているアルパインツアー社などは別にして,しばらくご無沙汰しているツアー会社に「参加したい」と申し込んでも,
「…あなたは高年齢ですからダメです…」
と断られてしまう.
年令という尺度だけで断るなんて失礼しちゃうな…と憤慨はするものの,よく考えると,もっとも客観的な尺度は年令ということも事実である.
こんなことがあると,
「…おれも年だなぁ〜…もうダメだ」
と気分的に挫けそうになる.
反面,週に2回の割合で塔ノ岳に登っているだけの体力があるのに,何で旅行社は断られるの…という無念さは確かにある.しかも,塔ノ岳登頂標準時間は3時間30分(休憩時間含まず)のところを,春夏秋冬を問わず3時間以内で,余力を持ったまま確実に登れるのに…
愚痴はこの辺で止めよう…
さて,これからである.どうなるか私にもサッパリ分からないが,もし健康が維持できているとすれば,多分,またどこか外国の山へ出掛けるだろう.
その意味では,エピローグは新たな旅のプロローグでもある.
帰国後3ヶ月;2014年10月6日(月) 強風雨
<色々あるけれども…>
■やっとエピローグまで書いた
月日の過ぎ去るのは早いもので,オーストリアから7月7日に帰国してから,もう3ヶ月にもなる.牛歩のようなノソノソした速度で書き続けてきた旅行記も,やっと今日でエピローグを迎える.
もっとも,これからも資料編を纏める作業が残っているが…
毎日のように,読んで頂ける方も殆ど居ない旅行記をグダグダ,ダラダラ書き続けている間に,一体何のために書いているんだと思うこともしばしばだった.でもその度に自分の足跡を記録しておくためだと自分に言い聞かせる.でも,
“じゃあ,何のために足跡など残すんだ…?”
と,自分の心の奥底に巣喰っているもう一人の自分に聞かれると,訳が分からなくなり,何の答えも出てこない.
もし,自分が亡き父や母の元に旅立ってしまえば,このブログ記事や書き貯めたメモなどは,当然雲散霧消してしまうだろう.それが世の常である.その日が明日かもしれないし,5年後,10年後…? 20年も先まで続くとは思っていない.
“でも,まあ,いいや,先のことは考えないで…このままブログを続けよう”
というわけで,エピローグは新たな旅のプロローグである.
■追悼;登山家佐々木慶正さん
このほど登山家佐々木慶正さんが,マナスル登頂中に滑落死されたことを知った.とても悲しい.佐々木さんにはモンブラン,ユングフラウ,メンヒなど,ヨーロッパの山々で大変お世話になった.私が心底から信頼し,尊敬していた方である.来年辺りは佐々木ガイドが主催する山行に是非参加したいなと思っていたが,それも敵わぬ夢となった.
私が心底から尊敬していた佐々木さんの訃報はとてもショック!
謹んで哀悼の意を表する次第である.合掌.
それにしても,やっぱり山は恐ろしいところだなと再認識させられる.
ペルーで大変お世話になった登山家三井さんも数年前にワスカランで亡くなった.その他に国内の山でお世話になったガイドの方も何人かが亡くなったり,ケガをされたりしている.
諸先輩から教えて頂いたことを忠実に守って,
“自分は山の素人だ…奢らず,分を弁えて,安全登山に徹しよう…”
と改めて自戒する次第である.これがご指導頂いた山の諸先輩への最大の供養であろう.
佐々木ガイド 佐々木ガイド
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<モンブラン登頂証明書授与式> <ユングフラウ登頂を終えて>
■只今,台風18号襲来中
只今,10月06日,午前5時.台風18号は,NHKのテレビによると今日午前中に関東地方を通過するとの予想である.関東地方は太平洋側中心に風雨が強いようである.
まだ夜が明けず外は真っ暗.雷鳴が轟いている.
そう言えば,帰国後2日目の2014年7月9日(水)から,この「オーストリアの山旅」の記事を書き始めたが,丁度そのときに台風8号が襲来していた.この記事を書いている間に,台風が10回も襲来したことになる.
昨日も台風18号の影響で,終日雨だった,今日も多分終日雨の降り込まれ,自宅で燻っていることになるだろうな.
無事台風をやり過ごせることを祈るのみである.
<NHKテレビの画面>
<エピローグは新たなプロローグ>
■当面の目標は…
さて,当面の関心事は何かである.
まず当面のこと.
10月27日(月)から開催される某協会会員展に出展する2枚の水彩画を完成させなければならない.これがまた大変なくせ者で,作業が,中々,思うように進まない.どうも自分が満足するように画けないからである.
でも,一昨日の土曜日に,塔ノ岳に登った帰りに,堀山の家の掲示板に,この会員展の開催案内を掲示して頂くようにお願いした.それに開催期間中に街道歩きの仲間,大学の先生方,塔ノ岳常連の方々に会場までお越し頂くことが決まっている.折角,ご来場頂けるのに,それに応えられるだけの作品に仕上げなければ…これが,結構なプレッシャーだが,実にやりがいの源泉となる有り難いプレッシャーでもある.
<制作現場> なかなか筆が進まない
■善光寺街道の下調べ
もう一つ,速く作業を始めたくてジリジリしているのが善光寺街道の下調べである.
これは,過日,街道歩きの皆さんに私が提案して,来年春から開始する「歩いて巡る善光寺街道・西街道」計画のことである.
すでに,叩き台となる資料を入手しているので,カシミールを使って,これらの資料からえられたデータを整理する作業に取りかかりたいと思っている.梅や桜の花が咲く頃を見計らって,気心知れた仲間達と一緒に,信濃路をゆっくり歩くのが,当面の私の夢である.
“善光寺街道が終わったら,次は奥州街道だぞ…”
私の夢街道は尽きないのである.実は,善光寺街道が終わったら,次は奥州街道に行こうと仲間達ともう決めている.
絵を画いたり,街道歩きの下調べをしたりしていると,一日一日がとにかく短くて仕方がない.それに合間を縫って週に2回の割合で塔ノ岳詣でをしていると,一週間が“あっ”という間に過ぎ去ってしまう.
<善光寺街道の資料>
■このシリーズの資料編
元に戻って…
このシリーズも,折角だから旅行中のデータや入手資料などを当ブログに整理して収録しておきたい,でもこれも結構な作業になる.
そんなこんなで,誰に頼まれたわけでもないのに,私は毎日多忙である.
(本文完)
(資料編に続く)
続きの記事
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(編集中)
「オーストリア山岳トレッキング」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/057c1f13884ed3e55ed78019294833dd
「オーストリア山岳トレッキング」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7cbebff6666c1ee86eab07561e3cf5ad
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