<美しい湿原を歩く>
オーストリアの山旅:第10日目(3);オーベルヒュッテゼーを越えて
(アルパインツアー)
2014年6月26日(木)〜7月7日(日)
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第10日目;2014年7月5日(土) (つづき)
<ルート地図>
■第6日目のルート全体図
↓
■拡大図(アカールシャルテ→シーカ展望台) 拡大図
※これらの地図はアルパインツアー社とは無関係である.
地図の正確性は全く保証しない.
<雪渓と岩稜を越えて>
■大きな雪渓の連続
アカールシャルテでの休憩を終えた私達は,9時23分にまた歩き出す.
冷たい風が吹いている.上空を雨雲が覆い始めている.分厚い雲の下を,少々憂鬱な気分のままトボトボと黙々と,現地ガイドのWGさんの後を付ける.
歩き出してすぐに,大きな雪渓を横切る.辺りは完全に雪景色である.こんな所を歩いていると,今,本当に夏なんだろうかと疑いたくなる.
<雪渓が次々に現れる>
■ガレ場の連続
高度が増すにつれてガレ場が多くなる.踏み跡がやっと見える程度の登山道が続く.ガイドが居なければ,少々心細い感じがするガレ道が連続する.
上空を覆う雨雲が辺りをますます薄暗くしている.今にも雨が降り出しそうな感じである.
”雨だけはカンベンして…”
私は心の中で愚痴っている.
<雪渓とガレ場の道が続く>
■なだらかな下り坂
なだらかな下り坂が続く.先頭を行くWGさんの後に付いて,黙々と下り続ける.
高度が下がるにつれて,次第に雲の下に入ったらしく,歩くほどに視界が広がり始める.
ガレ場が時々現れる.
<なだらかな下り坂をひたすら歩く>
<視界が開ける>
■U字形の谷間
10時を過ぎる頃,前方の視界が開けてくる.
眼下に広々としたU字谷が広がる.谷間には3本の川が流下している.その川が集まって1本の川になって,蛇行しながら流れているのが見える.
素晴らしい展望を眺めながら歩き続ける.
<素晴らしい展望>
■急な下り坂
9時55分,下り坂にさしかかる.かなり急勾配である.
後ろの方からツアーリーダーのYDさんが,
「山側を歩いて下さい.路肩は歩かないで…」
と私達に注意する.
稜線に雲が垂れ込めている.今にも雨が降り出しそうである.
<下り坂>
■長閑なトラバース道
急な下り坂を過ぎると,なだらかな斜面に沿ったトラバース道になる.この辺りはどうやら牧場のようである.斜面は牧草で覆われていて樹木が少ないので,視界が開けている(それとも,森林限界を越えているのかな).
なだらかな坂道も,先へ進むにつれて次第に急坂になる.
<長閑なトラバース道>
■驟雨
雲行きがますます怪しくなる.
10時20分頃,突然,ポツポツと雨が降り出す.驟雨.
これは堪らない…ということで,10時23分,雨具荘着のための臨時休憩をとる.
驟雨は程なく止んだが,その後も,霧雨が降ったり止んだりを繰り返す.
<雨が降り出す>
<オーベルヒュッテゼーの湖畔>
■湖が見える
10時26分,やや急な下り坂を過ぎると,進行方向右手にオーベルヒュッテゼーが見え始める.美しい湖である.
地図で確かめるとオーベルヒュッテゼー(Oberhuttsee;標高1,869メートル)である.
湖の先端にある山小屋,オーベルヒュッテが見えている.ここも居心地の良さそうな山小屋のように思える.
“あの小屋でノンビリ1〜2泊するのも悪くないな…”
と思いながら,湖を見送る.
<オーベルヒュッテゼーを見下ろす>
■ゲートを通過
10時33分,ゲートを通過する.多分ここからが牧場なのだろう.もっとも,私には,このゲートが牧場の入口なのか出口なのかハッキリ分からない…が,入口としておこう.
ゲートを通過しても,辺りの風景は何ら変わらない.相変わらず下り坂が連続する.
<牧場のゲートを通過>
■オーベルヒュッテザッテルの分岐点
10時35分,オーベルヒュッテザッテル(オーベルヒュッテ峠;Oberhuttesattel;標高1,856メートル)に到着する.
峠に黄色の塗装をした標識が立っている.標識には「オーベルヒュッテまで所要時間3分」と書いてある.
“3分程度で行けるなら,ちょっと湖の畔まで降りてみたいな…”
と思うが,自分の心の内に止めておき,余計なことは言わないようにする.
<オーベルヒュッテ峠の道標>
■峠で休憩
私達はオーベルヒュッテ峠で休憩を取る.ここから先はまた登り坂のようである.
アルパインツアー社から事前に貰っていた地図には,ここから先はアウトオブザマップ.したがって,この辺りから先のことは事前の下調べを全くしていないので,見当が付かない.先が全く見えないのは,残念ではあるが,どうなるか予想が全く付かない面白さもある.
10時50分,休憩を終えて歩き出す.ここからはまた緩やかな上り勾配の道が続く.登り坂の先は雲の中に隠れている.あの雲の先には,一体,何があるんだろう.
<峠で休憩:これから登る坂道が見えている>
<3本の小川が流れる湿原>
■小川を徒渉
緩やかな登り坂の先は,小川が蛇行する広々とした湿原になっている.小さな川を徒渉する.その先は小さなアップダウンが連続する.
先ほど高い所からU字谷を見下ろしたときに3本の小川が見えていたが,その3本の中の1本を徒渉したようだが,どの小川かははっきりしない…が,多分一番北側を流れる小川を渡っているんだろうと想像する(間違っているかもしれない).
<小川を徒渉>
■小川の合流点
11時09分,3本の小川が合流する地点に到着する.
WGさんが,
「ここは3本の小川が合流するところです.皆さんに是非見せたかったところです…」
と自慢する.
なるほど,3本の小川が入り乱れるように集まっている.辺り一面に白い花,黄色い花が咲き乱れている.何とも優しくて美しいところである.
<3本の小川の合流点>
■自然の暗渠
11時16分,WGさんが小さな岩の割れ目を指さしながら,
「ここから川が地下に流れ込みます…珍しい所です」
と私達に説明する.
なるほど,上から流れてきた小川の水が,この岩の割れ目から地下に流れこんでいる.
<地下水が流入する割れ目>
(つづく)
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(編集中)
「オーストリア山岳トレッキング」の索引
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