Quantcast
Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2690

トコロテンと氷水で残暑を癒す丹沢;塔ノ岳(今年42回目)

$
0
0

                            <花立山;霧が少し薄くなり山稜が見え始める>

   トコロテンと氷水で残暑を癒す丹沢;塔ノ岳(今年42回目)
           (登り単独・下り常連に同行り)
                 2014年9月6日(土) 曇

■朝から蒸し暑い
 何時ものように4時10分に家を出る.外は真っ暗.これから秋がドンドン深まるのを実感しながら大船駅に向かう.路傍から絶えずコーロギの啼き声が聞こえてくるが,早朝の淀んだ空気は,やけにベタベタしていて,蒸し暑い.こんな早朝からもう汗ばんでいる.
 “今日は蒸し暑そうだな…塔ノ岳,大丈夫かな…”
と信州の涼しい所で育った私は,朝から少し心配である.
 東海道本線下り初電に乗車する.勿論早朝なので座席に座れないことはないが,平日のようにボックス席を独り占めにするほどには空いていない.
 “まあ,どこでもいいか…座れれば”
 座った途端に,眠くなる.ありゃ〜寝不足かな,そんな筈ないのに…
 今日の天気予報は,日中は曇,夕方から雨である.
 小田原で小田急電車に乗り換える.車窓から矢倉岳と富士山が見えることを期待していたが,予報通りにどちらも分厚い雲の中である.残念!

■大倉のネコ
 渋沢駅に到着.
 今日は土曜日,大倉行の臨時バスが出る.立ち席が出るほどの混雑である.乗り合わせた顔見知りの常連は,ランナーのHさん,YUさん,編集長のYKさん,TDさん,UMさん.KIさん.HMさん,IIさん.
 6時50分,臨時バスは大倉に到着する.
 バス停近くの歩道の真ん中で,近所に住んでいる1匹のネコが気持ちよさそうに朝日を浴びている.ネコ好きの登山者が,次々に写真を撮ったり撫でたりしている.私もこのネコの写真を数枚撮る.
 “このネコが,尊仏山荘のミャ〜君の子供だったらいいな…”
 でも,毛並みや顔立ちをみると,ミャ〜君には似ていないようである.このロマンは成立しない.残念!

<大倉のネコ>

■見晴階段
 6時56分,大倉から歩き出す.たまたま居合わせたIIさんと一緒である.
 歩き出した途端に,空気がベットリとしていて蒸し暑いのに閉口するが,まあ,行けるところまで行ってみようと思っている.
 7時04分,登山口を通過する.
 丹沢ベースに近付く頃,後ろから来られたYUさんが私たちに追い付く.私はYUさんと雑談をしながら歩き続ける.その内に,先ほどまで一緒だったIIさんが居なくなったのに気がつく.
 7時23分,観音茶屋を通過する.
 ジグザグの登り坂を登っているときに,軽快な足取りで登って凝られたKIさんにスイスイと追い抜かれる.この頃から,私はYUさんの後について歩くのがだんだんと辛くなる.そして,雑事場ノ平に到着する頃には,YUさんとの間隔は10メートルほどに広がってしまう.
 ジメジメした道を歩いていると,左手の肩の辺りに,いきなりチクッとした痛みを感じる.急いで振り払うと羽音をバタバタさせて小さな虫が飛び去っていく,蚊ではないが,イヤな感じが残る.

■見晴階段
 7時42分,見晴茶屋に到着する.茶屋のテラスで,堀山の家のKBさんが休憩している.KBさんに.
 「帰りに,(堀山の家に)立ち寄ります…」
と挨拶して茶屋を通過する.
 いよいよ見晴階段に差し掛かる.例によって定点観測の写真を撮る.すると,坂の中段辺りに,先ほどまで一緒に歩いていたYUさんの後ろ姿が見えている.これだけ間が空いてしまうと,もう追い付くのは不可能である.

<見晴階段>

■やっと駒止茶屋だ
 のろのろとした足取りで,四苦八苦しながら見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.頭がクラクラし出すのではないかと心配になるほどの蒸し暑さである.しかも完全に無風状態であり.もうダメ!
 7時55分,私は後ろから,いきなり,
 「FHさん…」
と声を掛けられる.1番バスで来られたTGさんである.一言二言挨拶を交わしてから,
 「どうぞお先に…」
 一本松を通過したのは8時02分.もう大倉を歩き出してから,1時間06分も経過している.涼しくて体調が良いときならば,駒止茶屋を通過していてもよい時間である.でも,まあ仕方がない.
 それでも,やがて駒止階段に差し掛かる.
 “やれやれ…しんどいな…”
と思いながら,ひたすら下を向いたまま登り続ける.
 すると,上の方からKSさんが降りてくる.例によって,
 「やあ,やあ,…」
と握手.これで私の気持ちは大分救われる.
 「今日は風が全くないですね…山頂もこんな天気でしたよ…」
とのこと.
 KSさんと立ち話をしている内に,何となく前向きの気分になり,8時17分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間21分.私の夏の標準時間に比較すると10分ほど遅いラップである.

■堀山の尾根道
 やっと,堀山の尾根道に入る.何時もならばこの辺りまで登ると,海風が吹き抜けて,とても涼しくなるが,今日は全くの無風で相変わらず蒸し暑い.それでも,登山道の両側に生えている木々の緑を見上げながら歩いていると,気分がとても和らいでくる.
 富士山が良く見える場所に到着する.もう雲の中に入っているらしく,辺り一面に深い霧が立ちこめていて,富士山はおろか,近場の山も全く見えない.それでも私は自分に課したノルマとして,見えない富士山の写真を撮る.心の中では”まるでバカみたい”と思いながら…
 8時36分,小草平に到着する.堀山の家はまだ開店していない.ベンチで男性1人が休憩を取っている.勿論,ここからも富士山は全く見えない.堀山の家に取り付けられている温度計は25℃を指している.こんな高い所でも夏日である.

<堀山の尾根道で見えない富士山の写真を撮る> 

■萱場平
 小草平からの長い坂道に差し掛かる.遅い足取りながらも,自分の足取りで歩き続けていると,呼吸の乱れもなく,足取りも次第に安定してくる.それと同時に楽に登り続けられるようになる.リズムが安定すると,足取りは遅いものの長時間歩行にも耐えられるようになる.気分も安定してくる.
 私は余裕を持って独りノンビリ登山を続ける,
 8時58分,萱場平に到着する.辺り一面にモヤモヤする霧が掛かっていて,蒸し風呂のような感じである.萱場平には誰も居ない.草むしたところで休憩をする気にもなれないので,そのまま通過する.
 萱場平の平坦道を利用して,呼吸や足取りを整えてから,花立山荘までの坂道に差し掛かる.

<蒸し風呂のような萱場平>

■花立山荘
 花立山荘に向かう坂道を登っている途中で,韋駄天のSTさんに追い抜かれる.どうやら2番バス(?)で来られたようである.相変わらずの俊足である.
 黙々と登り続けて,9時17分に後七分坂(花立階段)に差し掛かる.ここで2番バスで来られたMGさんに追い抜かれる.花立階段を見上げると余りに長いのにため息が出る.でも,この階段を登らないと塔ノ岳には行けないので,余り上を見ないようにして,一段一段登り続ける.
 後もう少しで花立山荘に到着というところで,下山してくるUMさんとすれ違う.さらに後ろから登ってきたYDにも追い抜かれる.UMさんが,
 「花立山荘でMGさんが休憩していますよ…」
と教えてくれる.
 “私が花立山荘に到着するまで,MGさんが休憩しているかな…”
と期待しながら登り続ける.その間に,私とYDさんの間が次第に空き始める.
 9時25分,ようやく花立山荘に到着する.山荘の前には「氷」の旗が立っている.氷水を賞味しながら休憩したいなという気持ちはあるが,ここでそんなことをしたら,もう登る気が氏亡くなるので,下山のときの楽しみとして残し,そのまま花立山荘を通過する.すぐ先には先ほど私を追い越したYDさんの後ろ姿が見えている.
 大倉から花立山荘までの所要時間は2時間26分.また,堀山の家からの所要時間は48分.この時期の私の標準時間から,それぞれ15分と8分余計である.
 霧がますます深くなる.相変わらず無風である.

<花立山荘>

■下ってくる沢山の常連とすれ違う
 9時43分,やっと金冷シを通過する.ここから先の坂道はそれほど苦にはならないが,どうせ遅れ序でなので,もうどうでもいいやという気分もあって,ノンビリ,ノタノタ登り続ける.
 金冷シから最初の階段の途中で,下山してくるKIさんとすれ違う.さらに,最後の階段で,今度はTGさんとSTさんのお二人とすれ違う.
 STさんが,
 「上であなたを待っていたんですけど,待ちきれなくて降りてきました.暫く振りです.…でも,フェースブックを見ているんで,何時もお会いしているような感じですね…」
と言う.STさんは新老人の山の会を主宰されている方である.

<塔ノ岳山頂直下の階段にて>

■塔ノ岳山頂
 10時02分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉から歩き出して実に3時間06分も経過している.蒸し暑いとはいえ,誠に不甲斐ないラップである.花立山荘からの所要時間は37分.熱くないときなら,平素,30分で歩くところを7分もオーバーしている.また,金冷シからも平素は15分で歩くところを19分も掛かっている.
 “でも,まあ,無事に山頂まで到着したんだから,これで良しとしておこう…”
 こういうのを負け惜しみという.
 山頂の気温は23℃.山頂でこんなに気温が高いとは…初秋とは言えまだまだ猛暑である.
 山頂一帯に霧が立ちこめていて無風,視界は全くダメ.
 しばらくジッとしていると,暑くも寒くもない心地よい気温である.わざわざ山荘に入る気もしないので,先着の常連さんと一緒に,山頂の一角にあるベンチに腰を下ろして,休憩を取る.
 私が山頂に到着して間もなく,次のバスで来られたFTさんが山頂に到着する.

<土曜日なので山頂は賑わっている>

■下山開始
 10時20分,MGさん,FTさんと一緒に下山開始.YDさんとHMさんは,一足先に山頂を出発している.
 10時35分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは登山者で鈴なりになっている.そう言えば今日は土曜日だった.登山者が多いはずである.後七分坂の途中で先発のYDさん,HMさんに追い付く.ここから先は5人一緒に下り続ける.

■堀山の家のトコロテン
 11時08分,小草平に到着する.堀山の家のベンチも登山客で一杯である.ふと見ると常連のTDさんとKIさんが腰掛けている.私はさきほど見晴山荘で堀山の家のKBさんに,下山のときに立ち寄りますと言った手前もあって,とにかく堀山の家に立ち寄る.FTさんも一緒.そして,お目当てのトコロテンを所望する.
 トコロテンの酸っぱい味が何と言っても魅力である.ただ酸っぱさが喉に染みるので,咳をしながら,ゆっくりと食べる.これがまた疲れた身体には格別である.

<堀山の家のトコロテン>

■常連と付いたり離れたり…
 11時15分,TDさんとKIさんが,そろそろ下山するという.成り行きで.私も一緒に下山開始である.
 11時28分,駒止茶屋を通過する.
 駒止階段の途中で,編集長のYKさんに追い付く.YKさんには申し訳ないが,先に行かせてもらう.
 一本松手前の平坦道で,先ほど堀山の家を通過した常連のグループに追い付く.そこから先は常連だけで大行列になって下山し続ける.
 11時50分,見晴茶屋に到着する.常連の列が長く乱れたので,茶屋前のベンチで休憩を取りながら,一同の到着を待つ.11時54分,見晴茶屋から歩き出す.
 
<常連と付いたり離れたり…>

■観音茶屋のかき氷
 12時07分,観音茶屋に到着する.
 当然のことながら,観音茶屋ではかき氷である.
 ここでも,観音茶屋に立ち寄るグループと,素通りするグループに分かれる.立ち寄り組はMGさん,YDさん,HMさん,IJさん,TGさん,それに私の6名.
 登山で火照った体には,かき氷が何よりである.
 四方山話をしながら,楽しい一時を過ごす.
 今日は大倉発13時11分のバスに乗ろうということになっている.時間はタップリある.

<観音茶屋のかき氷>

■渋沢駅でコーヒー
 12時24分,観音茶屋を出発する.
 かき氷を食べたためか,この蒸し暑い気温も,何となく涼しくなったような気分になる.バスの時間まで十分に余裕があるので,ユックリ下山すれば良いのに,皆さんの歩行速度が,すぐに速くなる.
 12時42分,無事,バス停大倉に下山する.洗い場で登山靴の泥を落としてから,土日に広場で開かれている青空市場を覗いてみるが,結局何も買わない.
 大倉13時11分発のバスに乗車する.まだ早い時間なので,バスはそれほど混雑していない.
 バスは13時25分に渋沢駅に到着する.
 希望者だけ駅前の某喫茶店に入って,コーヒーを所望する.ここはコーヒーのおかわり自由である.ついつい3杯もお代わりして飲み過ぎである.胃が痛くならないか少々心配になる.
 TGさん,MGさん,YDさん,HMさん,IJさん,YKさん,それに私の7名が参加する.

<渋沢駅構内の某コーヒー店で懇親会>

■無事帰宅
 懇親会は13時05分頃解散.
 私は一人淋しく小田原経由で大船駅へ.
 15時21分,大船に到着する.
 大船駅に降りた途端に,涼しい海風が吹いていて心地よい気候なのに気がつく.
 “やっぱり,湘南の気候は違うな…”
と実感する.
 気がついてみると,ユックリと登山をしたので,疲労感は全くない.余りに心地よい気温なので,バスに乗らずに自宅まで歩いて帰ろうかと思ったほどである.でも,何時もより大分時間が押しているので,バスを利用することにする.
 途中のバス停から,家内が乗り込んだので,ビックリする.私の留守中に何処へ行っていたんだろう?
 …ま,ともかく帰宅後,すぐにシャワーを浴びる.汗臭い衣類を脱ぎ捨てて洗濯し,新しい衣類に着替える.これでホッとする.
 今日の登山は蒸し暑くて辟易としたが,終わってみれば「良かった!良かった!」である.

<ラップタイム>

 6:56  大倉歩き出し
 7:23  観音茶屋
 7:42  見晴茶屋
 8:17  駒止茶屋
 8:36  堀山の家(25℃)
 9:25  花立山荘
 9:43  金冷シ
10:02  塔ノ岳 着(23℃)
10:20     〃 発
10:31  金冷シ
10:42  花立山荘
11:08  堀山の家(11:15まで休憩)
11:50  見晴茶屋(11:54まで休憩)
12:07  観音茶屋(12:24まで休憩)
12:42  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       5.2km(片道)

■累積登攀下降高度   1,569m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発       6:56
  塔ノ岳 着      10:02
  (所要時間)  3 時間06分(3.10h)
  水平歩行速度    7.0km/3.10h=2.26km/h
  登攀速度     1,269m/3.10h=409.4m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  花立山荘 発    10:20
  大倉   着     12:42
 (所要時間)  2時間22分(2.37h)
 水平歩行速度     7.0km/2.37h=2.95km/h
 下降速度     1,269m/2.37h=535.4m/h
                                 (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8cc5996934105f5935faabc5d05eab45
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスご容赦.



Viewing all articles
Browse latest Browse all 2690

Trending Articles