<雄大なカルスト台地>
オーストリアの山旅:第3日目(2);シュラードミング(2);カルスト台地を行く
(アルパインツアー)
2014年6月26日(木)〜7月7日(日)
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第3日目;2014年6月28日(水)
<ルート地図>
↓
↓ 続き
※この地図は筆者が適当に作成したもので,アルパインツアー社提供の資料とは無関係です.
資料の正確さは全く保証しません.
<プロフィールマップ>
<カルスト台地の奇観>
■見たこともない風景
今日の行程は,ギャイトアルム小屋からグッテンベルグハウス小屋までの約8キロメートル余りである.ストレッチを済ませた私たちは,8時02分にギャイドアルム小屋小屋から歩き出す.歩き出して100メートル余りは,昨日下ってきた道を登ると,Y字型の三叉路がある.この三叉路を右折する.途端に野趣豊かな山道になる.いよいよ今回のツアーの核心であるトレッキングの開始である.
歩き出してから数分で,私たちは見事なカルスト台地の谷間に入る.今まで見たこともない奇観である.谷幅は10〜20メートルほどだろうか,谷底には草が生え茂っている.なだらかな上り傾斜が続く.谷底には特に登山道らしいものは見当たらない,私たちはできるだけ草花を踏みつけないように注意しながら登り続ける.
私たちの先頭は,現地ガイドのWGさん.末尾はツアーリーダーのYDさんである.
<現地ガイドのWGさんが先頭である>
■道幅が狭くなったり広くなったり…
冬になるとこの辺りにもかなりの積雪があるようである.地図を見ると,私たちは歩き出してすぐに3本の小川を徒渉するような印象を受けるが,今は夏なので河原と思われる所はジメジメした広場になっている.広場を抜けると,石灰岩が露出している極小さなコル城の所を通過する.小さなコルでは谷幅が極狭くなる.このコルを通過すると,またジメジメとした湿地帯が広がる.
こんな小さな登り下りを繰り返しながら,次第に高度を上げていく.
<小さなコルが連続する>
■立派な標識
9時15分,かなり立派な標識の前を通過する.残念ながら,手持ちの地図の上で,この標識の位置を正確に把握することはできないが,8時02分から歩き始めてから,1時間余りの時間が経っていることからおよそこの辺りだろうと見当を付ける.
<カルストの荒野にポツンと立つ標識>
■カルスト台地の中で小休止
8時50分,標高約1,800メートル地点で小休止.歩き出してから約55分経過している.どうやら約1時間おきに休憩を取りながら歩くようである.
辺りは典型的なカルスト台地の地形になっている.
<カルスト台地の奥部で一休み>
■長閑な草道が続く
10分ほどの休憩を終えて,再び歩き出す.草花が繁茂する凹地を幾つも超える.
私は,暫くの間,グループの後方に付いてノソノソと歩き続ける.まだ,歩き始めたばかりなので,どなたがどの程度歩かれるかも分からないし,私が同行の皆さんの足を引っ張るのではないかという心配もある.
私たちはカルスト台地の中をほぼ南に向けて真っ直ぐ歩いている.
<カルスト台地の中で小休止>
■美しい花が咲き乱れている
カルスト台地の至る所で可憐な花が咲いている.花のことはからっきし知らない私には,綺麗な花が咲いているな…程度の感慨しか持てないが,花好きの女性群は夢中になって,“これ何という花だ”とか”日本でも見たことがあるよ”とかおしゃべりに余念がない.
“少しでも花のことが分かったら,旅も随分と楽しくなるだろうな…”
と思うが,こればかりは得手不得手があるので,致し方ない.
<薄紫色の綺麗な花> <濃い紫色の綺麗な花>
■微かに鳥の囀りが聞こえる
休憩を終えて,8時38分にまた歩き出す.これまでと同じようになだらかな上り傾斜が連続する.ここには良く見れば踏み跡とも思えるだけのごく自然なままの登山道しかない.ノルウェーの山と似たり寄ったりの登山道である.私たちは引き続き花を踏まないように注意しながら,なだらかな坂道を登り続ける.
そういえば,歩き出してからこれまで全く鳥の姿を見ていない.鳥の啼き声も聞いた記憶がない.私は現地ガイドのWGさんに,
「この辺りには小鳥は居ないんですか…?」
と聞いてみる.
「えっ…! 勿論,この辺りにも小鳥が沢山居ますよ.皆さん,ちょっとの間,お話しを止めて,耳を澄ませて下さい…チッ,チッ,という啼き声が聞こえるでしょう…」
私も皆さんと一緒に聞き耳を立てる.何人かの方が,
「あっ! 聞こえる.聞こえる,チッ,チッって啼いていますね…」
私も耳を澄ませているが,なかなか聞こえない.全神経を耳に集中させると,鳥の声が聞こえたような,良く聞こえないような…要するに加齢によって,周波数の高い音が聞き取りにくくなっている.
<カルスト台地を奥部へと進む>
<路傍の美しい花>
■2度目の休憩
9時45分,手許の高度計が1,940メートルを指している場所で,2度目の休憩を取る.なだらかな坂道もこの辺りで終わりになり,ここからはやや急な登り坂になるようだ.
前方にはうねうねと続く尾根が見えている.私たちはこれから下の写真,右手の山地を目指して歩く予定である.
<見晴の良い台地で休憩>
■石灰岩の山が聳えている
9時55分,休憩を終えて,再び歩き出す.
次第に急な登り坂になる.相変わらずユックリしたペースで歩き続ける.ユックリペースは私のようなロートルにとって大歓迎である.
進行方向右手には石灰岩の山が聳えているのが見える.
<次第に山脈の奥部に分け入る>
■小鳥の囀りを聞きながら休憩
10時45分,標高約2,080メートル地点で,3度目の休憩を取る.
近くの茂みから小鳥の啼き声が微かに聞こえてくる.
WGさんが,少したどたどしい日本語で,
「皆さん,少し食べ物を食べて下さい…」
と私たちを促す.
そこで,リュックから弁当を取り出して,パンを半分ほど食べる.まだ,それほど空腹ではないので,あまり何かを食べたいという気にもならない.
涼しい風が吹いている.実に心地よい風である.
<弁当のパンを半分ほど食べる>
■路傍の美しい花
休憩を終えて,11時07分に歩き出す.やや急な登り坂が連続する.
次々に表れる路傍の美しい花に見とれてしまう.私には花の名前は全く分からないが,花好きの同行者が興奮気味に花談義を始める.
私も一応は花の名前など伺って,ノートに記録はしたものの,やっぱり正確に記録できているか自信がない.そこで,ここでは花の写真を数枚披露するだけにしておこう.
<路傍に咲く花>
<雪渓の彼方の峠>
■峠が見える
11時57分,行く手前方の尾根に建つ小屋が見え始める.あそこがひとまず峠のようである.あの峠の先にまだ別の峠があるかどうかは分からないが…
どなたかが,
「あの小屋が今日宿泊する小屋ですか…」
とWGさんに聞く.
「いえ…あれは無人小屋です.私たちが泊まる小屋は,もっと先です…」
というつれない返事が返ってくる
<峠が見える>
■雪渓を渡る
標高が高くなるにつれて雪渓が見え始める.
11時58分,今回のツアーで初めての雪渓を渡る.ザクザクとした感じの雪が残っている.久々の残雪歩きで新鮮な気分になる.
気温も幾分ひくくなっているようである.
<雪渓を渡る>
■峠近くの道標
12時04分,道標の前を通過する.この道標に何が書いてあるのかほとんど読めないが,冬の積雪期に備えた道しるべのようなものだろうと勝手に想像する.
この辺りには沢山の小さな残雪がある.
<峠近くの道標>
■冷たい風が吹き抜けるコル
12時05分,先ほどから見えていた小屋近くのコルに到着する.ここで10分間の休憩を取る.
峠を冷たい風が吹き抜けている.寒い! 冷たい風を避けるために,窪地に入り込んで腰を下ろす.
ここで,10分間の休憩である.
<コルの窪地で休憩>
(つづく)
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「オーストリア山岳トレッキング」の索引
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「オーストリア山岳トレッキング」の目次
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