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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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梅雨の蒸し暑さに耐えて登る丹沢;塔ノ岳(今年32回目)

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                             <堀山の尾根道にて>

    梅雨の蒸し暑さに耐えて登る丹沢;塔ノ岳(今年32回目)
             (単独山行)
        2014年6月21日(土) 曇

■朝からジトッと蒸し暑い
 梅雨の時期になると,毎日,天気予報を眺めながら,何時塔ノ岳に登れるかで一喜一憂している.幸いなことに今日は日中一杯,曇ながら雨は降らないようである.
 “…ならば,行くぞ!”
 私は大急ぎで支度を整えて,4時10分に自宅を出発する.支度を整えるっていっても,登山に必要なものはリュックに入れっぱなしなので,ハイドレーションシステムに水を入れる程度のことだけだ.夏場は防寒具も要らないし,極々軽装のまま出発できるのが有り難い.
 自宅から外へ出る.何時もはヒンヤリとした冷気に包まれるが,今日は何となくジトッとしていてやや蒸し暑い感じがする.
 “この分だと,今日のバカ尾根は,蒸し暑くて敵わないだろうな…”
と出発するときから憂鬱である.
 今日は土曜日.大船からの熱海行電車は,平日に比較すると少し混雑している,それでも4人掛けの1ボックスを一人で占領して,ユックリと車窓を楽しむ.今日は雨は大丈夫とはいえ,ドンヨリとした雲が低く垂れ込めている.小田急に乗り換えてからも,うっすらと矢倉岳は見えるものの富士山は全く見えない.
 6時21分に渋沢駅に到着する.大倉行バス停には,もう先客が1人待っている.

■常連の皆さんと一緒に出発
 今日も6時40分発の臨時バスが出る.臨時バスも結構な混雑である.駆けっこのHさん,TGさん,YUさん,YKさん,TDさん,IIさん,SSKさん,NMさんなど多数の常連の皆さんも乗車している.
 臨時バスは,6時51分に大倉に到着する.支度を整えながら,モタモタしている内に1番バスが到着する.韋駄天のSTさん,カメラマンのMMさん,YUさん,TDさんが次々にバス停大倉から出発していく.
 7時08分,TGさん,IIさん,YKさん,SSKさん,NYさん,YDさん達,常連の皆様と一緒に大倉から歩き出す.
 例により.IIさん達の歩き出しの歩行速度が,私の歩行速度よりかなり速い.大倉から暫くの間は舗装道路が続くが,ここが結構な登り坂である.この登り坂をご一行の皆様と一緒に歩こうとするが,とても追いつけない.その結果,常連の皆様の集団との距離がだんだんと広がってしまう.
 スロースターターの私は,7時17分,漸く登山口に到着する.このとき常連グループとの距離は既に20〜30メートルほどに広がっている.付いて行くのが,とても辛い.だんだんと汗ばんでくる.

<望遠で先行する常連グループを撮る>

■花立階段
 7時26分,丹沢ベースを通過する.この辺りまで登ると,私の体内スイッチもようやくONになる.相変わらず歩き出したときと同じ歩行速度で歩いているけれども,身体が楽になる.それに先行する常連グループの皆さんの歩行速度が歩き出したときに比較すると幾分遅くなりはじめる.
 その頃,一緒に歩いていたYDさんが,グループから飛び出して,数十メートル先を歩いている.私も自分の経済速度で歩くのが一番楽なので,観音茶屋に近付く頃,グループの先頭に出させていただく.
 7時35分,観音茶屋を通過する.その後は私とグループの間の距離が次第に開いていくが,どうせ私は急坂がからっきしダメなので,後ほど再び合流する可能性が高い.要は自分に合った速度で登り続けることが大切と自分自身に言い聞かせる.
 雑事場ノ平に近付くと,辺りの空気が揺れているらしく,身体に纏わり付いている蒸し暑い空気をほんの少しだけ取り除いてくれる.
 7時52分,見晴山荘を通過する.そして見晴階段へ.階段の登り口で,恒例の定点観測の写真を撮る.今日も登山者の後ろ姿が続いているのが見える.階段の遙か上の方に,先ほどまでご一緒していたYDさんの後ろ姿が小さく見えている.

<見晴階段>

■堀山の尾根道
 階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かるところで,カメラマンのMMさんに追い付く.木道を上りながら.しばらく雑談.
 「…この頃,(塔ノ岳山頂まで)2時間40分台で登るのがやっとです…」
と私が愚痴る.
 「2時間40分なら,十分でしょう…でも当の本人としては不満なんでしょうね…」
 正に図星,ほんの数年前までは2時間20分台で登れていたのが,今は20分台なんて夢のまた夢である.要するに他人との比較ではなく,過去の自分との比較で,喜んだり悲しくなったりする.
 モミジ坂をバテないように注意しながら登りきる.一本松のちょっと先にあるベンチは休憩を取る登山者で一杯になっている.モミジ坂の途中で,IJさんに追い付く.挨拶をして先に行かせてもらう.
 駒止階段をユックリ登る.辛い階段である,若い登山者に追い抜かれる一方で,止まりそうな登山者を追い抜きながら,8時17分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間09分.
 “う〜ん…まだ,ちょっと遅いな…でも,まあ,安全第一だ”
と納得する.
 堀山の尾根道に差し掛かる.ゆっくり空気が移動する感じの微風が吹いている.そんな風でも,随分と涼しく感じて,心地が良い.駒止茶屋から10分ほどで,富士山が良く見えるはずの場所に到着する.残念ながら富士山は全く見えないが.霞の先に鍋割山稜の山並みがうっすらと見えている.

<堀山の尾根道から見えない富士山を撮る>

■小草平
 8時42分,小草平に到着する.堀山の家は.早い時間なのに,もう開店している.ここには下山途中で立ち寄ることにして,上りでは通過する.
 小草平には,花の名前は分からないが(以前,名前を教えて頂いたことがあるが),白い花が見頃を迎えている.
 漕ぐ貞等のベンチで数名の登山者が休憩を取っている.富士山は相変わらず見えない.

<小草平>

■萱場平
 今日は蒸し暑いので,小草平から花立山荘までタップリ45分掛けて登ろうと思う.他の登山者には惑わされずに…
 小草平を出発して数分経ったところで,下山しているITさんとバッタリ.
 「…おや,今日はオシャレですね…」
 私のショートパンツと汗取りスカーフを見て,思わぬことを言われる.オシャレなどクソ喰らえと思っている戦争中育ちの私は,鳩が豆鉄砲を喰らったようにビックリする.
 “なるほど,そういう感覚が必要な世界もあったんだ…”
 ITさんとすれ違ってからも,ずっと一人登山が続く.
 9時04分,萱場平に到着する.ここで恒例の定点観測用の写真を撮る.私の前方にはちらほら登山者の後ろ姿が見えている.
 標高が上がるにつれて,気温が少し下がってきたらしく,何時の間にか汗が出なくなっている.

<小草平>

■花立山荘
 萱場平から続く階段道を喘ぎながら登り続ける.
 9時13分,後ろから私に声を掛ける男性がいる.俊足のMSさんである.NSさんは土日連続で塔ノ岳に登っておられるようである.
 「…相変わらず俊足ですね…」
と私に言う.今正に私を追い越そうとしている人に,俊足ですねと言われても,妙な感じがするが,有り難く受け止める.
 「お仲間の皆さんは,ずっと下の方でしたよ…」
 でも,他人は他人,自分は自分.自分が納得できる歩き方をしていれば,速い遅いは無関係だ.
 9時19分,ようやく後7分坂(花立階段)に到着する.体調が良いので,7分掛けてこの階段を登ろうかと思う.そして,階段の上を見上げると,階段の余りの長さにガッカリするので,なるべく足元だけを見つめて,一段一段,“何も考えずに”ということを考えながら登り続ける.
 階段を半分強登ったところで,上の方から,
 「FHさん…」
と呼びかける男性が居る.一瞬,どなたかなと思ったが,‘う〜ん…何時も名前が思い出せないネコの干物の粉を掛けた聖徳太子のような方’である.これからユックリ下って,観音茶屋で氷水を飲んでいるとのことなので,私も追い付くことができればいいなと思いながらお別れする.
 9時26分,ようやく花立山荘に到着する.山荘前には朱書きの「氷」の幟がはためいている.山荘前のベンチでは数名の若者が休憩を取っている.
 花立山荘付近から上には霧が立ちこめているようである.
 

<花立山荘>

■花立山山頂
 花立山荘前を通過して,花立山に向かう.ここが結構シンドイ場所である.まずはガレ場に出るまでに結構長い階段がある.短い階段のようだが通過するのに結構時間が掛かる.階段を通過してガレ場に入ると,目の前が花立山山頂である.ここが意外に時間が掛かる.
 晴れていれば富士山や相模湾を見下ろす風景を堪能しながら楽しく登れるが,今日は霧が掛かっているので殆ど視界が利かない.ただ近場の山の斜面が瑞々しい緑に覆われているので,何とも言えない清涼感を味わいながら登ることができる.霧の合間からツツドリの啼き声が絶え間なく聞こえてくる.
 9時27分,花立山山頂を通過する.

<花立山山頂>

■塔ノ岳山頂
 ツツドリとホトトギスの啼き声を聞きながら,9時42分に金冷シを通過する.ここまで来れば,もう塔ノ岳山頂に到着したのと同じような気分になる.速く歩こうが,遅く歩こうが,精々2〜3分の差しかでないので,敢えて急ぐこともない.そんなことを,ついつい,考えながらホッとした気分になる.
 この辺りでは,ナントカセミ(セミの名前忘れた)が啼いている.相変わらずホトトギスの啼き声も聞こえてくる.
 それを見越してか,体内に巣喰っているもう一人の私が,すかさず,
 ”そんなこと考えているのはネ,お前さんがまだまだラップタイムに拘りを持っている証拠だよ…もっと無心になって登らなければダメだよ…”
と私を諭す.
 “はい…ご尤も,お説の通りです…”
 私は率直に自分に邪心が蠢いていたことを認める.
 9時47分,金冷シから最初の長い階段を登り切る頃,下山してくる韋駄天のSTさんとすれ違う.何時もは花立山付近ですれ違うのだが…不審に思った私は,
 「おや,今日はユックリですね…」
と話しかける.
 「いや〜あ…暑いときはダメですよ…」
 なるほど! 鉄人のSTさんでも,夏は苦労するとは…ましてや,私ごときはダメで当然だな.
 山頂直下で,下山してくるYUさん,YDさんと次々にすれ違う.
 9時57分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.周囲に霧が立ちこめていて,視界は利かないが,微風が吹いているので涼しくて気持ちがよい.山頂の気温は+23℃.かなりの高温である.山頂では20人ほどの登山者が休憩を取っている.
 大倉からの所要時間は2時間49分.お情けの2時間40分台である.
 毎度のことながら,山頂に到着したときの達成感は何とも言えないほど良いものである.

<塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入るか入らないかで少々迷うが,ここ1〜2回,尊仏山荘をパスしているので,一寸だけ立ち寄ることにする.
 山荘の中に入る.先客は幼児を連れた若い男性だけ.小屋番はオーナーのHDさんと,HYさんの2人.今日は何となく甘いものが欲しかったのでオレンジジュースを所望する.華伊達美弥雄君に会いたかったが,今日の小屋番の組み合わせでは,華伊達美弥雄君は客席には現れないだろう.
 他に話し相手も居ないし,後続の常連群もいつ山荘に到着するか分からないので,10時12分,早々に立ち去ることにする.

■常連とすれ違いながら下山
 山荘から外へ出る.
 ほんの10分余りしか経っていないのに,山頂で屯す登山客が何杯にも増えている.沢山の登山客の間をジグザグに除けなが下山口に向かう.下山口付近でたった今山頂に到着したカメラマンのMMさんとすれ違う.MMさんは私に気がつかなかったようである.
 山頂から少し下の階段で,登ってくるSSKさん,IIさん,NYさん,TGさんとすれ違う.
 「(堀山の家で)トコロテン食べていますよ…」
ということで,私はそのまま下山し続ける.
 さらに,金冷シに近い階段で,HDさん,STさんの2人組とすれ違う.お二人は.
 「…随分速いですね.FHさんには優秀なエンジンが付いていますね…」
と言う.
 私は,自分より速く歩く人を見て,あんな風に歩けたらいいなと常日頃思っている.だから,エンジンに例えるならば,もっと強力なエンジンを持ちたいなと思い続けている.それにもかかわらず私を見て強力なエンジンを持っていると評価する人も居る.ここのところが実に面白いなと思いながら下山し続ける.
 10時30分,花立山山頂を通過する.山頂からガレ場を下っているときにアラレちゃんに良く似た常連の女性とすれ違う.この方の名前も,ど忘れしている.どこかの駅の名前に似ていたような…
 10時39分,花立山荘を通過する.山荘前の広場は沢山の登山客が黒山になるほど休憩を取っている.

■堀山の家のトコロテン
 相変わらずの気儘な一人旅を続けている.
 途中の急坂で,尊仏山荘の小屋番WDさんとすれ違うが,WDさんは下を向いたまま,私に気がつかないまま私の脇を通過する.
 11時12分,堀山の家に立ち寄る.例によって300円也のトコロテンを注文する.トコロテンの酢をこぼさないように注意をしながら,ビニールの覆いを一寸だけ剥がす.そして,隙間から酢を少しだけ飲む.美味しい…が,喉元が酢の刺激を受けてむせぶ.声帯が酢で驚くのか,声が掠れる.エヘン,エヘンとむせぶ咳をして声帯を元に戻す.そして,やおら醤油をぶっかけて食べ始める.このプロセスが実に良いのだ.
 小屋の女主人が,私がトコロテンを食べているところを写真に撮る.来週の小屋のブログにこの写真が掲載されるんだろうか.
 小屋の窓から外を眺めていると,三角髭のTDさんが現れる.窓ガラスをノックすると,TDさんがこれに気がつく.そしてニッコリ笑って,小屋の脇を通過していく.
 「まだ,TGさん達のグループが現れないですね…」
 11時22分,TGさん達のグループに合流するのを諦めて,堀山の家を出発する.

<堀山の家のトコロテン>

■観音茶屋を通過
 トコロテンからパワーを貰った私は,何となく快調である.
 相変わらずの曇り空である.そのため眺望は今ひとつだし,沿道に美しい花があるわけでもないので,涼しい風だけを楽しみながら,ほどほどの速度で下山し続ける.
 下界から12時を報せるチャイムが聞こえてくる.その直後見晴山荘を通過する.私に気がついてか気づかないでか知らないが,KMさんが駆け足で私を追い越して行く.
 12時17分,観音茶屋に到着する.ここで氷水でも賞味しようかと迷う.先ほどトコロテンを食べたばかりなので,できれば通過したい.でも通過するのも気が引ける.
 丁度そのときYUさんが,観音茶屋から出てくる.これ幸いとYUさんと一緒に下山することにする.小屋番のSTさんに,
 「今日は通過します.また次の機会に立ち寄ります…」
と挨拶をして,STさんと一緒に下山し続ける.

■バス停大倉から無事帰宅
 12時31分.無事,バス停大倉に到着する.
 バス停脇の水場で,汚れた登山靴,顔を洗う.程なく,12時38分発のバスが大倉バス停に到着する.今日は土曜日.こんなに早い時間なのに,バスはほぼ満席である.バスは順調に走り続けて,
 今日は,MGさんが丹沢に来ていないので,恒例の渋沢駅での懇親会が開かれるかどうか分からない.今からならかなり早い時間に家に戻れそうだ.
 “ならば…”
ということで,渋沢駅の階段を駆け上って,渋沢12時58分発小田原行電車に飛び乗る.さらに小田原で運良く快速アクティに間に合う.そしえ14時30分頃,無事帰宅する. 
 順番から言えば,次回の塔ノ岳詣では,来週水曜日になるが,水曜日はツアー出発日の前日になる.到底,塔ノ岳に登っている余裕はなさそうである.となると,次回の塔ノ岳は7月中旬である.
 “さぞかし蒸し暑くなっているだろうな…”
と,今から心配である.
 何はともあれ,今日一日も良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:08  大倉歩き出し
 7:35  観音茶屋
 7:52  見晴山荘
 8:17  駒止茶屋
 8:42  堀山の家
 9:26  花立山荘
 9:42  金冷シ
 9:57  塔ノ岳山頂着(+23.0℃)
10:12      〃  発
10:25  金冷シ
10:39  花立山荘
11:12  堀山の家(11:22まで休憩)
11:46  駒止茶屋
12:01  見晴山荘
12:11  観音茶屋
12:31  大倉着

 [山行記録]

■水平歩行距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
 大倉   発      7:04
 塔ノ岳  着       9:51
 (所要時間)     2 時間49分(2.82h)
 水平歩行速度    7.0km/2.82h=2.48km/h
 登攀速度       1,269m/2.82h=450.0m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
 塔ノ岳  発    10:12
 大倉   着    12:31
 (所要時間)    2時間19分(2.32h)
 水平歩行速度   7.0km/2.32h=3.02km/h
 下降速度      1,269m/2.32h=547.0m/h
                                      (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a2cb431e3c9f2851400b4697fee53cb6
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスご容赦


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