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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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満開の豆桜を愛でながら登る丹沢;塔ノ岳(今年17回)

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     満開の豆桜を愛でながら登る丹沢;塔ノ岳(今年17回)
            (常連の皆さんに同行)
         2014年4月9日(水) 晴・春霞

■嬉しい春
 先週は神奈美公募展が開催されていた関係で,私の塔ノ岳詣でも一寸お休み,
 そんなこともあって,今日は1週間ぶりの塔ノ岳である.この年になると1週間のご無沙汰では体力の維持がなかなか困難で,果たして今日は無事に塔ノ岳に登れるかどうかが心配である,でも,諸事万般を済ませて,今日,やっと塔ノ岳詣でができるのは,私にとって実に嬉しいことである.
 4時10分,何時ものように自宅を出発する.勿論,外はまだ真っ暗である.ただ,一時に較べると,今日辺りは気候が大分春めいているので,こんな早朝でもそれほど寒くはなく気分は実に良い.
 大船駅周辺のコンビニで昼食などを購入してから,大船5時10分発下り初電熱海行に乗車する.
 4月も中旬近くなると,夜明けが随分と速くなっている.電車が大船を発車する頃には,辺りがうっすらと明るくなってくる.
 小田原駅で小田急新宿行急行電車に乗り換える.電車が新松田に近付く頃,車窓から山麓まで雪で真っ白な富士山が見えている.まるで冬に逆戻りしたような感じである.

■付いて行くのが大変
 渋沢発大倉行1番バスは,パラパラと立ち席が出る程度の混雑である.
 乗り合わせた常連は,ランニングのHさん,韋駄天のNMさん,編集長のYKさん,YUさん,SSKさん,MTさん,Hさん,IIさんなどの方々.何時もなら居られる毎日登山のTGさん,NMさん,TDさんの姿が見えないのが少々寂しい.
 6時58分,バスは大倉に到着する.Hさんは早速ランニングを開始,NMさんも直ぐに山頂を目指して歩き出す.MTさん,Hさんも私より先に登山を開始する.
 7時05分,私は大方の皆さんより少し遅れて,SSKさんと大倉から歩き出す.ところが,今日は体調が良いのか,SSKさんの歩行速度がかなり速い.私は付いて行くのがやっと.
 雑事場ノ平に到着する前に,先発のYUさん,MTさん達に追い付いてしまう.
 “このままでは,後半持たないかもしれないな…”
と思いながらも,
 “まあ…このまま,もう少しSSKさんの後に付いていこう”
と思う.

■見晴階段
 途中,何人かの登山客を追い越しながら,7時48分に見晴山荘を通過する.
 この時期になると,さすがに気温も高くなっているので,見晴階段に差し掛かる頃には,かなり汗ばんでくる.
 見晴階段を見上げながら写真を撮ると,図らずも何人かのご常連の後ろ姿が写っている.
 階段入り口には,可憐な花を咲かせている豆桜がある.豆桜を横目で眺めながら,相変わらずSSKさんの後ろに付いて登り続ける.
 見晴階段の中程から,SSKさんの歩行ピッチが幾分遅くなる.後ろに付いている私には,歩行ピッチが遅くなるのは大歓迎である.

<見晴階段>

■堀山の尾根道
 見晴階段を登り切って,もみじ坂に差し掛かる.この辺りまで来ると,私の体調もほぼ何時も通りに整ってくる.相変わらずSSKさんの後ろに付いて登っているが,気分的にも少し余裕が出てくる.
 駒止階段に差し掛かる.階段を登る速度がさらにユックリになる.お陰で後ろを歩く私にも体力的な余裕が少し出てくる.
 8時12分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間05分.何時もより3〜4分速いが,蓄積した疲労もそれだけ多いような気がする.
 堀山の尾根道に差し掛かる.尾根道を少し歩いたところで,勢いよく下山してくるYZさんとすれ違う.
 尾根道は数週間前まで泥んこ道だったが,今は泥んこだったことがウソのように歩き易くなっている.私はすぐ前を行く2人のご常連に遅れないように必死に歩き続ける.

<路面が乾いて歩き易くなった堀山の尾根道>

■富士山は雲の中
 小田急電車の車窓から山麓まで真っ白な富士山が見えていたので,堀山の尾根から見える富士山を期待していたが,残念ながら富士山は雲の中である.
 富士山が見えなくなるのも春が来た証拠かもしれない.でも,富士山が見えないのは一寸残念.
 8時29分,堀山の家を通過する.

<残念ながら富士山は雲の中>

■萱場平
 今日は,堀山の家から花立山荘まで約40分掛けて登ろうと思う.
 たまたま途中で一緒になったMTさんも交えて,SSKさんの後ろに付いて登り続ける.かなり良いピッチである.
 「このままの調子で登り続ければ,2時間30分を切りますよ…」
とMTさんが言う.ところが,“このままの調子で…”がくせ者で,今の調子を山頂まで続けるのは少々無理だなと思いながら登り続ける.
 やがて戸沢分岐手前の坂道に差し掛かる.先頭を行くSSKさんの歩行ピッチが幾分遅くなる.成り行きでMTさんと私がSSKさんの前に出る.
 8時46分,萱場平を通過する.木道の間にあるアザミはまだ芽を出していない.
 萱場平から先は,MTさんの後ろ姿を見ながら登り続ける.

<萱場平>

■花立山荘
 先頭を行くMTさんの歩行速度は結構速い.そのために私との距離は徐々に拡大する.後ろに居られるSSKさんとの距離も幾分開いているようである.ここから暫くの間は私の一人旅のような感じになる.
 後7分坂(花立階段)に差し掛かる.何だかまた疲労感が出てきたので,極々ユックリペースで階段を登り続ける.
 9時07分,花立山荘に到着する.相変わらず富士山は見えない.上空は晴れているが,辺り一面に立ちこめる靄が周囲の視界を遮っている.山荘前のベンチには人の気配もなく静まり返っている.前方の花立山に向かう坂道をMTさんが登っている.
 大倉から花立山荘までの所要時間は丁度2時間である.今の私には望外の記録だが,同時に,少々頑張りすぎた数字でもある.ちなみに堀山の家からの所要時間は38分.こちらも予定の時間より2分速い.予定より速いに越したことはないとも言えるが,あらかじめ設定した時間通りに歩けなかったという点では,やっぱりペナルティものである.
 “でも,まあ,硬いことをいうのは止めよう…”
という気持ちになる.
 …で,ここから先は,もう塔ノ岳山頂も見えているし,さらにノンビリと歩こう…と,私は自分に言い聞かせる.

<花立山荘>

■塔ノ岳山頂
 花立山に登っている途中で,下山してくるNMさんとすれ違う.何時もは後7分坂を3分の2ほど登ったところですれ違うので,今日はNMさんが遅いか,私が速いかのどちらかである.勿論どっちでも良いが…
 さらに,後ろから来られたYUさんが私に追い付く.一瞬,YUさんの後に付いて登ろうかとも思ったが,YUさんに先を譲ってから,やっぱりスローペースをキープしたまま,ノンビリ登り続ける.
 9時15分,花立山山頂を通過する.私の前を歩くMTさん,YUさんの後ろ姿は,もう見えなくなっている.
 辺りの景色も良く見えないし,咲いている花もないので,殆ど写真を撮らずにノソノソと歩き続ける.
 馬ノ背を歩いていると,後ろに人の気配を感じる.先頭を譲ろうと思って振り返る.近付いてきたのは,つい先ほどまで後ろを振り返っても見えなかったSSKさんである.ここでSSKさんに先頭を譲って,SSKさんの歩行速度に合わせて登り続ける.
 9時26分に金冷シを通過する.私の時計では,大倉から金冷シまでの所要時間は2時間14分だが,SSKさんが,
 “大倉を歩き出してから丁度2時間15分です…”
という.勿論,SSKさんの最新の時計がストップウオッチモードで,2時間15分とはじき出しているので,こちらの方が正しい.何しろ私のオンボロアナログ時計では秒単位の計測は不可能である.
 金冷シから先もユックリモードである.
 私の時計で,9時37分に塔ノ岳山頂に到着,大倉からの所要時間は2時間30分になっているが,SSKさんのストップウオッチでは,所要時間は2時間31分.私もSSKさんの時計に合わせて,山頂到着時間を9時38分に訂正して記録する.
 今日の山頂からの風景は全くダメ.それでも周囲の風景を2〜3枚撮影する.
 山頂の気温はプラス10℃,暖かい.

■尊仏山荘
 私たちより前に山頂に到着した常連の皆さんが,まだ山頂で日向ぼっこをしながら雑談している.私たちも雑談に参加する.そして,雑談が一段落したところで,揃って尊仏山荘に立ち寄る.
 今日の小屋番はオーナーのHDさん.山ネコ“ミャ〜君”は不在.少々寂しい.
 私は例によって,300円也のお茶を所望する.
 先客は常連の男性がお一人.後は今し方山頂に到着した顔なじみの常連客だけ.その内に新顔の男性がお一人小屋に入ってくる,暫くして,Hさん,2番バスで来られたFTさんが相次いで山荘に到着する.
 MTさんから,
 「先週水曜日に,FHさんの絵を見に,UMさん,FTさんと一緒に展覧会場へ行きましたよ…」
と教えて貰う.
 当日の午後,私は所用があって,塔ノ岳から一旦自宅へ帰ってしまった.その間にお三方にお越し頂いたことになる.会場に居なかったことの非礼をこの場を借りてお詫びする.
 お話しをしていると,平素山に登られている方には,私が自分の絵に込めた感情を正確に理解して頂いている.これは作者にとって,本当に嬉しいことである.

<尊仏山荘>

■皆で揃って下山
 10時少し過ぎにYUさんが,
 「お先に失礼します…」
と私たちに挨拶して下山開始.
 私たちは,さらに20分ほど粘って,10時32分に下山を開始する.FTさん,SSKさん,MTさん,Hさんが一緒.一同,速くも遅くもない速度で下山し続ける.途中,列がばらけたり,付いたりしながら,11時22分に堀山の家に到着する.
 私は堀山の家の掲示板に貼っていただいた展覧会の開催案内を取り外す.またまたこの場を借りて,掲載させて頂いたお礼を堀山の家に謝意を表したい.

■豆桜を愛でながら…
 堀山の尾根辺りから山麓に掛けて,登山道の両側に自生する可愛い豆桜は,今正に見頃の満開である.登っているときには気が付かなかったところで,豆桜の花を見つける.その度毎に立ち止まって写真を撮る.

<山麓に咲く>

■花に囲まれた克董窯
 12時22分,克董窯の前を通過する.花と新緑に囲まれた克董窯は,何とも言えない美しさである.思わず足を止めて,写真を撮る.

<花と新緑の克董窯>

■春の大倉
 バス停大倉近くの農家の畑.キャベツの収穫を終えたばかりのようである,畑の片隅は正に花盛り.思わず足を止めて,写真を撮らせて頂く.
 この畑から少し下ったところにある無人スタンドで,春キャベツを100円で購入する.キャベツを刻んで醤油を掛けて食べるのが私の好みである.

<春酣の畑>

■バス停大倉
 12時34分にバス停大倉に到着する.下りの所用時間は2時間02分.何時も通りのラップである.
 水場で靴を洗ってからバス停へ.
 バス停に居合わせた4〜5人の男性から,
 「上まで行ったの…泊まりですか…?」
と聞かれる.私と同行していた常連が,
 「いえ…日帰りです」
と答える.すると,男性は,
 「ヒェ〜…日帰りですか! 本当ですか!!… オレ若い頃,4〜5回,塔ノ岳に登ったことあるけど,大変でしたよ…」
と驚く.
 私たちは,逆に,何で塔ノ岳日帰りに驚くのかで驚く.
 今日は天気が良いので,大倉付近の公園(正式な名称思い出せない)に遊びに来ている人が多いようだ.
 バス停付近の桜は,今正に満開.ここまで,わざわざ観桜に来る価値はありそうだ.

■無事帰宅
 大倉発12時52分渋沢行のバスに乗車する.1番バスでご一緒した常連の殆どの方が同じバスに乗車している.
 渋沢駅で,常連の皆様とはお別れである,皆様は小田急線上り電車に乗車される.私一人寂しく下り電車である.電車は空いている.電車の椅子に座り込んだ途端に睡魔に襲われる.
 小田原で東海道本線の電車に乗り換えるが,ここでもたちまちの内に睡魔が襲ってくる.車窓から射し込む暖かい春の日射しを浴びていると,実に気分が良いが,すぐに眠くなるので困ったものである.
 眠気と戦いながら,やっとの思いで大船で下車する.途端に睡魔はどこかへ消えてしまう.
 バス乗換時間は,たった3分.一か八かで走りに走って発車時間ギリギリでバスに飛び乗る.そのお陰で,14時45分頃には無事帰宅する.
 山登りで着ていた衣類を洗濯して,風呂に入る.心身ともにスッキリする.
 たまたま,テレビで小保方さんの記者会見を見る.いろいろあるにしても,小保方さんは素晴らしい科学者だと思う.確かにいろいろあるだろうが,これで彼女のこれからの研究の機会を奪ってしまうのは,如何にも勿体ない.世の中のためにもさらなる研究を続行してほしいと願うのは私だけだろうか.
 …ま,小保方さんのことはともかく,今日一日も無事過ごせた.良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:05  大倉歩き出し
 7:28  観音茶屋
 7:48  見晴山荘
 8:12  駒止茶屋
 8:29  堀山の家
 9:07  花立山荘
 9:26  金冷シ
 9:38  塔ノ岳山頂着(+10.0℃)
10:32      〃  発
10:45  金冷シ
10:56  花立山荘
11:22  堀山の家
11:40  駒止茶屋
12:03  見晴山荘
12:15  観音茶屋
12:34  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
 大倉   発      7:07
 塔ノ岳  着       9:38
 (所要時間)  2 時間31分(2.52h)
 水平歩行速度    7.0km/2.52h=2.78km/h
 登攀速度     1,269m/2.52h=503.6m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:32
  大倉   着      12:34
 (所要時間)  2時間02分(2.03h)
 水平歩行速度     7.0km/2.03h=3,45km/h
 下降速度     1,269m/2.03h=625.1m/h
                                              (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0b05ec7f5bb88b8c1305a2eaff2831b1
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスご容赦


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