<尊仏山荘のミャ〜君>
尊仏山荘のネコも眠い春の丹沢;塔ノ岳(今年16回目)
(常連に同行)
2014年4月2日(水) 曇
■大倉から歩き出す岳
いよいよ昨日(4月1日)から消費税が5パーセントから8パーセントになった.今日は消費税増税後最初の塔ノ岳詣でである.サンデー毎日を謳歌している私にとっても,今回の消費税増税は少なからぬ影響がある.
“これからは月に2回ほどコーヒーの回数を減らさなければ…”
と決意を新たにする.そうしないと毎月の塔ノ岳詣での予算がオーバーするからである.
“おっと! それだけでは済まないぞ…”
と私の体内に潜むもう一人の私が,私に警鐘を鳴らす.
“…あんたは呑気すぎるよ…だって,コーヒーも値上げになるから,節約の回数をもっと増やさなきゃ.それに年金だって減額になるし,医療費も高くなるよ…”
と私を脅す.
“…ンじゃ,まあ…今日から値下げになった‘すき屋’で朝食を摂ることにするか…”
ということで,大船駅前の‘すき家’に入る.そして,300円でお釣りが貰える牛丼並を賞味する.美味しくて安い.
“これは良いぞ…庶民の味方だ…!”
渋沢発大倉行1番バスは,この時期にしては少々空いている.立ち席はない.
乗り合わせた常連さんは韋駄天のNMさん,毎日登山のTGさん,TDさん,NGさん,SSKさん,NMさん,MTさん,Hさん他.
手許に温度計がないので,今何度かは分からないが,随分と暖かい.
■見晴階段
7時16分,TGさん,TDさん,SSKさん,NMさん,NGさんと一緒に大倉から歩き出す.バス停のトイレが混雑していたために,何時もより少々遅めの出発である.
出発早々,先頭を行くTDさんと私たちとの間がだんだんと開いていく.その後,私たちはSSKさんを先頭に登り続ける.
先頭を行くSSKさんの歩行速度がかなり速いので,付いていくのが大変である.そのため,歩き始めて間もなく少々汗ばんでくる.
“こんな高速で歩くのは無理かな…”
と思いながらも,とにかくSSKさんの後に付いて登り続ける.
8時07分,見晴山荘を通過する.そして,すぐに見晴階段に差し掛かる.例によって,定点観測の写真を撮るが,良く対象を見ないでシャッターを押してしまい,さらに撮った画像を確かめなかった.そんな関係で下のように不完全な写真になってしまった.
“でも…まあ,良いか…”
これもまた愛嬌ということで掲載することにしよう.
<見晴階段>
■堀山の尾根道
やがて駒止階段差し掛かる.先頭のSSKさんは,相変わらず速いピッチで登り続ける.SSKさんの後ろを私とNMさんが付いていく.先ほどまで私たちのすぐ先を歩いていたTGさんは何時の間にか見えなくなっている.
SSKさんの後に付いていくのは,少々速いピッチなので,正直なところ,付いていくのがとてもシンドイ.でも,行けるところまでは,付いていこうと思う.
8時17分,駒止茶屋を通過する.
大倉からの所要時間は,1時間01分.少々シンドかったが,自分の全盛時代を彷彿させる良い記録である.結構! 結構! SSKさん万歳!
続いて堀山の尾根道に差し掛かる.つい先日まで雪解けでドロドロだった路面も,今は良く乾いているので歩くのが楽しい.
富士山が見える場所に到着する.でも,今日は残念ながら,富士山は雲の中である.それでも記録を残すために定点観測の写真を撮る.
<晴れていれば富士山が見える筈だが…>
■萱場平
8時34分,堀山の家に到着する.
大倉を出発してから,1時間18分経過している.今日も,私は,ここから花立山荘まで,40分掛けて登ろうかと思っている.このままSSKさんの後を付けていたら,私の体力から見て,明らかに速度オーバーになる.そんなことをしたら途中でバテてしまい失速するだろう.でも,まあ,無理のない上限の範囲で,SSKさんの後に付いていくことにする.
今日は足許の路面が乾いているので,とても歩き易い.残雪も殆どない.それに,先頭を行くSSKさんの歩行速度が戸沢分岐に近付く頃から,幾分,遅くなり始める.同時に,
“この速度なら,付いていっても大丈夫そうだ…”
と思う.
戸沢分岐を過ぎる辺りから,SSKさんの後に付いていくのが大分楽になる.
8時52分,萱場平に到着する.
残雪は全くなく,泥濘も乾ききっている.
<萱場平>
■花立山荘
やがて,後7分坂(花立階段)に到着する.晴れていればここから見える富士山の写真を撮ることにしているが,今日は富士山が全く見えない.実に残念.そのまま後7分坂を登り続ける.
坂の途中で,登攀速度がさらに遅くなる.坂の途中で先頭に出てしまおうかと思ったが,まあ,このまま登り続けようと自制する.
後7分坂を半分強登ったところで,下山してくる韋駄天のNMさんとすれ違う.
9時10分に花立山荘に到着する.階段を登り切ったところで,下山してくるITさんとバッタリ会う.丁度そのとき,山荘前のベンチで,休憩を取っていたMTさんとHさんが歩き出そうとしている.
大倉から花立山荘までの所要時間は1時間54分.久々に2時間を6分も切っている.
“シメ,シメ,…結構良い時間じゃないか…”
私は心の中でほくそ笑んでいる.ちなみに,堀山の家からの所要時間は34分.これまた結構な速度である.
“本当かな…”
と思いながら時計を見直す.
こんなに素晴らしいピッチで登れたのも,先頭を行くSSKさんのお陰である.
<花立山荘に到着>
■塔ノ岳山頂
花立山荘からは,何となく私が先頭になる.これまで先頭を歩いていたSSKさんは,どうやら花立山荘で立ち休憩を取っているようである.
体力に余裕を持って後7分坂を登ったので,私の体調は少し良くなってきたようである.何というか蝶番の油が回ってきたような感じになる.偶然,私が3人の先頭になったこともあって,かなり速いピッチで登り続ける.
9時19分に花立山山頂を通過する.今日は富士山が見えないので,写真を撮るための道草をする必要がない.
私の直ぐ後をNMさんが付いている.
「お先にどうぞ…」
と先頭をNMさんに譲ろうとするが,NMさんは固辞.
ならば…ということで,自分勝手な速度で登り続ける.何となくリズムに乗った歩きが続くので快調である.
9時26分,金冷シを通過する.
ここから山頂までの階段道は,一部にほんの少しばかり残雪があるだけで,極めて登りやすくなっている.結構快調に登り続ける.私の直ぐ後をNMさんがピッタリ着いてくる.
山頂直下で,下山してくるTDさんとすれ違う.
9時37分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はプラス5℃.少々寒い.
上空には雲が掛かっている.また辺り一面に霞が掛かっていて,富士山や南アルプスなど遠くの山は殆ど見えない.
大倉からの所要時間は2時間21分.私にとってはかなり良いラップである.これも途中まで先頭を切って高速で歩かれたSSKさんのお陰である.
ちなみに,花立山荘からの所要時間は27分,金冷シからの所要時間は15分…と,いうことは金冷シから少しピッチが遅くなったようである.まだまだ改善の余地がある結果である.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
NMさんと私は,
「…SSKさんと一緒に尊仏山荘に入りましょう…」
ということで,山頂のポール付近で,3〜4分程の間,SSKさんが山頂に到着するのを待つ.
そして3人揃ったところで,尊仏山荘に入る.
石油ストーブの前で尊仏山荘の山猫,華伊達美弥雄さん(ミャ〜のこと)が私たちを出迎える.
先客は3人.その内のお一人は,花立山荘から,私たちのすぐ先を歩いていたMTさんである.
“歩く前にツムラ68飲んだら,元気が出て2時間××分で登りました…”
とのこと.
“今度,オレも登る前にツムラ68を飲んでみようか…”
と密かに思う.
今日の小屋番はWDさん.水曜日に,WDさんが,月光仮面がネギを背負った格好で登ってくるのとすれ違って以来のご対面である.
何時ものように,300円也のお茶を所望する.
4月1日の消費税アップの後も,コーヒー,お茶,ラーメンなど売店の品は価格を据え置くとのこと.有り難い.ただし,宿泊料は応分に値上げするとのことである.
私たちより少し遅れて,2番バスで来られたFTさんが到着する.相変わらずFTさんは俊足である.
お茶を飲みながら雑談をしていると,10時を回った頃,NGさん,Hさん,TGさんが次々に尊仏山荘に到着する.
<尊仏山荘>
■山ネコ“ミャ〜”君
今日も山ネコ”ミャ〜”君は,石油ストーブ前に一等席に居座っている.
尊仏山荘を訪れる登山客が,入れ替わり立ち替わりミャ〜君の頭や身体に触るが,ミャ〜君は嫌がりもせずに,されるがままになっている.実に素性の良いネコである.
もう春だというのに,ミャ〜君は相変わらず眠たいようだ.
「このネコ,営業部長になってから大分経つな…」
と常連のNGさんが言う.
そう…もう,4〜5年にもなるだろうか.NGさんと私がミャ〜君を眺めながら,
「このネコは,尊仏山荘の営業部長だな…」
と雑談したことがある.
このネコが石油ストーブの前で,ゴロゴロとしながら,うたた寝しているだけで,周りの人たちが癒されるから不思議である.
<石油ストーブ前のミャ〜君>
■皆で一緒に下山
10時41分,そろそろ下山しようと思う.
居合わせた常連全員が,ほぼ一斉に尊仏山荘から下山を開始する.途端に,尊仏山荘はモヌケノカラのように静まり返る.
下山はUMさん,FTさん,MTさん,SSKさん,NMさん,Hさん,NGさんが一緒である.
建物の外に出ると,冷たい微風が吹いていて寒い.花立山荘まで下山すれば暖かくなるのが分かっているので,敢えてヤッケなど着ないまま下山し続ける.
かなり速い速度で下山し続ける.その内に常連の集団もバラケ始める.
11時55分,一本松を通過する.
その頃,突然,胃が痛くなりはじめる.私は,
「…どうぞ先に行って下さい…」
とご一緒している数人の方にお断りして,道端で休憩を取る.
すぐに吐き気を催す.何か胃に悪いものでも食べたかな…そういえばアンパンと間違えて買ってしまった脂っぽいドーナッツのようなものを食べたときに,イヤな予感がしていたな…
道端で胃の内容物を吐く.すると幾分気分が楽になる.さらにリュックの中の救急箱から「ツムラ17」を取り出して服用する.服用してから2〜3分で,胃痛はウソのように治ってしまう.でも,近々胃の検査を受けなければ…と思いながら下山を再開する.
■克董窯の桜
一本松からは一人旅になる.そうなると気が抜けたようなノンビリした歩き方になる.
どうせ,今からでは急いでも,大倉発12時52分のバスにしかない.それならば,バスの時間に合わせて,ゆっくり下ろう.根っこが怠惰な私は,すぐにサボることを考える.
ゆっくり下山していると,登っているときには気が付かなかった草花がやたらと目に着く.その度に写真を撮る…が,ここで掲載するとブログが冗長になるので掲載は止めておこう.
やがて,克董窯付近に到着する.克董窯の桜が見事に咲いている.私はここでも道草をして,数枚の写真を撮る.
<克董窯の桜>
■無事帰宅
一本松からは,多少気が抜けたような独り歩きになったが,12時43分,無事,バス停大倉に到着する.
下山所要時間は2時間02分.途中で休憩を取った割には,意外に速かったようである.
予定通り12時52分発渋沢行のバスに乗車する.結局,先ほどまでご一緒していた常連も同じバスに乗車している.
山旅スクール6期のNJさんも同じバスに乗車している.伺うとNJさんは,尊仏山荘には立ち寄らずに,塔ノ岳をピストンしたとのこと.
私は,渋沢から小田原経由で帰宅することに決める.本当はあざみ野で開催中の神奈川美術協会公募展会場に立ち寄ってから,帰宅するつもりだったが,先ほどの胃痛が気になるので,自宅へ直帰することにする.
小田原から東海道本線で大船へ.大船からは路線バスを利用して,14時40分頃,無事帰宅する.
帰宅すると,神奈川美術協会会長名で「入賞通知書」というハガキが届いている.
何事かと思ったら,私が出品した拙い水彩画2枚の内,1枚が「秀作賞」に選ばれたようである.万歳!
…というわけで,今日も,良かった! 良かった!
<ラップタイム>
7:16 歩き出し
7:46 観音茶屋
8:07 見晴山荘
8:17 駒止茶屋
8:34 堀山の家
9:10 花立山荘
9:22 金冷シ
9:37 塔ノ岳山頂着(+5.0℃)
10:41 〃 発
10:54 金冷シ
11:02 花立山荘
11:06 堀山の家(11:09まで休憩)
11:33 駒止茶屋
11:55 一本松(腹痛のため5分ほど休憩)
12:05 見晴山荘
12:22 観音茶屋
12:43 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:16
塔ノ岳 着 9:37
(所要時間) 2 時間21分(2.35h)
水平歩行速度 7.0km/2.35h=2.98km/h
登攀速度 1,269m/2.35h=540.0m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:41
大倉 着 12:43
(所要時間) 2時間02分(2.03h)
水平歩行速度 7.0km/2.03h=3,45km/h
下降速度 1,269m/2.03h=625.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/cc9a5fd0a8a8bf64ea6293efafe322aa
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
尊仏山荘のネコも眠い春の丹沢;塔ノ岳(今年16回目)
(常連に同行)
2014年4月2日(水) 曇
■大倉から歩き出す岳
いよいよ昨日(4月1日)から消費税が5パーセントから8パーセントになった.今日は消費税増税後最初の塔ノ岳詣でである.サンデー毎日を謳歌している私にとっても,今回の消費税増税は少なからぬ影響がある.
“これからは月に2回ほどコーヒーの回数を減らさなければ…”
と決意を新たにする.そうしないと毎月の塔ノ岳詣での予算がオーバーするからである.
“おっと! それだけでは済まないぞ…”
と私の体内に潜むもう一人の私が,私に警鐘を鳴らす.
“…あんたは呑気すぎるよ…だって,コーヒーも値上げになるから,節約の回数をもっと増やさなきゃ.それに年金だって減額になるし,医療費も高くなるよ…”
と私を脅す.
“…ンじゃ,まあ…今日から値下げになった‘すき屋’で朝食を摂ることにするか…”
ということで,大船駅前の‘すき家’に入る.そして,300円でお釣りが貰える牛丼並を賞味する.美味しくて安い.
“これは良いぞ…庶民の味方だ…!”
渋沢発大倉行1番バスは,この時期にしては少々空いている.立ち席はない.
乗り合わせた常連さんは韋駄天のNMさん,毎日登山のTGさん,TDさん,NGさん,SSKさん,NMさん,MTさん,Hさん他.
手許に温度計がないので,今何度かは分からないが,随分と暖かい.
■見晴階段
7時16分,TGさん,TDさん,SSKさん,NMさん,NGさんと一緒に大倉から歩き出す.バス停のトイレが混雑していたために,何時もより少々遅めの出発である.
出発早々,先頭を行くTDさんと私たちとの間がだんだんと開いていく.その後,私たちはSSKさんを先頭に登り続ける.
先頭を行くSSKさんの歩行速度がかなり速いので,付いていくのが大変である.そのため,歩き始めて間もなく少々汗ばんでくる.
“こんな高速で歩くのは無理かな…”
と思いながらも,とにかくSSKさんの後に付いて登り続ける.
8時07分,見晴山荘を通過する.そして,すぐに見晴階段に差し掛かる.例によって,定点観測の写真を撮るが,良く対象を見ないでシャッターを押してしまい,さらに撮った画像を確かめなかった.そんな関係で下のように不完全な写真になってしまった.
“でも…まあ,良いか…”
これもまた愛嬌ということで掲載することにしよう.
<見晴階段>
■堀山の尾根道
やがて駒止階段差し掛かる.先頭のSSKさんは,相変わらず速いピッチで登り続ける.SSKさんの後ろを私とNMさんが付いていく.先ほどまで私たちのすぐ先を歩いていたTGさんは何時の間にか見えなくなっている.
SSKさんの後に付いていくのは,少々速いピッチなので,正直なところ,付いていくのがとてもシンドイ.でも,行けるところまでは,付いていこうと思う.
8時17分,駒止茶屋を通過する.
大倉からの所要時間は,1時間01分.少々シンドかったが,自分の全盛時代を彷彿させる良い記録である.結構! 結構! SSKさん万歳!
続いて堀山の尾根道に差し掛かる.つい先日まで雪解けでドロドロだった路面も,今は良く乾いているので歩くのが楽しい.
富士山が見える場所に到着する.でも,今日は残念ながら,富士山は雲の中である.それでも記録を残すために定点観測の写真を撮る.
<晴れていれば富士山が見える筈だが…>
■萱場平
8時34分,堀山の家に到着する.
大倉を出発してから,1時間18分経過している.今日も,私は,ここから花立山荘まで,40分掛けて登ろうかと思っている.このままSSKさんの後を付けていたら,私の体力から見て,明らかに速度オーバーになる.そんなことをしたら途中でバテてしまい失速するだろう.でも,まあ,無理のない上限の範囲で,SSKさんの後に付いていくことにする.
今日は足許の路面が乾いているので,とても歩き易い.残雪も殆どない.それに,先頭を行くSSKさんの歩行速度が戸沢分岐に近付く頃から,幾分,遅くなり始める.同時に,
“この速度なら,付いていっても大丈夫そうだ…”
と思う.
戸沢分岐を過ぎる辺りから,SSKさんの後に付いていくのが大分楽になる.
8時52分,萱場平に到着する.
残雪は全くなく,泥濘も乾ききっている.
<萱場平>
■花立山荘
やがて,後7分坂(花立階段)に到着する.晴れていればここから見える富士山の写真を撮ることにしているが,今日は富士山が全く見えない.実に残念.そのまま後7分坂を登り続ける.
坂の途中で,登攀速度がさらに遅くなる.坂の途中で先頭に出てしまおうかと思ったが,まあ,このまま登り続けようと自制する.
後7分坂を半分強登ったところで,下山してくる韋駄天のNMさんとすれ違う.
9時10分に花立山荘に到着する.階段を登り切ったところで,下山してくるITさんとバッタリ会う.丁度そのとき,山荘前のベンチで,休憩を取っていたMTさんとHさんが歩き出そうとしている.
大倉から花立山荘までの所要時間は1時間54分.久々に2時間を6分も切っている.
“シメ,シメ,…結構良い時間じゃないか…”
私は心の中でほくそ笑んでいる.ちなみに,堀山の家からの所要時間は34分.これまた結構な速度である.
“本当かな…”
と思いながら時計を見直す.
こんなに素晴らしいピッチで登れたのも,先頭を行くSSKさんのお陰である.
<花立山荘に到着>
■塔ノ岳山頂
花立山荘からは,何となく私が先頭になる.これまで先頭を歩いていたSSKさんは,どうやら花立山荘で立ち休憩を取っているようである.
体力に余裕を持って後7分坂を登ったので,私の体調は少し良くなってきたようである.何というか蝶番の油が回ってきたような感じになる.偶然,私が3人の先頭になったこともあって,かなり速いピッチで登り続ける.
9時19分に花立山山頂を通過する.今日は富士山が見えないので,写真を撮るための道草をする必要がない.
私の直ぐ後をNMさんが付いている.
「お先にどうぞ…」
と先頭をNMさんに譲ろうとするが,NMさんは固辞.
ならば…ということで,自分勝手な速度で登り続ける.何となくリズムに乗った歩きが続くので快調である.
9時26分,金冷シを通過する.
ここから山頂までの階段道は,一部にほんの少しばかり残雪があるだけで,極めて登りやすくなっている.結構快調に登り続ける.私の直ぐ後をNMさんがピッタリ着いてくる.
山頂直下で,下山してくるTDさんとすれ違う.
9時37分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はプラス5℃.少々寒い.
上空には雲が掛かっている.また辺り一面に霞が掛かっていて,富士山や南アルプスなど遠くの山は殆ど見えない.
大倉からの所要時間は2時間21分.私にとってはかなり良いラップである.これも途中まで先頭を切って高速で歩かれたSSKさんのお陰である.
ちなみに,花立山荘からの所要時間は27分,金冷シからの所要時間は15分…と,いうことは金冷シから少しピッチが遅くなったようである.まだまだ改善の余地がある結果である.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
NMさんと私は,
「…SSKさんと一緒に尊仏山荘に入りましょう…」
ということで,山頂のポール付近で,3〜4分程の間,SSKさんが山頂に到着するのを待つ.
そして3人揃ったところで,尊仏山荘に入る.
石油ストーブの前で尊仏山荘の山猫,華伊達美弥雄さん(ミャ〜のこと)が私たちを出迎える.
先客は3人.その内のお一人は,花立山荘から,私たちのすぐ先を歩いていたMTさんである.
“歩く前にツムラ68飲んだら,元気が出て2時間××分で登りました…”
とのこと.
“今度,オレも登る前にツムラ68を飲んでみようか…”
と密かに思う.
今日の小屋番はWDさん.水曜日に,WDさんが,月光仮面がネギを背負った格好で登ってくるのとすれ違って以来のご対面である.
何時ものように,300円也のお茶を所望する.
4月1日の消費税アップの後も,コーヒー,お茶,ラーメンなど売店の品は価格を据え置くとのこと.有り難い.ただし,宿泊料は応分に値上げするとのことである.
私たちより少し遅れて,2番バスで来られたFTさんが到着する.相変わらずFTさんは俊足である.
お茶を飲みながら雑談をしていると,10時を回った頃,NGさん,Hさん,TGさんが次々に尊仏山荘に到着する.
<尊仏山荘>
■山ネコ“ミャ〜”君
今日も山ネコ”ミャ〜”君は,石油ストーブ前に一等席に居座っている.
尊仏山荘を訪れる登山客が,入れ替わり立ち替わりミャ〜君の頭や身体に触るが,ミャ〜君は嫌がりもせずに,されるがままになっている.実に素性の良いネコである.
もう春だというのに,ミャ〜君は相変わらず眠たいようだ.
「このネコ,営業部長になってから大分経つな…」
と常連のNGさんが言う.
そう…もう,4〜5年にもなるだろうか.NGさんと私がミャ〜君を眺めながら,
「このネコは,尊仏山荘の営業部長だな…」
と雑談したことがある.
このネコが石油ストーブの前で,ゴロゴロとしながら,うたた寝しているだけで,周りの人たちが癒されるから不思議である.
<石油ストーブ前のミャ〜君>
■皆で一緒に下山
10時41分,そろそろ下山しようと思う.
居合わせた常連全員が,ほぼ一斉に尊仏山荘から下山を開始する.途端に,尊仏山荘はモヌケノカラのように静まり返る.
下山はUMさん,FTさん,MTさん,SSKさん,NMさん,Hさん,NGさんが一緒である.
建物の外に出ると,冷たい微風が吹いていて寒い.花立山荘まで下山すれば暖かくなるのが分かっているので,敢えてヤッケなど着ないまま下山し続ける.
かなり速い速度で下山し続ける.その内に常連の集団もバラケ始める.
11時55分,一本松を通過する.
その頃,突然,胃が痛くなりはじめる.私は,
「…どうぞ先に行って下さい…」
とご一緒している数人の方にお断りして,道端で休憩を取る.
すぐに吐き気を催す.何か胃に悪いものでも食べたかな…そういえばアンパンと間違えて買ってしまった脂っぽいドーナッツのようなものを食べたときに,イヤな予感がしていたな…
道端で胃の内容物を吐く.すると幾分気分が楽になる.さらにリュックの中の救急箱から「ツムラ17」を取り出して服用する.服用してから2〜3分で,胃痛はウソのように治ってしまう.でも,近々胃の検査を受けなければ…と思いながら下山を再開する.
■克董窯の桜
一本松からは一人旅になる.そうなると気が抜けたようなノンビリした歩き方になる.
どうせ,今からでは急いでも,大倉発12時52分のバスにしかない.それならば,バスの時間に合わせて,ゆっくり下ろう.根っこが怠惰な私は,すぐにサボることを考える.
ゆっくり下山していると,登っているときには気が付かなかった草花がやたらと目に着く.その度に写真を撮る…が,ここで掲載するとブログが冗長になるので掲載は止めておこう.
やがて,克董窯付近に到着する.克董窯の桜が見事に咲いている.私はここでも道草をして,数枚の写真を撮る.
<克董窯の桜>
■無事帰宅
一本松からは,多少気が抜けたような独り歩きになったが,12時43分,無事,バス停大倉に到着する.
下山所要時間は2時間02分.途中で休憩を取った割には,意外に速かったようである.
予定通り12時52分発渋沢行のバスに乗車する.結局,先ほどまでご一緒していた常連も同じバスに乗車している.
山旅スクール6期のNJさんも同じバスに乗車している.伺うとNJさんは,尊仏山荘には立ち寄らずに,塔ノ岳をピストンしたとのこと.
私は,渋沢から小田原経由で帰宅することに決める.本当はあざみ野で開催中の神奈川美術協会公募展会場に立ち寄ってから,帰宅するつもりだったが,先ほどの胃痛が気になるので,自宅へ直帰することにする.
小田原から東海道本線で大船へ.大船からは路線バスを利用して,14時40分頃,無事帰宅する.
帰宅すると,神奈川美術協会会長名で「入賞通知書」というハガキが届いている.
何事かと思ったら,私が出品した拙い水彩画2枚の内,1枚が「秀作賞」に選ばれたようである.万歳!
…というわけで,今日も,良かった! 良かった!
<ラップタイム>
7:16 歩き出し
7:46 観音茶屋
8:07 見晴山荘
8:17 駒止茶屋
8:34 堀山の家
9:10 花立山荘
9:22 金冷シ
9:37 塔ノ岳山頂着(+5.0℃)
10:41 〃 発
10:54 金冷シ
11:02 花立山荘
11:06 堀山の家(11:09まで休憩)
11:33 駒止茶屋
11:55 一本松(腹痛のため5分ほど休憩)
12:05 見晴山荘
12:22 観音茶屋
12:43 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:16
塔ノ岳 着 9:37
(所要時間) 2 時間21分(2.35h)
水平歩行速度 7.0km/2.35h=2.98km/h
登攀速度 1,269m/2.35h=540.0m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:41
大倉 着 12:43
(所要時間) 2時間02分(2.03h)
水平歩行速度 7.0km/2.03h=3,45km/h
下降速度 1,269m/2.03h=625.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/cc9a5fd0a8a8bf64ea6293efafe322aa
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)