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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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丹沢;塔ノ岳;居眠りする尊仏山荘のネコ(今年15回目)

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     丹沢;塔ノ岳;居眠りする尊仏山荘のネコ(今年15回目)
            (単独山行)
      2014年3月29日(土) 高曇

■バス停大倉へ
 3月も末となると,早朝から余り寒くなく,楽に起床できるようになってきた.冬の間は,毎回.塔ノ岳へ出掛ける前に,
 “行く…行かない…”
の葛藤を繰り返してきたが,これから暖かくなると,スッキリと塔ノ岳へ出掛けることができそうだ.そんなわけで,今日は4時10分にスッキリと自宅を出発する.外気はちょっと寒いが気分はスッキリである.
 何時ものように東海道本線大船5時10分発電車に乗車する.電車が藤沢を過ぎる頃,夜が明け始める.つい先日までは小田原付近でやっと明るくなっていた.
 小田急電車に乗り換える頃は,もうすっかり夜が明けている.例によって,急行電車が新松田に到着する手前で,車窓から富士山と矢倉岳がうまく重なって見える写真を撮る.つい1ヶ月ほど前までは,この辺りの景色はまだ真っ暗で写真を撮るどころではなかった.
 6時20分,渋沢に到着する.今日は土曜日.登山客が多いので臨時バスが出る.私は遠方から北にもかかわらずバス停に一番乗りである.やがて長いバス待ちの列ができはじめる.6時38分発の臨時バスに乗り合わせた常連はランナーのHさん,韋駄天のSTさん,TGさん,TDさん,YKさん,YUさん,SSKさん,IIさん,UMさん,AKさん,KIさん,ITさんなど多士済々.大倉バス停で正規の1番バスが到着するのを待つ.HMさん.STさん,YDさん達が次々に到着する.
<小田急車窓から;富士山と矢倉岳>

■豆桜が咲き始めた
 7時03分,私はTGさん,SSKさん,IIさん,AKさんと一緒に大倉から歩き出す.気温がいくらか高いので,ほぼ夏に準じて薄着になっている.ここのところ纏まった雨が降っていないらしく,路面はほどほどに乾いている.
 7時25分,観音茶屋を通過する.その間,何人かの登山客を追い越させて頂いたが,観音茶屋からやや急な九十九折りの登り坂に差し掛かる頃,私のすぐ後ろを歩いているSSKさんとAKさんの歩行速度がやや遅くなる.お二人のさらに後ろにIIさんとTGさんが続いている.
 “どうしよう…マイペースを続けようか,それとも歩行速度を少し落とそうか…”
 私は少々迷うが,私自身,急勾配の登り坂は苦手なので.堀山の家から先では,どうせ歩行速度が鈍るに決まっている.多分,花立山荘手前ぐらいで,後ろのお二人に追い付かれるだろうと考えて,私は自分のペースのまま登り続けることにする.
 7時30分,高源の家分岐を通過する.この分岐で登山道は大きく右にカーブする.今北登山道を見下ろすと,私から30〜40メートル後からSSKさんが順調に登っておられる.その後に居られる方々はどこを歩いているのか良く分からない.
 “まあ,いいや…”
で歩き続けて,7時39分雑事場ノ平を通過する.
 雑事場ノ平から見晴山荘に向かう尾根道の左側を見下ろすと,丁度,豆桜(正式な名称は知らないが…)が咲き始めている.思わずここで道草.豆桜の写真を数枚撮る.いくら花オンチの私でも,花は綺麗だな,見事だなと思う.

<雑事場ノ平の豆桜>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.階段の登り口の豆桜が花を咲かせている.ここでも立ち止まって道草である.次いで,階段を見上げた写真を撮る.
 今日は土曜日.何時もより沢山の登山客の後ろ姿が見えている.
 この坂をあまり張り切って登ると,後半でバテることが良く分かっているので,焦らずユックリ,さらにユックリ登ることに留意する.それでも,途中で止まりそうになっている登山者を追い越す.
 毎度,感じることだが,この坂で止まりそうになっている登山者は,ほとんど例外なく汗ビッショリになっている.オーバーペースで頑張りすぎて衣類ことが一目瞭然である.ウサギとカメではないが,ユックリ焦らずにマイペースで登ることがとても大切だと再認識させられる.

<見晴階段を登る>

■一本松
 見晴階段を登ってから,モミジ坂に差し掛かる.モミジ坂はそれほど急勾配ではないが,結構長い坂なのでシンドイ.登るにつれて汗ばんでくる.額を流れるような汗はかかずに登るのが私の流儀である.有り体に言えば,そうしなければロートルの私には大倉尾根はきつすぎる.
 私はほんの少し歩行速度を落として登り続ける.
 7時55分,YDさん達,ヤング女性2人が,颯爽と私を追い越していく.
 「お先にどうぞ…今日は一寸蒸し暑いですね」
と挨拶すると,
 「…何言ってるんですか,これから夏に向けて,もっと蒸し暑くなりますよ…」
とYDさんに発破を掛けられる.
 “はい…ご尤もです…!”
私は声を出さずに胸の内だけでお返事する.
 それにしても,お二人の後ろ姿は,颯爽としていて素晴らしい.
 7時56分,一本松を通過する.
 私を追い越したお二人の後ろ姿は,もう遙か遠くに小さくなっている.

<常連の女性群がサッサと私を追い越す>

■駒止茶屋
 駒止階段に差し掛かる.
 先週まで山のようにたんまりと残っていた残雪もほとんど融けてしまったようである.今日は,駒止茶屋の手前にほんの少し残っているだけだ.
 この駒止階段もくせ者で,あまり張り切って登ると疲労が貯まってしまい,堀山の家から先の上り坂で息切れしてしまう.それを避けるには,この階段を極々ユックリと登ることが大切である.
 8時12分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間09分.
 “チト,遅いかな…”
と自己評価する.4〜5年前までは,大倉から駒止茶屋まで1時間が目標だったのに…

<駒止階段の残雪>

■泥んこが無くなった大倉の尾根道
 大倉の尾根道に入る.入口にあった山の様な残雪は綺麗に融けてしまった.それに泥んこで悩まされていた尾根道もすっかり乾いていて,歩いていても実に気分がよい.こうなると疲労などもすっかり消し飛んでしまいルンルン気分になる.
 “こりゃぁ〜…好いぞ! 絶好調!”
 私は一人で歩きながら堪らなく嬉しくなる.

<泥んこが消えた大倉の尾根道>

■気高い富士山が見える
 富士山が良く見える場所に到着する.
 今日は上空を雲が覆っているが,富士山が良く見えている.山腹に雲が薄く掛かっていて,富士山が一層気高く感じる.横山大観の藤さんの絵を連想する.ここでも立ち止まって,数枚の写真を撮る.

<大倉の尾根道からの富士山>

■戸沢分岐の残雪
 8時30分,小草平に到着する.ここからも富士山が良く見えている.当然ここでも富士山の写真を撮ったが,なぜが写真の中では富士山が飛んでしまい,空しか写っていない.サノバビッチ!
 まだ時間が早いので,堀山の家は開店していない.
 SSKさんが見えないかなと思いながら,後ろを見るがどうやら居られないようである.
 私はそのまま登り続けることにする.今日の目標は小草平から花立山荘まで42分で登ることと設定する.
 私は休憩を取らずに,萱場平に向けて急な登り坂に差し掛かる.ここからが如何にも登山らしい道になるので,私が大好きなところである.
 私は呼吸が乱れないように留意しながら一歩一歩丁寧に登り続ける.
 8時37分頃,私は後ろに人の気配を感じる.振り返ると後のバスで来られた常連のNMさんである.相変わらずの快速である.
 「お先にどうぞ…私より4〜5分先をYDさんたちが歩いているはずです…」
とコメントして,NMさに先を譲る.
 直ぐにNMさんの後ろ姿は私から遠ざかる.
 8時47分,戸沢分岐に到着する.
 この辺りには大量の雪の吹き溜まりがあったが,今はもうすっかり融けて,少量の雪が残っているだけである.

<残雪が少し残るだけの戸沢分岐>

■萱場平
 8時49分,萱場平で定点観測の写真を撮る.
 相変わらず沢山の登山客の後ろ姿が見えている.辺りには残雪は全くなく,地面もほどよく乾いているようである.
 私は気分良く萱場平を通過する.

<萱場平>

■後7分坂からの富士山
 萱場平から先も自制しながらユックリペースで登り続ける.終始,体力を消耗しないように,ユックリ登ってきたので,体調はすこぶる良好である.何の疲労感もなく一定速度で登り続ける.
 ときどき後ろを眺めるが,私より40〜50メートル後ろにSSKさんの姿が見えている.
 “この分だと,花立山荘辺りで,私に追い付くかな…”
と思いながら登り続ける.
 やがて後7分坂(花立階段)の階段下に到着する.ここから見る富士山も素晴らしい.ここでも,階段を登る前に,数枚の富士山の写真を撮る.

<花立階段登り口からの富士山>

■登山客で一杯の花立山荘
 階段をユックリ登って,9時11分,花立山荘に到着する.
 今日はさすがに休日,何時もは殆ど人影がない時間なのに,山荘前のベンチで沢山の登山客が休憩を取っている.
 大倉からの所要時間は2時間08分.
 “むむ…チト,遅いかな…”
 小草平からの所要時間は41分.こちらは予定通りだ.

<花立山荘>

■素晴らしい見晴の花立山
 私の後ろに居られるはずのSSKさんの姿が一向に見えないので,私はそのまま登り続けることにする.
 花立山の山裾に降り積もっていた残雪も殆ど融けてしまったようである.雪道に較べて階段道がいかに歩き易いかを実感しながら,登り続ける.
 今日は雲が多いが空気が澄んでいるので見通しが良く利いている.富士山,南アルプス,相模湾などの眺望を楽しみながら,9時20分に花立山を通過する.

<花立山から富士山,鍋割山稜を眺める>

■若干の残雪道
 9時25分,金冷シを通過する.この辺りにあった大量の残雪も今はもう完全に消えている.
 坂道に差し掛かる.金冷シから最初の長い階段の上の方にはまだ残雪があるが,大半の階段道からは雪が消えている.
 金冷シを過ぎると,山頂が間近なので,どうしても木が緩みがちになる.ここまで来れば,急いでもノンビリでも山頂までの所要時間は2分と変わらない.ついついダラダラ登りになってしまう.

<階段道の残雪>

■韋駄天組が大挙して下山
 山頂直下の階段で,下山してくるYUさんとすれ違う.YUさんは二本ストックの練習をするとやらである.研究心の熱心さに驚かされる.
 すぐに,山頂間近の階段道に差し掛かる.階段道の上から,韋駄天のSTさんほか足早組が大挙して下りてくる.
 「私も一緒に下りようかな…」
 「…ユックリ下山していますので,山頂にタッチしてきて下さい…」
 下の写真でも分かるように,すぐそこが山頂である.
 「じゃあ…私も山頂にタッチしてからすぐ下山します…」

<山頂から常連さんが下山してくる>

■冷たい風の塔ノ岳山頂
 9時42分,塔ノ岳山頂に到着する.
 山頂からは,富士山や南アルプスの山々がとても良く見えている.山頂の気温はプラス13℃.ただ,冷たくてかなり強い風が吹いているので,山頂は結構寒い.
 大倉からの所要時間は2時間39分.花立山荘からは32分,金冷シからは16分もかかっている.いくらマイペースとは言いながら,まだまだ改善の余地がある.
 山頂では数名の登山客が休憩を取っている.

<塔ノ岳山頂>

■賑やかな尊仏山荘
 私は,山頂で周囲の写真を撮りながら,このまま下山しようか,それとも尊仏山荘に立ち寄ろうかと迷う.
 暫く迷っていると,私より後のバスで来られた常連のFTさんが山頂に到着する.私は意を決して,FTさんと一緒に尊仏山荘に入る.
 今日の小屋番はWBさんとFYさん.何時ものように300円也のお茶を所望する.
 客席の片隅に座って,早めに昼食を摂る.
 やがて時計が10時を回る.FTさんが,
 「ありゃ…SSKさん,途中で下山したかな…」
と心配し始める.
 10時15分頃,SSKさん,TGさん,IIさん,AKさん達が大挙して尊仏山荘に到着する.山荘内は一気に賑やかになる.

<尊仏山荘>

■居眠りしつづける“ミャ〜君”
 尊仏山荘の看板ネコ,花立美弥雄さん(ミャ〜君のこと)は,終始,石油ストーブの前で,昼寝である.登山客がときどき背中を撫でるが,ミャ〜君はそんなこと無頓着に終日居眠り三昧である.
 “こいつ,一体,何を考えているんだろう…”
 自然流“ミャ〜君の生き様”を眺めているとと,何時もこんな疑問が湧いてくる.
 でも,まあ,屈託ないようすで居眠りをし続けるミャ〜君の姿を見ていると,見ている方が癒された気分になるから不思議である.
 結局,私たちが尊仏山荘を出発するまで,ミャ〜君は石油ストーブの側から離れなかった.

<尊仏山荘のミャ〜君>

■ノンビリ下山
 外が寒いせいか,尊仏山荘を訪れる客が増え始める.このあたりが退散する潮時かなと思って,FTさんと一緒に尊仏山荘から出発する.
 山荘の外に出ると,冷たい風が一層堪える.でも金冷シ辺りまで下れば暖かくなることがが分かっているので,敢えてウインドブレーカーを着用することもなしに下山開始.とにかく寒いので,花立山荘まではかなり速い速度で下山し続ける.
 花立山荘から先の急坂下りは安全を期すためにユックリと下りたい.そこで,
 「急な階段はユックリ下りますのでお先にどうぞ…」
ということで,FTさんに先を譲る.そして,私は大倉発12時38分のバスに乗車することを目標にして,下山速度を調整しながら下山し続ける.
 予定通り,12時32分,大倉に到着する.早速,沓の泥を落としてから,バス停に向かう.
 バス停では,先に下山していたNMさん,YDさんたちが,私に“オイデ,オイデ”をしながら,丁度到着した12時38分発のバスに乗車するよう促している・
 まだ昼下がりだというのにバスはかなり混雑していて,立ち席の乗客も結構多い.
 バスは,12時54分,渋沢駅に到着する.
 バス停付近は,ポカポカ陽気で,畑は花盛りである.

<バス停大倉付近にて>

■渋沢駅前のミスタードーナッツ
 渋沢駅ビルの1階のミスタードーナッツでお茶しようという話になる.たまたま居合わせたNMさん,YDさん達3人と一緒にミスタードーナッツへ這入る
 店内は混雑しているが,何とか片隅に場所を確保す.
 “さて,何を注文しようかな…”
と迷ったが,一先ずクリームソーダを賞味することに決める.200円弱.
 雑談しながら,30分ほど経過したところで,私が乗車したバスの次のバスに乗車した常連の皆さんが,お店に入ってくる.再び賑やかに雑談に興じる.
 
<ミスタードーナッツにて>

■相変わらずそそっかしいが無事で良かった
 ミスタードーナッツで1時間ほど懇談した後お開きになる.
 私は小田原経由で15時少し前に大船駅に到着する.電車を降りると外には爽やかな風が吹いている.このまま帰宅するのは勿体ないような心地よい陽気である.よっぽど自宅まで歩いて帰ろうかと思ったが,昼下がりにリュックを背負った大げさな姿で,自宅近くをウロチョロするのも見苦しい.結局,大船駅発15時10分のバスに乗って帰宅する.
 帰宅後,リュックの中味を調べてビックリ.何と6本爪と4本爪の軽アイゼンが2本,リュックの中に入れたままになっている.
 “まるで,バカみたい…”
 私は,よりによってお荷物の軽アイゼンをわざわざ背負って塔ノ岳を往復したことになる.
 私は自分のソソッカシさに腹を立てるが,風呂に入って,疲れを癒している内に,まあ,たまにはこんなミスもあるさ…それよりも大過なく登山できたことを喜ぶべきじゃないのという気分になる.
 …と,いうわけで今日も良かった,良かった!

<ラップタイム>

 7:03  歩き出し
 7:25  観音茶屋
 7:42  見晴山荘
 8:12  駒止茶屋
 8:30  堀山の家
 9:11  花立山荘
 9:25  金冷シ
 9:42  塔ノ岳山頂着(+12.0℃)
10:22      〃  発
10:35  金冷シ
10:46  花立山荘
11:17  堀山の家
11:33  駒止茶屋
11:56  見晴山荘
12:10  観音茶屋
12:32  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
 大倉   発      7:03
 塔ノ岳  着      9:42
 (所要時間)  2 時間39分(2.65h)
 水平歩行速度    7.0km/2.65h=2.64km/h
 登攀速度     1,269m/2.65h=478.9m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:22
  大倉   着      12:32
 (所要時間)  2時間10分(2.17h)
 水平歩行速度     7.0km/2.17h=3,23km/h
 下降速度     1,269m/2.17h=584.8m/h
                                  (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2e1ff2d7669818cda0681893f2cfdf67
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスご容赦.






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