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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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アパチャ山登頂記;第4日目(1);登山予備日(1);アイゼン実習

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                         <V字谷からアパチャ山を望む>

[復刻版]
  アパチャ山登頂記;第4日目(1);登山予備日(1);アイゼン実習
           (アルパインツアー)
      2004年8月10日(火)〜8月17日(火)

第4日目 8月13日(金)

前の記事 ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d8c8c42e8c2a5ae715092f8169fb2edd

<ルート地図>




<ベースキャンプの朝>

■昨夜も眠れなかった
 今日は登頂予備日である.
 床が傾いている蒲鉾テントの宿舎は,相変わらず寝心地が悪い.寝返りを打つ度に坂をずり落ちるので,気が付いたときに素の所まで戻らなければならない.それに暖房機の送風音が響き続けるので,気分も苛立つ.それにしても,床が平でないのは,こんなに寝心地が悪いものかと改めて認識する.
 早朝から目が覚めてしまうが,7時頃までは寝袋の中でノタノタしている…が,7時頃,堪らず起き出してしまう.
 昨日,アパチャ山登頂に成功した私たちは,今日一日,このキャンプに留まって,ユックリ過ごす予定である.そんな関係もあって,朝食は9時からと遅い時間である.昼食までまだ大分時間がある.

■お世話になった蒲鉾形テントの外形
 私は,暇潰しに,宿舎の周辺を散策しようと思う.
 蒲鉾テントから外へ出る.ヒンヤリと寒い.
 ここは高緯度に位置している.水平線近くから眩しい太陽の光が降り注いでいる.蒲鉾型テントの陰が長く伸びている.
 下の写真は,蒲鉾形テントとトイレの真ん中辺りの一から撮影したものである.テントの右側を歩く男性の姿勢から,このテントの床がトイレ方向に低く傾斜していることが分かるであろう.
 テントの中央が通路である.私たちは通路の挟んで両側に櫛形に並んで寝ている.だから寝返りを打つ度にトイレ方向にずれてしまう.
 ちなみに,写真に写っている入口が男性側,その反対側には同じ格好をした女性用の入口が付いている.テントの中央部に開閉のできる仕切りがある.

<蒲鉾形テント>

■天に聳える三角錐の山山
 ベースキャンプ内をブラブラ歩いてみる.意外に広い平原のあちこちに建物が散在している.
 今日は朝から快晴である.キャンプ場の北側には,三角錐の形をした山が聳えている.実に素晴らしい風景である.

<三角錐の山を望む>

■アパチャ山の雄姿を見上げる
 キャンプ場を南の方へ歩いてみる.
 建物群から少し離れたところに,素朴な造りのベンチが据えられている.
 ここからは,昨日登ったアパチャ山の全景が良く見えている.山頂からは相変わらず白煙が立ち上っている.
 山頂に向かって左側の急斜面が,測候所跡から手足を使って這い上がった場所である.途中で通過した大きな雪渓も見えている.
 “「今日,登頂ならば最高だな…”
と少々残念である(実際には午後から山頂に雲が掛かったので,結果的には昨日の方が登山日和だった).

<キャンプ場からアパチャ山を見上げる>

■遅い朝食
 8時45分頃,一旦,蒲鉾形テントに戻る.
 9時から朝食である.
 9時少し前にツアーリーダーのSさんを先頭に,食事テントに移動する.今朝も沢山のツアー客で賑わっている.
 朝食のメニューは下の写真の通りである.
 ネスカフェのコーヒー.
 それに薄い塩味のスープを啜りながら,少々硬くてボロボロしているパンを食べる.人によって食事の好みはさまざまなので何とも言えないが,私個人は,外カリカリ,中柔らかなパンを好む.でも,贅沢は言っていられない.与えられた食事を美味しく頂く.

<キャンプ場の朝食>

■暇潰しの散策
 30分ほどで朝食を終える.
 取りあえずは居場所がないので,また,蒲鉾テントに戻る.そして,暫くの間,テントの中で雑談.でも,直ぐに飽きてしまう.
 私はこのままテントの中でダラダラしているのは勿体ない気がしてくる.そこで,私はツアーリーダの了承を得て,小一時間,キャンプ場の周辺を散策することにする.
 小さなノートを抱えて,キャンプ場周辺でスケッチ三昧である.
 昨日の夕方にも散策したが,少し足を伸ばして,V字谷を降りてみる.想像していたより少し深い谷になっている.水量はかなり少なめだが,暴れ川らしく,深くえぐられた河原が延々と続いている.
 川の右岸沿いに暫く歩いてみる.すると何か注意が書いてある立て札がある.ロシア語で書かれているので,何が書いてあるか私には分からないが,どうやら「この辺りは水源地なので,みだりに入り込むな…」と画いてあるような気がする.
 私は素直に今下ってきた道を引き返す.

<V字谷>

<アイゼン実習>

■おやおや…アイゼン使ったことがない
 小一時間の散策を終えて蒲鉾テントに戻る.
 テントの中では,皆さんが車座になって雑談をしている.私も遅ればせながら輪の中に入る.
 その内に,参加者のどなたかが,
 「…私,まだ,アイゼンを使ったことがないんです.折角,アイゼンを持参しているので,是非,使ってみたい…」
という.それを聞いた何人かの方々が,異口同音に,
 「実は私も使ったことがないんです…」
とうなずく.
 これを聞いて,私は飛び上がるほどビックリする.このツアーは山の猛者(もさ)ばかりだと思っていたのに,アイゼンを使ったことがない人が少なからず居たとは…!
 「じゃあ…,昼食までまだ大分時間があるので,近くの雪渓でアイゼン実習しましょう…」
とツアーリーダーのSさんが提案する.
 今回のツアーの募集要項に経アイゼン持参と書いてあったので,私も6本爪の経アイゼンを持参している.
 「それでは…」
ということで,12時18分に近くの雪渓までアイゼン実習に全員で行くことになる.
 登山学校に通っている私には,今更アイゼン実習もないが,蒲鉾に居残っても,どうせやることがないので一緒にお供することにする.
 12時16分,私たち全員はキャンプの外れにある小さな雪渓を目指して歩き出す(下の写真の中央上に見えている雪渓).

<雪渓を目指して> 

■初めてのアイゼン
 程なく目指す雪渓に到着する.
 勿論大半の方々はアイゼン歩行の経験があるので,それぞれ勝手にアイゼンを装着して,雪渓の中を歩き回る.
 アイゼン装着が初めての人たちは,ツアーリーダーの指導を受けながらアイゼンを装着している.

<アイゼンを履いてみる>

■雪渓で戯れる
 軽アイゼンを装着して雪渓を歩いてみると,硬く締まった雪なので,アイゼンがとても良く利く.したがって歩き具合も意外に心地がよい.もっともスプーンを辿りながら,軽くキックステップを踏みながら歩けば,アイゼンなしでも十分に歩けるところである.
 折角,軽アイゼンを装着したのだから,雪渓の一番上まで登って見ようと思う.勿論,ツアーリーダーの承認を得てから…
 雪渓の最上部付近は,意外に傾斜がきつくなる.
 雪渓の上端まで登り詰めると,思った以上に展望が開ける.遙か下の方では,アイゼンを装着した同行の皆さんが,そろりそろりと雪の上を歩いている.
 少々寒いが,見晴らしが良いので,アイゼン実習が終わる頃まで,辺りの風景をスケッチしながら過ごす.
 13時40分頃,アイゼン実習を終えて引き返すことになる.私も雪渓の下部を目掛けて,大急ぎで下山する.
 私が下山する様子を見ていたお一人が,
 「良く転ばずに速く下れますね…」
と驚いている.これには逆に私の方が驚く.下の写真でも分かるように,大した傾斜でもない.雪中歩行の経験がちょっとでもあれば,どうという所ではない.
 何れにしても,昼食の時間が迫っているので,蒲鉾テントに一旦引き上げることにする.
 13時45分,蒲鉾テントに戻る.

<雪渓で戯れる>
 
<遅めの昼食>

■前菜とスープ
 ツアーリーダーに引率されて,14時丁度に食事棟に移動する.係員に指定された場所に纏まって座る.
 14時05分からいよいよ昼食である.
 まずは前菜とスープである.トマトと薄切りのキュウリ.それにクッキー.私の乏しい海外経験では.日本以外の国で,歯応えのあるバリバリなキュウリにはお目に掛かったことがない.ここのキュウリも残念ながら今ひとつだ.
 スープは恒例の薄塩で,細々と刻んだ野菜類がクタクタになるまで煮込んである.このスープのお味は,もうとっくにお馴染みになっている. 

<前菜とスープ>

■メインディッシュ
 メインディッシュは下の写真の通りである.
 何だか昔の学校給食を思い出させるような器に盛りつけられている.少々質素な感は否めないが.美味しく頂戴する.
 40分ほどで昼食を終える.
 今日は夕方から,キャンプ場周辺のフラワーハイキングに出かける予定である.それまで,暫くの間,蒲鉾テントで一休みすることになっている.

<メインディッシュ>
                                   (つづく)

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