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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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春の鎌倉;荏柄天神.瑞泉寺観梅ハイキング

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                                    <瑞泉寺>

        春の鎌倉;荏柄天神・瑞泉寺観梅ハイキング
          (五十三次洛遊会定例会)
         2014年2月24日(月) 晴

<ルート地図>



<鎌倉駅から歩き出す>

■残雪が気になる
 春の五十三次洛遊会定例会は,恒例の鎌倉観梅ハイキングである.今回の定例会の主テーマは観梅である.鎌倉駅を中心にコースを考えると,荏柄天神,瑞泉寺,十二所果樹園あたりを一回りするのが一番だとは思うが,つい先日の大雪のため山道は荒れていることが予想される.平素山歩きに馴れておられる方々を案内するのなら,多少の泥んこや山道は特にどうということもないが,今回の参加メンバーは,街道歩きが主体のメンバーである.
 案内役の私は,迷いに迷った結果,鎌倉市内を中心に散策することに決めた.ただ,1〜2箇所,普通は訪れない場所をアクセントとして入れることにした.その結果,冒頭の地図のようなコースを歩くことになった.

■今回の参加者は12名
 今回は鎌倉駅表口9時30分集合である.私は9時前に集合場所に到着.駅の建物内にあるBeck'sに立ち寄って,コーヒーを飲みながら,今日案内するコースのことをあれこれ考える.
 時々ボンヤリとしながら残り少ないコーヒーを賞味していると,まだ集合時間まで10分ほどあるのに,リーダーのOMさんが、
 「もう皆さん,全員,お集まりですよ…」
と私を呼びに来る.
 今回の参加者は12名(男5人,女性7人)である.毎度沢山の方にご参加頂き,案内冥利に尽きる次第である.
 今日のコース概要,見所などを簡単に説明してから,予定の時間より5分早く,9時25分に鎌倉駅前から歩き出す.

<今小路に沿って>

■巽神社と刃稲荷
 鎌倉駅から小町通りに入って直ぐに左折して,建物に囲まれたサンク広場を横断,線路沿いの道をほんの少し北へ進み,横須賀線の踏切を渡って今小路に入る.今小路に沿って北へ進む.
 9時38分,巽神社に到着,参拝.この神社は蝦夷征伐に出陣した坂上田村麻呂が葛原ヶ岡に勧請したのが始まりといわれる古い神社である(資料1,p.115).
 今小路の途中で左折して住宅地内の路地に入る.9時43分路地の右側に刃稲荷に到着する.ここは正宗稲荷とも呼ばれ,このあたりが刀工正宗の屋敷跡だと言われる(資料2,p.106).
 
<巽神社>                               <刃稲荷>

■寿福寺
 小さなトンネルを潜って,9時49分,寿福寺に到着する.ここには北条政子,源実朝,大佛次郎,高濱虚子などの供養塔や墓があるが,立ち寄らずに正面の山門のように抜ける.
 境内の梅が見頃である.

<寿福寺>

<英勝寺>

■見事な梅
 10時05分,英勝寺に到着する.拝観料300円也.
 ここは梅の名所としても有名なところ.取りあえずは境内を一回りする.

<境内の梅>



■英勝寺の侘助
 英勝寺で有名なのは侘助である.残念なことに私は花オンチ.花のことはサッパリ分からない…が,同行の方が,
 「これが侘助ですよ…」
わざわざ説明してくれる.
 確かに他の椿の花に比較すると,侘助の花は小さくて丸くまとまっている感じがする.とにかく,写真だけは撮っておこうと思う.

<英勝寺の侘助>

<巨福呂坂から鶴岡八幡宮へ>

■青梅聖天
 10時30分,英勝寺を出発,横須賀線の踏切を渡って,10時34分,護国寺の前を通過する.途中で左折,岩屋不動前から小町通り鉄の井を経由して,巨福呂坂旧道に入る.この旧道は袋小路になっていて,通り抜けはできない.
 坂道を300メートルほど登ると,左手に長い階段がある.階段を登り切って,10時53分に青梅聖天に到着する.ここで参拝を兼ねて一休みする.
 青梅聖天の土手には沢山の梅があるが,今年の梅は少々寂しい.
 
<青梅聖天>                               <青梅聖天の梅>

■巨福呂坂の石塔群と有風亭
 青梅聖天直下に,おびただしい数の石塔群がある.資料2(p.32)によれば,これらの庚申塔,馬頭観音などの石塔群は江戸時代に作られたもののようである.
 石塔群を見学した後,往路を戻る.
 坂の途中に鎌倉の人力車で有名な有風亭さんが開店したお店がある.今日は立ち寄らずに素通りするが,機会があったら訪れて見たいなと思う.
 
<旧巨福呂坂の石塔群>                        <有風亭のお店>

■鶴岡八幡宮
 11時09分,鶴岡八幡宮に到着する.
 境内は相変わらず沢山の観光客で賑わっている.参拝を済ませてから境内を一回りする.手すりが全くない長い階段を下りるのは少々怖い.
 休憩所で暫く休憩を取る.
 肝心の梅は,斎場入口に1本あるだけ.

<鶴岡八幡宮>

<荏柄天神>

■美しい荏柄天神の境内
 11時30分,鶴岡八幡宮を出発.?浜国大付属小中学校,清泉小学校脇を通って,11時47分に荏柄天神に到着する.
 さすがに美しい境内である.紅色の社殿と白梅,紅梅が見事に調和している.なんとも自然に心が和んでくる.
 写真に写っている人物は,たまたま写真に入っただけで,私たちとは無関係である.

<荏柄天神>

■古代青軸
 社殿に向かって左手に,有名な古代青軸がある.
 勿論,私には花の詳しいことはサッパリ分からないが,花弁の周辺が青い色をしているのが特徴のようである.
 私はおんボロカメラしか持っていないが,花のクローズアップ写真を苦労して撮る.

<古代青軸>

■紅梅と白梅
 境内の紅梅と白梅が見事に咲いている.神社の建物が丁度良く調和していて,何とも言えない華やかな雰囲気を醸し出している.異口同音に,
 「この紅梅と白梅,綺麗ですね,見事ですね….」

<荏柄天神の紅梅と白梅>

<鎌倉宮と永福寺跡>

■鎌倉宮で昼食
 12時10分,鎌倉宮に到着する.
 鎌倉宮の休憩所で昼食を撮ることにする.食事を持ち込む場合は席料100円/人である.100円也を支払って指定された席に座る.
 例によって,沢山の方々から菓子類の差し入れがある.正直.これも楽しみの一つである.
 
<鎌倉宮>                                  <永福寺跡>

■永福寺裏山周遊
 鎌倉宮での昼食を終えて,12時51分,午後の部を始める.まずは,鎌倉宮境内を抜けて紅葉ヶ谷方面に向かう.
 12時58分,永福寺跡に到着する.永福寺跡の復元工事が大分進んでいて,何時の間にか公園風にすっかり整備されている.二階堂が立っていた辺りの整備が盛んに行われているのが素人目にもよく分かる.どのように整備されるかがとても気になる.
 折角,永福寺跡に来たのだから,裏山の散策路を歩こうかと急に思い立つ.少々の悪路が予想されるが,もし不都合があったら戻れば良いだけのこと.とにかく山道に入ってみる.
 歩き出すと直ぐに残雪があり,多少のヤブ道になる.
 「引き返しますか…」
と一同に聞いてみるが,特に反応がないので,そのまま裏山山頂まで登ってしまう.
 山頂の尾根道に入ると,素晴らしい散策路になる.進行方向右下には永福寺跡の全景が見下ろせる,右手前方にはこれから訪れる瑞泉寺周辺や天園ハイキングコース沿いの山々が見えている.
 裏山を一周して,亀ヶ淵近くに下山する.
 ここで案内役の私が,何となく勘違いして,獅子舞方面へ惰性で歩き始める.200メートルほど歩いたところで,
 “そうだ! 今日は瑞泉寺に行くんだった!”
と正気に帰る.
 今歩いた道をトボトボと引き返して,通玄橋の三叉路から瑞泉寺方面へ向かう.

<永福寺裏山の散策路>

<瑞泉寺>

■久々の瑞泉寺
 13時55分,瑞泉寺に到着する.
 天園ハイキングコースを一回りするときに,頻繁に瑞泉寺近くを通過するが,改めて瑞泉寺を拝観するのは,それこそ数年ぶりのことである.幸いなことに瑞泉寺は鎌倉市発行の福寿手帳を提示すれば,200円也の拝観料を免除してくれる.有り難いことである.
 境内に入る,懐かしい気分である.

<瑞泉寺山門>

■市指定天然記念物の黄梅
 境内の風物を見て回る.梅の木が沢山ある.沢山の梅の中から鎌倉市指定天然記念物の黄梅を見つけて,写真を撮る.
 境内ではたまたま天園ハイキングコースを一回りしてきた中高年ばかりのハイキンググループと鉢合わせになる.このグループを見ながら,
 “はハ〜ん…私たちと同じ年格好だなあ…”
と,ついつい比較する.

<天然記念物の黄梅>

■瑞泉寺庭園
 本堂裏手にある瑞泉寺庭園を拝見する.ここは夢窓疎石開山の寺.この庭は書院庭園の起源となったものだという(資料1,p.94).
 この庭園から,山頂の尾根にある偏界一覧亭に至る山道があるようだが,素人目にはどこがその道か良く分からない.

<瑞泉寺庭園>

<大倉幕府跡>

■関取場跡
 14時25分頃,瑞泉寺を出発する.
 瑞泉寺から永福寺跡,鎌倉宮まで住宅地内の道を戻る.鎌倉宮には立ち寄らずにそのまま横小路を南南西に向かう.進行方向左手に小川が流れている道である.
 途中で荏柄天神参道を横切って,金沢街道に三叉路の形で突き当たる.この三叉路辺りが関取場跡である.ここは北条氏康が関所を設け,関銭(交通税)を徴収し,荏柄天神社殿の造営費に当てた所だという(資料2,p.46).
 バス通りに沿って,鎌倉駅まで歩くのが無難な道だが,折角の機会なので,一箇所ぐらいは,平素行かないところを訪れようと思う.そこで,岐れ路三叉路を少し通り過ぎたところで左折して,住宅地の路地に入る.
 なだらかな下り坂を進むと,滑川に架かる大蔵稲荷橋がある.
  
<大蔵稲荷橋>                              <大蔵稲荷>

■大蔵稲荷
 大蔵稲荷橋を渡ると,立派な鳥居が立っている.その先にかなり長い登り坂の階段がある.まだ沢山の残雪がある.この階段を上り詰めて,15時05分,大蔵稲荷に到着する.
 大蔵稲荷の社殿は上の写真のように小振りだが,この社殿を保護するように建屋が作られている.
 手許の資料だけでは,大蔵稲荷の由来など全く分からないが,去る方から伺った話では,大倉(大蔵)幕府と関連があるとのことだが,定かではない.とはいえ,由来が良く分からないことが,また,私にとって魅力でもある.
 神社の裏手には散策路があり,北条腹切りヤグラ付近に出ることができるが,今は立ち入り禁止になっている.私たちも,お参りを済ませた後,往路を引き返す. 


<大蔵稲荷の参道>

<小町大路に沿って>

■妙?寺
 宝戒寺前を通過して小町大路を南へ向かう.
 途中から右折して住宅地内の路地に入る.さらに,若宮幕府跡石碑手前の三叉路を左折する.この道は,妙?寺の参道に突き当たって終わりになる.
 妙?寺は,つい先日,鎌倉七福神巡りで訪れたばかりだが,梅が咲いているので今回も立ち寄ることにする.

<妙?寺>

■本覚寺
 妙?寺から,また,小町大路に出る.
 15時35分,日蓮辻説法跡を通過する.小町大路は自動車の往来が結構多いので,どうも気楽に歩けないのが残念である.
 15時42分,本覚寺に到着する.
 本覚寺は由緒ある大寺院だが,境内を自由に散策することができる.とても気が休まる寺なので,私のお気に入りの寺である.もっとも私は日蓮宗の宗徒ではないが…
 境内の紅梅,白梅が美しい.

<本覚寺の紅梅と白梅>

<鎌倉駅に戻る>

■大巧寺
 私たちは小町通り入口近くにあるレストラン「モア」で,16時から懇親会を開く予定にしている.
 まだ,少々時間があるので,鎌倉駅前交差点近くにある大巧寺の梅を,ちょっとだけ見ておくことにする.
 15時50分,若宮大路側の大巧寺入口に到着する.ほんの2〜3分だけだが,境内の梅を見て回る.

<大巧寺>

■小町通り「モア」で懇親会
 15時58分,鎌倉駅前に無事戻る.正に予定時間ドンピシャである.
 駅前で次回再会を約して一旦解散,遠方にお住まいのお一人を除いて,全員が懇親会に出席するという.
 16時丁度に「モア」に入る.
 顔見知りのウエイトレスが愛想良く私たちを出迎える.例によって,女性群の皆さんは,ここで夕食を摂るようである.私はコーヒーだけで済まそうかと思っていたが,甘党の男性に誘惑され,ベタベタとした甘いものも所望する.
 ウエイトレスが,
 「珍しいですね,何時もコーヒーだけですのに…」
と私に言う.
 “これまで何をオーダーしたのか良く覚えているな…”
と私は一人で感心している.

<「モア」の400円也のコーヒー>

■無事帰宅
 16時40分,私はバスの時間に合わせて,皆さんより一足先に「モア」を後にする.
 16時47分,バス停鎌倉市役所前に到着.16時55分発鎌倉中央公園行のバスに乗車する.バスは少し立ち席が出るほどの混雑である.でも,途中,数カ所のバス停に停車する間に,たちまちガラガラに空いてくる.
 バス停梶原口に到着.たまたま梶原口近くのスーパーで買い物をしていた私の同居人が,同じバスに乗車してくる.偶然のバッタリである.ひょっとしたら神様が偶然を作ってくれたのかもしれない.
 自宅近くのバス停で下車.仕方がないので同居人が持っている重たい買い物袋を持ってやる.でも,まあ,…同居人には,まだ,多少のスベッタコロンダの痛さが残っているにしても,良くここまで回復したものだ…私は率直に嬉しく思っている.
 今日一日も,仲間と一緒に,楽しくお散歩をすることができた.
 “ハッピー,ハッピー…良かった! 良かった!”
である.

<ラップタイム>

 9:25  鎌倉駅前歩き出し
 9:38  巽神社
 9:47  刃稲荷
 9:49  寿福寺(10:00まで)
10:05  英勝寺(10:30まで)
10:34  護国寺
10:53  青梅聖天(11:00まで)
11:09  鶴岡八幡宮(11:30まで)
11:47  荏柄天神(12:00まで)
12:10  鎌倉宮(12:51まで昼食)
12:58  永福寺跡(裏山一回り)
13:55  瑞泉寺(14:25まで)
15:05  大蔵稲荷
15advanced.bold_desc:30  妙?寺
15:35  日蓮辻説法跡
15:35  本覚寺(15:47まで)
15:50  大巧寺(15:55まで)
15:58  鎌倉駅(解散)

[散策記録]

■水平歩行距離     10.0km

■累積登攀高度     234m

■累積下降高度           234m

■所要時間(休憩時間込み)
   鎌倉駅前発           9:25
      〃  着          15:58
  (所要時間)        6時間33分(6.55h)
  水平歩行速度  10.0km/6.55h=1.53km/h 

[参考資料]

資料1;鎌倉商工会議所(監),2008,『改訂版鎌倉観光文化検定公式テキストブック』かまくら春秋社
資料2;鎌倉市教育委員会,2009,『かまくら子ども風土記』鎌倉市教育センター

                                                                              (おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/72bdccbf433cd4225cf2fe779c853c80
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスご容赦


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