神奈美会員展;作品(2)『ガルフォニッケン山』水彩画、F20
(2020第31回神奈美会員展)
2020年10月13日(火)
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https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0e9029cc259b398ff8b849153fc78799
■コロナ騒ぎ最中の展覧会
前の記事でもちょっとふれましたが、今回の展覧会は、正に新型コロナウィルス流行の真っ最中に開催されたという意味では神奈川美術協会の歴史に残る展覧会でした。コロナのこともあって、出品する方が何時もより少なくて、少々寂しい展覧会になってしまったのが残念です。毎度行われているフロア・トークや懇親会もなく、終わってしまいました。
今回、私は何時ものように2枚の作品を出品しました。1枚目は「前の記事」で投稿しましたが、今回は2枚目です。
■私の作品(2枚目)
作品名:『ガルフォニッケン山』
画用紙、水彩、F20
(今回はいつもの半分の大きさです)
今回の写真も、会場の壁などが額のアクリルに反射して写り込んでしまい、何となく薄汚れた感じに写ってしまったのが残念です。黄ばんで写っている額縁に枠の色は本当は「白」です。それが薄汚い黄土色になってしまいました。この絵も実はもっと済んだ色の絵なんです。それがお伝えできないのが何とも悔しいです。でも絵の構図などはこの写真でもお分かりいただけるかと思います。
この絵も、今から4~5年前に登ったノルウェーの最高峰、ガルフォニッケン山の山頂近くでのスケッチをたたき台にして画きました。ガルフォニッケン山の標高はそれほど高くはありませんが、途中から登山道がなくなり、岩礫が累々と重なる尾根に沿って歩きます。途中の岩、50メートル間隔ぐらいで、ペンキを塗った目印がありますが、もし深い霧が辺りに立ちこめたら全く歩けなくなる危険があります。私たちは数名のパーティ、現地ガイドが1人つきました。
岩礫ばかりのところを歩くのは予想以上に疲れます。歩いても、歩いても、なかなか山頂に到着しません。山頂近くになると広大な雪渓が広がっています。だんだんと高いところまで登ると視界が開けます。ず~っと地平線の堅田まで、尾根が幾重にも重なって見えるようになります。同行者全員が、思わず、
”うわあ、、、凄いな”
と感動しました。この素晴らしい光景は今でも目に焼き付いています。
私はこの感動を、絵を見てくださる方に、どうしたら一番率直に伝えることができるんだろうかと迷いながら画きました。でも、無理、無理。
私は累々と重なる尾根を水平線の重なりを強調する構図にしました。そして縦方向の要素は画面の中央から少し右に聳える尖鋒だけにしました。従ってこの絵の焦点はこの先鋒。ここは思い切って濃い色にして、見てくださる方々の視線が集まるようにしました。その後ろのある小さな先鋒には、見てくださる皆様の目線を誘導する役割を持たせました。そして誘導させていただいた目線が慣性をもって水平に重なる峰々に誘導できれば嬉しいです。目線の最後は左に小さく画いた二人の登山者の後ろ姿です。
私のサインは右下に目立たないように黒で入れてあります。もしここに白い色でサインをしてしまうと、そのサインが目立ってしまい、見てくださる方の視線を妙な方向に誘導してしまいそうです。
こんな下手な絵を描くときでも、私なりにいつも自分の山に抱く気持ちを、折角絵を見てくださる方々にどうやったら一番素直に伝えられるで迷っています。この迷いは苦痛でもありますが楽しみでもあります。
(おわり)
「閑話休題;セピア色の画集」の次回の記事
(なし)
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